クレジットカードの基礎知識

中小企業におすすめの法人カード6選。年会費・限度額・会計連携で比較

中小企業におすすめの法人カード6選。年会費・限度額・会計連携で比較

中小企業が法人カードを選ぶ際は、自社の運用体制に合うかを確認しましょう。年会費や利用限度額のほか、追加カードの配布・証憑管理のしやすさも重要です。

特に、従業員に追加カードを発行する企業では、私的利用を防ぐ仕組みが欠かせません。本記事では、中小企業におすすめの法人カード6枚をご紹介します。失敗しない選び方も解説するので、自社の課題に最適な1枚を導入し、バックオフィスの生産性を高めましょう。

目次

【条件別】中小企業におすすめの法人カード6選

中小企業に最適なカードは、以下の6枚です。

中小企業におすすめの法人カード6選

  • 三井住友カード ビジネスオーナーズ
  • JCB Biz ONE
  • JCB法人カード
  • UPSIDER
  • セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
  • アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

三井住友カード ビジネスオーナーズ

維持コストを最小限に抑えたい企業には、三井住友カード ビジネスオーナーズが最適です。本カードは決済額にかかわらず年会費が永年無料であり、導入コストがかかりません。従業員向けのパートナーカードを最大18枚まで発行でき、少人数の部署から中規模のチームまで、柔軟な経費管理が可能です。

さらに、引き落とし口座は法人名義だけでなく、屋号付きの個人名義口座も設定できます。対象の三井住友カードで条件を達成し、ビジネスオーナーズ特約店で利用した場合、ポイント還元率は最大1.5%になります。Vpassアプリによる明細照会もスムーズで、経費削減と利便性を両立しています。

JCB Biz ONE

設立直後のスタートアップや、審査に不安がある法人には、JCB Biz ONEがおすすめです。本カードは、法人の財務状況ではなく、代表者個人の与信を重視して審査を行います。法人の信用情報が参照されないため、創業1年目でもスムーズに発行しやすいカードです。

一般カードは年会費が永年無料でありながら、どこで使ってもポイントが2倍貯まる、高還元率を備えています。MyJCBから利用明細をCSV形式で出力できるほか、freeeのような会計ソフトと連携させれば、明細を自動で取り込めるのも強みです。毎月の入力工数と振込手数料を削減し、経理業務をバックアップします。

JCB法人カード

社用車を複数台保有し、交通費管理に悩む企業には、JCB法人カードが向いています。従業員用の追加カードに限らず、ETC専用カードも年会費無料で、複数枚追加できるのが利点です。営業担当者ごとにETCカードを配布すれば、高速道路の利用履歴を、Web上で一元管理できます。

立替精算の手間がなくなるうえ、利用者の特定も容易になるため、不正利用対策にも有効です。出張時の公共交通機関や宿泊予約をサポートする「JCBトラベル」などの、付帯サービスも充実しています。車両関連の経費処理を効率化したい企業には、JCB法人カードが最適です。

UPSIDER

Web広告費やサーバー代など、毎月数百万から数千万単位の高額決済が発生する企業には、UPSIDERが適しています。独自の審査基準により、最大10億円の利用限度額を確保できるため、決済枠の不足による業務の停滞を回避できます。

また、部署やSaaSの用途ごとに、バーチャルカードを即時・無制限に発行可能です。それぞれのカードに個別の利用上限額を設定することで、不要なサブスクリプションの課金漏れを防ぎ、組織全体の支出を透明化できます。決済時のリアルタイム通知機能も備わっており、スピード感のある成長企業に適した設計です。

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

ビジネス向けサービスを多用し、実利的なポイント還元を求める企業には、セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードが最適です。年会費無料で保有できるうえ、従業員向けの追加カードを9枚まで、無料で発行できます。

本カードの魅力は、特定店舗でのポイント還元率アップ制度です。ヤフービジネス、Amazon、クラウドワークスなど、特定のB2B加盟店での利用時にポイント還元率が通常の4倍に上がります。事務用品の購入や広告出稿の支払いを本カードに集約するだけで、毎月ポイントが蓄積され、実質的な経費削減が可能です。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

国内外の出張が多く、経営者にふさわしいステータスと手厚いサポートを求める企業には、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードが適しています。出張時の航空券や宿泊代を決済すると、最高1億円の旅行傷害保険が付帯し、万が一の事故やトラブルの心配もありません。

また、主要空港でのビジネスラウンジ利用に加え、出張のキャンセル費用を補償するサービスも備わっています。経営の安心感と手厚い付帯サービスを重視する企業に適した1枚です。

中小企業に法人カードがおすすめな理由

中小企業こそ法人カードを使うべき理由は、以下の4つです。

中小企業に法人カードがおすすめな理由

  • 経費精算を効率化しやすい
  • 従業員の立替負担を減らしやすい
  • キャッシュフロー改善につながりやすい
  • ポイントや付帯特典を活用しやすい

経費精算を効率化しやすい

法人カードを利用すると、手入力による経費精算の手間とミスを排除できます。多くのビジネスカードは、クラウド会計ソフトとAPIで自動連携できるためです。カードを利用した瞬間に明細がデータとして取り込まれ、自動で仕訳の候補が作成されます。

経理担当者の業務は、画面上で内容を確認して、承認するだけです。記帳作業の工数を削減できるため、月末月初に業務が集中する負担を軽減できます。さらに、領収書と明細の突合にかかる時間も短縮され、経営状況のスムーズな把握が可能です。

従業員の立替負担を減らしやすい

法人カードを従業員に配布すれば、金銭的および心理的な立替負担を解消できます。出張費や接待費が高額になると、従業員の個人資金を一時的に圧迫し、不満や離職リスクにつながりかねません。また、小口現金を用意して厳格に管理する業務は、会社側にとっても非効率です。

従業員に追加カードを渡せば、すべての支払いが会社の口座から直接引き落とされます。従業員は領収書を提出するだけで済み、経理側も現金を数える作業から解放されるでしょう。

キャッシュフロー改善につながりやすい

法人カードで決済を行えば、実際の口座引き落としを、最長で約50日程度先送りできます。手元に現金を長く残せるため、急な仕入れやWeb広告費の増額など、柔軟な事業投資が可能です。特に、支払いサイトの調整が難しい成長期の企業にとって、猶予期間は実質的な無利息の融資に相当します。

支払いをカードに一本化するだけで、会社の財務基盤はより強固になるでしょう。経営資源を最大化する手段として、法人カード決済は有効です。

ポイントや付帯特典を活用しやすい

毎月の固定費を法人カード決済に集約することで、自動的にポイントが蓄積されるため、実質的なコスト削減を図れます。サーバー代・SaaS利用料・オフィス光熱費などを支払うだけで、年間数万円〜数十万円単位のポイントが貯まることも珍しくありません。

獲得したポイントは、備品の購入費用やマイルへの交換に充当でき、経費の節約に直結します。さらに、空港ラウンジの無料利用や、福利厚生サービスの優待など、カード会社が提供する多様な付帯特典も利用可能です。働く社員の満足度向上に活用すれば、離職防止にも役立ちます。

中小企業向け法人カードの選び方

法人カードを選ぶ際は、以下の基準に従いましょう。

中小企業向け法人カードの選び方

  • 年会費が負担にならないか
  • 利用限度額が経費規模に合っているか
  • ポイント還元率や付帯特典が使いやすいか
  • 追加カードやETCカードは発行できるか
  • 会計ソフト連携や経費管理機能があるか

年会費が負担にならないか

カードの年会費が、毎月の固定費として経営を圧迫しないか、確認しましょう。中小企業の場合、最初はコストリスクのない年会費無料、または1万円以下の低額なカードから、導入を始めるのが安全です。

維持費が無料であっても、三井住友カード ビジネスオーナーズやUPSIDERのように、機能が充実しているカードは多く存在します。組織が拡大し、手厚い海外出張サポートやコンシェルジュ機能が必要になった段階で、ゴールドやプラチナといった上位カードへ切り替えるのが基本です。

利用限度額が経費規模に合っているか

法人カードの利用限度額は、自社が毎月カードで支払う経費に対して、2〜3ヶ月分の余裕があるかを確認しましょう。カード決済から実際の引き落としまでにはタイムラグがあるため、1ヶ月分の枠だけではすぐに上限に達してしまうためです。

特に、Web広告費や商品の仕入れなどで高額な決済を予定している場合は、初期の与信枠が高いカードを選ぶ必要があります。UPSIDERのように最大10億円の枠を提示するカードや、増枠審査に対応してくれるカードを選ぶのがポイントです。

ポイント還元率や付帯特典が使いやすいか

ポイント還元率は数字の高さ以外に、自社の経費支出に合った特定の加盟店で還元率が上がるかを見極めましょう。基本の還元率が0.5%であっても、利用頻度の高いクラウドサービスやガソリンスタンドで還元率が数倍になれば、結果的により多くの恩恵を受けられます。

また、接待が多い企業ならレストランの予約優待、海外出張が多い企業なら手厚い旅行傷害保険を重視しましょう。自社のビジネススタイルに合致する特典を選ぶことで、カードのポテンシャルを引き出せます。

追加カードやETCカードは発行できるか

従業員にカードを持たせる場合は、追加カードやETCカードの発行上限枚数が重要です。現在の従業員数だけでなく、採用計画を見越して、発行枠が多いカードを選びましょう。

追加発行が3枚程度に制限されているカードや、追加カードごとに数千円の年会費が発生するカードもあります。三井住友カードのように、18枚まで発行できるものや、UPSIDERのように無制限で発行できるサービスを選定すれば、将来的な組織変更にもスムーズに対応可能です。

会計ソフト連携や経費管理機能があるか

経理業務の工数を削減するため、自社で利用している会計ソフトとの、自動連携機能も重要です。単に利用明細をCSV形式でエクスポートできるだけでは、手作業によるデータの取り込みが発生します。

API連携に対応していれば、明細がソフトへ自動反映され、仕訳の入力ミスを排除可能です。導入済みのシステムと紐づけられる法人カードを選ぶことが、業務効率化の条件となります。

中小企業で法人カードを運用する際の注意点

法人カードを運用する際は、以下のポイントを押さえましょう。

中小企業で法人カードを運用する際の注意点

  • 社員用カードの利用ルールを決める
  • 私的利用や不正利用を防ぐ管理方法を整える
  • 領収書や証憑の回収ルールを整える
  • インボイス制度や電子帳簿保存法への対応を意識する

社員用カードの利用ルールを決める

社員へ追加カードを配布する前に、決済してよい経費の範囲や、金額の上限を明文化します。ルールが曖昧なまま運用を始めると、不要な経費の支払いや、個人の立替との混同を引き起こしかねません。交通費・宿泊費・接待交際費など、カード決済が使える費目を限定し、事前承認のフローを明確化しましょう。

さらに、カードを紛失した際の緊急連絡先や、利用停止の手続き窓口をあらかじめ決めておくと、トラブル発生時の初動がスムーズになります。

私的利用や不正利用を防ぐ管理方法を整える

従業員による使い込みや、外部からの不正利用を早期に発見するため、管理画面のセキュリティ機能を活用しましょう。決済が行われた瞬間に、管理者のスマートフォンへ通知が届くリアルタイムアラート機能は、不正の抑止力として有効です。

また、万が一不審な動きを検知した際に、管理画面から即座に特定のカードをロックできる機能も必要になります。誰がいつどこで決済したかのログを、定期的に監査することで、コンプライアンスを遵守した安全な運用が可能です。

領収書や証憑の回収ルールを整える

法人カードの利用明細がデータとして残っていても、税務上の経費証明としては不十分です。決済後は、必ず領収書やレシートを提出するよう、ルールを徹底しましょう。提出期限を毎月の締め日前に設定し、遅れた場合のペナルティを設けることで、提出漏れを防げます。

近年は、スマートフォンのカメラで領収書を撮影し、決済データに直接アップロードできる経費精算システムも一般化しました。経費精算システムをカードとセットで導入し、証憑管理の手間を最小限に抑えましょう。

インボイス制度や電子帳簿保存法への対応を意識する

インボイス制度に基づく仕入税額控除を受けるため、購入先から登録番号が記載された適格請求書や領収書を受け取る必要があります。カード会社が発行する利用明細書は、適格請求書に該当しません。

また、電子帳簿保存法の改正により、インターネット通販などで受け取った電子領収書は、電子データ形式での保存が義務付けられています。制度の要件を満たしたデータ管理システムで、カード決済と法対応を両立させましょう。

まとめ

中小企業が法人カードを導入する際は、年会費を無理のない固定費として捉え、無料または低額なカードを選ぶのが安全です。そのうえで、自社の経費規模に対して十分な利用限度額が確保できるか、組織拡大に応じた枚数の追加カードを発行できるかを比較しましょう。

経理業務の効率化を目指すなら、クラウド会計ソフトとのAPI連携機能が欠かせません。また、カードを導入した後も、領収書の回収ルール作りやインボイス制度への対応など、適切な運用体制の整備が必要です。自社の課題を明確にし、最も投資効果の高い法人カードを選び抜いて、強固な経営基盤の強化に役立てましょう。

よくある質問

中小企業におすすめの法人カードは?

法人カードは、自社の解決したい課題に合わせて選びましょう。たとえば、ランニングコストを完全に抑えたい場合は、年会費が永年無料の三井住友カード ビジネスオーナーズが適しています。

設立直後で実績が少なく審査に不安があるなら、代表者個人の与信で申し込めるJCB Biz ONEが選びやすい1枚です。Web広告費などで、毎月高額な決済を行う企業や、部署ごとの予算管理を徹底したい企業には、利用限度額が高くバーチャルカードを即時発行できるUPSIDERが有力な選択肢となります。

詳しくは「【条件別】中小企業におすすめの法人カード6選」で解説しています。

年会費無料の法人カードはありますか?

決済額や利用頻度などの条件なしで、完全に永年無料で利用できる法人カードもあります。代表例は、三井住友カード ビジネスオーナーズやUPSIDERなどです。このようなカードは維持コストがゼロで、最大10億円の利用枠や会計ソフトとのAPI連携など、有料カードに匹敵する優れた実務機能を備えています。

詳しくは「年会費が負担にならないか」で解説しています。

法人カードは何枚まで発行できますか?

発行できる上限枚数は、カード会社やカードの種類によって異なります。たとえば、三井住友カード ビジネスオーナーズは最大18枚、セゾンコバルト・ビジネス・アメックスは9枚までです。一方、UPSIDERのように用途や部署ごとにバーチャルカードを無制限で発行できるサービスも存在します。

詳しくは「追加カードやETCカードは発行できるか」で解説しています。

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