Grok 3は、xAIが2025年2月に公開した推論重視のAIモデルです。ThinkモードやDeepSearchなど、複雑な課題の分析やリアルタイム情報の収集に強みがあります。一方で、APIでのGrok 3提供は終了しており、古い料金情報や使い方が検索結果に残っているため、正しい情報がわからず困っている方もいるでしょう。
本記事では、Grok 3でできることや無料利用の有無、有料プランの考え方、ChatGPTなど他AIとの違い、現在の後継モデルとの関係を整理します。
読み終えるころには、今Grokを使うべきか、無料枠で試すべきか、有料プランを検討すべきかを判断しやすくなるでしょう。まずはGrok 3の基本と、現在の提供状況から確認していきましょう。
目次
Grok 3とは
Grok 3は、xAIが2025年2月に公開した推論重視のAIモデルです。2026年6月時点では、後継のGrok 4.5が主力になっており、Grok 3はGrok 4系より前の旧世代モデルという位置づけになっています。
推論重視とは、すぐに答えを出すのではなく、条件を整理しながら考えて回答する仕組みのことです。難しい計算問題を、途中式を確認しながら解くようなイメージです。
Grok 3は、この考える力を強化したモデルとして注目されました。xAIは、従来の最先端モデルに比べて10倍の計算資源を使って訓練したと説明しています。
性能面では、数学やプログラミングの分野で高い成績を残しました。たとえば、全米数学招待試験のAIME 2025では、複数回試行して多数決で答えを決める方式により、93.3%の正答率を記録しています。
ただし、Grok 3は現在の最新モデルではありません。API提供も2026年5月15日に終了しているため、今Grokを使う場合は、後継モデルのGrok 4.5を前提に確認するとよいでしょう。
Grok 3の料金
Grok 3はすでにAPI提供が終了しており、現在は後継モデルが中心です。そのため、料金を見るときはGrok 3の料金ではなく、Grokを使う入口で整理するとわかりやすくなります。
Grokを個人で使う方法は、主にX経由とGrok単独プランの2つです。X Premium系はXの有料機能とあわせてGrokを使うプラン、SuperGrok系はgrok.comやGrokアプリでGrokを使うためのプランです。
Grokの料金プランの一覧を以下の表にまとめました。
| プラン | 月額料金の目安 | 利用場所 | 概要 |
|---|---|---|---|
| 無料枠 | 0円 | X/grok.com/Grokアプリ | Grokを無料で試せる |
| X Basic | 368円 | X | Xの基本的な有料プラン |
| X Premium | 980円 | X | X上でGrokを使いたい人向け |
| X Premium+ | 6,080円 | X | Grokをより高い上限で使いたい人向け |
| SuperGrok Lite | 10ドル | grok.com/Grokアプリ | Grok単独の入門向け有料プラン |
| SuperGrok | 30ドル | grok.com/Grokアプリ | Grokを日常的に使いたい人向け |
| SuperGrok Heavy | 300ドル | grok.com/Grokアプリ | 高頻度で使う人向けの上位プラン |
| API | 従量課金 | xAI API | 開発者向け。Grok 3は提供終了済み |
出典:Xヘルプセンター「Xプレミアムについて」
開発者向けのAPIでは、Grok 3は2026年5月15日に提供終了となりました。現在、Grok 3向けの呼び出しはGrok 4.5へリダイレクトされ、Grok 4.5の料金が適用されます。
Grok 4.5のAPI料金は、入力100万トークン(AIが文章を処理するときの小さな単位)あたり2ドル、出力100万トークンあたり6ドルです。
軽い質問や試用が中心なら、まずは無料枠で十分です。利用回数が増えたり、画像・動画生成などの機能を多く使ったりする場合は、有料プランを検討するとよいでしょう。
Grok 3でできること
Grok 3では、複雑な質問への推論や最新情報の調査、コード作成、数学問題への対応などができます。
Grok 3が答えをすぐに出すだけでなく、情報を整理しながら考える仕組みを重視していたためです。文章作成だけでなく、調査や分析にも使いやすいモデルでした。
以下は、Grok 3が提供されていた当時の代表的な機能です。多くの機能は、後継のGrokにも引き継がれています。
Grok 3でできること
1.Thinkモードで複雑な課題を推論できる
Thinkモードは、Grok 3が答えを出す前に、少し時間をかけて考える機能です。
たとえば、数学の証明や複雑な条件整理のように、順番に考える必要がある課題に向いています。すぐに結論を出すのではなく、条件を確認し、途中の考え方を整理しながら答えに近づくイメージです。
プログラムの不具合を探したり、複数の選択肢を比較したりする場面でも役立ちます。
2.DeepSearchで最新情報を深掘りできる
DeepSearchは、WebやXの投稿を調べながら、必要な情報をまとめる機能です。
通常の検索のようにリンクを並べるだけではなく、複数の情報をもとに要点を整理して回答します。たとえば、SNSで話題になっている出来事の背景を知りたいときや、競合サービスの評判を短時間で把握したいときに使いやすい機能です。
Xとの連携に強い点は、Grokらしい特徴のひとつです。
3.Big Brainモードで高度な回答を得られる
Big Brainモードは、報道ではGrok 3の高度な推論モードとして紹介されていました。Grok 3のThinkよりも複雑な課題に向けた機能とされ、数学や科学の問題、コード設計、複数条件を整理する分析などに向いています。
ただし、xAIの公式発表で確認できる名称は、主にGrok 3 (Think)やThinkボタンです。xAIはGrok 3 (Think)について、数秒から数分かけて考え、誤りを修正し、複数の解き方を検討しながら答えを出すと説明しています。
そのため、Big Brainモードを公式APIの機能名として断定するより、報道でBig Brainと呼ばれた高度な推論モードとして解釈すると正確です。
現在の説明ではBig Brainという名称ではなく、reasoning_effortで推論量を調整する仕組みが案内されています。
難しい数学、多段階の論理、複雑な分析では、highを選ぶことでより深く考えさせる使い方ができます。
4.コーディングや数学の問題にも対応できる
Grok 3は、コード作成や数学の問題にも強みがあります。
たとえば、動かないコードを入力すると、エラーの原因を探したり、修正案を提案したりできます。新しいコードのたたき台を作るだけでなく、既存コードの見直しにも使いやすいモデルでした。
数学でも、条件を整理しながら解く問題に対応できます。xAIの公式発表では、専門的な推論力を測るGPQAで84.6%、プログラミング能力を測るLiveCodeBenchで79.4%の成績が示されています。
Grok 3とほかの生成AIの違い
Grok 3の特長は、X上の話題を取り込みやすい点と、複雑な課題を考える推論機能を前面に出している点です。
ただし、現在はChatGPT、Gemini、ClaudeもWeb検索や調査機能に対応しています。そのため、Grokだけが最新情報を扱えるわけではありません。違いを見るときは、どの情報源に強いか、どの作業に向いているかで比べるとよいでしょう。
| AI | 特徴 |
|---|---|
| Grok | X検索やWeb検索との連携が特徴 |
| ChatGPT | Web検索に対応し、幅広い作業に使いやすい |
| Gemini | Google検索やDeep Researchとの連携が強み |
| Claude | Web検索やResearchに対応し、文章理解に強い |
Grokは、Xの投稿やリアルタイムの話題をもとに情報を整理したい場面で使いやすいAIです。xAI Docsでも、GrokはWeb検索やX検索を通じて、現在の情報やSNS上の投稿を参照できると説明されています。
一方で、ChatGPTはSearch機能、GeminiはDeep Research、ClaudeはWeb検索やResearchに対応しています。どのAIも調査に使えるため、Grokだけでなく、用途に応じて比較することが大切です。
Grok 3を安全に使うための注意点
Grokを使うときは、回答をうのみにせず、入力する情報と生成物の使い方に注意することが大切です。
AIは便利ですが、事実と異なる内容をもっともらしく答えたり、入力した情報の扱いが問題になったりする場合があります。Grok 3を安全に使うための具体的な注意点は以下のとおりです。
Grok 3を安全に使うための注意点
ハルシネーションと情報の偏りに注意する
AIは、ハルシネーション(事実ではない内容を自然な文章で出力)することがあります。
たとえば、存在しない統計や古い料金情報を、正しい情報のように答えるケースです。GrokはWebやXの情報をもとに回答できる一方で、X上の投稿には個人の意見や未確認情報も含まれます。
ニュースや料金、法律、医療、投資などの判断に使う場合は、Grokの回答だけで決めないようにしましょう。官公庁、企業の公式発表などの一次情報を確認することが大切です。
個人情報や社内情報を入力しない
Grokには、氏名や住所、顧客情報、未公開の社内資料などをそのまま入力しないようにしましょう。
Xヘルプでは、Grokとのやり取りや入力内容、出力内容がGrok体験のパーソナライズに使われる場合があり、設定から管理できると説明されています。
業務で使う場合は、入力してよい情報と控える情報をあらかじめ決めておくと安心です。社外秘の企画書や顧客リストをそのまま入れるのではなく、個人名や会社名を伏せたうえで相談すると、リスクを下げられます。
生成画像・動画の利用条件を確認する
Grokで生成した画像や動画を使う場合は、著作権や肖像権、利用規約に注意が必要です。
xAIの利用ポリシーでは、著作権や商標などの権利侵害につながる使い方を禁止しています。 実在の人物に似せた画像を作ったり、他人の作品に近い表現を商用利用したりすると、トラブルになる可能性があります。
社外に公開する資料や広告に使う場合は、生成物の権利関係や表示ルールを確認してから使いましょう。手軽に作れるからこそ、公開前の確認が欠かせません。
まとめ
Grok 3は、推論力やリアルタイム情報の調査に強みをもつAIモデルです。
ThinkやDeepSearchにより、複雑な質問への回答や情報収集、コード作成、数学問題などに対応できます。X上の話題を追いやすい点も、Grokならではの特徴です。
ただし、Grok 3は現在の最新モデルではありません。API提供は終了しており、現在はGrok 4.5などの後継モデルが中心です。
これからGrokを使う場合は、Grok 3単体ではなく、現在提供されているモデルや料金プランを確認しましょう。まずは無料枠で試し、利用頻度が高い場合はX Premium系やSuperGrok系の有料プランを検討する流れが現実的です。
AIの回答には誤りが含まれることもあります。重要な判断に使う場合は、公式情報や一次情報と照らしあわせながら活用しましょう。
よくある質問
Grok 3は日本語で使えますか?
Grok 3は、日本語で文章を入力すれば、回答も日本語で受け取れます。X公式ヘルプでも、Grokは質問への回答や問題解決を支援するAIアシスタントとして案内されています。
Grok 3と現在のGrokは同じですか?
Grok 3と現在のGrokは同じではありません。
Grok 3は2025年に公開された過去のモデルで、現在はGrok 4.3などの後継モデルが中心です。APIでもgrok-3は2026年5月15日に提供終了となり、Grok 4.3へリダイレクトされる扱いです。
詳細は「Grok 3とは」をご確認ください。
