アメックス法人カードは、事業用の支払いを集約できるクレジットカードです。
本記事では、公式発行のグリーン・ゴールド・プラチナを中心に、年会費・特典・審査の違いを整理します。
目次
- アメックスの法人カードとは
- アメックスの公式法人カード3種類の比較
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・グリーン・カード
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード
- アメックス法人カードのメリット
- 利用可能枠に一律の上限がない
- ポイントとマイルの活用度が高い
- 出張・接待で使えるT&E特典
- 会計ソフトと連携して経理業務を効率化
- アメックス法人カードのデメリットと注意点
- 年会費が他社の法人カードより高い
- ゴールドではプライオリティ・パスが付帯しない
- 年会費を抑えたい場合は提携カードが選択肢
- アメックス法人カードの審査と申し込み
- 申し込み資格と必要書類
- 審査で見られる3つのポイント
- 申し込みからカード受け取りまでの流れ
- 公式発行と提携カード(セゾン)の使い分け
- まとめ
- よくある質問
アメックスの法人カードとは
アメックス(American Express)の法人カードとは、事業の経費決済に使えるクレジットカードです。アメックスが自社で発行する公式カードと、セゾンカードなどが発行する提携カードに分かれます。
公式発行の法人カードは、対象とする事業規模によって次の2つに整理できます。
ビジネス・カードとコーポレート・カードの違い
- ビジネス・カード:個人事業主・中小企業向け
- コーポレート・カード:中堅・大企業向け
個人事業主や中小企業が検討しやすいのは、グリーン・ゴールド・プラチナの3種類があるビジネス・カードです。年会費を抑えたい場合は、セゾン発行などの提携カードも選択肢になります。
アメックスの公式法人カード3種類の比較
アメックス公式のビジネス・カードは、グリーン・ゴールド・プラチナの3種類です。年会費・特典・付帯保険が異なるため、利用シーンに応じて選びます。
<公式発行ビジネス・カード3種の比較>
| 項目 | ビジネス・グリーン | ビジネス・ゴールド | ビジネス・プラチナ |
|---|---|---|---|
| 年会費(税込) | 13,200円 | 49,500円 | 165,000円 |
| 利用可能枠 | 一律制限なし | 一律制限なし | 一律制限なし |
| ポイント還元率 | 0.5〜1.0% | 0.5〜1.0% | 0.5〜1.0% |
| 海外旅行傷害保険 | 最高5,000万円 | 最高1億円 | 最高1億円 |
| 国内空港ラウンジ | 同伴者1名まで無料 | 同伴者1名まで無料 | 同伴者1名まで無料 |
| 海外空港ラウンジ | × | × | プライオリティ・パスなど対応 |
| メタル製カード | × | ◯ | ◯ |
| ホテル無料宿泊券 | × | 年間利用額300万円以上で1泊・500万円以上で2泊 | 毎年無条件で1泊 |
| コンシェルジュ | × | × | 24時間365日対応 |
| 追加カード(年会費) | 6,600円/枚 | 13,200円/枚(特典付き) | 4枚まで無料 |
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・グリーン・カード
ビジネス・グリーン・カードは、公式法人カードのエントリーモデルです。年会費13,200円(税込)で、国内空港ラウンジや旅行傷害保険などを利用できます。
ポイント還元率を最大1.0%に引き上げるには、別途「メンバーシップ・リワード・プラス」(年会費3,300円・税込)への登録が必要です。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
ビジネス・ゴールド・カードは、年会費49,500円(税込)の中位モデルです。メタル製カードやダイニング特典など、接待・出張向けの特典が充実しています。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード
ビジネス・プラチナ・カードは、年会費165,000円(税込)の最上位モデルです。コンシェルジュ、空港ラウンジ、ホテル特典などを重視する事業者に向いています。
アメックス法人カードのメリット
アメックス法人カードの主なメリットは、利用可能枠の柔軟性、ポイント・マイル、出張・接待向け特典、会計ソフト連携の4点です。
利用可能枠に一律の上限がない
アメックス法人カードは、券種ごとに固定の利用可能枠を設けていない点が特徴です。経営状況や信用情報に応じて個別に枠が決まるため、高額な経費決済にも対応しやすい設計です。
高額決済を予定する場合は、事前に利用可能金額を確認し、必要に応じてカード会社へ相談しましょう。
ポイントとマイルの活用度が高い
アメックスのポイントプログラム「メンバーシップ・リワード」は100円=1ポイントで、1,000円単位の他社プログラムよりきめ細かく貯まります。年会費3,300円(税込)の「メンバーシップ・リワード・プラス」に登録すれば、有効期限が無期限になり、ANAなど提携航空会社のマイル交換レートも向上します。
ポイントは商品券・ギフトカード・マイルなどに交換できます。出張が多い事業では、マイル交換で交通費を抑えられる場合があります。
出張・接待で使えるT&E特典
アメックスは「T&E(Travel & Entertainment)カード」とも呼ばれ、旅行・出張・接待の特典が充実しています。法人カードでも次の特典が付帯し、出張コストや接待シーンで活用できます。
主なT&E特典
- 国内主要空港のラウンジ無料利用(同伴者1名まで無料)
- 手荷物無料宅配サービス
- オーバーシーズ・アシスト(海外で24時間日本語サポート)
- ビジネス・ダイニング・コレクション(対象レストランで1名分無料)
- ゴルフ・デスク(提携ゴルフ場の手配)
ゴールド・プラチナでは対象範囲が広がるため、出張や接待が多い事業ほど特典を活かしやすくなります。
会計ソフトと連携して経理業務を効率化
アメックス法人カードは、freee会計をはじめとする主要なクラウド会計ソフトと連携できます。利用明細を自動で取り込めば、手入力の手間とミスを減らせます。
また、法人税・消費税などの国税もビジネス・カードで納付できます。ウェブから手続きできるため、金融機関に出向く必要もありません。
アメックス法人カードのデメリットと注意点
アメックス法人カードでは、年会費の高さ、ランクごとの特典差、年会費無料カードの不在という3点に留意します。事業規模や決済額によっては、これらがメリットを上回りかねません。
年会費が他社の法人カードより高い
アメックス法人カードは公式発行で年会費13,200円〜165,000円と、年会費無料の他社法人カードに比べて維持コストが高めです。決済額が小さい事業や、出張・接待がほとんどない事業では、特典を活かしきれない場合があります。
選ぶ際は「年間決済額×ポイント還元率」「空港ラウンジ・ホテル特典の年間利用見込み」「会計ソフト連携で削減できる経理工数」を試算し、年会費を上回るリターンが見込めるかを確認しましょう。
ゴールドではプライオリティ・パスが付帯しない
世界各地の空港ラウンジが使える会員サービス「プライオリティ・パス」は、ビジネス・プラチナのみに付帯します。
ビジネス・ゴールドでは使えないため、海外出張でこれを利用したい場合は、プラチナまでランクを上げるか、提携カードのセゾンプラチナ・ビジネス・アメックスを検討することになります。
年会費を抑えたい場合は提携カードが選択肢
アメックスの公式発行カードには、年会費無料・低額のラインアップがありません。年会費を抑えつつアメックスブランドを使いたい場合は、セゾン発行の提携カードが候補です。
<年会費を抑えられるセゾン提携カード>
| カード | 主な特徴 |
|---|---|
| セゾンコバルト・ビジネス・アメックス | 年会費永年無料、ポイント還元率0.5〜2.0%、ETCカード最大5枚無料 |
| セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス | 年会費33,000円(初年度無料)、プライオリティ・パス付帯、コンシェルジュ利用可 |
公式プラチナ(165,000円)と比べてセゾンプラチナは年会費が大幅に低く、空港ラウンジ・コンシェルジュ・コース料理1名無料といった主要特典の多くを利用できます。ステータス性を最優先しないなら、提携カードでメリットの多くを得られます。
アメックス法人カードの審査と申し込み
アメックス法人カードは、20歳以上の法人代表者または個人事業主が申し込めます。本人確認書類のみで申込可能なケースが多く、開業直後でも申し込める柔軟さがあります。
申し込み資格と必要書類
申し込み資格は20歳以上の法人代表者・個人事業主で、開業1ヶ月以上の経過が一つの目安です。必要書類は原則として本人確認書類のみで、登記簿謄本・決算書類は通常不要です。
<本人確認の進め方>
| 申込者 | 本人確認の進め方 |
|---|---|
| 法人代表者 | 申し込み時に本人確認書類をオンラインでアップロードする。審査状況により、登記簿関係書類の追加提出が必要になる場合があります |
| 個人事業主 | オンライン申込後、カード受け取り時に配達員へ本人確認書類を提示します |
本人確認書類として使えるのは、運転免許証・運転経歴証明書・住民票の写し・マイナンバーカード(表面のみ)・在留カード・特別永住者証明書などです。
審査で見られる3つのポイント
アメックス法人カードの審査で主に確認されるのは、次の3点です。
審査で見られる3つのポイント
- 代表者の信用情報(過去の延滞・債務整理履歴の有無)
- 経営状況(赤字決算や売上推移の傾向)
- 経営年数(長いほど有利だが、開業直後でも申込み自体は可能)
法人カードでも代表者個人の信用情報が大きく影響するため、過去のクレジット履歴に問題があれば審査通過は難しくなります。一方、決算書の提出が原則不要のため、創業期で実績が浅くても申し込みやすい設計です。
申し込みからカード受け取りまでの流れ
申し込みは公式サイトからのオンライン申込が基本で、法人と個人事業主で受取方法が異なります。
<申し込みからカード受け取りまでの流れ>
| 申込区分 | 主な流れ |
|---|---|
| 法人申込 | オンライン申込→本人確認書類アップロード→審査→法人所在地で受取(簡易書留) |
| 個人事業主申込 | オンライン申込→審査→受取方法を指定→指定場所で本人確認書類を配達員に提示して受取 |
法人申込では、カードは代表者個人の自宅ではなく法人の登記所在地に届きます。事業所と自宅が分かれているなら、受取担当者を事前に確認しておきましょう。
公式発行と提携カード(セゾン)の使い分け
アメックスブランドの法人カードは、公式発行か、セゾンなどの提携カードかを最初に整理すると判断が早まります。どちらが適するかは、年会費・特典・ステータス性のどれを優先するか次第です。
<公式発行と提携カードの比較>
| 項目 | アメックス公式発行 | セゾン発行(提携) |
|---|---|---|
| 年会費 | 13,200〜165,000円 | 0円〜33,000円 |
| ステータス性 | 高い(メタル製選択可) | 公式発行に比べると低い |
| インビテーション | プラチナも申込制(不要) | 不要 |
| 利用可能枠 | 一律制限なし | 上限あり(500〜1,000万円程度) |
| 主要特典 | フルラインアップ | プラチナはコンシェルジュ・プライオリティ・パス付帯 |
公式発行はステータス性・特典・利用可能枠で優位な一方、年会費は高め。提携カードは年会費を抑えつつアメックスブランドを使える代わりに、ステータス性や利用可能枠で公式発行に及びません。
決済額が大きく出張・接待が多い経営者は公式発行(特にゴールド以上)、コストを抑えたい個人事業主はまずセゾンコバルト・ビジネス・アメックスから始め、決済規模に応じて公式発行へ切り替える流れが合理的です。
まとめ
アメックス法人カードは、公式発行のビジネス・グリーン(13,200円)・ゴールド(49,500円)・プラチナ(165,000円)に、セゾン発行の提携カードを加えた選択肢があります。年会費・特典・ステータス性のどれを優先するかで、適切な1枚は変わります。
選び方の基本は、年間決済額・ラウンジやホテル特典の利用見込み・経理工数の削減効果を試算し、年会費を上回るリターンが見込めるカードを選ぶこと。決算書類が原則不要で開業直後でも申し込めるため、創業期はグリーンやセゾンコバルトから始め、決済規模に応じてランクアップする方法も現実的です。
よくある質問
アメックスの法人カードで国税を支払うとポイントは貯まりますか?
法人税や消費税など、ほぼすべての国税をアメックスのビジネス・カードで納付でき、納税額200円につき1ポイントが付与されます。専用のウェブサイトから24時間手続き可能で、金融機関に出向く必要はありません。
詳しくは「会計ソフトと連携して経理業務を効率化」で解説しています。
ビジネス・カードとコーポレート・カードの違いは何ですか?
ビジネス・カードは個人事業主や中小企業の代表者向け、コーポレート・カードは中堅・大企業向けの法人カードです。基本機能に大きな差はありませんが、対象規模・申込み条件・利用枠の設計が異なります。
詳しくは「アメックスの法人カードとは」で解説しています。
アメックス法人カードの利用可能枠の上限はいくらですか?
アメックスのビジネス・カードは券種ごとの一律な利用可能枠を設けず、経営状況や信用情報に応じて個別に決まる仕組みです。高額決済を予定する場合は、利用可能金額の確認や増枠相談を事前に行いましょう。
詳しくは「利用可能枠に一律の上限がない」で解説しています。

