Stable Diffusionを使う方法は、ローカル環境・Web UI・クラウドサービスの3つです。必要なパソコンの性能や導入の手間、画像生成の自由度が異なるため、利用目的に合う方法を選ぶ必要があります。
この記事では3つの利用方法の違いを整理し、また画像を生成する手順やプロンプトの書き方、利用時の注意点も解説します。
目次
- Stable Diffusionとは?
- Stable Diffusionで使える4つの機能
- 他の画像生成AIとの違い
- Stable Diffusionで選べる2つの使い方と導入手順
- ローカル環境で使う
- クラウドサービスを利用する
- Stable Diffusionの使い方
- アカウント登録する
- モデルを選択する
- プロンプトを入力する
- 画像サイズや生成枚数などを設定する
- 画像を生成・保存する
- Stable Diffusionでプロンプトを入力するコツ
- 生成したい内容を具体的に入力する
- 重要な要素から順番に入力する
- 画風・構図・表情・背景などの要素を指定する
- ネガティブプロンプトで生成したくない要素を指定する
- Stable Diffusionを利用するときの注意点
- 無料で使える範囲は限られる
- 商用利用・著作権に配慮する
- まとめ
- よくある質問
Stable Diffusionとは?
Stable Diffusionは、文章による指示である「プロンプト」をもとに画像を生成するAI技術です。人物・風景・イラストなど作りたい画像の内容を、文章や単語で指定できます。
Stable Diffusionを使う際は、まず作りたい画像の完成像をプロンプトへ落とし込む工程が必要です。
Stable Diffusionで使える4つの機能
Stable Diffusionでは、文章で指示して新しい画像を作るだけでなく、手元の画像を加工したり一部分だけを修正したりできます。主な機能は、次の4つです。
Stable Diffusionで使える4つの機能
- 文章で指定した内容から新しい画像を作る
- 手元の画像をもとに構図や雰囲気を変える
- 画像の一部分だけを選んで修正する
- 画像を拡大して解像度を高める
たとえば商品画像をゼロから作りたい場合は、文章で完成イメージを指定します。また人物の服装や画像内の不要な物など一部分だけを直すことも可能です。目的に合う方法を選ぶと、画像全体を作り直さずに完成形へ近づけられます。
他の画像生成AIとの違い
Stable Diffusionは、対応するモデルやツールを自分のパソコンに導入し、ローカル環境で画像を生成できる点が特徴です。ローカル環境では外部サービスを経由しないため、クラウドサービス側が設ける生成回数の上限は適用されません。
パソコンの性能や保存容量が足りていれば、容量や回数を気にせず画像を作れます。さらに追加のモデルを導入すると、実写風やイラスト風など目的に合う表現へ調整することも可能です。使用するモデルや設定を自分で選べる自由度もあります。
一方、導入や設定には手間と時間が必要です。手軽さよりも生成回数やカスタマイズ性を重視する人に向いている方法になります。
Stable Diffusionで選べる2つの使い方と導入手順
Stable Diffusionの主な利用方法は、ローカル環境とクラウドサービスの2つです。手軽に試したいならクラウドサービス、細かく設定したい場合はローカル環境など状況に応じて使い分けられます。
ローカル環境で使う
ローカル環境とは、自分のパソコンにStable Diffusionを動かすための環境を構築し、画像を生成する方法です。外部サービスの利用制限を受けづらく、使用するモデルや各種設定を自由にカスタマイズできます。
ローカル環境で利用する場合は、Stable Diffusionを操作するためのWeb UIをパソコンに導入する方法が一般的です。Web UIを導入すると、ブラウザ上の操作画面からプロンプトや画像サイズ、使用するモデルなどを設定して画像を生成できます。
一方、画像生成の処理を自分のパソコンで行うため、ある程度のPCスペックが必要です。とくにGPUやVRAMは、生成速度や使用できるモデルなどに影響します。
環境構築には手間がかかりますが、生成回数を気にせず利用したい人や、モデル・設定を細かくカスタマイズしたい人に向いています。
クラウドサービスを利用する
クラウドサービスを利用する方法では、自分のパソコンではなくサービス提供元のサーバー上でStable Diffusionによる画像生成を行います。
自分でStable Diffusionの実行環境を構築する必要がなく、Webサイトにアクセスしてアカウントを登録するだけで利用できるサービスもあります。画像生成の処理はサーバー側で行われるため、高性能なGPUを搭載していないパソコンでも利用可能です。
ローカル環境に比べて手軽に始めやすい一方、料金や生成回数、利用できるモデル・機能などはサービスによって異なります。
高性能なパソコンを用意せずにStable Diffusionを試したい人や、複雑な環境構築をせずに画像生成を始めたい人に向いています。
Stable Diffusionの使い方
Stable Diffusionで画像を生成するときは、基本的に次の手順で進めます。
Stable Diffusionの使い方
- アカウント登録する
- モデルを選択する
- プロンプトを入力する
- 画像サイズや生成枚数などを設定する
- 画像を生成・保存する
アカウント登録する
クラウドサービスを利用する場合は、メールアドレスなどを使ってアカウントを登録します。サービスによって登録条件や無料範囲が異なるため選ぶ際には以下の項目を確認しましょう。
- 無料で使える機能
- 料金体系
- 利用規約
- 商用利用の条件
ローカル環境では画像生成そのものにアカウントを求められない場合もあります。ただし、モデルの配布サイトによっては会員登録が必須です。
モデルを選択する
モデルは生成される画像の画風や表現を左右する要素です。得意とする画像はモデルごとに異なるため、目的に合わせた選定がもとめられます。得意分野の一例は、以下のとおりです。
- 実写に近い画像
- アニメ調の画像
- イラスト調の画像
モデルと作りたい絵柄が一致しないと狙った画風を出せません。たとえばイラストを作りたいのに実写向けモデルを使うと、プロンプトを調整しても効果が薄くなります。
プロンプトを細かく調整する前に、作りたい画像とモデルの得意分野が合っているか調べましょう。
プロンプトを入力する
モデルを選んだら、プロンプト欄へ生成したい内容を入力します。たとえば人物を生成する場合は、次のような情報を組み合わせることで狙った画像を出しやすくなる仕組みです。
- 人物
- 髪型
- 服装
- 表情
- ポーズ
- 背景
人物を生成する場合は、髪型や服装に関する指示も加えましょう。自分が思い描いた完成イメージを理解しやすくなります。
ただし、最初から多くの条件を詰め込む必要はありません。主役となる人物や対象物を指定し、生成結果を確認してから不足している情報を足していきましょう。
画像サイズや生成枚数などを設定する
プロンプトを入力したら、画像サイズや生成枚数などを設定します。用途による変更例は、次のとおりです。
- 縦長・横長にしたい:画像サイズを変更
- 複数の候補を見たい:生成枚数を増やす
- 設定の影響を調べたい:一項目ずつ数値を変更
変更できる項目や名称は、使用するツールによって異なります。
初回は標準設定のまま生成し、結果を確認してから必要な項目だけを変更しましょう。一度に一つずつ条件を変更することで、どの設定が画像へ影響したのか確認できます。
画像を生成・保存する
プロンプトや画像サイズなどを設定したら、生成ボタンを押して画像を生成します。生成された画像を確認し、問題がなければ保存しましょう。
イメージと異なる場合はプロンプトや設定を変更して再度生成します。また、生成した画像をもとに以下の機能を使って調整することも可能です。
- img2img:元の画像をもとに、構図や雰囲気などを調整して新しい画像を生成する
- インペイント:画像内の指定した部分だけを修正・変更する
- アップスケーリング:画像を拡大し、解像度を高める
たとえば全体の構図はそのままに一部分だけ変更したい場合は、インペイントを利用できます。生成結果に応じて適した機能を使い分けることで、目的に近い画像へ調整できます。
Stable Diffusionでプロンプトを入力するコツ
プロンプトを作る際は、生成の内容を具体的に指定したり重要な要素から入力したりすると、狙った画像を生成しやすくなります。コツを掴めば、容量を無駄に使わず効率的に画像を生成できるでしょう。
生成したい内容を具体的に入力する
狙った画像に近づけるには抽象的な表現を避け、見た目として確認できる特徴に落とし込むのが重要です。たとえば「綺麗な」「女性」だけでは髪型や服装、年齢の印象などをAI側が補うため、生成結果が安定しません。
次のような要素へ分解することで、より理想に近い画像を出力できます
- 黒髪のロングヘア
- 白いワンピース
- 明るい笑顔
- カフェの椅子に座っているポーズ
- 20代前半の印象
- 木目調の落ち着いたカフェの背景
上記のように画像で確認できる特徴へ置き換えれば、生成結果のばらつきを抑えられます。 曖昧で解釈の余地があるワードは避け、具体化するのが有効です。
重要な要素から順番に入力する
プロンプト内で前方へ配置した要素ほど画像に反映されやすくなります。たとえば人物を主役にする場合は、次の順番で入力するのが有効です。
- 人物に関する情報
- 服装や表情
- 背景
- 光や雰囲気
プロンプトを書く前に「画像で何をもっとも見せたいのか」を決めておくと、プロンプトを組み立てやすくなります。最初に主役、その後に補足情報という順序で配置しましょう。
画風・構図・表情・背景などの要素を指定する
被写体だけを指定した場合、画風や構図、表情、背景はAI側の判断で決まります。完成イメージが決まっているなら周辺条件までプロンプトへ含めましょう。
指定できる要素の例は、以下のとおりです。
- 画風:写実、イラスト調など
- 構図:正面、横向きなど
- 表情:笑顔、真剣な表情など
- 背景:室内、街中、自然など
被写体は合っているのに画像全体の印象が違う場合、人物の説明だけを増やしても効果が薄くなります。画風や構図、背景まで見直すほうが効果的です。
ネガティブプロンプトで生成したくない要素を指定する
ネガティブプロンプトは、画像に入れたくない要素や避けたい表現を指定するための入力欄です。たとえば以下の用途に利用できます。
- 手や指の不自然さを抑える
- 不要な物を除外する
- 意図しない画風を避ける
- 繰り返し現れる不要な要素を減らす
通常のプロンプトが「入れたい要素」を伝えるのに対し、ネガティブプロンプトは「避けたい要素」を補足する役割です。
ただし、入力しても必ず問題が消えるわけではありません。 通常のプロンプトを調整しても不要要素が現れる場合に使いましょう。
Stable Diffusionを利用するときの注意点
Stable Diffusionを使う前には、料金と権利関係を確認しましょう。無料で使える機能の把握や、商用利用・著作権への配慮が必須になります。
無料で使える範囲は限られる
Stable Diffusionには、無料で使えるモデルやツールがあります。ただし、利用方法によっては以下の料金がかかります。
- ローカル環境:パソコンの購入費、電気代など
- クラウドサービス:無料枠を超えた場合の利用料金
クラウドサービスでは、生成枚数や利用可能な機能に上限が設けられている場合もあります。利用プランを決める際は、月額料金や従量課金の料金以外も考慮しましょう。
商用利用・著作権に配慮する
生成画像を広告や商品などへ使う場合は、利用したモデルとサービスの条件を確認しましょう。
Stable Diffusionはバージョンによってライセンス内容が異なります。たとえば、SD 3.x以降のStability AI Community Licenseでは、年間収益100万米ドル未満の個人・組織は対象モデルを無料で商用利用できます。
しかし収益の条件を超える場合は、別途ライセンスが必須です。公開・販売前に以下の項目を確認して、商用利用や著作権に関する条件を満たすか、判断しましょう。
- Stable Diffusionのバージョン
- 使用モデルのライセンス
- 利用したサービスの規約
- 商用利用の条件
- 既存作品との類似性
また外部配布モデルには、独自の条件が設定されている場合もあります。 商用利用ではStable Diffusion自体の条件だけで判断せず、使用したモデルとサービスの確認が必須です。
まとめ
Stable Diffusionを初めて使うなら、まずは高性能なPCや複雑な設定が不要なクラウドサービスから試すのがおすすめです。画像生成に慣れ、生成回数やモデルの自由度を高めたくなった段階で、ローカル環境やWeb UIの導入を検討しましょう。
最初から環境構築にこだわらず、まず1枚生成して操作感を確かめるのがStable Diffusionを始める近道です。
よくある質問
Stable Diffusionはスマホでも使える?
Stable Diffusionはスマートフォンからでも利用できます。対応するクラウドサービスやアプリを使えば、スマートフォン本体へローカル環境を構築する必要はありません。
主な方法は、次の2つです。
- ブラウザ対応のクラウドサービス
- Stable Diffusionに対応したアプリ
スマートフォンだけで利用を完結させたいなら、ブラウザやアプリから使えるサービスを選ぶのが現実的です。
詳しくは、記事内「クラウドサービスを利用する」をご覧ください。
Stable DiffusionはMacでも使える?
Stable DiffusionはMacでも利用できます。選択肢は、次の2つです。
- クラウドサービスを使う
- Mac対応ツールでローカル生成する
クラウドサービスなら画像生成の処理を提供元のサーバーが担当します。Mac本体のGPU性能を気にせず試せる点が利点です。ローカル環境ではApple Silicon搭載Macに対応したDraw ThingsやDiffusionBeeなどを利用できます。
Macで手軽に試すならクラウドサービス、ローカル生成をしたいならMac対応ツールを選ぶ、と使い分けましょう。
詳しくは、記事内「ローカル環境で使う」をご覧ください。
Stable Diffusionを使うときのコツはある?
狙った画像へ近づけるには、次の点を意識しましょう。
- プロンプトを具体的に書く
- 重要な要素を前方へ置く
- 画風や構図、表情、背景も指定する
- 不要な表現はネガティブプロンプトで調整する
- 設定を一度に複数変更しない
とくに重要なのが、変更する条件を絞ることです。モデル・プロンプト・画像サイズを一項目ずつ変更しながら、結果を比較しましょう。
詳しくは、記事内「Stable Diffusionでプロンプトを入力するコツ」をご覧ください。
