受発注の基礎知識

電子帳簿保存法とは?基本的な仕組みと改正点、手続き方法

公開日:2020/11/10

ペーパーレス化の促進を目的とした電子帳簿保存法が、2020年10月に改正されました。多くの要件が緩和されたことで、より効率的なビジネス展開が期待されています。

日々の業務におけるさまざまな資料を電子データとして保存できれば、紙の書類を減らすだけでなく、業務のプロセスそのものを効率化できます。電子帳簿保存法の基本的な仕組みや対象となる書類、タイムスタンプの必要性を見ていきましょう。

また、電子保存を行うための手続きや法律で認められている保存方法について解説します。

目次

電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは、国税関係帳簿書類を電子データで保存することを認めた法律です。決算関係書類(貸借対照表・損益計算書など)や各種帳簿(総勘定元帳・仕訳帳・現金出納帳など)といった紙での保存を原則としている税務関係書類を特例として、電子データで保存してもいいと定めています。

過去の法改正の流れ

電子帳簿保存法は1998年に施行されてから、デバイスの進化や通信環境の整備を受けて、数回の改正が行われています。法律が作られた当初は、国税書類をデータで作成したものだけが保存対象となっていましたが、次第に対象範囲が広がっていきました。

2005年の改正では、紙で発行したり受領したりした書類も対象となりました。「3万円未満のものにかぎる」「電子署名が必要」といった要件はあったものの、スキャンしてデータ保存をすることが可能となります。

2015年の改正においては、スキャナでの保存対象が拡大し、「3万円以上のものも対象」「電子署名は不要」となりました。一方で、タイムスタンプや定期検査、相互牽制(複数人で書類の作成や保存を行う)が必要となります。

さらに、2016年の改正ではデジカメやスマホで撮影したデータも有効となり、2020年には電子取引に関する改正が行われています。

2020年の法改正で何が変わった?

2020年10月から新たに施行された電子帳簿保存法では、電子取引において改ざんできない状態であれば、電子データそのものが税務上の証明として認められたのが大きなポイントです。これまではスキャナでの保存対象が拡大してはいましたが、基本的には紙の書類を受け取る必要がありました。

税務上は帳簿書類の保管が7年間と義務付けられているため、紙の書類では保管スペースを確保するだけでも大変です。電子データでの保存も同様に7年となってはいますが、書類の保管場所がいらず、データとして書類を確認できるので、ビジネスの効率化につながります。

電子帳簿保存法の対象となる文書

電子帳簿保存法で電子保存が可能な書類は、国税関係帳簿書類です。具体的な種類としては、次のものがあげられます。

国税関係書類

対象とならない文書

電子帳簿保存法の対象となる書類の範囲は幅広いですが、なかには対象とならない書類もあります。具体的には手書きで作成した総勘定元帳や仕訳帳といった主要簿、同じく手書きで作成した請求書や補助簿といったものがあてはまります。

これらの書類はたとえスキャナ保存をしたとしても、電子帳簿保存法の対象とはならないので注意しておきましょう。

認められている保存方法

電子帳簿保存法にもとづいて、電子データを保存するには「電磁的記録での保存」と「スキャナでの保存」の2種類があります。それぞれのポイントと、対象とならない保存方法について見ていきましょう。

クラウドサービスを利用する方法

PCを使って作成したデータを保存する方法を電磁的記録での保存といいます。DVDやハードディスクといったメディアでの保管だけではなく、クラウドサービスを利用してサーバー所に保管したデータもあてはまります。

データの作成者がPCを使って、一貫して作業を行う必要があります。クラウドサービスを利用すればデータの保存だけでなく、関係部署とのデータ共有もスムーズに行えるので便利です。

紙データをスキャンする方法

紙の書類をスキャンすることで電子データに変換し、電子文書として保存する方法も認められています。ただ、スキャナでの保存は紙の書類が改ざんされてしまえば、データの書き換えが行われてしまう難点があるのです。

そのため、タイムスタンプの付与などの一定の要件を満たさなければ、エビデンスとして認められません。

対象とならない保存方法

電子データの保存先として、海外のサーバーを利用している場合には注意が必要です。「保存場所が瞬時にデータを確認できる環境にあること」「バックアップが頻繁に行われていること」の2つの要件を満たしていなければ、電子帳簿保存法の対象外となってしまう可能性もあります。

タイムスタンプの必要性

タイムスタンプとは、電子化した文書が原本であることを示すものです。電子データに日時の記録が刻印されるので、スタンプを付与されてから内容を変更していない証明となります。

タイムスタンプはどんな場合でも必要というわけではなく、ケースごとに異なります。主に不要となるケースについて見ていきましょう。

ユーザーが改変できないシステムの場合は不要

2020年10月の法改正によって、ユーザーが改変できないデータについてタイムスタンプは不要となりました。クラウド上にデータを保存している場合などがあてはまります。

従来は紙の領収書を受領してから電子データ化し、そのうえでタイムスタンプを3日以内に付与しなければなりませんでした。法改正により、経費の精算が自動化できるなどのメリットが生まれました。

受け取る側のタイムスタンプが不要

以前は電子データの発行者側においてタイムスタンプが押されているだけでなく、受け取る側も押す必要がありました。しかし、法改正によって受け取る側のタイムスタンプは不要となっています。そのため、受け取る側はデータの保存だけをしておけば問題ありません。

クレジットカードの利用明細でも不要

クレジットカードやQRコード決済などのキャッシュレス決済においても、タイムスタンプは不要です。利用明細のデータそのものが領収書の代わりとなるので、経理処理にかける時間を大幅に短縮できます。

電子帳簿保存法の適用要件と申請方法

電子データによる保存を行う場合には、開始3ヶ月前までに、所轄の税務署に対して必要書類を提出します。申請のために必要となる書類は、承認申請書と添付書類(システムの概要書・操作説明書など)です。

申請を行うと書面審査が行われますが、受理されるためには保存するデータが本物であることを示す真実性や、書類の内容をきちんと視認できる可視性を確保しておく必要があります。具体的な適用要件については、国税庁が公表している「はじめませんか、帳簿書類の電子化!」でチェックできます。

また、希望開始日までに税務署からの連絡がこない場合でも「みなし承認」となり、電子データでの保存が可能となります。経費精算などの流れが変わってくるので、スムーズに移行できるように社内規定などを整えておきましょう。

電子帳簿保存法に対応したシステムの導入は、申請時には必須ではないものの、運用を始めるまでには整えておく必要があります。みなし承認の後に実地審査によって、データの保存状況などが確認されることがあります。

法律に則った運用がされていないときには、承認を取り消される恐れもあるので気をつけておきましょう。

電子取引は申請不要

ビジネスにおけるすべての取引で承認申請が必要なわけではなく、インターネットを通じた電子取引では不要となっています(電子帳簿保存法第10条)。また、EDIと呼ばれる電子商取引データについても、承認申請はいりません。

ただ、税務署への申請が不要であっても、電子取引そのものについては保存義務があるので注意しましょう。

電子帳簿保存法に対応したシステム

電子データを円滑に保存して管理していくためには、電子帳簿保存法に対応したシステムの導入が欠かせません。受発注のプロセスを短縮し、クラウド上で情報共有が行えるものを選んでみましょう。

データの一元管理が行えるシステムであれば、担当者間での無駄なタスクを削減でき、業務の自動化を進められます。電子取引なら紙での保存が不要であり、対応したシステムを使うことで証憑管理そのものが必要なくなります。

まとめ

電子帳簿保存法の改正によって、電子取引が改ざんできない仕組みを整えれば、紙の書類での保存が不要となりました。電子データそのものを税務上の証明として用いることができるので、経費精算などの業務の効率化が期待されています。

適切に運用していくためには、社内規定の整備やフローの確認が大事であり、法改正に対応したシステムの導入も欠かせません。電子帳簿保存法の適用要件や申請するまでの流れを押さえたうえで、スムーズに運用していきましょう。

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