受発注の基礎知識

動画制作の外注費用はいくら?広告宣伝費との違いや勘定科目を解説

動画制作の外注費用はいくら?広告宣伝費との違いや勘定科目を解説

動画の外注費用は、依頼内容や制作範囲によって大きく変動します。編集のみであれば比較的低コストに抑えられますが、企画や撮影を含む場合は費用が高くなりやすい傾向があります。

同じ動画制作費でも、外注費として処理するのか、広告宣伝費として扱うのかは、支出の目的によって判断が異なります。こうした違いを理解しておかないと、経理処理で迷いやすくなるため注意が必要です。

本記事では、動画制作の外注費用の相場や勘定科目の考え方、管理のポイントを解説します。

目次

動画制作を外注する際の費用相場

動画制作の費用は、依頼内容・制作範囲・クオリティによって大きく変わります。編集のみであれば数万円程度に収まる一方、企画や撮影を含む場合は数十万円〜数百万円になることもあります。

制作会社に依頼する場合

制作会社に依頼する場合の費用は、10万円〜数百万円程度が目安です。なお、10万円台は編集中心の小規模案件が多く、企画や撮影を含む場合は30万円以上になることがあります。

価格帯ごとの違いは、下記のとおりです。

価格帯主な内容動画の尺納期の目安
10万〜30万円編集+簡易構成1~10分2週間〜1ヶ月
30万〜100万円企画+撮影+編集1~5分1~2ヶ月
100万円以上本格的な企画・演出1~5分2~3ヶ月以上

制作会社は企画から撮影・編集まで一括対応できるため、品質や再現性が求められる案件に適しています。一方で、ディレクターや撮影スタッフなど複数人が関わるため人件費が高くなりやすく、制作工程が増えるほど納期も長くなる傾向があります。

フリーランスに依頼する場合

フリーランスに依頼する場合は、3,000円〜20万円程度が目安です。

価格帯主な内容動画の尺納期の目安
3,000円〜5万円編集のみ(カット・テロップ・BGM)1~10分1~2週間
5万円〜20万円編集+簡易構成・演出1~10分1~3週間

低価格帯では、素材支給前提の編集案件が中心となります。YouTube動画やSNS動画の量産など、コストとスピードを重視したい場合に適しています。

動画の種類別の費用相場

動画の用途によっても費用は変動しますが、実際には価格帯と制作範囲の組み合わせで決まる点が重要です。

種類ごとの相場は下記のとおりです。

動画の種類費用相場
YouTube・SNS動画1~50万円
商品・サービス紹介動画30~200万円
会社紹介・採用動画10~200万円
セミナー・イベント動画10~60万円
インタビュー動画30~50万円
広告動画(Web・CM)30万〜数百万円

たとえば、SNS動画は編集のみであれば低コストに抑えられますが、企画やナレーションを含めると費用は上がります。広告動画のように撮影やディレクションを含む場合は、30万円以上が目安です。

また、動画の長さによっても費用は変わります。

動画の長さに応じた制作外注費用の変化

  • 15~30秒:1~50万円
  • 1~3分:1~150万円
  • 3~5分:10~200万円

尺が長くなるほど編集・構成の工数が増えるため、費用も上がるのが基本です。

動画制作費用の内訳

動画制作の費用は、主に下記の要素で構成されています。

動画制作費用の内訳

  • 企画・構成費(シナリオ設計・ディレクション)
  • 撮影費(人件費・機材・ロケーション)
  • 編集費(カット編集・テロップ・演出)
  • ナレーション・BGM・素材費

とくに人件費の割合が大きく、制作体制や工程が増えるほど費用は高くなります。費用を抑えたい場合は、すべてを外注するのではなく、どの工程を依頼するかを切り分けることが重要です。たとえば、自社で撮影を行い、編集のみ外注すれば撮影費を削減できます。

また、動画の尺を短くすることで編集工数を減らし、全体コストを抑えることも可能です。

さらに、アニメーションや過度な演出を控え、シンプルな構成にすることで制作負担を軽減できます。動画の目的に必要な要素を見極めることで、無駄なコストをかけずに成果につなげられるでしょう。

動画制作を外注する際の流れ

動画制作を外注する際の主な流れは、下記のとおりです。

動画制作を外注する際の流れ

  1. 動画の目的(認知・集客・採用など)やターゲットを明確にする
  2. 制作会社やフリーランスを比較し、実績や対応範囲を確認する
  3. 費用の内訳や提案内容をチェックし、自社に合うか判断する
  4. 動画のシナリオや方向性をすり合わせ、完成イメージを固める
  5. 撮影・編集後に初稿を確認し、修正を経て納品される

このように工程ごとに整理しておくと、どのタイミングで何を判断すべきかが明確になります。重要なのは、最初の目的設定と企画段階でのすり合わせです。ここが曖昧なまま進めると、完成後に「イメージと違う」といったズレが生じやすくなります。

そのため、外注する際は「誰に、何を伝え、どのような行動を促したいのか」を事前に整理しておくことが、成果につながる動画制作のポイントです。

動画制作を外注した場合の勘定科目

動画制作を外注した場合の勘定科目は、外注したかどうかではなく、動画の目的と支出の実態で判断します。主に外注費または広告宣伝費で処理されますが、どちらを選ぶかは用途によって異なります。

制作会社に依頼した場合

制作会社に動画制作を依頼し、企画・撮影・編集などの業務を一括で委託している場合は、外注費(業務委託費)として処理する考え方が基本です。一方で、制作した動画が商品やサービスのPRを目的としている場合は、広告宣伝費として処理することもあります。

同じ動画制作費であっても、業務委託として捉えるか、広告活動として捉えるかによって処理が異なる点に注意が必要です。重要なのは、支出の目的と内容に基づいて判断することです。

また、請求書に「動画制作一式」と記載されている場合でも、内容によって扱いが変わるため、契約内容や発注時の目的をあわせて確認しておきましょう。

PR動画を制作会社に依頼した場合の仕訳例は、下記のとおりです。

借方貸方摘要
広告宣伝費:180、000円普通預金:180、000円動画制作費(PR用)

請求書の名目だけで判断せず、契約内容や用途を確認したうえで処理することがポイントです。

フリーランスに依頼した場合

フリーランスに依頼した場合も、基本的な考え方は制作会社と同様です。動画編集や撮影などの業務を委託している場合は、外注費として処理するのが一般的な考え方です。ただし、広告用動画など販促目的が明確な場合は、広告宣伝費として処理することもあります。

フリーランスか制作会社かによって勘定科目が決まるわけではなく、あくまで目的と実態に応じて判断する点が重要です。動画編集をフリーランスに委託した場合の仕訳例は、下記のとおりです。

借方貸方摘要
外注費:85、000円普通預金:85、000円動画編集業務委託費

このように、フリーランスへの支払いは外注費として処理するケースが多いものの、最終的な判断は動画の用途によって変わります。

とくに、PR動画や広告用コンテンツの場合は広告宣伝費として処理することもあるため、契約内容や利用目的を確認したうえで、社内ルールに沿って統一的に処理することが重要です。

外注費と広告宣伝費の違い

動画制作の勘定科目は、外注費か広告宣伝費かで迷いやすいですが、支出の目的で判断すると整理しやすくなります。

外注費と広告宣伝費の違い

  • 外注費:動画制作という業務を外部に委託した支出
  • 広告宣伝費:商品・サービスのPRや販促を目的とした支出

たとえば、YouTube運用の一環として継続的に動画制作を依頼する場合は外注費、広告配信用の動画を制作する場合は広告宣伝費として処理するのがひとつの目安です。

ただし、広告目的の動画であっても、制作業務としての性質が強い場合は外注費で処理するケースもあります。必ずしも明確に分かれるわけではないため、実態に即して判断することが重要です。

広告用途あるものの外注費で処理する場合の仕訳例は、下記のとおりです。

借方貸方摘要
外注費:95、000円普通預金:95、000円動画制作外注費

このように、最終的には形式ではなく、支出の実態に合った科目を選ぶことがポイントです。

内製で動画制作をした場合の勘定科目

動画制作を社内で行う場合は、「動画制作費」として一括処理するのではなく、発生した費用の内容ごとに勘定科目を分けるのが基本です。

主に人件費・動画編集ソフト関連費用・機材費に分けて整理すると、経理処理やコスト管理がしやすくなります。

社員が制作した場合の人件費

社員が業務の一環として動画制作を行う場合、そのコストは給料賃金などの人件費として処理します。動画制作に関わる業務であっても、特別な勘定科目を新たに設ける必要はなく、通常の給与と同様の扱いとなります。

なお、制作業務の比重が大きい場合は、プロジェクト単位や部門別で工数を管理しておくと、費用の把握や改善に役立つでしょう。給与の支払いは、通常どおりの仕訳で処理します。

借方貸方摘要
給料賃金:268、000円普通預金:268、000円動画制作業務

人件費については既存の処理ルールの中で対応しましょう。

動画編集ソフトの勘定科目

動画編集ソフトにかかる費用は、利用形態と金額に応じて勘定科目を判断する必要があります。月額制の動画編集ソフトは、通信費や支払手数料などで処理されるケースが多く、具体的な勘定科目は社内の会計方針に応じて決まるものです。

買い切り型の動画編集ソフトは、少額であれば消耗品費として処理する考え方です。一方、一定金額以上で継続的に使用する場合は、ソフトウェア(無形固定資産)として計上し、減価償却の対象となります。減価償却の方法や耐用年数については、税法上のルールにもとづいて決まるため、詳細は税理士や会計ソフトのガイドを参考に確認しましょう。

たとえば、クラウド型のソフトを利用した場合は下記のように処理します。

借方貸方摘要
通信費:9、800円普通預金:9、800円動画編集ソフト利用料

一方、買い切りソフトであれば、次のように処理します。

借方貸方摘要
消耗品費:30、000円普通預金:30、000円動画編集ソフト購入

同じソフト費用でも契約形態や金額によって処理方法が変わる点を押さえておきましょう。

撮影機材・編集機材の勘定科目

カメラやパソコンなどの機材は、購入金額に応じて処理方法が異なります。

一般的には、10万円未満であれば消耗品費、10万円以上は固定資産(工具器具備品など)として計上し、減価償却の対象とするという考え方が目安になります。ただし、この基準はあくまで目安であり、金額や会社の会計方針によって処理が異なる場合もある点に注意が必要です。

少額の機材を購入した場合は、次のように処理しましょう。

借方貸方摘要
消耗品費:90、000円普通預金:90、000円撮影機材

一方、一定金額以上の機材を購入した場合は、固定資産として計上し、耐用年数に応じて減価償却を行います。

借方貸方摘要
工具器具備品:200、000円普通預金:200、000円撮影機材

機材費は金額によって処理が変わるため、購入時点で判断基準を確認しておくことが重要です。

動画制作費を管理する際のポイント

動画制作費は、1件あたりの金額が大きくなり、処理方法によっては管理が煩雑になりやすい支出です。 処理の基準が曖昧なまま運用すると、どの施策にいくら使っているのか把握しにくくなります。

管理の精度を高めるには、勘定科目のルールを明確にすること、費用を用途別に分けて記録すること、証憑を整理して保管することを押さえておくことが重要です。

勘定科目を統一して管理する

動画制作費を正しく管理するためには、「どのような支出をどの勘定科目に分類するか」を具体的に決めておくことが有効です。

「動画の制作作業に対する支払いは外注費」「広告として配信するための費用は広告宣伝費」「現在利用している動画編集ソフトは月額制のため通信費」などの判断基準を定め、一度決めた勘定科目は基本的には変更せずに一貫して用いるようにしましょう。

あらかじめ統一されたルールを定めておくことで、処理の迷いがなくなり、数値のブレを防げます。

外注費と広告費を分ける

動画制作に関する支出は、制作費と広告費が同時に発生することが多く、まとめて計上すると「どこにいくら使ったのか」がわかりにくくなります。

たとえば制作会社からの請求に動画制作費と広告配信費が含まれている場合は、一括で処理するのではなく、それぞれを分けて入力しましょう。分けて記録しておくことで、制作にかかっている費用と広告にかけている費用を切り分けて確認できます。

費用を分けて管理しておくと、制作コストが増えているのか、広告費が膨らんでいるのかが判断しやすくなり、改善の方向性も見えやすくなります。

請求書・領収書を整理して保管する

動画制作費を適切に処理するためには、請求書や領収書を内容ごとに整理して保管しておくことが欠かせません。

なお、動画制作に関する支出は、外注費と広告宣伝費のどちらに該当するかを判断する必要がありますが、その根拠になるのが請求書の記載内容です。「動画制作一式」とだけ書かれている場合は、制作費なのか広告関連費なのか判断しづらく、処理に迷う原因になります。

そのため、発注時点で下記のように内訳がわかる形で記載してもらうことが重要です。

請求書に記載する動画制作費用の内訳の例

  • 撮影費
  • 編集費
  • ディレクション費
  • 広告用動画制作費

内訳が明確であれば、勘定科目の判断がしやすくなります。

また、保管の際は「日付・取引先・内容」がすぐ確認できる状態に整理しておくと、後から見返す際に手間がかかりません。とくに税務調査では支出の内容を説明できるかどうかが問われるため、証憑は用途がわかる形で保管しておきましょう。

会計ソフトで経費管理を効率化する

動画制作費の管理は、会計ソフトを活用することで大幅に効率化できます。動画制作に関する支出は、外注費や広告宣伝費など複数の勘定科目にまたがるため、手作業で処理すると入力ミスや判断のばらつきが起きやすくなります。

会計ソフトでは、あらかじめ仕訳ルールを設定しておくことで、入力時の負担を減らせるのがメリットです。たとえば、特定の制作会社への支払いは外注費、広告配信サービスへの支払いは広告宣伝費といった形でルールを登録しておけば、取引ごとに判断する手間を省けます。

さらに、銀行口座やクレジットカードと連携すれば、取引データを自動で取り込み、仕訳まで半自動で処理が可能です。継続的に動画制作を行う場合は、こうした仕組みを整えておくことで、作業時間の削減と処理の正確性を両立できます。

freee会計」のようなクラウド会計ソフトを使えば、動画制作に関わる費用もまとめて管理しやすくなります。

まとめ

動画制作を外注する際は、まず費用相場や依頼先ごとの特徴を把握し、自社の目的に合った進め方を選ぶことが大切です。適切な選択ができるかどうかで、動画の成果は大きく変わります。

そのうえで、制作にかかる費用を正しく管理するためには、外注費と広告宣伝費の使い分けや、勘定科目のルールを整理しておくのがポイントです。あらかじめ基準を決めておくことで、経理処理の迷いを防げます。

さらに、実際の支出管理では、請求書の内訳確認や証憑の整理が重要です。内容ごとに記録しておくことで、「何にいくら使ったのか」を正確に把握できます。

こうした管理を効率よく行うには、会計ソフトの活用も有効です。「freee会計」を使えば、取引データの自動取込や仕訳の自動化によって、動画制作に関わる費用もまとめて管理しやすくなります。

自社の目的に合った進め方と管理体制を整え、動画制作を効果的に活用していきましょう。

フリーランス・業務委託先への発注を効率化する方法

フリーランスや業務委託先との取引が多い企業にとって、手間がかかるのが発注業務です。

一口に発注業務といっても、契約や発注、請求など対応すべき作業は多岐にわたり、管理が行き届かないケースがあります。たとえば、法令にもとづく適切な発注ができていなかったり、請求書の提出期日が守られなかったり、請求書の不備で差し戻しが発生したりなどの課題が挙げられるでしょう。

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発注対応や業務進捗を可視化

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また、発注業務をメールや口頭でのやり取りで行っていると、管理上の手間がかかるのはもちろん、発注内容や業務進捗などを把握しづらいこともあるでしょう。freee業務委託管理は発注内容が可視化され、プロジェクトの業務進捗や残予算をリアルタイムに把握するうえでも役立ちます。

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法令への対策が万全

近年、発注側の企業がフリーランスや業務委託先に対して優越的地位を濫用するリスクを防ぐため、下請法やフリーランス保護新法(2024年11月1日施行予定)にもとづく適切な発注対応が求められています。また、インボイス制度や電子帳簿保存法の要件を満たす書類の発行・保存も不可欠です。

こうした法令に反する対応を意図せず行ってしまった場合も、発注側の企業に罰則が科される可能性があるため、取引の安全性を確保する必要があります。freee業務委託管理なら既存の法令はもちろん、法改正や新たな法令の施行にも自動で対応しているため、安心して取引を行うことができます。

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よくある質問

動画編集を代行する場合の相場はいくらですか?

動画編集のみであれば数千円〜数万円程度、企画や撮影を含む場合は数十万円以上になることもあります。依頼内容や制作範囲によって費用は大きく変わる点が特徴です。

詳しくは、記事内「動画制作を外注する際の費用相場」をご覧ください。

動画制作費は広告宣伝費と外注費どちらになりますか?

動画の目的によって勘定科目は異なります。制作業務として外部に依頼した場合は外注費、広告や販促を目的とする場合は広告宣伝費として処理します。

詳しくは、記事内「外注費と広告宣伝費の違い」をご覧ください。

動画制作費は経費として計上できますか?

事業に関連する動画制作費であれば、経費として計上できます。内容に応じて外注費や広告宣伝費など、適切な勘定科目に分類して処理することが必要です。

詳しくは、記事内「動画制作を外注した場合の勘定科目」をご覧ください。

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