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文書管理システムとは?主な機能やメリット、種類、選び方などを解説【2026年最新】

文書管理システムとは?機能・メリット・電帳法対応の選び方まで解説

文書管理システムとは、電子化した文書の作成・登録・検索・更新・廃棄までを一元的に管理する仕組みで、ペーパーレス化や業務効率化を進める企業の多くで導入されています。

電子帳簿保存法の改正により、2024年1月以降に授受した電子取引データは電子データのまま保存することが原則義務化されました。テレワークの定着で場所を選ばず文書を扱える環境の重要性も高まり、紙とファイルサーバー中心の管理では対応しきれない場面が増えています。

本記事では、文書管理システムの主な機能や導入メリット、電子帳簿保存法への対応、選定時のポイントまでを解説します。

目次

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文書管理システムとは

文書管理システムとは、電子化した文書をデジタルで保管・検索・修正・廃棄できるよう一元管理する仕組みです。営業資料・報告書・契約書・仕様書・業務マニュアル・社内規定など、あらゆる資料を電子化して管理できます。

必要なタイミングで文書を取り出せるほか、更新や共有も簡単に行えます。文書をファイルサーバーに直接アップロードして管理する方法もありますが、主な目的は保存であることがほとんどです。文書管理システムは、保存だけでなく更新や共有をスムーズに行える点で異なります。

ファイルサーバーとの違い

文書管理システムとファイルサーバーは、どちらも文書を電子的に保管・共有できる点で共通します。一方で、文書のライフサイクル全体を管理できるかどうかが両者の決定的な違いです。

<文書管理システムとファイルサーバーの比較>

観点文書管理システムファイルサーバー
主な目的作成から廃棄までの一元管理ファイルの保存と共有
検索全文検索・属性検索・あいまい検索に対応ファイル名・フォルダ階層中心
アクセス権限文書ごとに細かく設定可能フォルダ単位が中心
版管理自動でバージョン履歴を保持手作業での命名管理
監査ログ閲覧・編集・ダウンロードを記録機能が限定的
保管期限管理期限到来時の通知・自動廃棄手作業での運用

ファイルサーバーは「保存」と「共有」が主目的で、操作履歴の記録や、保管期限を過ぎた文書の自動廃棄といった機能は限定的です。文書管理システムは、登録・改訂・参照・廃棄というライフサイクル全体を1つの仕組みで扱えるため、電子帳簿保存法のような法令対応や内部統制が必要な場面で有力な選択肢になります。

文書管理システムが注目される背景

文書管理システムは業務効率化を目的に導入されてきましたが、近年は法令対応や働き方の変化を背景に、導入を検討する企業が広がっています。代表的な背景が、電子帳簿保存法への対応とテレワークの定着です。

電子帳簿保存法への対応

電子帳簿保存法(電帳法)は、税務関係の帳簿や書類を電子データで保存するためのルールを定めた法律です。2022年の改正を経て、2024年1月から電子取引データの電子保存が原則義務化されました。電子取引データとは、メール添付のPDF請求書やECサイトで取得した領収書など、電子的にやり取りされた取引情報を指します。これらを紙に印刷して保存する運用は、原則として認められません。

電子帳簿保存法が求める主な保存要件は、訂正・削除の履歴を確認できる「真実性の確保」と、検索・閲覧ができる「可視性の確保」の2つです。

電子帳簿保存法が求める主な保存要件

  • 取引年月日・取引金額・取引先による検索ができること
  • 2つ以上の項目を組み合わせた検索ができること
  • 訂正や削除の事実と内容を確認できる仕組みがあること
  • ディスプレイ・プリンタ等による速やかな出力ができること

文書管理システムには、こうした検索機能やログ管理、タイムスタンプ付与を備えた製品が多く、電帳法対応を効率化する手段として注目されています。相当の理由がある事業者には猶予措置もありますが、原則として電子データでの保存対応が必要である点は変わりません。

出典:国税庁「電子帳簿等保存制度(電子帳簿保存法)特設サイト」

ペーパーレス化とテレワークの定着

テレワークの定着により、紙の文書を前提とした業務フローが見直されています。承認印を押すための出社や、原本確認のための移動は、業務効率を下げる要因と認識されるようになりました。

文書管理システムを導入すれば、自宅や外出先からでも必要な文書を検索・閲覧でき、申請から承認までを画面上で完結できます。用紙代やインク代といった直接的なコストだけでなく、文書を探す時間や承認待ちの時間といった見えにくいコストの削減にもつながります。なお、OCR(光学文字認識)やAIの精度向上により、紙文書の電子化や整理にかかる負担も軽減され、導入のハードルは下がりつつあります。

文書管理システムの主な機能

文書管理システムの主な機能は次のとおりです。

文書管理システムの主な機能

  • 登録
  • 検索
  • バージョン管理
  • ワークフロー
  • ライフサイクル管理
  • セキュリティ対策

登録

電子化した文書は、あらかじめ設定されたフォーマットに従って件名や分類などの項目を入力し、登録します。必須項目のエラーチェックや文書番号の自動付与で記入ミスを減らせるほか、フォーマットは自社に合わせて自由に変更できます。紙の文書を読み取るOCR機能やAI-OCRを使えば、取引日や金額などの属性情報を自動で読み取って登録項目に反映でき、手入力の負担を大きく減らせます。ただしAIの読み取りには誤りが含まれることもあるため、契約書など重要な書類では人による確認とあわせて運用します。

検索

登録した文書は、タグや属性情報で絞り込めるほか、テキストの全文検索でも探し出せます。完全一致検索に加え、表記ゆれや誤字脱字も対象にする「あいまい検索」を備えた製品も多く、目的の文書に手間取らずたどり着けます。近年は、生成AIを使って自然文で検索できる製品も登場しています。

バージョン管理

文書を改訂すると、改訂前と改訂後をそれぞれ個別に管理できます。「いつ・誰が・どの部分を」操作したかがわかるため、トラブル発生時の原因特定に役立ちます。閲覧時は常に最新バージョンが表示されるため、誤って旧バージョンを参照することもなくなります。

ワークフロー

文書の申請・承認・公開などの確認経路を自動化・簡素化する機能です。押印のための出社が不要になり、外出先からスマートフォンで承認できるため、リモートワークの推進に役立ちます。申請・承認時の通知も任意のタイミングで設定できます。

ライフサイクル管理

文書の作成・活用・保管・検索・改訂・廃棄という一連の流れをシステム化する機能です。不要になった書類を通知し、更新や削除を自動で行えます。法律で保管期限が定められた書類を自動で通知・廃棄することもでき、適切な文書管理体制を構築できます。

セキュリティ対策

文書やフォルダごとにアクセス権限を付与でき、特定の担当者以外の閲覧を制限できます。ダウンロードパスワードや印刷制限の設定、誰が文書にアクセスしたかを示すアクセスログの確認、透かし文字の自動挿入も可能で、文書の不正な持ち出しを防げます。

文書管理システムを導入するメリット

文書管理システムを導入するメリットは次のとおりです。

文書管理システムを導入するメリット

  • 検索機能による業務効率化
  • 文書共有の効率化
  • バージョン管理の容易化
  • ペーパーレス化によるコスト削減
  • 内部統制・コンプライアンスの強化

稟議書や報告書、帳簿などの文書は日々増え続けます。文書には法律で保管期間が定められたものもあり、総務関連で2〜5年、経理関連で7年、会社法に関わる文書で10年とされています。

前章で挙げた検索・共有・バージョン管理の各機能は、こうした文書を探す手間や取り違えを減らし、管理工数をそのまま削減します。以下では、特に効果の大きいペーパーレス化と内部統制について解説します。

ペーパーレス化によるコスト削減

紙媒体の保管には、用紙代やインク代、印刷機の電気代、保管場所の地代など、さまざまなコストがかかります。文書管理システムで電子化すれば、これらのコストやシュレッダー処理の手間を軽減でき、管理する紙文書が多いほどコストパフォーマンスは高くなります。ただし導入・運用にもコストがかかるため、費用対効果を計算したうえで導入します。

内部統制・コンプライアンスの強化

文書管理システムでは、誰がいつどの文書にアクセス・編集したかを記録するログ機能や、訂正・削除の履歴を残す機能を活用できます。これらは内部統制の整備や、電子帳簿保存法・個人情報保護法といった法令対応の根拠資料としても役立ちます。

紙の運用では「いつ・誰が・何を確認したか」を後から証明しにくいケースもありますが、システム上に操作履歴を残せば、監査や調査の場面で証跡として提示できます。属人化していた管理を仕組みで支える形に変えられる点が、内部統制を強化する観点でのメリットです。

文書管理システム導入時の注意点

文書管理システムは、導入しただけで効果が出る仕組みではありません。導入前後に検討しておきたい注意点として、コスト・運用ルール・既存文書の電子化の3つが挙げられます。

導入・運用コストの見積もり

文書管理システムには、月額のサブスクリプション費用やオンプレミス型の初期費用に加え、ストレージ容量・ユーザー数・オプション機能による追加費用が発生します。

最低限必要な機能と将来的に追加したい機能を切り分け、5年程度の総コストで比較することが現実的です。AI-OCRやスキャニング代行などのオプションは従量課金が設定される製品もあるため、月あたりの登録・読み取り件数を試算しておくと、想定外の費用増を避けやすくなります。

運用ルールの設計と全社定着

登録方法や命名規則、フォルダ構成、保管期限といった運用ルールが曖昧なままでは、ツールを導入しても社内に定着しません。導入前にルールを設計し、関係部署で合意を取ったうえで運用を始めることが重要です。

特にアクセス権限は、業務実態と乖離するとファイルが見られない・申請が滞るといったトラブルの原因になります。担当者・閲覧者・承認者の3つの役割で整理し、運用後も定期的に見直します。

既存の紙文書の電子化(スキャン)の負担

過去に蓄積された紙文書を電子化する作業は、想定以上に工数がかかります。一度に全てを電子化しようとすると現場の負担が大きく、システム稼働が遅れる原因にもなります。

新規に発生する文書から段階的に電子化する、利用頻度の高い文書を優先する、スキャニング代行サービスを活用するなど、自社の体制と予算に合わせた進め方を検討します。

文書管理システムの種類(提供形態)

文書管理システムは、システム環境をどこに置くかによって、クラウド型とオンプレミス型の2種類に分かれます。

クラウド型

提供会社のサーバーにシステム環境や文書を保存して運用する形態です。自社でサーバーを購入する必要がなく、料金は月額・年額のサブスクリプションが一般的なため、費用や工数の負担を抑えて導入できます。一方で、文書を他社サーバーにアップロードするため、提供会社のセキュリティ体制や契約内容を確認したうえで契約することが大切です。

オンプレミス型

自社サーバーや自社PCにシステム環境を構築する形態です。文書も自社サーバーに保存するためセキュリティを堅牢にしやすく、自社の管理方法に合わせた柔軟なカスタマイズも可能です。ただし、サーバーの設置・保守・運用にコストがかかり、買い切りや年単位のライセンス料が中心で初期費用がかさむ傾向があります。

用途別の4タイプ

提供形態とは別に、文書管理システムは「どのような文書を」「どのような目的で」管理するかという用途軸でも整理できます。自社が解決したい課題に応じて、適した製品の方向性が変わります。

<用途別の4タイプ>

タイプ主な対象文書向いているケース
社内文書の保管・活用型報告書・稟議書・議事録・社内規定多様な社内文書を一元管理したい
社内文書の作成・共有型マニュアル・ナレッジ・手順書共同作成と社内共有を効率化したい
契約書・国税関係書類特化型契約書・請求書・領収書電子帳簿保存法への厳密な対応が必要
社外共有型取引先と共有するファイル全般社外関係者とのファイル授受が中心

社内文書の一元管理なら保管・活用型、ナレッジの共同作成なら作成・共有型、電子帳簿保存法への厳密な対応が必要なら契約書・国税関係書類特化型、取引先とのファイル授受が中心なら社外共有型が候補です。タイプは提供形態とは別の軸のため、両者を組み合わせて検討します。

文書管理システムを選定するポイント

文書管理システムを選定する際は、次の5つの観点で比較します。

自社に合った機能があるか

文書の発行に役職者の承認が必要、印刷・ダウンロード禁止、特定の取引先には紙で提示するなど、文書にまつわる慣習は企業ごとに異なります。自社の管理方法を洗い出し、それを文書管理システムで踏襲できるかを確認することが重要です。秘匿性の高い文書を扱うならオンプレミス型、フロー簡略化を重視するならクラウド型というように、提供形態の適性もあわせて判断します。

セキュリティ対策は万全か

文書を扱ううえで最も重要なのがセキュリティです。文書やユーザー単位でアクセスを制御でき、アクセスログを取得できる製品であれば、セキュリティ性は高いといえます。あわせて、障害時にそなえた自動バックアップの体制も確認しておくと安心です。

電子帳簿保存法・JIIMA認証への対応

経理関連の書類や契約書を扱う場合は、電子帳簿保存法に対応した機能が備わっているかが重要な選定軸です。取引年月日・取引金額・取引先による検索、訂正・削除履歴の記録、タイムスタンプの付与といった機能の有無を確認します。

判断材料の1つが、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)による「JIIMA認証」です。電帳法の法的要件を満たすソフトウェアに付与される認証で、電子帳簿ソフト・電子書類ソフト・スキャナ保存ソフト・電子取引ソフトの4区分があります。自社が対象とする書類の区分の認証を取得しているかを確認すると、要件適合を判断しやすくなります。

ただし認証はソフトウェア側の要件適合を示すもので、運用体制や社内規程の整備は導入企業側で必要です。

出典:公益社団法人日本文書情報マネジメント協会「JIIMA認証制度」

既存システムとの連携性

文書管理システムは、会計システム・経費精算システム・電子契約サービス・チャットツールなどと連携することで効果を発揮します。API連携の対応範囲や、よく使うクラウドストレージとの統合可否を事前に確認します。

連携性が低い製品を選ぶと、システム間で業務が分断され、ダブル入力や転記ミスの温床になることがあります。導入前に主要な業務フローを書き出し、どの段階でどのシステムを使うかを整理しておくことが重要です。

サポート体制・費用対効果

導入後のサポート体制と費用対効果も確認しておきたい観点です。問い合わせ手段や初期設定支援、スキャニング代行などのオプションの有無に加え、月額利用料だけでなくストレージ容量・ユーザー数・電帳法対応オプションを含めた総額で比較します。

削減できる人件費(文書を探す時間・承認待ちの時間)や紙の保管コストと並べると、定量的に判断できます。

まとめ

文書管理システムは、紙とファイルサーバー中心の運用では対応しきれない業務効率化と法令対応を、1つの仕組みで支える選択肢です。電子帳簿保存法への対応、用途別タイプ、提供形態、選定軸と判断材料は多岐にわたります。

導入を検討する際は、まず自社が扱う文書の種類とライフサイクルを整理し、必要な法令対応を把握したうえで、提供形態・用途タイプ・選定軸の優先順位を決めると、検討すべき製品の方向性が見えてきます。

請求書や領収書の保存と会計処理を一体で進めたい場合は、freee会計のような会計システムと組み合わせて運用する選択肢もあります。無料トライアルで実際の使い勝手を確認することが、ミスマッチを避ける近道です。

よくある質問

文書管理に使えるアプリはありますか?

スマートフォンやタブレットで動作する文書管理アプリもありますが、個人利用やファイルの一時保管を目的としたものが中心です。企業として複数人で文書を共有・運用する場合は、アクセス権限・バージョン管理・電子帳簿保存法対応などを備えた業務向けの文書管理システムが一般的です。

多くの製品はPCのブラウザに加えスマートフォン・タブレットからも利用でき、外出先からの確認や承認も可能です。詳しくは「文書管理システムの主な機能」で解説しています。

文書管理に必要なスキルはありますか?

文書管理の担当者には、自社で扱う文書を分類・整理して検索しやすいルールに落とし込む力と、関係する法令を踏まえて運用ルールを設計する力が求められます。

具体的には、保管期限を法律に沿って整理する知識、アクセス権限を業務に合わせて設計する力、運用ルールを社内に浸透させるコミュニケーション力などです。特定の資格は必須ではありませんが、文書情報管理に関する民間検定としてJIIMAが実施する「文書情報管理士」があります。

詳しくは「文書管理システム導入時の注意点」で解説しています。

文書管理システムは無料で使えますか?

ユーザー数や保存容量に上限を設けた無料プランや、期間限定の無料トライアルが用意された製品もあります。導入前に操作性を確認したい場合は、無料トライアルから試すと判断材料が得やすくなります。

ただし無料プランは機能が限定されることが多く、電子帳簿保存法への対応や高度なアクセス権限管理、AI-OCRなどは有料プランのみのケースが一般的です。本格的に業務利用する場合は、必要な機能を踏まえて有料プランを比較検討します。

詳しくは「文書管理システムを選定するポイント」で解説しています。

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