副業の基礎知識

なぜ副業を禁止するの?企業が副業を禁止する理由

2018年は副業元年と言われ、大手企業が何社も副業解禁を宣言し話題を呼びました。しかし、依然として副業を禁止する企業が多くの割合を占めています。なぜ企業は副業を禁止するのでしょう。
今回の記事では、企業が副業・兼業を禁止する理由や、その背景についてご紹介していきます。

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目次

日本国憲法・労働法と副業

副業禁止について考える前に、そもそも日本国憲法と労働法では副業をどのように規定しているのかを見ていきましょう。
まず、日本国憲法は第22条1項で「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転および職業選択の自由を有する」と定めています。

つまり、終業後や休日の時間に会社以外の仕事をしたとしてもそれは国民の自由です。副業をすることは憲法の職業選択の自由で保障されていると言ってもいいでしょう。

また、労働法でも副業の禁止は明確には定められていません(ただし、公務員は公務員法で副業が禁止されています)。

過去の裁判例でも、労働者が本業以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由と判断しています。
ただし、下記のようなケースでは副業が制限されてもおかしくないでしょう。

  • 労務提供上の支障となる場合
  • 企業秘密が漏洩する場合
  • 企業の名誉・信用を損なう行為がある場合
  • 信頼関係を破壊する行為がある場合
  • 競業により企業の利益を害する場合

以下に、実際に副業が原因で裁判となり、解雇となった事例・解雇にならなかった事例をご紹介します。

<副業・兼業に関する裁判例>
小川建設事件(東京地決昭和57年11月19日)
毎日6時間にわたるキャバレーでの無断就労を理由とする解雇について、兼業は深夜に及ぶものであって余暇利用のアルバイトの域を超えるものであり、社会通念上、会社への労務の誠実な提供に何らかの支障を来す蓋然性が高いことから、解雇有効とした事案

東京都私立大学教授事件(東京地判平成20年12月5日)
教授が無許可で語学学校講師等の業務に従事し、講義を休講したことを理由として行われた懲戒解雇について、副業は夜間や休日に行われており、本業への支障は認められず、解雇無効とした事案。
参考:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン

小川建設事件のような副業を行えば処分の対象ですが、勤務先会社への重大な背信行為や勤務に大きな支障のないレベルの副業については、裁判所は解雇処分を無効としています。

しかし、法律的に罰則を受けないとしても、副業が禁止されている会社で黙って副業をしてそれがバレた場合、昇進や給与などの待遇面に少なからず影響するでしょう。会社の就業規則で副業が禁止されているのであれば、よほど切迫した理由がない限り、副業はしない方が無難と言えます。

会社が副業を禁止する理由とは?

ここからは、実際に企業が副業を禁止する理由をご紹介します。リクルートキャリアが2018年に実施した「兼業・副業に対する企業の意識調査」によると、副業を容認・推進している企業は28.8%、7割の会社は禁止していると回答しました。

企業が副業を禁止する理由には、以下のようなことがよく挙がります。

  • 本業への影響、支障が出ないか心配
  • 情報漏洩の心配
  • 問題が起こった場合のブランド毀損
  • 労働時間の管理・把握

画像の出典:リクルートキャリア「兼業・副業に対する企業の意識調査

実際に、リクルートキャリアが行った調査によると、副業を禁止する理由でもっとも多かったのが「社員の⻑時間労働・過重労働を助⻑するため」で44.8%、次いで「労働時間の管理・把握が困難なため」が37.9%と、社員の健康面・管理面を心配する理由があがりました。また、情報漏洩や競合との利益相反を心配する声もあがっています。

2018年1月にモデル就業規則が改定され、副業・兼業に関する規定が追記されましたが、それまでは副業は原則として禁止とされていました。これまでの方針と大きく転換されたため、考え方や会社の仕組み変更が追いつかず、さらに先行事例も少ないために、こういった不安の声があがるのかもしれません。

大手企業も副業を解禁

そんな中、大手企業で副業を解禁した企業もあります。これらは先進的な事例として社会が注目しました。例えば、ロート製薬は土・日・祝日と就業後に副業を行える「社外チャレンジワーク」と、部署を掛け持ちできる「社内ダブルジョブ」の制度を設け、大きな話題を呼びました。企業・部門の枠を超えた働き方をして人との繋がりを広げることで、社員自身が成長することを目的としています。

また、グループウェアのサイボウズも、就業規則で「正社員は、会社の資産を毀損する可能性のある場合を除き、副業を行うことができる」と規定しています。

サイボウズ社員の副業の例
参照「サイボウズにおける副業(複業)の推進事例

副業のメリットとは

まだまだ副業を禁止する企業が多数ですが、副業には多くのメリットがあり、今後増加していくと言われています。
例えば、クラウドソーシングサイトのランサーズが実施した「フリーランス実態調査 2018年」によると、副業の経済規模は約8兆円にものぼるそう。個人や会社の成長だけではなく、経済的な効果も見込めるのです。

会社員にとっての副業のメリットは、収入が増加することや、スキルアップ、さらにはやりたい仕事をすることでクオリティ・オブ・ライフの向上にも繋がると言われています。また、先行きが不透明な時代ですので、一つの仕事に縛られないことで、リスクヘッジになるでしょう。

企業メリットは、社内だけでは得られない知識・スキルを社員が獲得できる点や、事業機会の拡大につながる点です。実際に、「働き方改革実行計画」では、政府は副業を下記のように評価しています。

副業や兼業は、新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、第2の人生の準備として有効。

注意点は、就業時間の把握や健康管理です。また、副業が本業に支障を与えないよう、職務専念の義務を果たすことや、秘密保持義務に対しても社員・会社双方が注意を払う必要があります。

さらに、年間の副業収入が20万円を超えた場合は、確定申告の必要も出てきます。

もし副業したらどれくらいの税金がかかる?

すでに副業している方やこれから副業を考えていらっしゃる場合は、ご自身の所得税・住民税・社会保険料がいくらになるのか把握する必要があります。

また、同じ副業でも白色申告と青色申告の場合で大きく納税額が異なることもありますので、確定申告の際に慌てないためにも、一度無料診断をしてみるのが良いでしょう。確定申告ソフトのfreeeが無料で提供する「副業の税額診断」では、最短1分・登録不要で税額を診断することができます。

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まとめ

今回の記事では、なぜ企業が副業を禁止するのかについてご紹介しました。副業解禁が話題となっていますが、依然として多くの企業が副業に積極的ではありません。副業や兼業には多くのメリットがありますが、これまでの日本企業の方針と異なることや先行事例の少なさから、まだ多くの企業は副業解禁には踏み切ることができないのかもしれません。
しかし、副業には個人・会社・社会…全てに良い影響を与える可能性があります。今後、副業を解禁する企業は増えていくかもしれません。そんな時に、注意しなくてはいけないのが納税です。税額診断サービスを参考に、いくらから確定申告と納税が必要かを、事前に知っておきましょう。

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