副業の基礎知識

複業とは?副業との違いやどんな働き方なのかを解説

最終更新日:2021/07/19

複業とは?副業との違いやどんな働き方なのかを解説

「複業」という言葉をご存知でしょうか。働き方が多様化する中で、複数の仕事をする人が増えています。複数の仕事を持つことの魅力は、それぞれの仕事が相互に良い影響を与えることや、収入のベースが1つに絞られていないことです。

本業の仕事をしながら、空いた時間や休みの日に行う「副業」とはまた違った働き方で、より専門性や時間管理能力が求められます。

この記事では、「複業」の定義と、実際に複業をしている人の実例を紹介します。

目次

複業と副業の違いとは

複業と同じ読み方に「副業」があり、はっきりとした区別がついていない方もいるのではないでしょうか。まずは、この2つの違いを見ていきましょう。

副業とは?

「副業」とは、本業以外の仕事をして収入を得ることです。雇用形態によってアルバイトや在宅ビジネス、内職などに分類されます。

これまで、日本では副業を原則禁止している企業が多く、厚生労働省が制定した「モデル就業規則」にも副業は原則禁止と記載されていました。

しかし、2017年3月に閣議決定された「働き方改革実行計画」では、テレワークや副業、兼業などの柔軟な働き方の実現が目標となりました。2018年1月には、厚生労働省が「副業・兼業推進ガイドライン」を作成したことにより、労働時間外では他社の業務に従事できるように「モデル就業規則」が改正されました。

第14章 副業・兼業
(副業・兼業)

第68条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合

そして、2020年9月の「副業・兼業推進ガイドライン」改定では、副業・兼業中の労働時間の管理や健康管理のルールが明確化されました。

これを受けて、副業を解禁する企業が徐々に増えています。

複業とは?

「複業」とはその名の通り、複数の仕事を持つことです。

「副業」に比べて、「複業」はより多くの収入を得る可能性が高く、かつ多くの時間と労力を必要とし、限りなく本業に近い仕事と言えます。本業を複数持っているというイメージを持つと良いでしょう。

本業の空き時間で行われることが多い「副業」は、重い責任を負わないことが多いのに対し、「複業」は本業に限りなく近く、高度な専門性やプロ意識が求められます。

複業をする人が増えている?

ランサーズが2015年から実施している「フリーランス実態調査2021」では、複業系パラレルワーカーの人口は281万人となっており、2015年の92万人から実に3倍以上に増加しています。

ちなみに、ランサーズでは複業系パラレルワーカーを「雇用形態に関わらず、2社以上の企業で契約ベースで働くワーカー」と定義しています。

また、2020年8月に発表された「在宅勤務推奨時における副業・複業者のサービス利用状況調査」では、3割が新型コロナウイルス感染が流行して在宅勤務が推奨された2020年2月以降に副業・複業を開始したと回答しています。

副業・複業を始めた理由は、「収入が減ったため」が14.5%で最も多く、2番目に多かったのは「自分のスキルアップのため」で9.2%でした。コロナ禍での収入減や将来の不安から、通勤時間の減少等で浮いた時間を利用して副業・複業を開始した人が増加したと推測されます。

実際に複業をしている方の事例

会計ソフトのfreeeが運営する「パラキャリ」では、企業に所属しながら自分の会社を経営する方や、肩書き・専門分野を複数持っている方など、「複業家」の方々へのインタビューを行なっていました。こちらのメディアのインタビューから、複業の事例をいくつかご紹介します。

女優×フリーライター×スナックのチーママ、元アイドルのセカンドキャリア

女優として10代の頃から数多くの連ドラやCMで活躍し、20歳でアイドルに転身。SDN48のメンバーとして活動した経歴を持つ大木亜希子さん。SDN48解散後は会社員として働き、現在は女優、フリーライター、スナックのチーママとして「二足のわらじ」ならぬ「三足のわらじ」を履いた生活を送っています。

女優×フリーライター×スナックのチーママ、元アイドルのセカンドキャリア

会社員×ライター×ママ トリプルキャリアに突入したロフトワーク石川真弓さん

株式会社ロフトワークに籍を置く石川真弓さんは、同社の正社員として働きながら、週に1日はフリーランスのライターとしても活動。4年以上前から、本業とは別の仕事を持つパラレルキャリアを実践しています。

さらに、2017年1月には第一子を出産し、「子育て」という3つめの役割が加わり「トリプルキャリア」となりました。

会社員×ライター×ママ トリプルキャリアに突入したロフトワーク石川真弓さん

新しい知見・成長を求めて3社で働くエンジニア

freee株式会社では正社員として働きながら、副業をしている社員もいます。その中の一人が、松崎啓治さん。freee株式会社のエンジニアとして人事労務freeeの開発に関わるほか、ほかの会社からも案件を引き受けています。

新しい知見・成長を求めて3社で働くエンジニア

複業のメリット

ここまで見てきたように、複業をする人が増えてきており、その働き方は人によって大きく異なります。

ここからは、複業のメリットについて見ていきましょう。

複数の収入源で収入アップになる

複数の仕事をすることの大きなメリットは、複数の収入源を持つことで収入を増やすことができるという点です。

収入が増えることで、大きな安心感を得ることができます。先ほどの調査結果から見えたように、このコロナ禍での収入減や将来の不安を払拭するにも効果的と言えるでしょう。

複数の仕事を経験できる

2つ目のメリットは、複数の仕事を経験できることです。1つの会社だけで働いていると、自分のスキルの成長や知識の広がりに限界を感じることがあります。

しかし、複業をすることで、他の仕事からスキルや知識を得られる可能性が十分にあります。スキルの幅が広がれば、対応できる業務の幅も広がります。また、複業しているそれぞれの仕事がお互いに良い影響を与える可能性も多くあります。

また、本業とは異なるコミュニティに所属することで、新たな人脈ができたり、全く新しい発想を得ることができます。複数の仕事を持つことで人生が豊かになったと感じる人もいます。

リスクヘッジになる

最近では大企業が倒産することも珍しくありません。1つの会社だけに所属することはもはやリスクとも言えます。本業の収入が減っても、複数の仕事をすることで、収入面でもキャリア面でもリスクを分散することができるのです。

また、転職や起業を考える際にも複業は有効です。転職や起業をする際は、「今までよりもよい仕事をしたい。よりよい職場環境で働きたい。」と考えることでしょう。

しかし、転職先の会社や業界について十分なリサーチをしていなかった、職場の人間関係に問題があった、期待されていた役割と自分のできることが違っていた、というような話を聞くことも珍しくありません。また、起業に関してもサービスや単価など色々と考えて起業したのに、いざやってみると自分に経営は向いていなかったと後悔している人もいます。

このようなミスマッチは、複業を体験することによりある程度防ぐことができます。

複業のデメリット

次に、複業のデメリットを見ていきましょう。

一つの仕事へのコミットメント度が低い

複数の仕事を持つ場合、1つの仕事にかける労力や時間が分散してしまいます。それが良い方向に働くこともありますが、1つの仕事にもっと熱中したい場合には、中途半端に感じてしまうこともあるようです。

そのような状況でも、それぞれの仕事の精度を維持しなければならず、複業は生半可な気持ちでは続けることができません。

自己管理能力が求められる

仕事を複数持つ場合には、それぞれの仕事のバランスを取る必要があります。前述した、1つの仕事へのコミットメント度にも関係がありますが、どの仕事にどれくらい労力を割くか、自分自身で調整する必要があります。

時間管理能力や自己管理能力が低いと、納期遅れやオーバーワークなどにより他人に迷惑をかけることになります。

複業を認めている会社が少ない

複業の考え方は少しずつ浸透してきていますが、それでもまだ複業を認める会社は多くありません。

リクルートキャリアの「兼業・副業に対する企業の意識調査(2019)」によると、兼業・副業を容認・推進している会社は30.9%となっており、7割近くの会社が未だ複業には積極的ではないといえます。

そのため、複業をするにはフリーランスにならないといけないケースもあるようです。会社員を続けながら複業をしたい場合は、複業を認めている会社を探す必要があります。

フリーランスの複業家になるなら

会社が複業を認めていない場合は、フリーランスとして独立し、業務委託という形で複数の会社と契約を結ぶという方法もあります。

実際に、「Wantedly」などの求人サイトでは、正社員募集だけではなく、業務委託の募集も多数あります。

フリーランスは会社員に比べて、保障面での不安が残るという方も多いかと思います。これを受けてクラウドソーシングのランサーズでは、フリーランサーにも会社員と同様の待遇を受けられるよう「Freelance Basics」というサービスの提供を開始しました。

「Freelance Basics」の会員になると、請求書作成や確定申告ソフト、税理士への依頼などが無料または格安で利用することができます。また、その他にも個人型確定拠出年金やフリーランス向け賃貸・与信サービス、ホームページ制作サービスなどがあります。

また、フリーランスとして独立開業する場合は「開業届」、そして青色申告をする場合は「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。「freee開業」では、ステップに沿って簡単な質問に答えるだけで、必要な書類がすぐに完成します。

まずは副業から始めるのもあり

複業を認めていない会社は多いですが、最近では「副業」は認められるようになってきています。そのため、まずは「副業」から始めてみるのもよいでしょう。

副業で稼げそうだと感じたら、その副業の仕事を少しずつ大きくしていき本業に近づけていきましょう。実際に、副業が本業になった人はたくさんいます。

確定申告はいくらから必要?

副業が認められている場合でも、確定申告については事前に知っておく必要があります。また、今働いている会社が副業を認めていなくても、転職などで会社を変える可能性はあります。副業を検討しているのであれば、確定申告について知っておいて損はありません。

「確定申告」とは、自分の所得を計算して税務署に納税額を申告することです。

会社員の方で「副業の所得が1年間で20万円を超えた場合」は確定申告をする必要があります。所得とは「売上-経費」のことです。売上が100万円あったとしても、経費に85万円かかっていれば所得は差し引き15万円になるので確定申告は不要です。

参考:国税庁「初めて確定申告される方へ:令和2年分 確定申告特集

また、確定申告について不安がある方は、各税務署や市町村などで相談を受け付けていますので、そちらを利用してみてはいかがでしょうか。

参考:
国税庁「税についての相談窓口
公式 福岡 市政だより「確定申告相談のお知らせ

もし副業したらどれくらいの税金がかかる?

すでに副業をしている方や、これから副業をしようと考えている方は、所得税や住民税、社会保険料がいくらになるのかを把握しておく必要があります。

また、同じ副業でも白色申告と青色申告の場合で納税額が大きく異なることもありますので、確定申告の際に慌てないためにも、一度無料診断をしてみるのが良いでしょう。確定申告ソフトのfreeeでは、登録不要で最短1分で税額を診断できる「副業の税額診断」を無料で提供しています。

副業の税額診断イメージ図

あなたの年収、副業の見込み年収、経費の割合を入力します。

診断結果イメージ図

納税額と青色申告・白色申告を簡単比較!副業をした場合の所得税や住民税、社会保険料が実際にいくらになるのかを確認することができます。

まとめ

今回の記事では、複業と副業の違いや、複業のメリット・デメリットについてご紹介しました。複業のニーズは着実に高まっており、柔軟な働き方の一つとして注目を集めています。今後、副業もしくは複業を考えている方は、どんな働き方なのか、税金のことについて知っておいて損はありません。

今回の記事を参考に、働き方だけではなく、複業家・副業家の方が知っておくべき税金の知識も把握しておきましょう。

freee開業

freee開業

個人事業の開業に必要な書類を無料で、自動作成することができます。開業時の忙しい時期の作業を大幅に軽減。青色申告をしたい方は開業届の提出が必須です。そのほかに必要な書類も、ステップに沿って入力するだけで簡単に作成可能!