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2022年1月改正!電子帳簿保存法とは?

公開日:2020/11/10
最終更新日:2021/09/21

ペーパーレス化の促進を目的とした電子帳簿保存法が、2020年10月に改正されました。多くの要件が緩和されたことで、より効率的なビジネス展開が期待されています。

日々の業務におけるさまざまな資料を電子データとして保存できれば、紙の書類を減らすだけでなく、業務のプロセスそのものを効率化できます。

本記事で、電子帳簿保存法の基本的な仕組みや対象となる書類、タイムスタンプの必要性を見ていきましょう。また、電子保存を行うための手続きや法律で認められている保存方法について解説します。

目次

電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは、国税関係帳簿書類を電子データで保存することを認めた法律です。

決算関係書類(貸借対照表・損益計算書など)や各種帳簿(総勘定元帳・仕訳帳・現金出納帳など)といった紙での保存を原則としている税務関係書類を特例として、電子データで保存してもいいと定めています。

過去の法改正の流れ

電子帳簿保存法は1998年に施行されてから、デバイスの進化や通信環境の整備を受けて、数回の改正が行われています。法律が作られた当初は、国税書類をデータで作成したものだけが保存対象となっていましたが、次第に対象範囲が広がっていきました。

2005年の改正では、紙で発行したり受領した書類も対象となりました。「3万円未満のものにかぎる」「電子署名が必要」といった要件はあったものの、スキャンしてデータ保存をすることが認められました。

そして、2015年の改正で、スキャナでの保存対象が拡大し、「3万円以上のものも対象」「電子署名は不要」と要件が変更されました。。一方で、タイムスタンプや定期検査、相互牽制(複数人で書類の作成や保存を行う)が必要となりました。

さらに、2016年の改正では、デジカメやスマホで撮影したデータも有効となり、2020年には電子取引に関する改正が行われています。2020年の改正においては、電子取引が改ざんできない状態であれば、電子データそのものを税務上の証明として認められたのが特徴です。

それまでは取引において基本的に紙の書類を受け取る必要があり、税務上の保存期間が7年と義務付けられているので、保管スペースを確保するだけでも大変でした。本改正においても電子データの保存期間も7年となっていますが、ペーパーレス化を図ることができ、書類の保管場所に頭を悩ませなくて済みます。

電子帳簿保存法の対象となる文書

電子帳簿保存法で電子保存が可能な書類は、国税関係帳簿書類です。具体的な種類としては、次のものがあげられます。

文書のカテゴリ 文書の種類 スキャナ保存
国税関係帳簿 ・総勘定元帳
・仕訳帳
・現金出納帳など
×
(電子データ保存)
国税関係書類
(決算関係書類)
・賃貸対照表
・損益計算書
×
(電子データ保存)
国税関係書類
(取引関係書類)
・見積書
・発注書
・請求書
・契約書
・領収書など
電子取引 電子契約データ
・メールのデータ
・EDI(電子データ交換)取引など

対象とならない文書

電子帳簿保存法の対象となる書類の範囲は幅広いですが、なかには対象とならない書類もあります。

具体的には、手書きで作成した総勘定元帳や仕訳帳といった主要簿、同じく手書きで作成した請求書や補助簿といったものがあてはまります。

これらの書類はたとえスキャナ保存をしても、電子帳簿保存法の対象とはならないので注意しておきましょう。

認められている保存方法

電子帳簿保存法にもとづいて、電子データを保存するには以下の3種類があります。

  • 電磁的記録での保存
  • 紙データをスキャナで保存
  • 電子取引データの保存

それぞれのポイントと、対象とならない保存方法について見ていきましょう。

電磁的記録での保存方法

PCを使って作成したデータを保存する方法を電磁的記録での保存といいます。DVDやハードディスクといったメディアでの保管だけではなく、クラウドサービスを利用してサーバーに保管したデータもあてはまります。

データの作成者がPCを使って、一貫して作業を行う必要があります。クラウドサービスを利用すればデータの保存だけでなく、関係部署とのデータ共有もスムーズに行えるので便利です。

紙データをスキャナで保存する方法

スキャン対応している紙の書類をスキャンすることで電子データに変換し、電子文書として保存する方法も認められています。ただ、スキャナでの保存は紙の書類が改ざんされてしまえば、データの書き換えが行われてしまう難点があります。

そのため、タイムスタンプの付与など一定の要件を満たさなければ、エビデンスとして認められません。

電子取引データの保存方法

請求書・領収書等のうち、電子データで受領する書類や電子明細は、利用者がデータを改ざんできないクラウドサービスを利用していれば、税務署長承認やタイムスタンプは不要で保存可能です。

対象とならない保存方法

電子データの保存先として、海外のサーバーを利用している場合には注意が必要です。「保存場所が瞬時にデータを確認できる環境にあること」「バックアップが頻繁に行われていること」の2つの要件を満たしていなければ、電子帳簿保存法の対象外となってしまう可能性もあります。

2022年の法改正で何が変わる?

2022年(令和4年)1月以降、経理の電子化による生産性の向上・テレワークの推進・クラウド会計ソフトの活用による記帳水準の向上・ペーパーレス化の推進などを目的として電子帳簿保存法の改正が行われます。

この改正では電子帳簿とスキャナ保存について、抜本的な変更が行われ、電子帳簿での保存がより一層取り組みやすくなります。

電子帳簿保存・スキャナ保存・電子取引データ保存の3つのポイントから改正点を見ていきましょう。

電子帳簿保存の改正点

電子帳簿保存の改正点については、まず税務署長の事前承認制度が廃止され、届出制の導入へと変更されます。届出制に変わることで、申請手続きの簡略化がされます。

改正前の制度で電子帳簿の条件を満たすものは、所定の保存要件を満たしたうえで届出が必要であるものの、「優良な電子帳簿」に格上げされます。税務署長の事前承認を受けていたこれまでの電子帳簿とほぼ同じ扱いであり、申告漏れがあった場合に課される過少申告加算税が5%に軽減されるのが特徴です。

また、改正前の制度では認められていなかった、データのみを保存して、紙に印刷していない帳簿(いわゆる「野良帳簿」)は、改正後は「一般の電子帳簿」として許容されます。モニターや説明書等を備え付ける要件を満たし、税務職員が税務調査において必要な範囲で行使する質問検査権に基づくデータのダウンロード要求に応じること、正規の簿記のルールに従って記録することを条件に、届出も必要ありません。

そして、これまで一定の要件を満たしたものに適用されていた青色申告特別控除65万円は、届けを行った優良な電子帳簿にのみ適用されることとなりました。一般電子帳簿では適用されないので注意しておきましょう。

スキャナ保存の改正点

スキャナ保存の改正点として、税務署長の事前承認制度が廃止されます。電子帳簿保存と同様に手続きが簡略化されることで、スキャナ保存に取り組みやすくなります。

スキャナ保存では同一性の担保や改ざん防止策の実行が求められますが、2022年の改正ではこれらの要件が大幅に緩和されます。まず領収書への自署は廃止され、タイムスタンプ付与までの期間は最長約2ヶ月以内に統一されることになりました。

訂正や削除履歴の残るクラウド上に、最長2ヶ月以内にデータを格納するときは、タイムスタンプが不要となります。また、これまでは紙の原本とスキャナ画像が同一であることを社内の人間や税理士がチェックする必要がありましたが、社内チェックや定期検査も不要です。

保存する画像の解像度やサイズは特に変更がありませんが、解像度とサイズの情報は記録が必要です。

電子取引データ保存の改正点

電子取引データ保存については要件違反の場合、電子取引に関係するデータの出力書面を税法上の保存書類として扱わないこととなっています。つまり、紙の書類での保存が認められません。

また、検索要件に関しては項目が「日付・金額・取引先」に限定されます。税務職員の質問検査権に基づくダウンロードの求めに応じる場合は、「日付・金額の範囲指定が可能」「2つ以上の記録項目の組み合わせが可能」といった検索要件は不要です。

さらに、ダウンロード要求に応じる場合で、電子取引データの保存義務者が売上高1,000万円以下の事業者は、すべての検索要件が不要となります。

電子データ保存を進める良いタイミング

電子データは、紙の書類のように保存スペースを確保する必要がなく、コストも削減できます。

これまで電子帳簿保存やスキャナ保存で足かせとなっていた「税務署長による事前承認が必要」という点も、2022年の法改正で承認制度が廃止されることになっており、電子データ保存を進めようとする企業にとって追い風となります。

前述のように、タイムスタンプの要件や検索要件の緩和など、取り組みを進めやすい環境を整えることにつながります。

紙での一元管理は難しくなる

今までは、メール等により電子データで受け取った書類は、「電子での保存」と「紙での保存」どちらも容認されていました。そのため、郵送やFAXなどの紙で受け取った請求書と、電子データで受け取った請求書を紙に印刷して一元管理することも可能でした。

しかし今回の改正で、電子データで受領した請求書を紙に印刷して保存することは容認されず、電子での保存のみが認められます。一方で、紙で受領した請求書の電子保存については申請が不要となり、紙でも電子でも保存することができます。

これにより、これまで電子データを印刷して紙の請求書とまとめて一元管理することは難しく、紙を電子化して電子データで一元管理することが推奨されていくと考えられます。

不正行為のペナルティに注意

電子データ保存がよりスムーズになる2022年の法改正ですが、1つだけ注意すべき点があります。それは、不正行為を行ったときのペナルティとして、重加算税が10%となる点です。

導入しやすい環境を整えるために各種要件の緩和が行われる一方で、不正を行ったときにはペナルティが課されることに気をつけましょう。不正行為やデータの不備を防ぐ取り組みが、これまで以上に求められている面もあるのです。

電子帳簿保存法に対応したシステムを導入しよう

電子データを円滑に保存して管理していくためには、電子帳簿保存法に対応したシステムの導入が欠かせません。受発注のプロセスを短縮し、クラウド上で情報共有が行えるものを選んでみましょう。

データの一元管理が行えるシステムであれば、担当者間での無駄なタスクを削減でき、業務の自動化を進められます。2022年の法改正によって、電子データで保存を行う取り組みがさらに進めやすくなるはずです。

経理処理や電子取引にかけていた時間を短縮化し、業務の効率化を図るために電子帳簿保存法に対応したシステムの導入を検討してみましょう。

まとめ

2022年の電子帳簿保存法の法改正では、電子帳簿保存やスキャナ保存について、税務署長の事前承認制度の廃止やタイムスタンプの要件・検索要件の緩和など、抜本的な変更が行われます。

経理処理の電子化やペーパーレス化に取り組むことは、テレワークの推進にもつながっていくはずです。電子帳簿保存法に対応したシステムを上手に活用して、業務効率を高めてみましょう。

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