ユニットエコノミクスとは、顧客1人あたりの採算性を測るための指標です。
近年、サブスクリプション型ビジネス(SaaSビジネス)が急速に普及したことで、この指標の重要性が非常に高まっています。従来の売り切り型ビジネスとは異なり、SaaSは顧客を獲得した時点では赤字であり、継続的な利用を通じてコストを回収していくモデルだからです。
本記事では、SaaSビジネスの成否を分けるユニットエコノミクスについて、計算方法から数値の理想的な目安、具体的な改善策までわかりやすく解説します。
目次
- ユニットエコノミクスとは
- ユニットエコノミクスがSaaSビジネスで使われるようになった背景
- ユニットエコノミクスを活用するシーン
- 事業の拡大と製品の改善の意思決定をする場面
- 資金調達に向けて収益性を客観的に証明する場面
- 顧客ターゲットと集客チャネルの優先順位付けを行う場面
- ユニットエコノミクスの計算式と計算シミュレーション
- ユニットエコノミクスの基本的な計算式
- LTV(顧客生涯価値)とは
- CAC(顧客獲得単価)とは
- ユニットエコノミクスの計算シミュレーション
- ユニットエコノミクスの目安
- 業界標準は3~5倍
- CAC回収期間が12ヶ月以内であることも目安に
- 事業フェーズによって目安の見方は変わる
- ユニットエコノミクスがクラウドサービス型ビジネスで重要な理由
- 収益予測と適切な価格設定ができる
- 利益率改善の打ち手が見えてくる
- 顧客獲得と維持の最適戦略を立てられる
- 事業の拡大可能性を評価ができる
- 投資家への確度の高いプレゼン材料になる
- ユニットエコノミクスを改善する具体的な施策
- LTVを高める施策
- CACを下げる施策
- ユニットエコノミクスと混同しやすい関連指標の違い
- 限界利益との違い
- MRR(月次経常収益)・ARR(年次経常収益)との違い
- まとめ
- よくある質問
ユニットエコノミクスとは
ユニットエコノミクスとは、顧客1人あたりの採算性を測るための指標です。
英語の「Unit(単位)」と「Economics(経済性)」を組み合わせた言葉で、直訳すると「単位あたりの経済性」という意味になります。サブスクリプション型ビジネス(SaaSビジネス)において、ユニットエコノミクスは「1顧客あたりの採算性」と解釈するのが一般的です。
どれだけ売上が伸びていても、1顧客を獲得・維持するためにかかるコストが収益を上回れば、事業を拡大するほど赤字が膨らんでしまうでしょう。そこで、ユニットエコノミクスを算出すれば、その事業が成長させる価値のある健全な状態かどうかを客観的に判断できるようになります。
ユニットエコノミクスがSaaSビジネスで使われるようになった背景
SaaSビジネスでユニットエコノミクスが重視される理由は、SaaSビジネスの収益構造の特殊性にあります。
製品を販売した瞬間に利益が確定する売り切り型ビジネスに対して、SaaSビジネスは初期費用を抑えて月額料金を受け取るモデルです。そのため、顧客獲得から継続(収益発生)、回収(損益分岐点)というプロセスには長い時間がかかります。
損益計算書だけを見ていると、顧客が急増している成長期ほど広告費や営業人件費などの新規獲得コストが膨らむため、帳簿上は大きな赤字に見えてしまいます。これでは、事業が健全に成長しているのか、単にお金を失っているだけなのかが判別できません。
そこで、将来にわたって期待できる利益(LTV)と獲得コスト(CAC)を対比させるユニットエコノミクスという「ものさし」が必要になります。この指標があれば、今は赤字でも1顧客あたりの採算はしっかり取れているので、新規獲得コストを投じ続けても問題ないという、時間軸を越えた正しい判断ができるようになるのです。
ユニットエコノミクスを活用するシーン
ユニットエコノミクスを算出することで、単なる収益計算を超えた事業の状態を把握することが可能になります。
主に以下の3つのシーンで、重要な判断材料として活用されます。
事業の拡大と製品の改善の意思決定をする場面
ユニットエコノミクスの数値を見れば、今優先すべきは集客なのか、製品の改善なのかが明確になります。
たとえば、数値が目安である3倍を大きく超えているなら、投資効率が良いことが証明されている状態です。この場合は、積極的に広告費を投入して新規獲得を急ぐ事業拡大へと大きく舵を切るべきタイミングといえます。
一方で、数値が3倍を下回る場合は、無理に集客を強めても将来的に赤字が膨らむリスクがあります。この時期はあえて新規獲得を抑え、解約率の低下や単価アップといった製品・サービスの改善にリソースを集中させるべきという判断が下せるのです。
なお、ユニットエコノミクスの数値の目安は、「ユニットエコノミクスの目安」で詳しく解説します。
資金調達に向けて収益性を客観的に証明する場面
スタートアップがベンチャーキャピタルなどから資金を募る際、ユニットエコノミクスは事業の将来的な成長の確度を示す証拠となります。
投資家は、現在の決算書上の赤字よりも「このビジネスにお金を投じれば、将来的に何倍になって戻ってくるか」といった具体的な資本効率を重視します。ユニットエコノミクスが健全であれば、たとえ現時点で赤字であっても、将来の爆発的な成長を信じて巨額の出資を引き出せる可能性が高まるのです。
顧客ターゲットと集客チャネルの優先順位付けを行う場面
すべての顧客や集客方法が、同じ利益をもたらすわけではありません。顧客の属性や集客経路ごとにユニットエコノミクスを分析することで、より賢い戦略を立てられます。
「どの業界の顧客がもっとも長く使い続けてくれるのか」「どの広告媒体が最も効率よく顧客を連れてきてくれるのか」を可視化することで、限られた予算と人手を、もっとも利益が出る場所に集中させられます。
ユニットエコノミクスの計算式と計算シミュレーション
ユニットエコノミクスを正しく把握するには、LTV(顧客生涯価値)とCAC(顧客獲得単価)という2つの要素を理解する必要があります。
ここでは、基本的な計算式とLTV、CACについて詳しく解説します。
ユニットエコノミクスの基本的な計算式
ユニットエコノミクスの計算式は、非常にシンプルです。
ユニットエコノミクス = LTV(顧客生涯価値) ÷ CAC(顧客獲得単価)
LTV(顧客生涯価値)とは
LTV(顧客生涯価値)とは、顧客1人がサービスを使い始めてから辞めるまでに、合計でいくら利益をもたらしてくれるかを示します。
クラウドサービス型ビジネスで一般的に使われる計算式は、以下のとおりです。
LTV = ARPU(1顧客当たりの平均月次売上) × 収益率(売上総利益率) ÷ チャーンレート(月次解約率)
たとえば1顧客当たりの平均月次売上が1万円、売上総利益率が80%、月次解約率が2%の場合のLTVは以下で算出できます。
LTV = 10,000円 × 0.8 ÷ 0.02 = 400,000円
CAC(顧客獲得単価)とは
CAC(顧客獲得単価)は、1人の新規顧客獲得のために費やしたコストです。
クラウドサービス型ビジネスでは、以下の計算式で算出します。
CAC = 新規顧客獲得にかかった総費用 ÷ 新規獲得顧客数
新規顧客獲得にかかった総費用には、広告宣伝費や営業部門の人件費、展示会の出展費用、ツールの導入費用なども含めて計算します。
たとえば、月間のマーケティング・営業コストが200万円で、新規顧客を20社獲得した場合のCACは以下のとおりです。
CAC = 2,000,000円 ÷ 20社 = 100,000円
ユニットエコノミクスの計算シミュレーション
上記で算出したLTV40万円、CAC10万円を使ってユニットエコノミクスを算出すると、以下のようになります。
ユニットエコノミクス = 400,000円 ÷ 100,000円 = 4.0
この4.0という数値が、事業の健全性を判断する基準となります。
下表で、理想的な収益モデルと収益構造の見直しが必要なモデルを比較してみましょう。
| 項目 | 理想的な収益モデル | 収益構造の見直しが 必要なモデル |
|---|---|---|
| ARPU | 10,000円 | 5,000円 |
| チャーンレート | 2% | 5% |
| LTV | 400,000円 | 80,000円 |
| CAC | 100,000円 | 150,000円 |
| ユニットエコノミクス | 4.0 | 約0.53 |
このように、同じクラウドサービス型ビジネスでもLTVとCACのバランスによって、事業の持続可能性には大きな差が生まれます。
算出した自社の数値が理想的な収益モデルに近いのか、それとも見直しが必要なモデルに近いのかを判断するには、業界で共通して使われている指標の基準を知る必要があります。
ユニットエコノミクスの目安
ユニットエコノミクスを算出したあと、その数字がビジネスとして理想といえるのか、あるいは見直しが必要なのかを判断するための目安があります。
ここでは、クラウドサービス型ビジネスにおいて理想とされるユニットエコノミクスの具体的な数値の目安を解説します。
業界標準は3~5倍
一般的に、クラウドサービス型ビジネスにおいて、ユニットエコノミクスは3~5倍が理想の水準であるとされています。
なお、グロービス経営大学院などの知見でも3〜5倍が目安として紹介されており、これがスタートアップ投資におけるひとつのスタンダードとなっています。
なお、損益分岐点の1倍ではなく3~5倍が目安となる理由には、主に以下の2点があります。
CAC以外にコストがかかる
LTVからCACを引いた利益から、さらにプロダクトの開発費や管理部門の固定費、カスタマーサポートの費用などを捻出する必要があります。3~5倍程度の余裕がないと、会社全体の最終利益を残すことが困難です。
推計は不確実でリスクがある
LTVは将来の予測値、つまり解約率に基づいた期待値に過ぎません。急な解約率の上昇や市場環境の変化というリスクを考慮し、バッファとして3~5倍という基準が置かれています。
CAC回収期間が12ヶ月以内であることも目安に
ユニットエコノミクスは数値の倍率だけでなく、CACを何ヶ月で回収できるかという期間も極めて重要です。これを「CAC Payback Period(CAC回収期間)」と呼びます。
CAC Payback Period(CAC回収期間) = CAC ÷ ARPU × 収益率
一般的には、12ヶ月以内に回収できるのが理想的です。回収に数年もかかるようであれば、成長スピードを上げるほどキャッシュフローが圧迫され、資金ショートのリスクが高まってしまいます。
事業フェーズによって目安の見方は変わる
3~5倍という数字は、絶対ではありません。顧客が心から満足する製品を、適切な市場に提供できている状態というプロダクトマーケットフィットを目指す段階では、一時的に3倍を下回っても問題ありません。
まずは顧客の声を集め、市場での存在感を高めることが優先されます。
これに対して、競合とのシェア争いが激しい時期には、あえて高いCACを許容して一気にユーザーを囲い込む戦略も合理的です。大切なのは、現在この数値が出ている理由を論理的に説明できるかどうかです。
ユニットエコノミクスがクラウドサービス型ビジネスで重要な理由
クラウドサービスにおいて、ユニットエコノミクスは単なる計算結果ではありません。経営方針を決めるために重要な指標となります。売り切り型のビジネスとは異なり、損益分岐点に到達するまで時間がかかる構造だからこそ、目先のキャッシュの増減に惑わされず、事業の本質的な強さを計ることが必要です。
ここでは、ユニットエコノミクスが重視される5つの理由を詳しく解説します。
収益予測と適切な価格設定ができる
ユニットエコノミクスを把握することで、将来的にどの程度の利益が積み上がるかを高い精度でシミュレーションできるようになります。
LTVが伸び悩む場合において、単に「営業を頑張る」といった根性論ではなく、「提供価値に対して単価が安すぎないか」「解約を上回るメリットを提示できているか」といった客観的な視点で価格戦略の練り直しが可能になるのです。
利益率改善の打ち手が見えてくる
ユニットエコノミクスの数値が目安である3倍を下回る際、どこに手を入れるべきかが一目でわかります。
たとえば、1人を獲得するコストが高すぎるといった課題があるなら、マーケティングチャネルの見直しや営業プロセスの自動化が必要です。一方、継続期間が短すぎることが原因なら、プロダクトの機能改善やカスタマーサクセスの強化が優先事項となるでしょう。このように課題を分析することで、限られたリソースをどこに集中させるべきかを導き出せます。
顧客獲得と維持の最適戦略を立てられる
すべての顧客や集客ルートが、同じ利益をもたらすわけではありません。ユニットエコノミクスを詳細に分析することで、予算配分の最適化が可能になります。
たとえば、「安く大量に集客できるけどすぐに解約されるチャネル」と「コストがかかるけど長く使い続けてくれるチャネル」があったとします。ユニットエコノミクスを指標にしていれば、単なる獲得数に惑わされることなく、最終的な利益効率が高い後者に予算を厚く配分するといった、本質的な意思決定が可能です。
事業の拡大可能性を評価ができる
ユニットエコノミクスが良好であることは、その事業に再現性があることを意味します。
たとえば「1円を投じれば3円以上の利益が返ってくる」という計算が成り立っている状態なら、資金を2倍、3倍と増やしても、それに比例して将来の利益も拡大していく確信を持ちやすくなるのです。これは事業の拡大可能性を客観的に評価することになります。
投資家への確度の高いプレゼン材料になる
外部からの資金調達を目指す際、ユニットエコノミクスは投資家がもっとも厳しくチェックする項目のひとつです。
投資家は、現在の帳簿上の赤字よりも、その事業が将来的に利益を生むかどうかを重視します。ユニットエコノミクスが3倍を超え、高い資本効率が証明されていれば、それは将来的な成長の確度が高いことの証拠になります。
ユニットエコノミクスを改善する具体的な施策
ユニットエコノミクスの算出によって現状の課題が明確になったら、次は前述した理想的な水準に近づけるためのアクションが必要です。ユニットエコノミクスを改善する方法は、大きく分けて「LTVを高めるか」または「CACを下げるか」の2通りしかありません。
ここでは、現場で実行ユニットエコノミクスを改善する具体的な施策を詳しく解説します。
LTVを高める施策
LTVを伸ばすには、「長く使ってもらうこと」と「単価を上げること」の2軸が重要となります。
解約率を下げる
クラウドサービス型ビジネスにおいて、解約率の低下はLTV向上にもっとも直結する要素です。まずは顧客がなぜ離脱したのか、その理由を定量的・定性的に徹底分析し、製品の機能改善やサポート体制にフィードバックするサイクルを構築します。
とくに重要なのが、導入初期のオンボーディングです。使い方がわからず放置されるのを防ぐため、専任のカスタマーサクセスが初期設定を支援したり、ステップメールで操作方法を伝えたりします。そうすることで、顧客に早期に「導入してよかった」という成功体験を提供でき、これが継続利用の鍵となります。
客単価・利用頻度を上げる
既存の顧客ベースから得られる収益を最大化するために、戦略的なアップセルとクロスセルを実施します。
アップセルは、より高度な機能が使える上位プランへの移行を促す施策です。クロスセルは、関連するオプション機能や別サービスの導入を勧める施策となります。どちらも顧客の課題解決が前提にあるため、強引な売り込みになりません。結果として、1社あたりの平均単価を引き上げることができます。
顧客ロイヤルティを高める
単に不満がないから使い続けているという状態から、積極的にサービスを支持してくれるファンの状態へと引き上げる取り組みです。そのための指標として、NPS(ネットプロモータースコア)などの顧客推奨度を定期的に計測するのが有効となります。
数値が低い顧客に対しては個別のフォローを行い、数値が高い顧客には事例インタビューへの協力依頼やコミュニティへの招待など、より深いエンゲージメントを築きます。顧客との信頼関係が強固になれば、競合サービスへの乗り換えを防げるだけでなく、口コミによる新規顧客の紹介といった副次的な効果も期待できます。
CACを下げる施策
CACを下げるためには、マーケティングと営業の両面において、無駄を削ぎ落として成果を最大化する仕組み化が求められます。
マーケティングコストを最適化する
すべての広告チャネルが一律に効果的であることは稀です。広告媒体ごとの獲得単価(CPA)を厳密に測定し、成果の出にくい広告への出資を停止します。そして、投資対効果(ROI)の高いチャネルへ予算を大胆に集中させます。
また、ターゲットの精度を高めることも重要です。自社のプロダクトと親和性の低い層を集客しても、後の商談化率が下がり、結果的に1顧客あたりの獲得コストを押し上げます。確度の高い見込み客に絞ったターゲティングで、マーケティング活動全体の効率を向上させます。
インバウンドマーケティングへ転換する
広告費を払い続けるアウトバウンド型の集客だけでなく、顧客の方から自社を見つけてもらうインバウンド型の仕組みを構築します。
具体的には、ターゲットの悩みを解決するコンテンツの作成や、ノウハウをまとめたホワイトペーパーの提供、専門知識を共有するウェビナーの開催などが挙げられます。これらのコンテンツは一度作れば資産として蓄積され、長期間低コストでリードを生み出し続けてくれます。
セールスプロセスを効率化する
営業活動の人件費も、CACに含まれる大きなコストです。これを削減するには、テクノロジーを活用したプロセスの自動化・分業化が欠かせません。
たとえば、見込み客のナーチャリングをメール配信ツールで自動化したり、訪問せずに商談を完結させるインサイドセールスを導入したりします。そうすることで移動時間を削減し、1日の商談数を増やすことができます。
ユニットエコノミクスと混同しやすい関連指標の違い
ユニットエコノミクスは非常に万能な指標ですが、それだけで事業のすべてがわかるわけではありません。ほかの重要な経営指標との違いを正しく理解することで、より多角的にビジネスの状況を把握できるようになります。
限界利益との違い
限界利益は、売上高から変動費を差し引いて算出される指標です。主に製造業などで、製品やサービスをひとつ売ることでどれだけの利益が出るかという、モノの収益性を測るために使われます。
これに対してユニットエコノミクスは、顧客1人と付き合うことで一生涯にどれだけの利益が出るかという、顧客単位の採算性に着目します。SaaSのように製品の追加製造コストがほぼゼロであり、顧客を獲得するコストの方が大きな負担となるモデルでは、ユニットエコノミクスのほうが、ビジネスの実績を正確に反映できるのです。
MRR(月次経常収益)・ARR(年次経常収益)との違い
MRR(月次経常収益)やARR(年次経常収益)は、現時点でどれだけの収益が安定的に積み上がっているかという事業の規模を示す指標です。これらがいわば現在の体力を示すのに対し、ユニットエコノミクスは事業がどれくらい効率よく稼げているかという、将来のポテンシャルを示します。
たとえば、MRRが1億円あってもユニットエコノミクスが1倍を切っているなら、その事業は無理な広告投資で売上を作っている持続不可能な状態といえます。反対に、MRRがまだ小さくてもユニットエコノミクスが5倍を超えているなら、資金さえ投じれば爆発的に成長できる非常に有望な状態の判断が可能です。規模を示すMRR・ARRと、効率を示すユニットエコノミクスの両輪をセットで追い続けることが、正しい経営判断の鍵となります。
まとめ
ユニットエコノミクスは、顧客1人あたりの採算性を可視化し、SaaSビジネスの健全性を測るための極めて重要な指標です。
ユニットエコノミクスは、業界標準では3倍以上が健全な水準とされています。また、獲得コストを12ヶ月以内に回収できているかというスピード感も、安定した資金繰りには欠かせません。
ユニットエコノミクスを継続的にモニタリングし、自社の成長フェーズに合わせた投資判断を行うことが、持続可能な事業成長を実現するための最短ルートとなるでしょう。
よくある質問
ユニットエコノミクスが1を超えていればビジネスとして問題ない?
理論上、1を超えていれば赤字にはなりませんが、実際には不十分です。クラウドサービス型ビジネスでは、開発費や一般管理費など、CAC以外のコストが多額にかかります。そのため、一般的には3~5倍が理想とされています。
詳しくは、記事内の「業界標準は3~5倍」をご覧ください。
創業間もないスタートアップでもユニットエコノミクスを重視すべき?
初期段階では、3倍という数字に固執しすぎる必要はありません。まずはプロダクトが市場に受け入れられるかを確認し、シェアを拡大するフェーズにおいて、一時的にCACを高く設定する判断は合理的です。
詳しくは、記事内の「事業フェーズによって目安の見方は変わる」で解説しています。
ユニットエコノミクスを改善するには、LTVとCACどちらを先に見直すべき?
多くの場合、LTVの改善を優先すべきです。解約率が高い状態でCACを下げて新規顧客を増やしても、穴の空いたバケツに水を注ぐような状態になってしまうからです。土台となるLTVを安定させたうえで、集客の効率化に着手することをおすすめします。
詳しくは、記事内の「ユニットエコノミクスを改善する具体的な施策」をご覧ください。
