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参加をきっかけに変革の一歩を。「クラウド型会計事務所スターターキット 活用ワークショップ」開催レポート

参加をきっかけに変革の一歩を。「クラウド型会計事務所スターターキット 活用ワークショップ」開催レポート

2022年2月から4月にかけて「クラウド型会計事務所スターターキット 活用ワークショップ」をオンラインにて開催しました。

本ワークショップは、2021年秋にリリースされた「クラウド型会計事務所スターターキット」の活用効果をさらに高めていただくために企画されたものです。本記事では、最終日に実施された成果発表会を中心にワークショップの様子をレポート。参加者の皆さんがワークショップで何を学び、どのように実務に活かしていったのかを紹介します。

「クラウド型会計事務所スターターキット」とは

クラウド型会計事務所スターターキット(以下、スターターキット)とは、クラウド型会計事務所として顧問先へ価値あるサービスを最短ルートで提供するために必要なノウハウをまとめたキットです。事務所のビジョン策定やブランディングから顧問先へのfreee導入提案・運用まで、一連のプロセスを効果的に進める上で、役立つ学習コンテンツやテンプレートを取り揃えています。

クラウド型会計事務所スターターキット 全体像

スターターキット活用ワークショップの概要

スターターキット活用ワークショップは、以下の3部で構成されています。

第1部:分析・サービス設計編

戦略的な事務所経営の第一歩として、会計業界と事務所を分析した上で、限りあるリソースをどの事業機会に投下するのかを検討します。検討内容をもとに顧問先に提供するサービスを絞り込み、プランや料金を決定します。

第2部:ブランディング・集客編

第1部で絞り込んだサービスについて「誰にアピールするのか」「どのような方法で集客するのか」を検討し、事務所のブランディング戦略とマーケティングプランを策定します。また、集客チャネルごとの効果を定量的に分析する方法も学びます。

第3部:業務設計・交渉編

顧問先の現状と課題を的確に把握し、適切な提案をするために必要なノウハウや交渉術、freeeを活用して顧問先の課題を改善する経理業務フローの設計方法を習得します。

3部とも、「ワークシートの作成」「実務での活用結果検証」「活用結果の全体共有」の流れで進行します。参加者の皆さんにはスターターキットを一通り使っていただくだけでなく、ワークショップで得た学びを活かして実務の課題改善や戦略のブラッシュアップにも取り組んでいただきました。

成果発表会

全3部のワークショップ終了から約1ヶ月後、参加者同士でワークショップでの議論をもとに実践した成果を共有する発表会を開催しました。その中から3名の成果を抜粋し、ご紹介します。

【成果1】マーケティングの現状を定量的に分析し、効果の高い集客チャネルに資源を再配分

集客力の向上を目指す山本さんは、ブランディングシートとマーケティングプランシートを活用して実施中の集客施策の現状を定量的に分析。すると、顧客からの紹介による集客効果が想定以上に高いものの、予算を多く配分していたチラシからの集客効果は低いと判明します。

山本さんはこの結果を受けて、「顧客が他の人に紹介したくなるくらい満足度が高いサービスを提供できている」と再認識。引き続き、高水準のサービスを提供して紹介件数の維持安定に努めるとともに、ブログによる情報発信を強化し、紹介を受けた潜在顧客にサービス内容を端的に伝える取り組みを始めました。

一方で、チラシの配布は一時的に中止します。山本さんは、低い集客効果となった原因を「想定ターゲットと異なる層の見込み客が集まってしまい、成約に向けて見込み客をうまく誘導できなかった」と分析。チラシ配布を再開する際には、目的やターゲット、チラシから成約に至るまでの流れを精査することも決めました。

ブランディングシート

マーケティング・プランニングシート ※山本さんが活用したブランディングシートとマーケティング・プランニングシート

【成果2】事務所全体でfreee活用スキルを底上げし、業務標準化を促進

所内で先陣を切ってfreee会計の導入に取り組んでいる澤本さんは、チームメンバーも巻き込んでスターターキットを活用し、事務所内の業務標準化を推進しました。

freee導入時ヒアリングシートは、freeeの習熟度にばらつきがある職員の全体レベルの底上げするのに効果的でした。ヒアリングシートの活用によって、現場経験の浅い職員のヒアリング精度は向上し、習熟度の高いスタッフはより深く踏み込んで会社の実態を聞き出せるようになりました。

請求書の入力/また、新規顧問先に経理設計図を使って業務フローを整理してもらい、その内容を所内の入力担当者にも共有するように改善。入力担当者から「口頭伝達だけでは分かりづらかった箇所が見える化され、営業担当者からの業務引き継ぎや問い合わせ対応をスムーズにできるようになった」と好評の声が上がっています。

チームメンバー内で一定の成果を上げた澤本さんは、「この取り組みを事務所全体に展開していきたい」と今後の抱負を語ってくださいました。

freee導入時ヒアリングシート ※澤本さんと続く平岡さんが活用したfreee導入時ヒアリングシート

【成果3】ヒアリング精度が向上し、ワークショップ期間中に複数件の成約を獲得

税理士と協業して小規模事業者の事業再生に取り組む平岡さんは、これまで我流で培ってきた顧客との対話スキルを見直すためにfreee導入時ヒアリングシートを活用。ヒアリング精度が向上し、今まで以上にお客様の課題を深く聞き出しやすくなりました。

その結果、ワークショップ実施期間中だけで2件の新規顧問契約獲得と、顧問先3件へのfreee導入に成功。「実際に自分で手を動かしながらより良いヒアリングと提案の方法を模索して、結果がついてきた」と振り返ります。平岡さんは商談を進めやすくするためにヒアリングシートと経理設計図を自所版にカスタマイズしており、その内容は他の参加者とfreee社員にとっても大いに参考になるものでした。

また、平岡さんはホームページの改修にも着手。ワークショップ参加者の意見を取り入れて事務所紹介資料とブランディングシートを作成し、その内容をホームページに反映させました。成果発表会で改修後のホームページを紹介すると、参加者からは「ターゲット層に伝わりやすい言葉で事業内容が説明されていて良い」「平岡さんの人となりが垣間見えて親しみやすさを感じる」「自分のホームページ制作をするときの参考にしたい」といった声があがりました。

ワークショップ・成果発表会を終えて

今回のワークショップと成果発表会の参加者の皆さんからは、次のような感想が上がりました。

  • 今まで時間に追われてできていなかった事業モデルの見直しなどをするのに良い機会になった。
  • ヒアリングや提案のスキルが上がり、お客様とのコミュニケーションに自信を持てるようになった。
  • 同業者で似たような志を持った人たちからクリティカルな意見をもらえたり、思いがけない視点からの質問を投げかけられたりしたお陰で、自分の視野が広がった。
  • 実践してうまくいかなかったことに対して、freeeの方から他事務所の事例や改善策の提案を聞けて参考になった。
  • 他の参加者の成果発表を聞いて「自分ももっとチャレンジしよう」と刺激をもらった。焦りすぎず、できることから一つずつ改善を進めていきたい。

参加者の皆さんがそれぞれの形でワークショップで得た学びを実務に活かしていることが分かり、ワークショップの企画メンバー一同嬉しく思います。お忙しい中ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

「クラウド型会計事務所スターターキット活用ワークショップ」は、今後も定期的に開催予定です。また、短時間でスターターキットの活用方法を学べる受講型セミナーも開催しています。

最新のワークショップ・セミナー開催情報は、こちらからご確認ください。