対面契約とは、契約当事者が直接会い、契約内容を一つひとつ確認しながら契約を締結する方式のことです。また、対面で契約を締結する際に署名を行うことを対面署名と呼びます。
本記事では、対面契約の意味や、活用される背景・具体的な場面、契約の流れを解説します。さらに、近年普及している電子契約サービスを使った対面契約のメリットや注意点、サービス選定のポイントまでをわかりやすく紹介します。
目次
- 対面契約とは
- 対面契約における対面署名とは
- 対面契約が活用される背景
- 対面契約が活用される場面
- BtoC事業
- 雇用契約・人事関連
- 基本的な対面契約の流れ
- 1. 契約書を準備・提示する
- 2. 契約内容を相手方と確認
- 3. 契約書に署名・押印する
- 4. 契約書を保管・管理する
- 電子対面契約とは
- 対面契約との違い
- 電子対面契約の関連法
- 電子対面契約のメリット
- 契約締結業務の効率化
- コスト削減効果
- セキュリティの向上
- 電子対面契約の注意点
- 運用体制の整備が必要
- 法的有効性の確認
- 相手方への配慮が必要
- 対面契約に適した電子契約サービスの選び方
- 必要機能が揃っているか
- 適正なコストかどうか
- サポート体制が整っているか
- 契約業務を効率化するfreeeサイン
- まとめ
- よくある質問
対面契約とは
対面契約とは、契約当事者が直接会い、契約内容を一つひとつ確認しながら契約を締結する方式のことです。主に店舗や窓口、オフィスなどで対面契約が用いられており、担当者と契約者が対面し、その場で説明を受けながら合意形成を行います。
契約内容についてその場で質問や確認ができるため、認識のズレを防ぎやすく、安心感を持って契約を進められる手法として、現在も多くの場面で利用されています。
対面契約における対面署名とは
対面署名とは、契約当事者が同じ場所に集まる対面契約において、内容を確認したうえで、その場で署名・押印を行うことを指します。契約書に自署・押印することで、契約締結の意思を明確に示せる点が特徴であり、説明から確認、署名までを一連の流れで完結できます。
対面契約が活用される背景
対面契約が活用され続けている背景には、以下のような実務的な理由が挙げられます。
- 対面のため紙の印刷・郵送コストがかからない
- 直接対面するため本人確認が容易
- 契約締結までの時間が短縮できる
- 契約者(顧客)と信頼関係を築きやすい
- その場で必要な情報を補足できる
- 不備をすぐに修正できる
対面契約は直接顔を合わせて手続きを行うため、担当者は契約者の本人確認がしやすく、契約者は内容に対する理解度をその場で高められます。
また、契約締結までのプロセスが比較的短く、契約者との信頼関係を築きやすいことから、慎重な説明や合意形成が求められる契約において、対面契約は現在も重要な役割を担っています。
対面契約が活用される場面
対面契約は、契約者の不安や疑問をその場で解消しながら進めたい場合に適した契約方式です。ここでは、対面契約が活用される具体的な場面を紹介します。
BtoC事業
BtoC事業では、顧客と直接向き合いながら手続きを進めるケースが多いため、店舗や窓口での対応を中心とする業種で広く採用されています。
具体的な業種や活用シーンは以下のとおりです。
対面契約が活用される業種
- 携帯電話ショップでの契約手続き
- 保険の申込・契約
- 介護施設の入所申込
- リフォーム・工事請負契約
- 不動産の賃貸契約
- 結婚式場・ブライダル施設の申込
対面で説明しながら契約することで、顧客に安心感を与えやすく、契約手続きのスピードも向上します。
雇用契約・人事関連
BtoC企業での契約締結のほかに、新規雇用契約や人事関連の手続きにおいて対面契約が選ばれることがあります。入社手続きやアルバイト採用時の契約、労働条件通知書などは、諸条件や就業内容について丁寧な説明が求められるため、対面契約で説明と確認を行うことで、誤認によるトラブルを防ぎやすくなります。
基本的な対面契約の流れ
対面契約は、契約当事者が直接会い、契約内容を確認しながら段階的に手続きを進めていくのが一般的です。ここでは、基本的な流れを順に解説します。
1. 契約書を準備・提示する
まず、担当者が契約書を準備し相手方に提示します。契約書は、必要な箇所に付箋を貼って説明する、重要な条項を指し示しながら読み進めるなど、内容を把握しやすい形で提示することが重要です。あわせて、契約の目的や全体の構成を事前に説明しておくことで、相手方の理解を深めやすくなります。
2. 契約内容を相手方と確認
次に、契約書を見ながら、契約条件や料金、注意点などを一つひとつ確認します。相手方からの質問や不明点にその場で対応しながら、内容に認識のズレがないかを丁寧に確認し、合意に向けてすり合わせを行います。
3. 契約書に署名・押印する
契約内容への合意が得られたら、契約書に署名または押印を行います。紙の契約書の場合は、原本と控えの二部を作成し、契約者がそれぞれに署名・押印するのが一般的です。
4. 契約書を保管・管理する
署名・押印後の契約書は、各当事者が一部ずつ保管します。企業側は原本を社内で管理し、契約者にも控えを渡します。
契約書を適切に保管しておくことで、後日の内容確認やトラブル発生時にも迅速に対応できるため、締結後の管理も重要な工程のひとつです。
電子対面契約とは
電子対面契約とは、契約当事者が同じ場所で対面しながら、紙の契約書ではなくタブレット端末などの電子機器を用いて契約を締結する方式です。担当者と契約者が画面を見ながら契約内容を確認し、その場で電子署名を行います。
従来の対面契約と同様に、説明や確認を直接行えるため契約者からの安心感も得やすく、紙の印刷や押印を伴わずに契約を完了できます。店舗や窓口での手続きを中心に、対面の利便性とデジタル化を両立できる契約手法として注目されています。
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対面契約との違い
従来の対面契約では、紙の契約書を用意し、署名や押印を行ったうえで書面を保管するのが一般的でした。
一方、電子対面契約では、契約書の表示から署名までを電子上で完結できる点が大きな違いです。電子対面契約では、契約書の作成や保管をデジタルで行えるため、書類管理の負担を軽減しやすくなります。
また、契約内容の修正や確認も画面上で行えるため、手続き全体を効率化しやすいという特徴があります。
電子対面契約の関連法
電子対面契約を適切に運用するためには、関連する法律の理解が欠かせません。代表的な電子対面契約の関連法には、以下のものがあります。
電子対面契約の関連法
- 電子署名法(電子署名及び認証業務に関する法律)
- 電子帳簿保存法
電子署名法は、電子署名が一定の要件を満たす場合に、本人による署名と同様の効力を持つことを定めた法律です。電子対面契約では、この電子署名を用いて契約の成立や有効性を担保します。
電子帳簿保存法は、国税関係書類を電子データで保存する際の要件を定めた法律です。電子対面契約で締結した契約書を電子的に保存・管理する場合、この法律に沿った保存方法を採用する必要があります。
これらの法律を正しく理解し、要件を満たした形で運用することで、電子対面契約においても法的に有効な契約締結が可能となります。
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電子対面契約のメリット
電子対面契約は、対面での説明や確認という安心感を保ちながら、契約業務をデジタル化できる点が特徴です。従来の紙による対面契約と比べて、業務負担やコストを抑えやすく、契約管理の面でも多くの利点があります。
ここでは、電子対面契約を導入することで得られる主なメリットを解説します。
契約締結業務の効率化
電子対面契約では、店舗や窓口での説明から署名、契約書の保存までを電子タブレット端末上で一連の流れとして完結できます。そのため、契約締結に必要な作業を集約しやすく、手続き全体の効率化が期待できます。
また、書類の印刷や押印、郵送といった作業が不要になるため、契約前後に発生していた事務作業の負担も軽減されます。
コスト削減効果
電子対面契約を導入することで、紙の契約書に必要だった印刷費や用紙代、郵送費などのコストを削減できます。契約件数が多いほど、これらの削減効果は大きくなります。
さらに、書類保管のためのファイリング用品や保管スペースが不要になるため、長期的に見ても運用コストの抑制につながります。
セキュリティの向上
契約書を電子契約システム上で管理することで、アクセス権限の設定や操作履歴の記録が可能となり、不正な閲覧や改ざんを防ぎやすくなります。
また、紙の書類と異なり、紛失や誤廃棄のリスクが低減される点もメリットです。契約情報を安全に管理しやすい環境を整えられるため、情報管理体制の強化にもつながります。
電子対面契約の注意点
電子対面契約は、契約業務を効率化できる一方で、導入や運用にあたって事前に確認しておくべき項目もあります。ここでは、安定した運用を実現するための主な注意点を解説します。
運用体制の整備が必要
電子対面契約を導入する際は、タブレット端末などの機器管理方法や、契約データの取り扱いルールをあらかじめ定めておく必要があります。運用フローが不十分なまま導入すると、現場での対応が統一されず、業務の混乱を招く恐れがあるためです。
また、企業内で円滑に運用できるよう、操作方法や手続きに関する教育・研修も欠かせません。導入時には、こうした体制整備に一定のコストや準備期間がかかる点も考慮しておきましょう。
法的有効性の確認
電子対面契約を運用するにあたっては、契約が法的に有効と認められる要件を満たしているかを事前に確認する必要があります。まず、使用する署名方法が、電子署名法に基づく本人性や非改ざん性の要件を満たしていることが重要です。
また、締結した契約書を電子データとして保存する場合には、電子帳簿保存法に沿った保存方法を採用しなければなりません。加えて、業界や業種によっては独自のルールやガイドラインが定められていることもあるため、自社の事業内容に応じた確認を行いましょう。
相手方への配慮が必要
相手方が電子契約に不慣れな場合には、十分な説明やサポートを行うことが求められます。デジタル機器の操作に不安がある利用者に対しては、操作を補助しながら進めるなどの配慮が必要です。
説明不足による誤解やトラブルを防ぐためにも、対面ならではの丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。状況に応じて書面契約へ切り替えるなど、柔軟な運用ルールを整備することが重要です。
対面契約に適した電子契約サービスの選び方
対面契約に電子契約サービスを導入する際は、単に電子署名ができるかどうかだけでなく、実際の契約現場で無理なく運用できるかを見極めることが重要です。
電子契約サービスの選定や導入時には、以下のポイントから見定めましょう。
必要機能が揃っているか
まずは、対面署名機能や端末上での契約書表示、署名後の契約書の自動保存など、業務に直結する機能が搭載されているかを確認しましょう。
あらかじめ自社の契約形態や運用フローを整理し、必要な機能を洗い出したうえで、候補となるサービスと比較すると、選定をスムーズに進められます。
適正なコストかどうか
電子契約サービスは、料金体系がサービスごとに異なるため、自社の契約件数や運用体制に見合っているかを確認することが大切です。初期費用だけでなく、月額費用や契約数に応じた従量課金など、導入後に発生する運用コストも含めて総合的に比較しましょう。
とくに、端末台数や店舗数が多い場合はコストの負担が大きくなりやすいため、ベンダーの料金体系を事前に確認し、自社の予算に合ったサービスを選ぶことが重要です。
サポート体制が整っているか
安定した運用のためには、サポート体制の充実度も重要な判断材料となります。導入時の設定支援や操作説明に対応しているか、トラブル発生時に迅速なサポートを受けられるかといった点を確認しておきましょう。
サポートが充実していれば、トラブル発生時も現場での不安や負担を軽減でき、対面契約業務を継続的にスムーズに運用しやすくなります。
契約業務を効率化するfreeeサイン
freeeがクラウドで提供する「freeeサイン」は、対面契約に対応した電子契約サービスです。タブレット端末を用いた対面署名をはじめ、契約書の作成を補助する機能や、店舗・窓口業務に合わせた運用設計ができます。
また、実際の契約現場での使いやすさを重視した機能が揃っているため、紙の契約書を中心とした業務からの移行もスムーズに進めやすくなります。対面での契約が多い企業や、契約業務全体の効率化を図りたい事業者にとって、導入メリットの大きいサービスといえるでしょう。
詳細については、「freeeサイン」の公式ページをご確認ください。
まとめ
対面契約は、対面での丁寧な説明や確認により、契約者との合意形成を図る契約方式です。
近年は、書面での対面契約業務のデジタル化も進んでおり、契約業務の効率化やコスト削減効果が期待できます。電子契約サービスを導入する際は、自社の業務内容や契約形態に合ったシステムを選定することで、その効果をより高められます。
本記事で紹介したポイントを参考に、法的有効性の確保や運用体制の整備にも十分配慮したうえで、対面契約の電子化を検討してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
対面契約(対面書面)とは何ですか?
対面契約とは、契約当事者が直接会って契約内容を確認しながら、契約を締結する方式のことです。対面で契約を締結する際に署名を行うことを対面署名と呼びます。
詳しくは、記事内「対面契約とは」をご覧ください。
対面契約の基本的な流れは?
対面契約の基本的な流れは次のとおりです。
- 契約書の準備・提示
- 契約内容を相手方と確認
- 契約書への署名・押印
- 契約書の保管・管理
詳しくは記事内「基本的な対面契約の流れ」をご覧ください。
対面契約に最適な電子契約サービスの選び方は?
対面契約に最適な電子契約サービスを選定する際は、以下のポイントを確認しましょう。
- 必要機能が揃っているか
- 適正なコストかどうか
- サポート体制が整っているか
詳しくは記事内「対面契約に適した電子契約サービスの選び方」をご覧ください。
参考文献
▶国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」
