受発注の基礎知識

発注管理とは?発注管理システムのメリット・デメリット、選び方

発注管理とは?発注管理システムのメリット・デメリット、選び方

事業活動において欠かせない業務の1つに「発注管理」があります。発注は、品物などの物を発注するだけではなく、最近ではフリーランスなどの増加によって、仕事の依頼そのものを発注するケースも増えてきています。

しかし、適切な発注管理が行われなければ、無駄なコストや業務が発生するので注意が必要です。発注管理をきちんと行うためには、業務全体を把握したうえで具体的な流れを理解しておくことが大切です。

本記事では、効率的に業務を進めていくことに役立つ発注管理システムも含めて、詳しく解説します。

目次

発注とは?

普段から発注業務を行わない方であっても、発注とはどういうものかは想像がつくと思いますが、念のために「発注とは何なのか」について、少し触れておきましょう。

ひと口に発注といっても、種類や方法はさまざまですし、発注する物や業種別で違いがありますから、発注をひと言で説明することはとても難しいです。

一般的には、品物などの物を仕入れする場合にする場合に使用されますが、仕事の依頼自体を発注する場合にも使用されています。特に最近ではフリーランスの増加により、ライターやインフルエンサーなどに仕事を依頼する企業も増えてきています。

発注管理とは?

発注業務を行うなかで、重要となるのが発注管理です。発注管理は、単に足りなくなった在庫を補充や仕事依頼をするといった意味だけでなく、在庫状況の把握や発注先の選定、発注のフローなどを細かく管理していくことが重要です。

また、発注先に依頼する内容や発注先とのスケジュール調整なども必要になります。依頼内容がまとまっておらず、発注先とのスケジュールの調整が上手くできないと、無駄な在庫を抱えてしまったり、納期が遅れてしまったりして、かえって機会損失につながったりもします。

事業における利益率を高めるためにも、発注管理の業務を必要に応じて見直していくことが大切です。

発注管理のプロセス

発注管理を効率的に行うためには、全体の流れを把握したうえで1つ1つのプロセスに問題がないかを見極めていく必要があります。発注管理における主なプロセスとしては、「発注フローの整備」「発注先の選定と契約」「発注状況の管理」の3つがあげられます。

それぞれのプロセスについて、どのようなポイントに気をつけるべきかを見ていきましょう。

発注フローの整備

業務の一部を社外に発注するとしても、まずは社内における発注フローを整備する必要があります。誰がどの発注先に対して、何の業務を外注しているのかが把握できなければ、無用なコストが発生してしまいます。

また、実際に発注先とのやりとりが始まった場合のコミュニケーション手段についても、事前に検討しておきましょう。発注先によって連絡手段がバラバラだと、それだけで業務の負担が増し、上手く意思疎通が行えません。

発注先とのやりとりはチャットツールに一本化するなど、統一した基準が必要です。

発注先の選定と契約

発注先をどう選ぶかについては、発注プロセスにおいて重要な部分です。自社が意図するビジネス上の目的をきちんと理解したうえで、業務を遂行するだけのスキルを持った発注先を選ぶ必要があります。

ただ、初めて取引を行う相手であれば、いくら選考を重ねたとしても能力の見極めに苦労することもめずらしくありません。まずは少ない業務量で任せて、少しずつ発注業務を増やすなどして能力を見極めてみましょう。

発注先を選ぶポイントとしては、「業務遂行能力はあるか」「こちらの意図を理解してくれる相手か」「きちんとコミュニケーションが取れるか」といった点を重視することが大切です。自社が掲げる条件に適った発注先が見つかったら、業務委託契約を結びましょう。

業務委託契約についてはこちら

発注状況の管理

発注先とのやりとりにおいては、スケジュールや納期の管理も重要です。発注した業務がどのような進捗状況にあるのか、一目で分かる仕組みを整えておく必要があります。

発注先のリソースを社内で共有できていなければ、そもそも必要なタイミングで発注すること自体が難しくなってしまうはずです。発注管理を担う社員が、どの発注先を担当し、どのようなサイクルで発注から納品までを行うかをルール化しておきましょう。

発注管理システムとは?

発注管理に関する業務は、実際に発注をかけるまでにいくつかの段階を踏む必要があるため、プロセスが複雑であれば確認作業も増えてしまうものです。複雑な仕組みを採用していると、自ずとミスも増えやすくなってしまいます。

Excelやスプレッドシートで発注管理を行うのは、いちからシートを作成しなければならず時間がかかります。また、ほかの担当者と情報共有しづらいといったデメリットがあります。

発注管理におけるミスをできるかぎり少なくし、業務を効率化するためにはWeb上ですべてのプロセスが完結する発注管理システムの導入を検討してみましょう。

発注管理システムのメリット・デメリット

オンラインで発注管理を行うことで、Excelなどで管理をするときの悩みや問題を解決できます。多くのメリットがある一方でデメリットもあるため、導入にあたっては自社の状況をよく踏まえて検討することが大切です。

メリット

発注管理システムではあらかじめフォーマットが決められていたり、さまざまなテンプレートから選べたりするので、発注管理用のシートを作成する必要がありません。必要事項を入力するだけでよく、データのチェックをしやすいのが特徴です。

Excelなどの管理では発注をかけるたびに、その内容を直接シートに入力しなければならないので管理コストがかかります。一方、発注管理システムであれば、以前に入力したデータが自動で反映されるので作業の時間短縮につながります。

また、Excelやスプレッドシートでは複数人で管理を行うこともめずらしくありませんが、データの入力方法がバラバラだったり、データ更新の面でも問題があったりするものです。オンラインの発注管理システムなら、データベースを使用するので複数人で作業を行っても、データに整合性がとれます。

再発注を行うときも最低限の工数で済み、発注データの確認も簡単です。作業を効率化すれば管理の手間も減り、ミスを未然に防ぐことにつながります。

デメリット

発注管理システムを導入するには、事前準備が欠かせません。それまでのやり方を変更するため、社内だけでなく仕入先などともよく擦り合わせを行いましょう。

また、導入するための費用や毎月のランニングコストについても精査する必要があります。

発注管理システムの選び方

発注管理システムを選ぶときのポイントとしては、業務を効率化するために求める機能が備わっているものを選びましょう。せっかく導入をしても、充分な機能が備わっていなければ、手動で対応する必要があったり、追加で別のサービスを契約する必要が出てきたりとコストが発生してしまいます。

また、クラウド型で情報を一元管理でき、操作が簡単なものを選ぶのが得策です。導入してからは操作に困る場面もあるので、きちんとサポートしてもらえるサービスを選ぶと安心できます。

まとめ

企業にとって、発注管理は必要不可欠な業務です。発注管理は単なる取引行為ではなく、発注先の選定や発注状況の管理など、多岐にわたって考えるべき項目も多くあります。発注管理が適切に行われていなければ、業務に支障が出たり無駄なコストが発生したりするリスクもあります。また、Excelなどで管理をすると入力ミスや情報が共有しづらいといった問題も出てきます。効率的な運用を行うためにも、発注管理システムの導入を検討してみましょう。

フリーランス・業務委託先への発注を効率化する方法

フリーランスや業務委託先との取引が多い企業にとって、手間がかかるのが発注業務です。

一口に発注業務といっても、契約や発注、請求など対応すべき作業は多岐にわたり、管理が行き届かないケースがあります。たとえば、法令にもとづく適切な発注ができていなかったり、請求書の提出期日が守られなかったり、請求書の不備で差し戻しが発生したりなどの課題が挙げられるでしょう。

このような課題を抱えている発注担当者におすすめしたいのが、業務委託管理システム「freee業務委託管理」です。

freee業務委託管理を活用すると、フリーランスや業務委託先への発注に関する手続きや取引情報のすべてを一元管理できるようになります。契約締結から発注、業務期間のやり取り、納品、検収、請求、支払いまで、一連の対応をクラウド上で完結できるため、管理コスト削減や業務効率化、取引に関するトラブルのリスク低減などのメリットをもたらします。

また、フリーランスや業務委託先との過去の取引履歴や現在の取引状況の管理も可能です。発注実績や評価を社内共有しやすく、業務委託の活用による従業員のパフォーマンス向上が期待できます。

freee業務委託管理の主な活用メリットは以下のとおりです。

発注に関わる手続きや取引情報を一元管理

クラウド上で契約完了

初めて取引を行うフリーランスや業務委託先と契約を締結する際、freee業務委託管理を使えば、クラウド上でのスムーズなやり取りが可能です。

契約書はそのままクラウド上に保管されるため、契約情報をもとに発注内容を確認したり、契約更新時のアラート通知を受け取ったりすることもできます。

発注対応や業務進捗を可視化

発注書の作成・送付は、フォーマットに業務内容や報酬、納期などを入力するだけで完了します。

また、発注業務をメールや口頭でのやり取りで行っていると、管理上の手間がかかるのはもちろん、発注内容や業務進捗などを把握しづらいこともあるでしょう。freee業務委託管理は発注内容が可視化され、プロジェクトの業務進捗や残予算をリアルタイムに把握するうえでも役立ちます。

正確な請求管理を実現

発注業務でもっとも忘れてはならないのが、請求管理です。報酬の支払い漏れや遅延は企業の信用に関わるため、情報の一元管理によって正しく効率的に行う必要があります。freee業務委託管理ならフリーランスや業務委託先が請求書を発行する際も、ワンクリックで発注書に連動した請求書を作成可能。請求書の回収状況が一覧で確認できるほか、請求処理に関する上長や経理担当者の承認作業もクラウド上で行えます。

支払明細書の発行も可能

確定申告の際に必要な支払明細書(支払調書)も、フリーランスや業務委託先ごとに発行できます。発行した支払明細書(支払調書)はPDFでダウンロードしたり、メールで送付したりすることも可能です。

法令への対策が万全

近年、発注側の企業がフリーランスや業務委託先に対して優越的地位を濫用するリスクを防ぐため、下請法やフリーランス保護新法(2024年10月施行予定)にもとづく適切な発注対応が求められています。また、インボイス制度や電子帳簿保存法の要件を満たす書類の発行・保存も不可欠です。

こうした法令に反する対応を意図せず行ってしまった場合も、発注側の企業に罰則が科される可能性があるため、取引の安全性を確保する必要があります。freee業務委託管理なら既存の法令はもちろん、法改正や新たな法令の施行にも自動で対応しているため、安心して取引を行うことができます。

カスタマイズ開発やツール連携で運用しやすく

業務委託管理システムを導入する際は、発注業務の担当者が使いやすい環境を整えることも欠かせません。freee業務委託管理は、ご希望に応じて、オンプレミスとの連携や新たな機能の開発などのカスタマイズも可能です。また、LINE・Slack・Chatwork・freee・CloudSign・Salesforceなど、各種ツールとの連携もできます。

より詳しくサービスについて知りたい方は、無料ダウンロード資料「1分で分かるfreee業務委託管理」をぜひご覧ください。

業務委託先との契約・発注・請求・支払をまるごと管理

freee業務委託管理は、業務委託先との契約・発注・請求・支払を一元管理するクラウドのサービスです。下請法、フリーランス保護新法、インボイス制度、電子帳簿保存法など法令に対応した安全な取引を実現できます。