クレジットカードの基礎知識

法人カードの審査基準とは?落ちる理由・通過率を上げる7つの対策を解説

法人カードの審査基準とは?落ちる理由・通過率を上げる7つの対策を解説

法人カードの審査基準はカード会社ごとに設定され非公開ですが、評価され得る要素には共通点があります。この要素を理解して事前準備を整えれば、審査通過の可能性が高まります。

本記事では、法人カードの審査で見られる項目と審査落ちの主な理由、通過率を高めるための7つの対策について詳しく解説します。

法人カードの基本的な仕組みや種類、メリット・デメリットの全体像については、別記事「法人カードとは?種類や作るメリット・デメリット、注意点まで徹底解説」もあわせてご確認ください。

目次

法人カードの審査で見られる4つの項目

法人カードの審査基準は各カード会社によって設定され、公表されることはありません。ただし、各カード会社に共通して確認・評価され得るポイントがあります。

ここでは主要な4項目を解説します。

経営者個人の信用情報

法人カードは「法人向け」ではあるものの、実際の審査では代表者個人の信用情報も確認されると考えられます。とくに中小企業や設立間もない法人の場合、会社の信用と経営者個人の信用が事実上一体として扱われることがあります。

カード会社はCIC・JICCなどの指定信用情報機関に登録された情報を照会し、ローンやクレジットなどの金融取引の申し込み履歴・契約内容・毎月の支払い状況・残債額などをチェックできます。


出典:指定信用情報機関 CIC「信用情報とは」
出典:日本クレジット協会「クレジット会社の審査」

事業の実績・継続性

事業の実績(営業年数)や継続性は、支払い能力を測るうえで重要なポイントのひとつとなり得ます。設立からある程度の時間が経過し、安定した売上をあげている事業者は、信用度が高いと評価される可能性が高いでしょう。営業年数の長さは「事業が市場で受け入れられている証拠」と見なされるためです。

ただし、設立直後だからといって必ず審査落ちに至るわけではありません。代表者の信用情報が良好で事業計画に説得力があれば、創業1年未満でも発行に至るケースはあります。創業期の企業を対象としたカードも登場しています。

財務状況(決算書・キャッシュフロー)

法人カードの審査において決算書の提出が求められる場合、そこから読み取れる売上規模・利益・自己資本比率・借入残高などをふまえて総合的に財務状況が評価され得ます。一般的に、複数期にわたる黒字決算は審査でプラスに働くと考えられます。

ただし、赤字では審査に通過できないというわけではありません。創業期の戦略的な赤字や、一時的な特別損失による赤字などであれば、キャッシュ・フローや今後の見通しを加味して柔軟に判断されることもあります。


【関連記事】
キャッシュ・フローとは?考え方や計算書の作成方法をわかりやすく解説

申込内容と提出書類の整合性

見落とされやすいのが、申込フォームに入力した情報と、登記簿謄本・本人確認書類との一致です。本店所在地の表記揺れや、代表者氏名の旧字体・新字体の不一致といった些細なズレでも、書類不備として差し戻される、もしくは慎重審査になる原因となり得ます。

法人カードの審査に落ちる主な理由

法人カードの審査に通過できない典型的なパターンとして、以下のようなものがあります。

  • 信用情報に金融事故の記録が残っている
  • 設立直後で事業実績の判断材料が乏しい
  • 赤字決算が続いている、または直近の決算が債務超過である
  • 短期間に複数のカードへ申し込んでいる
  • 申込書類の不備・記載ミスがある

信用情報に金融事故の記録が残っている

クレジットカード・ローンの長期延滞(一般的に61日以上または3か月以上)や債務整理、自己破産などは「異動情報」(金融事故)として信用情報機関に登録されます。異動情報は完済から5年程度残るとされており、登録期間中は審査の通過がとくに厳しくなりやすいでしょう。


出典:指定信用情報機関 CIC「『信用情報開示報告書』表示項目の説明」

設立直後で事業実績の判断材料が乏しい

設立1年未満の法人は決算書をまだ提示できないため、カード会社にとっては事業の継続性を判断する材料が乏しい状態と言えます。支払い能力を裏付けるデータがそろわないことから、慎重な審査になりがちです。

赤字決算が続いている、または直近の決算が債務超過である

赤字決算が複数期続いている、あるいは負債が資産を上回る債務超過の状態にあると、支払能力に懸念があると判断されやすくなります。とくにゴールド・プラチナといった上位ランクのカードでは、安定した業績が重視される傾向にあります。

短期間に複数のカードへ申し込んでいる

おおむね半年以内に複数枚のクレジットカードに申し込んだ履歴があると「資金繰りに窮しているのではないか」と推測され、審査が厳しくなる傾向があります。これは俗に「申込ブラック」とも呼ばれる状態です。信用情報機関には、クレジットやローンなどの契約履歴だけでなく申し込み履歴も登録され、6ヶ月間保有されるため注意が必要です。


出典:指定信用情報機関 CIC「信用情報早わかり!」

申込書類の不備・記載ミスがある

法人名・所在地・代表者氏名・電話番号などの記載が登記簿謄本や本人確認書類と一致していないと、書類不備で差し戻される可能性があります。法人カードは個人カードと比較して提出書類が多いため、不備の発生確率も上がりやすい点に留意しましょう。

法人カードの審査への通過率を高める7つの対策

ここからは、実際に法人カードの審査に通過する可能性を高めるための具体策を紹介します。

法人カードの審査への対策

  • 申込前に個人の信用情報を開示請求して確認する
  • 必要書類を最新の状態でそろえる
  • 引き落とし口座を法人口座または屋号付き口座にする
  • 確定申告・決算を期日内に行う
  • 短期間の複数申込は避ける
  • 自社の規模に合ったカードランクを選ぶ
  • 申込内容と書類の整合性を入念にチェックする

なお、かつては「固定電話の保有」が審査で重視される傾向にありましたが、近年はオンライン完結型のカードを中心に、携帯電話番号のみで申込可能なケースが増えています。固定電話の用意は必須要件ではなくなりつつあると言えるでしょう。

申込前に個人の信用情報を開示請求して確認する

CIC・JICCは信用情報の開示を行っており、申し込みを行って1件1,000円前後の手数料(開示方法によって異なる)を支払うことで自分の登録情報を確認できます。意図せず延滞扱いになっている記録が見つかることもあるため、申込前のセルフチェックとして有効です。


出典:指定信用情報機関 CIC「情報開示とは」
出典:指定信用情報機関JICC「よく分かる信用情報>自分の信用情報は確認可能」

必要書類を最新の状態でそろえる

登記簿謄本(履歴事項全部証明書)は発行から3ヶ月以内のものを求められるケースが一般的です。直近の決算書・代表者の本人確認書類とあわせて、申込前にひととおり整えておくと審査が円滑に進みやすくなります。


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引き落とし口座を法人口座または屋号付き口座にする

事業の支払いを事業用口座に集約しておくこと自体が、経営実態を示す材料のひとつになります。引き落とし口座として法人口座、または個人事業主であれば屋号付きの口座用意しておくと、事業実態を明示しやすくなるでしょう。

なお、屋号は開業届に記載することで登録できます(記載は任意)。開業届をまだ提出していない個人事業主の方は、freee開業で画面の案内に従って必要事項を入力するだけで届出書を作成できます。


【関連記事】
開業届と屋号の基礎知識!付ける際のポイントと変更の注意点

確定申告・決算を期日内に行う

確定申告書や納税証明書は、収入の裏付け資料として提出を求められる場合があります。期限内の申告・納税は、支払い能力や事業継続性、社会的信用を示す根拠となり得ます。


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短期間の複数申込は避ける

一度審査に落ちた場合、最低でも6ヶ月は間を空けてから再申し込みするのが無難です。信用情報機関に登録された申し込み履歴は6ヶ月間保有されるため、その後に再度申し込みを行えば「申込ブラック」の影響が小さくなる可能性があります。

自社の規模に合ったカードランクを選ぶ

最初からプラチナやゴールドを狙うのではなく、まずは一般ランクのカードで実績を積むのが望ましいでしょう。利用と支払いを継続することでカード会社内の利用履歴が蓄積され、上位カードへの切替時に審査に通りやすくなることが見込めます。

申込内容と書類の整合性を入念にチェックする

申込フォームへの入力前に、登記簿謄本と本人確認書類を手元に置き、表記を一字一句そろえる意識で入力しましょう。とくに本店所在地の番地表記・ビル名の有無・フリガナの揺れには注意が必要です。

法人カードの審査の流れと所要期間

法人カードの審査は、おおむね以下のステップで進みます。

クレジット会社の審査の流れ

  1. 書類審査
  2. 確認業務
  3. 取引履歴の確認
  4. 信用情報の照会
  5. 可否の決定・審査結果の通知

出典:日本クレジット協会「クレジット会社の審査」

申し込みから発行までの所要期間は、一般的に2週間〜1ヶ月程度が目安です。書類の追加提出が発生したり、決算内容について確認の連絡が入ったりすると、長引くことがあります。急いでいる場合は、オンライン完結で最短数営業日の発行に対応するカードを選ぶのが現実的です。

まとめ

法人カードの審査では、経営者個人の信用情報・事業実績・財務状況・申込内容の整合性という4つの要素が総合的に評価されます。審査落ちの原因の多くは事前準備で回避できる可能性があるため、対策のポイントを押さえておきましょう。

法人カードの導入で得られる具体的なメリットについては、別記事「法人カードのメリット7選|個人カードとの違いと導入効果を解説」もあわせてご確認ください。

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申し込み前に入会可能か診断することができるので、気になる方はご確認ください。

よくある質問

法人カードの審査で何を見るのか?

法人カードの審査基準は公開されていませんが、経営者個人の信用情報・事業実績・財務状況・申込内容の整合性という4要素が確認されると考えられます。

詳しくは、記事内「法人カードの審査で見られる4つの項目」で解説しています。

法人カードの審査に落ちてしまう理由は何ですか?

法人カードの審査に落ちてしまう理由として、以下のような例が挙げられます。

法人カードの審査落ちの要因として考えられるケース

  • 信用情報に金融事故の記録が残っている
  • 設立直後で事業実績の判断材料が乏しい
  • 赤字決算が続いている、または直近の決算が債務超過である
  • 短期間に複数のカードへ申し込んでいる
  • 申込書類の不備・記載ミスがある

詳しくは、記事内「法人カードの審査に落ちる主な理由」をご参照ください。

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