副業の基礎知識

副業の確定申告は絶対に必要?確定申告をしない基準、する基準とは

公開日:2017/09/27
最終更新日:2021/06/17

副業の確定申告をするべきか、基準がわからなくて困っている方も多いのではないでしょうか。副業の確定申告は、1年間の所得が20万円を超えなければ不要ですが、正確に判断するためには「所得」について正しく知っておく必要があります。

本記事では、副業の確定申告の基準と注意点について詳しく解説します

副業の確定申告は絶対に必要?確定申告をしない基準、する基準とは

目次

副業の確定申告すべきかを決めるポイント

会社員の副業で確定申告をするか、しないか、を決める判断のラインは所得20万円です。

例えば、副業でアルバイトやパートをしていて「給与所得」がある場合、年間20万円を超えなければ確定申告をしなくても構いません。また、副業で原稿やイラストを作成して「事業所得」、もしくは「雑所得」を得ている場合も、その所得が年間20万円を超えなければ確定申告をする必要はありません。

所得と収入の違い

大前提として、「収入」と「所得」の違いに注意してください。収入は入ってきたお金の総額であり、個人事業主の場合は売上総額が収入となります。一方、所得は収入から必要経費を差し引いた金額です。

イラストレーターの場合、イラストの売上が収入、そこからソフトのライセンス代や資料代などの必要経費を差し引いた金額が所得となります。

10種類の所得とは?

また、副業の種類によって所得の種類は異なります。所得について解説した上で、代表的な副業と確定申告の基準について見ていきましょう。

<所得の種類>

  • 事業所得:自営業によって得られた所得、あるいは事業規模で行う株式譲渡や先物取引による所得
  • 不動産所得:賃貸マンションやアパートの家賃収入による所得
  • 利子所得:国内外の預貯金や公社債の利子などから得られた所得
  • 配当所得:株式の配当などによる所得
  • 給与所得:企業に勤めて得られる給料やボーナス、役員報酬などの所得
  • 雑所得:執筆や講演が本業ではないが、原稿料や講演料などを臨時でもらった場合の所得、年金や恩給による所得など
  • 譲渡所得:土地や建物、株式、ゴルフ会員権などを譲渡したことによる所得
  • 一時所得:生命保険の一時金、懸賞の当選金、何らかの大会の賞金などの所得
  • 山林所得:山林の立木を伐採して譲渡したことなどによる所得
  • 退職所得:退職金、一時恩給、確定拠出年金による一時払い老齢給付金などの所得
引用:国税庁「所得の種類と課税方法

アルバイト・パートの給与所得と確定申告

本業のほかにアルバイトやパートの副業をしている場合は、本業と同じく「給与所得」を得ていることになります。

本業の給与所得に関しては、会社が年末調整を行い、1年の終わりに納税金額の過不足を調整してくれますが、副業で得ている給与と本業の給与を合算した金額で、自分で確定申告しなければなりません。前述したように、年間20万円以上の給与所得を副業先から得ている場合は、確定申告をしましょう。

クラウドソーシングや内職などの雑所得と確定申告

クラウドソーシングや内職で得た副業の収入は、「事業所得」または「雑所得」に分類されます。

継続性があり独立して行なっている場合は「事業所得」と考えていいでしょう。例えば、翻訳スキルがあり継続的に翻訳案件を受注し、自宅に帰ってから夜や土日を利用して仕事をする場合などが該当します。

継続性がなく金額が小さい、お小遣い稼ぎのような場合は「雑所得」です。例えば、ブログを運営しアフィリエイト広告から収入があった場合などが該当します。ただし、継続して毎月まとまった金額が入ってくるようであれば「事業所得」と考えていいでしょう。

事業所得も雑所得も、売上(報酬)から経費を差し引いた金額が20万円以上の場合、確定申告が必要です。

30万円の売上に対して経費が5万円だった場合、課税対象になる所得金額は25万円で確定申告が必要です。30万円の売り上げに対して経費が15万円だった場合は、所得が15万円になるので確定申告は必要ありません。

事業所得と雑所得の違い

事業所得の場合、以下のようなメリットがあります。

  1. 他の所得と損益通算が可能
  2. 確定申告時に青色申告の選択が可能
損益通算とは、赤字を黒字を相殺することをいい、赤字の所得を他の黒字の所得から差し引くことができます。また、確定申告時に青色申告を選ぶことで、最大65万円の青色申告特別控除が得られることも大きなメリットです。

事業所得と雑所得の区分に明確な基準はありませんが、「営利性、有償性の有無、継続性・反覆性の有無、自己の危険と計算における企画遂行性の有無」等を総合的に検討して判断するとされています。

簡単に表すと以下のようなポイントになります。
  • 継続した期間で安定した収入が得られる
  • 儲かる可能性がある
  • 相当な時間を費やしている
  • 職業として認知されている
近年、事業所得のメリットを悪用し脱税されるケースが増えていることから、税務署から事業内容の説明を求められることがあります。副業を事業所得で申告する場合は上記のポイントを踏まえてきちんと説明できるようにしておきましょう。

株式・FXなどの投資と確定申告

株式や暗号通貨の場合、一時的な収入であれば、「譲渡所得」、所持している株式の配当が出れば「配当所得」です。FXによる収益は「雑所得」とされています。

株式投資の場合、利用する口座の種類によって確定申告が必要か、必要でないかが異なります。特定口座(源泉徴収あり)で株式投資をすると、あらかじめ税金が源泉徴収されているので確定申告は不要です。ただし、確定申告をすることで、源泉徴収で払いすぎた税金が還付される可能性があります。

特に、2020年の税制改正によって、2022年の所得から、源泉徴収される口座の中にラップ商品など投資一任契約に係る費用が含まれる商品がある場合、その費用を経費に参入できるようになる予定です。

一般口座や特定口座(源泉徴収なし)で取引をして利益を出した場合は、利益金額に関わらず確定申告をする必要があります。

不動産所得と確定申告

副業でマンションやアパートからの家賃収入を得ている場合は、「不動産所得」の扱いになります。

不動産投資は「5棟10室基準」と言って、貸家で5棟以上またはアパートやマンションなどの区分所有物件で10室以上の規模であれば、事業的規模と認められます。

事業的規模と認められても所得区分は不動産所得のままですが、青色申告特別控除65万円が利用可能になったり、家族への給与を経費にできたり、収不能の賃料を必要経費として算入できたりするなどのメリットを得られます。

そのため不動産投資を副業として真剣に取り組むのであれば、この事業的規模を目指すと良いでしょう。厳密に5棟10室でなくとも、1物件の規模が大きい場合は、2〜3棟でも事業的規模として認められることもあります。

参考:国税庁「事業としての不動産貸付けとの区分

なお、不動産所得も年間20万円を超えると確定申告をしなければなりません。

また不動産投資の場合、駐車場など更地への投資でなければ、購入した不動産を構成する建物や設備の減価償却費が発生します。減価焼却費は、建物や設備などを購入年度ではなくその後複数年度に渡って分割して経費化する会計のルールで、実際の出金は無いのに必要経費として所得から控除できるので、大きな節税効果を得られます。

特に不動産投資は赤字の場合、他の所得と損益通算できるので、減価償却費の大きな物件に投資した場合、実際に家賃収入が得られているのに本業の節税まで実現できてしまうこともあります。

所得が20万円以下でも住民税の申告を

重要な注意点として、副業の所得税は所得が20万円以上からですが、自治体に納める住民税は所得が20万円以下でも課税されますので、忘れずに申告しましょう。

マイナンバーで、副業は会社にバレるのか?

パートやアルバイトなどの給与所得での副業、あるいは原稿料など報酬型の副業などの場合、会社や依頼主にマイナンバーを知らせることになっています。

マイナンバーを管理している役所や企業は、マイナンバーの目的外利用がきびしく制限されています。副業の実態を調査するようなマイナンバーの使い方はできませんし、仮に会社が役所に問い合わせても、回答してくれません。

そのため、マイナンバーがきっかけで会社に副業がバレることはありませんが、会社が副業を認めているのか就業規則などできちんと確認しましょう。会社によっては申請書などの提出が必要なケースもあります。

副業がバレたくないから確定申告をしないのはNG

本業の会社に副業がバレる可能性が高い原因の一つに住民税があります。これは副業の所得分を確定申告することで、その分の住民税が高くなるからです。住民税が原因で副業がバレるのが嫌、などの理由で確定申告をしないのは脱税行為になり、延滞税より重い重加算税が課せられます。

解決策としては、住民税の納付を「特別徴収」ではなく、自分で納める「普通徴収」にしましょう。「特別徴収」では会社の給与から副業の所得分も含めた住民税が引き落とされますが、「普通徴収」にすれば副業分の住民税は自分で納税できるようになります。

普通徴収にする方法は簡単で、確定申告をするさいに書類の中の「自分で納付(普通徴収)」の所にチェックをするだけです。自治体によっては情報漏れの削減を目的として、普通徴収を認めず、特別徴収を徹底している場合もあるので、自治体に確認しておくと良いでしょう。

参考:東京都資料

確定申告しないと損をするケース

副業の所得が20万円以下でも、確定申告をしないと損をするケースもあります。

青色申告をしていて赤字がある

青色申告をしている場合、赤字は翌3年間繰り越せます。しかし、赤字を繰り越せるのは、確定申告をしたときだけです。翌3年のうちに利益が出ると繰り越した赤字と相殺できるため、確定申告をしないと損になります。

ちなみに、青色申告は期限内に申告しないという状況が2回あると、青色申告の承認が取り消されることがあります。

売上から源泉所得税が差し引かれている

原稿執筆やデザイン制作では、あらかじめ売上から源泉所得税が差し引かれている場合があります。これは税金の前払いです。確定申告をすることで、税金が還付金として戻ってくることがあります。

もし副業したらどれくらいの税金がかかる?

すでに副業をしている方や、これから副業をしようと考えている方は、所得税や住民税、社会保険料がいくらになるのかを把握しておく必要があります。

また、同じ副業でも白色申告と青色申告の場合で納税額が大きく異なることもありますので、確定申告の際に慌てないためにも、一度無料診断をしてみるのが良いでしょう。確定申告ソフトのfreeeでは、登録不要で最短1分で税額を診断できる「副業の税額診断」を無料で提供しています。

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