AI活用の基礎知識

ChatGPTの利用はバレる?文章で見抜かれる理由・業務上のリスク・安全な使い方を解説

ChatGPTは、レポートやエントリーシート、業務文書など幅広く活用されていますが、文体や内容の特徴、アクセス履歴などから「生成AIで作成したものだ」と発覚するリスクがあります。勤務先や取引先のルールに反した利用は、評価の低下や信用の喪失、情報漏えいなどのリスクにつながります。

ただしAI検出ツールが必ずしも正確に判定できるとは限らず、「バレるかどうか」の判断は単純ではありません。

本記事では、ChatGPTの利用がバレる理由や文章以外の発覚経路、発覚した場合のリスクを解説し、また業務で安全に活用する方法や企業が利用ルールを作る際のポイントについても紹介します。

目次

ChatGPTを使ったことはバレる?

文章だけでChatGPTの利用を確実に見抜くことは困難です。しかし、「バレなければ問題ない」というわけではありません。発覚しなくても誤情報や情報漏えいなどのリスクがあり、発覚すれば評価の低下や信用の喪失、場合によっては再提出や懲戒処分につながるリスクがあります。

利用を疑われるきっかけには、文章の不自然さや成果物・利用環境に残る情報などがあります。大切なのは利用を隠すことではなく、勤務先や提出先のルールを守り、事実関係や表現を確認・修正したうえで自分が責任をもてる成果物にすることです。

なお、ChatGPTの基本的な使い方や導入メリット、無料版・有料版の違いについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

ChatGPTで作った文章がバレる理由

ChatGPTで作った文章は「いつもと何か違う」という違和感や読みにくさなどから、生成AIの利用を疑われる傾向にあります。

主な理由は次のとおりです。

  • 普段の文章と文体や語彙が異なる
  • 表現や文章構成が画一的になっている
  • 回りくどく冗長な表現が多い
  • 具体的な経験や独自の情報が含まれていない
  • 古い情報や最新の状況と異なる内容が含まれている
  • 誤った情報や存在しない出典が含まれている
  • 質問されても内容や作成過程を説明できない

これらの特徴は人が書いた文章にも表れるため、当てはまるからといって必ずしもChatGPTを利用したと断定できるわけではありません。しかし、多く該当するほど「生成AIで適当に書いたのでは」と思われやすくなるでしょう。

普段の文章と文体や語彙が異なる

ChatGPTの回答をそのまま使用すると、書き手が普段使っている言葉や文末表現と異なり、違和感を与える可能性があります。過去の文章と比べて急に丁寧な表現や専門的な語彙が増えると、不自然に映りやすいためです。

たとえば普段は口語的で親しみやすい表現を使う人が、提出資料だけ「〜と考えられます」「〜が重要であるといえるでしょう」といったAI特有の硬い文末表現を多用していると、日頃のやり取りを知っている上司や同僚ほど違和感を覚えやすくなります。

また、貼り付けた文章に「###」「**」といった記号や異なるフォント・行間などAIで生成した痕跡が残っていると、そのままコピーしたと伝わりやすくなります。ChatGPTへの指示文や「以下のように回答します」などの前置きを削除し忘れることも、AIの利用が直接伝わる原因です。

ChatGPTを活用する際は出力された文章をそのまま使うのではなく、自分が普段使っている言い回しやトーンに合わせて書き直しましょう。

表現や文章構成が画一的になっている

ChatGPTの回答を複数の設問や見出しで使用すると、文章の組み立て方が似通う場合があります。すべての段落が「結論・理由・具体例・まとめ」の順で構成され、段落の長さや文末表現まで均等にそろっているのが典型的なパターンです。

内容に応じた強弱や省略がなく同じ型が繰り返されると、定型文を組み合わせたような印象を与えます。複数の社内文書や提案資料をまとめて読んだ際に、担当者が「すべて同じ書き方だ」と気づくかもしれません。

こうした出力を減らすには、プロンプトに用途・読み手・文字数・出力形式などを具体的に記載しましょう。たとえば「社内チャット風に」「要点だけ箇条書きで」など指定することで、AIの「いつもの安全な型」を強制的に崩せます。

ChatGPTを日本語で使う際の設定や不自然な表現を防ぐ質問方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

回りくどく冗長な表現が多い

ChatGPTは、誤解を避けるために前提や背景から丁寧に説明しようとする傾向があります。その結果、同じ結論を表現を変えて繰り返したり回答に必要のない一般論を加えたりするため、文章が回りくどくなりやすいのが特徴です。

【回りくどく冗長な例】
「資料作成では、内容の正確さを確保することが重要です。本文は作成済みですが、正確な資料にするため、現在は数値に誤りがないか確認しています。数値の正確さを確認したうえで明日15時までに提出する予定です。」

【要点が明確な例】
「資料の本文は作成済みで、現在は数値を確認しています。明日15時までに提出する予定です。」

前者は「正確さ」に関する説明を繰り返していますが、省いても進捗報告に必要な情報は変わりません。業務上の報告では相手がすでに知っている前提を省いて要点を伝えることが多いため、不要な一般論や同じ説明が続くと「AIの文章をそのまま使ったのでは」と受け取られやすくなります。

とくに普段は簡潔に書かれている報告が急に冗長になると、その違和感からChatGPTの利用を疑われるかもしれません。

具体的な経験や独自の情報が含まれていない

ChatGPTは入力されていない本人の経験や考えを把握できないため、詳しい情報を与えずに文章を作成すると、誰にでも当てはまる内容になりがちです。

業務報告書や自己評価シートでは、取り組んだ時期・担当した役割・実際に取った行動・成果を示す数値などがないと、仕事の実態や貢献度が伝わりにくくなります。具体的な説明が乏しいと実体験に基づかない文章に見え、ChatGPTの利用を疑われるかもしれません。

また、実際には経験していない出来事や架空の実績が生成される場合もあります。誤った報告で信用を損なわないよう、実際の業務記録や確認できる数値をもとに内容を確認・修正しましょう。

古い情報や最新の状況と異なる内容が含まれている

ChatGPTは学習データに知識カットオフ(情報収集の締め切り日)があるため、それ以降に変更された制度・統計・料金・サービス内容などが古いまま回答に含まれる場合があります。そのため、すべての回答に最新情報が正確に反映されるとは限りません。

たとえば改定前のサービス料金を現在の料金として提案資料に使うと、導入費用の見積もりに誤りが生じ、取引先や上司の判断に影響するおそれがあります。古い情報を指摘された際に出典や確認した時点を説明できなければ「AIの出力を確認せずに使ったのでは」と疑われ、資料全体や作成者への信頼を損なう可能性があります。

公開前に情報の更新日を確認し、公的機関や運営会社などの一次情報と照合しましょう。

誤った情報や存在しない出典が含まれている

ChatGPTは学習した言葉のつながりをもとに次の語句を確率的に予測する仕組みの都合上、事実の正確さは保証されておらず、誤った内容も事実かのように出力される場合があります。

たとえば架空の調査結果や書籍を紹介したり、引用内容が掲載されていないWebページを出典として示したりするケースです。

読み手が出典を確認した際に資料が見つからなかったり引用内容と一致しなかったりすると、文章全体の信頼性が低下します。とくに社外向け資料や公開記事で発覚した場合は、情報の確認体制への不信を招き、作成者や発信元企業の信用を直接損なうおそれがあります。

統計や研究結果を使用する際は調査元の報告書や論文などの一次資料を確認し、出典の実在性と引用内容の正確さを確かめましょう。

質問されても内容や作成過程を説明できない

提出した文章について質問された際に主張の根拠や作成過程を説明できないと、ChatGPTの利用を疑われる可能性があります。

生成文をそのまま使用した場合は、「なぜその結論に至ったのか」「どの資料を参考にしたのか」を説明できません。自分で考えて書いた文章であれば当然説明できるはずの問いに答えられないと、自分で作成していないと疑われる直接の理由になります。

面接や口頭試問、社内での確認で、文章の内容を別の言葉で説明したり具体例を追加で求められたりと深掘りされても回答できるように、自分の言葉で説明できるまで内容を理解しておきましょう。

文章以外からChatGPTの利用がバレるケース

文章に不自然な特徴がなくても、ファイルの変更履歴や端末の利用記録などからChatGPTの利用が発覚するケースもあります。主な発覚経路は、次のとおりです。

  • ファイルの編集履歴に不自然な記録が残っている
  • ChatGPTの画面や通知を第三者に見られる
  • 共有リンクの設定を誤って会話内容が閲覧される
  • 会社が管理する端末やアカウントを利用している

ファイルの編集履歴に不自然な記録が残っている

Googleドキュメントや、OneDrive・SharePoint上のWordファイルでは、変更履歴から更新日時や変更内容を確認できます。ChatGPTで生成した長文を貼り付けると、まとまった文章が一度に追加されたように見え、作成方法に疑問をもたれるおそれがあります。

ただし、変更履歴や書式からコピー元までは特定できません。まとまった文章の追加だけでChatGPTを利用したと断定することは困難です。

ChatGPTの画面や通知を第三者に見られる

パソコンやスマートフォンに表示されたChatGPTの画面や通知から、利用が発覚する場合があります。

たとえば、以下のような場面が考えられます。

  • オンライン会議で画面を共有した際にChatGPTのタブが映り込む
  • スマートフォンの通知に会話の一部が表示される
  • 席を離れた際に同僚や上司に画面を見られる
  • アプリの切り替え画面やブラウザの入力候補にChatGPTが表示される など

こうした形で利用が発覚すると、「業務をAIに丸投げしているのでは」という印象を与えるかもしれません。共用スペースやオンライン会議では、画面に表示される情報の取り扱いに注意しましょう。

共有リンクの設定を誤って会話内容が閲覧される

ChatGPTへログインした状態の端末を第三者が操作すると、会話履歴から質問内容や文章の作成過程を見られるリスクがあります。

ChatGPTの共有リンクを発行すると、リンクを知っている人であれば誰でも共有された会話を閲覧できます。リンクが誤送信されれば、想定外の相手に相談内容や入力情報を見られるかもしれません。

共有機能を利用する際は、共有される会話の範囲とリンクの送付先を確認しましょう。

会社が管理する端末やアカウントを利用している

会社の端末では、MDM(端末管理システム)でインストール済みアプリを、ログ監視ツールで接続先・接続日時・端末名などを確認できる場合があります。そのため個人アカウントで利用していても、情報システム担当者によるログの確認をきっかけにChatGPTへのアクセスが把握される可能性があります。

またChatGPT Enterpriseで監査用のCompliance APIを利用している企業では、権限をもつ担当者が、対象となる会話の入力内容や回答を取得・確認可能です。

ただし、アクセス記録が残ることと会話内容まで確認できることは別です。記録・閲覧できる範囲は導入したツールや契約、権限設定などによって異なるため、利用前に社内規程や管理対象の案内を確認しましょう。

AI検出ツールの判定から利用を疑われる

提出した業務報告書や提案資料を上司や取引先がAI検出ツールでチェックし、その結果からChatGPTの利用を疑われる場合があります。

AI検出ツールとは、語彙や文の構造などの特徴からAIが生成した可能性を推定するツールです。ただし、人が書いた文章をAI生成と誤判定したりAIが生成した文章を見逃したりすることがあり、日本語への対応状況もツールによって異なります。「AI生成の可能性が高い」と判定されても、それだけでChatGPTの利用が証明されるわけではありません。

利用を疑われた際にどのように文章を作成したか説明できるよう、編集履歴や参考資料を残しておきましょう。

ChatGPTの利用がバレた場合に考えられるリスク

ChatGPTの利用が発覚した際のリスクは、どう使ったかによって大きく変わります。社内規程や契約に反した利用・機密情報の入力・確認不足の成果物の提出などが判明すると、次のようなリスクが生じる可能性があります。

ChatGPTの利用がバレた場合に考えられるリスク

  • 社内ルール違反として処分や評価低下につながる
  • 機密情報や個人情報の漏えいが発覚する
  • 成果物の修正や報酬の返還を求められる
  • 取引先や顧客からの信用を失う

社内ルール違反として処分や評価低下につながる

会社がChatGPTの利用を禁止・制限している場合、認められた範囲を超えた利用は社内ルール違反となるリスクがあります。

違反内容によっては注意・指導にとどまらず、報告書の提出や人事評価への影響につながるかもしれません。処分の有無や重さは社内規程や利用状況、会社へ与えた影響などによって異なります。「バレなければ問題ない」という判断は、発覚時のリスクをさらに高めるでしょう。

利用前に、社内のAI利用ガイドラインや就業規則を確認することが大切です。

機密情報や個人情報の漏えいが発覚する

顧客の個人情報や取引先の非公開情報、社内の財務情報などを許可なくChatGPTへ入力すると、情報管理上の問題となります。

実際に2023年に韓国のIT企業では、従業員が機密性の高いコードをChatGPTに入力したことが発覚し、会社の端末で生成AIの利用を一時的に制限しました。従業員の不適切な入力が会社全体の利用方針にも影響した事例です。

誤って機密情報や個人情報を入力した場合は、速やかに上司や情報管理の担当部署へ報告しましょう。入力した情報や発生日時などを共有し、社内で定められた手順に従って対応する必要があります。

成果物の修正や報酬の返還を求められる

生成AIの利用が禁止されている業務や事前承認が必要な業務でChatGPTを無断使用した場合、契約違反と判断され、成果物の修正や再提出を求められることがあります。

就業規則や社内ポリシーへの違反として、上司や管理部門からの指導・注意、場合によっては懲戒処分の対象になる可能性があります。またフリーランスや業務委託では、契約内容や違反の程度によって報酬の減額・返還や損害賠償、契約解除につながるかもしれません。

業務を始める前に、契約書・就業規則・業務委託条件に生成AIの利用に関する定めがないか確認しておきましょう。

取引先や顧客からの信用を失う

ChatGPTを利用し、事実確認をせずに誤った成果物を提出したり機密情報を入力したりすると、取引先や顧客の信用を損なうリスクがあります。ChatGPTの利用そのものよりも、利用方法や成果物の品質、情報管理への姿勢が問題となります。

たとえば市場調査資料に実在しない統計や出典が含まれていることに気づかず納品すれば、取引先の判断に悪影響を与えかねません。また顧客名や契約金額、未公開の商品情報などを無断で入力した場合は、情報管理体制への不信にもつながります。

信用の低下は、継続案件の打ち切りや契約更新の見送りなどに直結し、売上や取引関係の喪失につながるでしょう。

ChatGPTを業務で安全に活用する方法

ChatGPTを業務で安全に活用するには、利用ルールを守り、入力する情報や生成物を適切に管理する必要があります。特に次の7点を確認しましょう。

ChatGPTを業務で安全に活用する方法

  • 勤務先や取引先のAI利用ルールを遵守する
  • 機密情報や個人情報を入力しない
  • 生成した文章をそのまま成果物として使用しない
  • 事実関係や出典を自分で確認する
  • 自分の経験や判断を加えて文章を仕上げる
  • 必要に応じてChatGPTを利用した範囲を明示する
  • 著作権や第三者の権利を侵害していないか確認する

勤務先や取引先のAI利用ルールを遵守する

ChatGPTを業務で使う前に、勤務先や取引先が定めるAI利用ルールを確認しましょう。利用できる業務や入力を禁止する情報、生成物の使用可否・確認方法などは、企業や契約によって異なります。

ルールが明文化されていない場合は自己判断で使用せず、上司や担当者へ確認しましょう。取引先から業務を受託している場合は、契約書や業務マニュアルに生成AIの利用条件が記載されていないかも確認します。

機密情報や個人情報を入力しない

勤務先や取引先が、入力を禁止している情報はChatGPTに入力しないよう注意しましょう。情報漏えいや契約違反につながるおそれがあります。

たとえば、以下のような情報が該当します。

  • 顧客の氏名・住所・電話番号などの個人情報
  • 取引先との未公開の契約条件
  • 公表前の売上や利益などの財務情報

業務上の情報を使って質問する場合は社内ルールで認められた方法に従い、氏名を「顧客A」に置き換えるなど個人や企業を特定できない形に修正しましょう。

生成した文章をそのまま成果物として使用しない

ChatGPTの生成物は、完成品ではなく下書きとして扱いましょう。ハルシネーションによる誤情報や説明不足を見落とすと読み手の誤解や判断ミスを招き、信用の低下や業務の手戻りにつながる可能性があります。

たとえば顧客向けの提案メールに、実際には提供していない機能や確約できない効果が含まれていると、顧客が誤った条件を前提に契約するリスクがあります。

使用前には、次の4点をチェックしてください。

  • 事実確認:数値・固有名詞・サービスの仕様・出典を、公式情報や社内資料と照合したか
  • 内容の適切さ:文書の目的に沿い、読み手の判断や次の行動に必要な情報がそろっているか
  • 表現:読み手に合った言葉遣いで、誤解を招く断定や曖昧な表現がないか
  • 構成:結論と根拠のつながりが明確で、説明の抜け・重複・矛盾がないか

確認結果をもとに必要な修正を加え、社外への送付や公開は社内で定められた確認・承認を経てから行いましょう。

事実関係や出典を自分で確認する

ChatGPTが提示した情報や出典はそのまま信用せず、事実と異なる内容や古い情報、実在しない出典が含まれていないか自分で確認しましょう。

確認する際は、情報の種類に応じて、次の資料や項目を照合してください。

情報の種類確認先確認事項
法律・制度・e-Gov法令検索
・所管省庁
・自治体の公式案内
・条文
・施行日
・適用対象
・例外条件など
統計・調査データ・e-Stat
・調査実施機関の報告書
・数値
・調査時期
・調査対象
・単位など
商品・サービス情報・メーカーや運営会社の商品ページ・料金表
・利用規約
・機能
・価格
・対象プラン
・利用条件など
企業情報 ・企業公式サイトの会社概要
・IR資料
・プレスリリース
・正式な会社名
・代表者
・事業内容
・実績など
研究結果・引用文・J-STAGEや掲載誌の論文本文
・引用元の書籍
・発言記録
・出典の実在性
・該当箇所
・前後の文脈など

出典のリンクを開くだけでなく、その資料が文章の主張を裏付けているかまで確認することが重要です。確認した資料のURLや該当ページ、確認日を記録し、根拠を確認できない情報は成果物から削除しましょう。

自分の経験や判断を加えて文章を仕上げる

ChatGPTが生成した文章には、業務で得た経験や自分の判断を加えましょう。一般的な説明だけでは実際の課題や判断の根拠が読み手に伝わりにくいためです。

提案書や報告書を作成する場合は、次の3ステップで進めましょう。

  1. ChatGPTに骨格を作らせる:文書の目的・読み手・必要な項目を伝え、構成や文章の大枠を作成させる
  2. 自社・自分の情報を加筆する:生成文をもとに、手元の原稿へ実際の課題・対応内容・判断した理由・得られた結果を書き加える
  3. 表現と論理を整える:加筆した情報と結論がつながっているかを確認し、矛盾や説明の重複、不自然な表現を修正する

ChatGPTで作成を効率化しながら、実際の経験や根拠に基づく説得力のある文章に仕上げられます。

必要に応じてChatGPTを利用した範囲を明示する

勤務先や取引先がAIツールの利用開示を求めている場合は、ChatGPTを利用した範囲を明示します。

利用した工程を示すことで成果物の作成過程が明確になり、提出先が重点的に確認すべき箇所を把握しやすくなるためです。たとえば「情報収集の補助に活用した」「文章の校正に使用した」など、ChatGPTを利用した工程を具体的に記載しましょう。

なお開示の要否や方法は、契約内容や提出先のルールによって異なります。契約書や就業規則、提出先のガイドラインなどを確認しましょう。

著作権や第三者の権利を侵害していないか確認する

ChatGPTの生成物が第三者の権利を侵害していないか、業務で使用・公開する前に以下の4点を確認しましょう。

第三者の権利に関するチェックポイント

  • 既存コンテンツとの類似性
    :特徴的な一文の検索や画像検索を行い、既存作品の表現と酷似していないか照合。酷似するものが見つかった場合は、許諾の要否を確認するか、使用を見送る
  • 引用の適切性
    :公表済みの資料か、引用が説明に必要かを確認。引用部分をかぎ括弧などで区別し、自分の説明が中心となる必要な範囲にとどめ、著者名・資料名・URLなどの出典を明記する
  • 企業名・商品名・ロゴの使用
    :権利者の公式サイトで、使用条件や許諾の要否を確認。生成した名称やロゴを自社の商品・サービスに使う場合は、J-PlatPatで既存の登録商標も調べる
  • 人物の画像・氏名
    :本人の同意の有無と、同意を得た利用目的・公開範囲を確認。私生活に関する情報を無断で加えたり、認められた範囲を超えて公開したりしないよう注意する

あわせて、利用する生成AIの規約で商用利用や生成物の使用条件も確認してください。権利関係の判断に迷う場合は、そのまま公開せず法務担当者や専門家へ相談しましょう。

なお無料で使える主な生成AIの特徴と業務利用時の注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。

企業がChatGPTの利用ルールを作る際のポイント

企業がChatGPTを安全に活用するには、利用範囲や情報管理、生成物の確認方法をルールとして定める必要があります。従業員が判断に迷わないよう、主に次の5点を明確にしましょう。

企業がChatGPTの利用ルールを作る際のポイント

  • 利用できる業務と禁止する業務を明確にする
  • 入力してはいけない情報を具体的に示す
  • 生成物の確認者と確認項目を決める
  • 利用できるアカウントや端末を指定する
  • ChatGPTの利用について共有・相談しやすい環境を整える

利用できる業務と禁止する業務を明確にする

ChatGPTを利用できる業務と禁止する業務は、具体例と理由をセットで決めましょう。下書きや検討の補助に使う場合と最終判断や実行まで任せる場合を区別すると、使用可否を判断しやすくなります。

社内で入力が認められた情報を使い担当者が生成物を確認する前提で、利用を許可する業務の例は以下のとおりです。

  • 社内向け文書の要約・校正・翻訳
  • 企画書や提案資料の構成案作成
  • 社内FAQや業務マニュアルの草案作成
  • プログラムのコードレビューや修正案の提示

一方、禁止事項として定める使い方の例には、以下が挙げられます。

禁止する使い方の例禁止する理由
契約締結の可否の判断自社に不利な条件や、果たすべき義務を見落とすおそれがあるため
採用や人事評価の判断対象者の実績や事情を十分に考慮できず、不適切な判断につながるおそれがあるため
顧客への回答や
社外向け文書の送信・公開
誤った案内や実現できない約束により、トラブルを招くおそれがあるため
生成したコードの
レビューやテストを伴わない業務システム反映
不具合やセキュリティ上の問題が残り、業務に支障をきたすおそれがあるため

全社共通のルールに加え、部署ごとの業務に応じた利用範囲と確認・承認の担当者を決めておくと、従業員が実務で判断しやすくなります。

入力してはいけない情報を具体的に示す

入力を禁止する情報は、種類と具体例を明確にしましょう。「機密情報を入力しない」と定めるだけでは従業員によって判断が分かれるためです。

社内規程や取引先との契約を踏まえ、以下のような情報を禁止対象として整理します。

情報の種類具体例
個人情報顧客や従業員の氏名・住所・電話番号・メールアドレス・マイナンバー・健康診断結果
財務情報 公表前の売上・利益・決算資料・社内の予算表・資金繰り表
技術情報非公開のソースコード・設計図・製造手順・研究開発データ
人事・評価情報従業員の人事評価・給与・面談記録・応募者の選考結果
顧客・取引先情報非公開の顧客名簿・商談履歴・取引実績・問い合わせ記録
契約・法務情報未公開の契約条件・個別の取引価格・契約交渉の記録・紛争対応資料
経営・事業計画情報未発表の新商品企画・販売戦略・事業計画・合併や買収の計画
認証・セキュリティ情報パスワード・APIキー・秘密鍵・未公表のシステムの脆弱性情報

入力禁止の対象には、これらの情報を含む添付ファイルや画像も含まれます。また氏名を削除・置換しても、ほかの情報から個人を特定できる場合があります。

加工後も入力できない情報と所定の加工・承認を経て入力できる情報を区別し、削除・置換の方法と確認担当者まで定めることも重要です。策定したルールは研修などで周知し、業務内容や利用環境の変化に合わせて定期的に見直しましょう。

生成物の確認者と確認項目を決める

ChatGPTの生成物を誰が確認し、どのような条件を満たせば利用できるのかを定めましょう。確認者が明確でないと、誤った情報や不適切な表現を含む文章がそのまま社外へ公開されるおそれがあります。

確認項目には、主に次の内容を設定しましょう。

  • 事実関係や数値に誤りがないか(一次ソースと照合する)
  • 出典が実在し、引用内容と一致しているか
  • 著作権や商標権など第三者の権利を侵害していないか
  • 機密情報や個人情報が含まれていないか
  • 誤解を招く表現や不適切な表現がないか

また確認の負荷を下げるために、ChatGPTへの指示の段階で「出典を明記すること」「事実に基づいた内容のみ出力すること」などの条件を設けておくことも有効です。

顧客へ提出する資料や外部公開する文章には、担当者以外の確認者を設定するなど用途や影響の大きさに応じたチェック体制を設けましょう。

利用できるアカウントや端末を指定する

ChatGPTの利用を認めるアカウントや端末、ネットワークの範囲を指定しましょう。

個人のアカウントや私物端末での利用を認めると、以下のようなリスクが生じます。

  • 入力した情報が学習データとして利用される可能性がある
  • 企業として利用状況を把握・監査できず、情報漏えいに気づきにくくなる
  • 退職者がアカウントを使い続けるリスクを管理できない

これらを防ぐため、会社が承認したアカウントと端末に利用を限定したうえで、以下のようなルールを定めておきましょう。

  • 利用を認める対象者と部署
  • アクセス権限の範囲
  • アカウントの発行・変更・削除の手順と担当者

またChatGPT APIを使って自社のシステムやアプリケーションに機能を組み込む場合は、APIキーの保管方法や利用権限もルールに含める必要があります。

ChatGPT APIの仕組みや活用事例、導入手順については、以下の記事で詳しく解説しています。

ChatGPTの利用について共有・相談しやすい環境を整える

ChatGPTの利用について、従業員同士や上司、担当部署へ共有・相談しやすい環境を整えることも大切です。

禁止事項を周知するだけでなく、適切な活用例や判断に迷いやすいケースを社内で定期的に共有しましょう。たとえば「顧客名を含む文章の入力はNG」「議事録の要約には使用可」のように、具体的な場面で示すと従業員が判断しやすくなります。

共有・相談しやすい環境を整えるには、以下のような対策が有効です。

  • 相談窓口として、社内チャットに専用の相談チャンネルを設ける
  • よくある質問を社内ポータルに掲載する
  • 機密情報の誤入力や生成物に問題が発生した際の連絡手順を定める
  • 事例を社内FAQや利用ルールへ反映して、組織全体の判断基準をそろえる

相談しやすい環境は、ルールを形骸化させないための土台となります。

まとめ

ChatGPTは業務効率化に大きく貢献しますが、適切に扱わなければ信頼の低下やセキュリティリスクなどにつながるおそれがあります。

安全に活用するための基本は、勤務先・取引先のルールを守ること、機密情報や個人情報を入力しないこと、生成物をそのまま使わず事実確認と自分の判断を加えることの3点です。

企業側は利用ルールを明文化し従業員が判断に迷わず相談できる環境を整えることで、組織全体でリスクを抑えながらAIを活用できます。

ChatGPTなどの生成AIを業務で活用する際は、ルール整備とあわせてAI連携に対応したツールの活用も効果的です。freee MCPを活用すると、生成AIとfreeeのバックオフィスデータを連携させ、経理・人事労務などの定型業務をAIが代行できる環境を整えられます。

よくある質問

ChatGPTの文章は少し修正すればバレない?

語尾や単語を変えるだけでは文章構成や抽象的な内容といった「AIらしさ」が残るため、バレないとは断定できません。自分の経験や具体的な根拠を加え、内容を十分に理解したうえで自分の言葉で書き直すことが重要です。

結果的に、AI生成か否かにかかわらず信頼性の高い文章になります。

詳しくは、記事内「ChatGPTで作った文章がバレる理由」でも解説しています。

ChatGPTの利用を判定できるアプリやサイトはある?

AIが生成した文章を判定するアプリやサイトは複数存在します。テキストを入力するとAIが生成した可能性を確率で示す仕組みで、日本語・英語それぞれに対応したものがあります。

ただし判定結果は確率に基づく推測であり、人が書いた文章をAI生成と誤判定するかもしれません。

AI生成文章を判定するツールについては、記事内「AI検出ツールの判定から利用を疑われる」も参考にしてください。

ChatGPTに入力した個人情報や画像は他人に見られる?

入力した個人情報や画像が、自動的にほかの利用者へ公開されることはありません。

ただし、以下のケースでは第三者に見られる可能性があります。

  • 共有リンクを発行した場合
  • 画面を他者に見られた場合
  • 会社管理のアカウントを利用している場合

またOpenAIのデフォルト設定では、入力内容がAIの学習に使用される場合があります。機密情報や個人情報の入力は避け、設定でオプトアウトするかAPIプランの利用を検討しましょう。

詳しくは、記事内「文章以外からChatGPTの利用がバレるケース」をご覧ください。

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