クレジットカードの基礎知識

失敗しない法人カードの選び方!種類や比較ポイントを徹底解説

失敗しない法人カードの選び方!種類や比較ポイントを徹底解説

法人カードは、企業の経理効率化とキャッシュフロー改善に欠かせない存在です。従業員の立替精算をなくし、会計ソフト連携で仕訳を自動化できるため、経理業務の改善に役立ちます。

本記事では、自社に合った法人カードの選び方を、年会費・限度額・還元率など7つの軸で解説します。自社が導入すべきカードの特徴を把握することで、バックオフィスの生産性向上を実現できるでしょう。

目次

法人カードとは

法人カードは、企業や個人事業主が、経費支払いに利用するクレジットカードです。消耗品・公共料金・広告費などの支出を、法人口座から一括で引き落とせます。

法人カードの登場以前は、小口現金管理が主流で、管理の手間や紛失リスクが負担となっていました。しかし、法人カードの登場により、いつ・誰が・どこで決済したかのデータが自動記録できるように変化しています。

従業員の立替精算の手間が省けるため、現金管理のリスクも低減可能です。電子帳簿保存法対応においても、明細をデータ保持できる法人カードは、経理のDX実現に欠かせません。

法人カードと個人カードの違い

法人カードと個人カードは、下記の2点が異なります。

  • 決済口座の性質
  • 利用限度額の大きさ

法人カードは、事業用口座を紐付けるのが原則であり、個人の家計と事業経費を明確に分離できます。しかし、個人カードで経費を支払うとプライベート支出と混同しやすくなるため、税務調査で私的利用を疑われかねません。

また、個人カードの限度額が数十万円〜100万円程度なのに対し、法人カードでは数百万〜数千万円の枠が設定されることも珍しくありません。高額決済に対応するため、事業関連の支払いは法人カードに一本化しましょう。

法人カードは2種類

法人カードは、下記の2種類あります。

  • コーポレートカード
  • ビジネスカード

コーポレートカード

コーポレートカードは、従業員数が多い大企業や、中堅企業向けに提供されるカードです。限度額が非常に高く、法人全体で数千万円から数億円規模の枠を確保できます。

部署ごとの予算管理や利用先制限など、高度なガバナンス機能を備えているのが強みです。カードごとの利用上限を個別に設定できるため、多人数での利用に適しています。

また、利用者ごとの明細を一元管理できるため、経費用途の可視化も可能です。複雑な経費精算フローを簡略化し、内部統制を強化する目的で導入しましょう。

ビジネスカード

ビジネスカードは、個人事業主や中小企業、スタートアップを対象としたカードです。代表者個人の信用情報を重視して審査され、決算書や登記簿謄本の提出を省略できる商品もあります。

年会費が安価あるいは無料に設定されているカードが多く、手軽に導入できる点が特徴です。従業員数が数名から20名程度の企業であれば、ビジネスカードの機能のみでも経費を管理できるでしょう。

また、審査ハードルが比較的低いため、創業期で売上実績がなくても、発行できる可能性があります。

法人カードを選ぶ7つのポイント

法人カードを選定する際は、7つのポイントを押さえましょう。

年会費と優待

年会費はカードの維持費、優待はカードの契約によって利用できるサービスです。両者の価値を比較して、バランスを考えましょう。

たとえば、コスト重視なら年会費無料が適しています。一方、出張や接待が多い企業は、優待の多いカードが最適です。福利厚生代行サービスやオフィス用品の割引など、自社の業務形態で活用できる特典の有無を確認しましょう。

年会費が1万円のゴールドカードでも、空港ラウンジの無料利用や宿泊施設の割引を年間数回利用すれば、年会費以上のメリットを享受できます。コンシェルジュサービスが付帯していれば、予約の代行・旅行の相談ができるため、業務に集中できるでしょう。


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利用限度額

法人カードの利用限度額は、月間の支出額をカバーできる額に設定しましょう。現在の平均支出額を把握し、事業拡大に備えて、利用枠の増額に対応できるカードを選ぶと安心です。

とくに、Web広告を運用していたり、高額仕入れが発生したりする企業は、限度額不足が命取りになります。決済が止まると、事業に支障をきたすため、余裕を持った限度額設定が必須です。

利用限度額は、カード会社や審査結果によって変動します。初期の限度額が低くても、利用実績を半年〜1年積むことで、増枠申請が通りやすくなるケースも少なくありません。高額支払いが必要な際は、事前入金で枠を広げるデポジット型カードの併用も検討しましょう。

ポイントやマイルの還元率

法人カードのポイント還元率は、0.5%〜1.0%程度が一般的です。しかし、納税や公共料金の支払いでは還元率が下がるケースも存在するため、確認は欠かせません。また、貯まったポイントを支払いに充当できるかなど、出口戦略も含めた検討が必要になります。

経費削減が目的なら、ポイントやマイルの還元率も重要です。たとえば、月間決済額が100万円にのぼる企業は、還元率1.0%なら、毎月1万円相当のポイントが貯まります。オフィス用品購入や通信費に充てれば、経費削減につながるでしょう。

ただし、ポイントの私的利用は、税務上のトラブルを招くリスクがあります。ポイントの利用については、社内で明確なルールを定めましょう。

付帯保険・補償

法人カードには、トラブル時に使える、旅行傷害保険やショッピング保険が付帯されています。海外出張が多い企業は、治療費の補償額が十分か、カードを持っているだけで適用される自動付帯か、確認が必須です。

不正利用に対する盗難保険や、物品破損をカバーする動産総合保険が充実しているカードはリスク管理の面でメリットとなります。また、付帯保険を活用できれば、掛け捨て旅行保険に加入するコストと手間を省けるでしょう。

追加カード・ETCカードの発行枚数

従業員にカードを持たせる場合は、追加カードの発行可能枚数とコストを確認しましょう。追加カードやETCカードの発行上限は「3枚まで」「無制限」など、カードによって異なります。社用車を多く保有している企業は、ETCカードを車両分発行できるかもポイントです。

従業員数が増えた際に追加発行枠が足りないと、別のカードを新たに契約する手間が発生します。将来の採用計画を見越し、十分な枚数を発行できるカードを選びましょう。複数枚発行が無料のカードを選べば、営業担当者ごとの立替精算を完全に廃止できます。

会計ソフトとのデータ連携

経理業務の工数削減には、利用明細の自動連携機能が欠かせません。クラウド会計ソフトとAPI連携できるカードを選べば、手入力の手間と仕訳ミスをゼロに近づけられます。現在利用中、あるいは導入予定の会計ソフトにAPI対応したカードを選べば、経理業務のDX化や効率化につながるでしょう。

API連携により、決済翌日から数日以内に明細データが自動で取り込まれます。過去の仕訳履歴を学習して、システムで勘定科目を自動推測すれば、経理担当者は承認するだけで処理が完了します。非生産的な時間を減らすために連携機能は必須です。

発行会社の信頼性

企業の決済情報を預けるため、発行会社のセキュリティー体制や、サポートの質は重要です。不正利用検知システムの精度や、トラブル時の電話応対スピードを見ながら、カードを選定しましょう。

法人カードは決済額が大きいため、カード情報漏洩時の被害も甚大になります。24時間体制で不審な取引を監視し、異常検知時にすぐストップしてくれるカード会社を選ぶと安心です。

法人カードを持つメリット

法人カードを持つと、下記のメリットがあります。

経費処理の工数削減

法人カードを導入すると、経費精算の時間短縮が可能です。従業員から領収書を集めて、精算書を書く手間がなくなります。経理担当者も、現金の受け渡しやチェック業務から解放されるでしょう。明細データが自動で会計システムに流れるため、月末の締め作業もスムーズになります。

従来の運用では、従業員が現金を立て替え、経理が仕訳を手入力して銀行振込を行う手間がかかっていました。しかし、法人カードを配布すれば清算の工程が不要になり、経理担当者は資金繰りの分析など、より付加価値の高い業務に集中できるでしょう。


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freee会計を使った経費精算の流れ

経費の削減

ポイント還元やキャッシュバックにより、実質的なコストダウンが実現します。振込手数料も削減できるため、振込件数が多いほど経費削減効果が大きくなるでしょう。ポイントを物品購入や次の支払いに充当することで、キャッシュフロー改善にも貢献します。

サーバー代やオフィス用品の購入を法人カード決済に切り替えるだけで、1件あたり数百円の振込手数料を節約可能です。また、支払いをカードに集約することで、口座からの引き落としを1〜2ヶ月先へ延ばせます。

サービスや特典の適用

法人カードを契約すると、ビジネスシーンに特化した付帯サービスを活用できます。たとえば、空港ラウンジの無料利用・提携ホテルの割引・コンサルティング優待など、高額サービスを会員価格で利用可能です。

優待は、福利厚生としても機能し、業務の質の向上に寄与します。出張が多い企業にとって空港ラウンジの利用は、待ち時間を快適な作業時間に変えられるため、従業員のパフォーマンス維持に効果的です。

また、法律相談や税務相談を初回無料で受けられる優待も存在します。専門家に依頼するコストを抑えつつ、経営判断を下すためのサポートツールとして活用が可能です。

法人カードを持つデメリット

法人カードを持つ前に、次のデメリットも押さえましょう。

年会費がかかる

多くの法人カードでは、年会費が発生します。また、追加カードを増やすほど、費用が増える仕組みです。上位カードになると、数万円の年会費がかかるため、ポイント還元や特典でコストを回収できるかの試算が欠かせません。カード決済の利用頻度が低い企業は、年会費無料のカードから検討しましょう。

また、従業員全員にカードを配布した場合、追加年会費が人数分かかり、年間で数十万円の固定費増になるケースもあります。カードが必要な役職者や営業担当者のみに発行を限定するか、追加カードの発行手数料が無料のカードを選択し、トータルの運用コストを最適化する工夫が必要です。

審査が厳しい

法人カードは、個人のクレジットカードよりも、審査が厳格に行われます。会社の設立年数や財務の健全性が問われるため、新設法人や赤字決算の企業は、審査通過が困難です。審査が不安な企業は、代表者の信用情報を重視するカードや、デポジット型のカードを検討しましょう。

審査に通過しやすくするには、固定電話の設置・公式サイトの公開など、企業の実態を証明できる必要があります。申込書に記入する事業内容に虚偽がないよう、正確に記載しましょう。スタートアップ特化型カードを選ぶことも確実な方法です。

分割・キャッシングが使えない

多くの法人カードは、支払方法が「1回払い(一括払い)」に限定されています。個人のカードのように、分割払いやリボ払いを選択できない仕組みです。ただし、一部のカードでは分割払いに対応しているものもあります。

また、キャッシング機能についても、付帯しないカードが大半です。事業用の高額な機材や広告費を決済した翌月には、全額が口座から引き落とされます。大規模な事業投資には、資金計画が欠かせません。支払い日に残高不足で引き落としができないと、法人の信用情報に傷がつきます。常に口座残高を監視し、引き落としに備えましょう。

法人カードの申し込み方法

法人カードの申し込みは、オンラインで完結します。主な手順は、次の4ステップです。

法人カードの申し込み方法

  1. 必要書類の準備
  2. 引き落とし口座の用意
  3. 情報の入力と提出
  4. カードの受け取り・利用開始

まず、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)・本人確認書類・決算書などの必要書類を準備します。登記簿謄本は発行から6ヶ月以内など、カード会社によって有効期限の指定があるため取得日に注意してください。

次に、引き落としに指定する法人口座のキャッシュカードや暗証番号を手元に用意しましょう。最近では、オンライン申込後に口座振替の設定をWeb上で完了できる金融機関も増えています。

準備が整ったら、公式サイトの専用フォームから法人情報や代表者情報を入力し、必要書類をアップロードして審査結果を待ちましょう。無事に審査を通過すると、通常数日〜2週間程度で手元にカードが届き、利用開始になります。

よくある質問

法人カードの選び方は?

自社の月間決済予定額と、従業員に持たせる枚数を明確にするのがコツです。その上で、「限度額の余裕」「会計ソフトとの連携性」「年会費と還元率のバランス」を比較して選びましょう。

優先順位(コスト削減か管理のラクさか)を定めてから比較すると、適したカードが見つかりやすくなります。経理担当者の負担を減らすためには、会計ソフトへの明細自動取り込みができることも重要です。

詳しくは、記事内「法人カードを選ぶ7つのポイント」をご覧ください。

法人カードの審査は厳しいですか?

個人のカードに比べると、法人の経営実績が問われるため、審査が厳しい傾向にあります。しかし、近年は設立1年目でも発行可能なカードや、銀行口座の入出金履歴で審査するフィンテック系カードも少なくありません。

自社の状況に応じたカードを選べば、発行できる可能性は十分にあります。どうしても審査に通らない企業は、あらかじめ保証金を預け入れ、その金額を限度額として利用するデポジット型法人カードを活用しましょう。

詳しくは、記事内「審査が厳しい」をご覧ください。

法人向けのクレジットカードの特徴は?

引き落とし先を法人名義の口座に設定でき、追加カードで従業員の支出を一括管理できるのが特徴です。ビジネス向けの保険や福利厚生優待が充実しており、プライベートの支出と混ざらないため、税務上の信頼性も高まります。

詳しくは、記事内「法人カードとは」をご覧ください。

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