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注文請書とは?記載すべき項目や収入印紙の必要性について解説

最終更新日:2022/06/30

監修 アトラス総合事務所

注文請書とは?記載すべき項目や収入印紙の必要性について解説

注文請書(ちゅうもんうけしょ)とは、受注者が注文を確かに受理したことを示すために発行する書類です。

発注者が注文時に発行する「注文書(発注書)」はよく聞きますが、注文請書の発行はあまり一般的ではないため、馴染みがない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、注文請書とは何か、また注文請書を発行する必要性、そして記載すべき具体的な項目、収入印紙の必要性の有無などを解説します。

目次

注文請書とは

注文請書(ちゅうもんうけしょ)とは、契約書の一種であり、受注者がその注文を確かに受理したことを示すために作成する書類です。

一般的には、電話やメールなどで「注文を承りました」と伝えるのみで、注文請書の発行を省略する企業は多いですが、正式な注文請書を発行することでその意思表示を形として残すことができます。

発注者側が契約内容を記載した「注文書」を作成し、受注者側はその注文を受ける「注文請書」を作成し、書類を取り交わします。

注文請書の発行義務

日本の法律では、売買契約や請負契約について書面の発行義務はありません。

そのため注文請書・注文書のどちらも発行義務はありませんが、商品やサービスの注文があったことを証明するものとして注文書を発行することが一般的です。

注文書はメールやFAXで送られることが多く、受注者側はそれに対して注文を受け付けた旨を返信することで受注の意思表示となります。また、受注者側に「注文を受けていない」といわれるリスクが少なく、発注者側にとって注文請書を受け取る必要性も低いため、多くの企業では注文請書を発行していません。

しかし、注文請書を発行することで、発注者側であれば「注文したつもりがないのに注文したことになっている」、受注者側であれば「注文を受けたはずなのに発注者側が認識していない」といった将来起こりうるトラブルを未然に回避できます。

注文請書と注文書(発注書)の違い

注文請書は受注者が発行する書類であるのに対し、注文書は注文者が発行する書類です。注文書は「発注書」とも呼ばれ、どちらも同じ書類を指します。

前述のとおり、売買契約は書面がなくても成立するので注文書の発行も義務づけられてはいないですが、商品やサービスを注文した証拠となるため、日本の商取引では注文書を発行することが一般的です。

なお、製造委託や修理委託など下請法の対象となる取引では、一定事項を記載した注文書の発行が義務づけられています。

また、その他に混同しやすい契約書類として、見積書や納品書などがあります。それぞれの役割を理解しておきましょう。

書類 作成(発行)者 概要
見積書 受注者 金額・数量・工程・期間などの取引内容を
事前に提示するための書類
注文書 発注者 商品やサービスを発注する際に提示する書類
注文請書 受注者 その注文を引き受ける意思を示すための書類
受領書 発注者 商品やサービスを受け取った証明として発行する書類
納品書 受注者 商品やサービスを納品した際に発行する書類
検収書 発注者 商品やサービスが発注どおりの内容であったことを示す書類
請求書 受注者 商品やサービスの対価を支払ってもらうために発行する書類
領収書 受注者 商品やサービスの対価を受け取ったことを
証明するために発行する書類

【関連記事】
発注書(注文書)の役割と注意点、作成方法をわかりやすく解説

注文請書に記載すべき項目

注文請書を作成する際には、記載が必須といえる5つの項目があります。

  • 注文請書の発行日(取引日)
  • 発注者の名称
  • 受注者の名称
  • 注文内容
  • 納期、納品方法、支払い条件
  • 契約後の齟齬が発生するリスクを減らすため、契約内容を明確にし、記載した項目をよく確認しましょう。

注文請書の発行日(取引日)

注文請書には、書類の発行日(取引日)を記載します。ただし、注文請書の発行日(取引日)は注文書に記載の日付より前の日付であってはいけません。注文請書は注文書が発行された後に作成されるため、日付に前後があると契約の流れに矛盾が生じます。

なお、注文書と注文請書の発行日(取引日)が同日であれば問題ありません。

発注者の名称

注文請書では、発注者を明確にすることが重要です。発注者となる企業名、担当者名を必ず記載しましょう。

基本的には、注文書に記載されている内容をそのまま転記すれば問題ありません。

受注者の名称

注文請書では、注文内容について問い合わせたいときにすぐ対応できるように、誰が受注したのかを明確にする必要があります。受注者側の企業名、住所、電話番号、担当者名などを記載します。

注文内容

注文請書を発行する受注者が、提供する商品やサービスの具体的な内容や単価、数量を記載します。

複数の商品やサービスを納品する場合は、取引内容が具体的に把握できるように品目ごとに項目を分けて記載します。発注金額の合計欄は税抜額、消費税額、税込額を記載します。また、品目ごとの単価や数量を記載する場合もあります。

なお、注文内容や発注金額に応じて貼付する収入印紙の金額が決まっているので注意しましょう。

納期、納品方法、支払い条件

納品の期限や納品方法、支払い方法を記載します。支払いトラブルなどを避けるために、発注者と受注者の双方で合意する必要があります。

なお、請求書は別途送付するため、注文請書には支払先(銀行口座など)を記載する必要はありません。

注文請書は印紙税の対象?

注文請書は、印紙税の課税対象となる場合があります。

印紙税とは、国が定める「国税」のひとつです。不動産の売買や金銭の消費貸借など、経済取引に関連して作成される書類のうち、印紙税法で課税対象と定められた書類に収入印紙を貼る方式で納付することが義務づけられています。

印紙税の対象となる課税文書は複数ありますが、注文請書が課税文書に該当するかは注文内容によって異なります。

請負契約の注文請書は印紙税が必要

工事請負契約や物品加工注文、広告契約、会計監査契約など「請負契約」の場合は、印紙税法上の第2号文書に該当するため印紙税が課税されます。

なお、すでにあるものを購入する場合は物品の売買契約とみなされるため、印紙税は不要です。ただし1回限りではなく、継続的な売買契約である場合は第7号文書に該当し、一律4,000円の印紙税を納める必要があるので注意が必要です。

印紙税額は、課税文書の種類や記載された契約金額によって異なります。請負契約で発行する注文請書にかかる印紙税額は以下のとおりです。

記載された契約金額 税額
1万円未満のもの 非課税
1万円以上100万円以下のもの 200円
100万円を超え200万円以下のもの 400円
200万円を超え300万円以下のもの 1,000円
300万円を超え500万円以下のもの 2,000円
500万円を超え1,000万円以下のもの 10,000円
1,000万円を超え5,000万円以下のもの 20,000円
5,000万円を超え1億円以下のもの 60,000円
1億円を超え5億円以下のもの 100,000円
5億円を超え10億円以下のもの 200,000円
10億円を超え50億円以下のもの 400,000円
50億円を超えるもの 600,000円
契約金額の記載のないもの 200円

なお、契約金額に消費税は含まれません。

また、収入印紙を貼らなければならない課税文書を収入印紙を貼らずに交付した場合は、印紙税額の3倍に相当する過怠税が徴収される可能性があります。

契約書に収入印紙を貼る場合、発注側と受注側が連帯して納税することが民法上の原則です。しかし、注文請書は1部しか発行しないことが多いため、作成者である受注者側が収入印紙を貼るケースが多いようです。

電子化した注文請書は印紙税が不要

前述のとおり、請負契約や継続する売買契約に関する注文請書には収入印紙が必要です。しかし、印紙税の課税対象となるのは、相手方に交付することを目的とした書面(紙)のみです。

そもそも印紙税法では、「文書の作成者は、その作成した課税文書について印紙税を納める義務がある」と定めていますが、ここでいう「作成」とは、課税文書を作成するだけではなく、その文書をその目的に従って行使することを意味します。

印紙税法基本通達では、「相手方に交付することを目的として作成された課税文書」は、実際に相手方に交付された時点で「その目的に従って行使された」ものとみなすと規定されています。

したがって、電子化した注文請書の場合、相手方にデータを「送信」しますが、書面として「交付」するわけではないため、印紙税の課税対象とはなりません。

注文請書の収入印紙は消印が必要

印紙税の納付には、収入印紙の貼付と消印が求められます。消印がない場合は、収入印紙の額面金額に相当する金額の過怠税が徴収される可能性があります。

なお、消印はあくまでも収入印紙による印紙税納付のための押印で、消印がない場合でも注文請書そのものは有効です。

まとめ

注文請書とは、注文者が発行した注文書に対して受注者がその注文を確かに受理したことを示すために作成する書類です。

注文請書の発行は必須ではありませんが、書面として残しておくことで契約後に齟齬が発生するリスクを軽減できます。

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