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「カスタマーサクセス」から生まれる会計事務所のこれからの働き方

freeeのように継続的に利用料が発生するサブスクリプション型のビジネスだと、ユーザーの方々にいかに契約を更新していただくかというのが重要になってきます。そのためには実際に使っていただき、便利さや効果を実感していただくのが一番の近道。
freeeでは、会計事務所さんがfreeeを使いこなし、顧問先に効果をもたらしてビジネスを成長させられるように、「カスタマーサクセス」と呼ばれる支援をしています。今回は、このカスタマーサクセスによって、わずか1年で100件以上の顧問先にfreeeを導入してきた九段会計さんにお話を伺いました。

座談会メンバー紹介

髙木功治

税理士法人九段会計事務所代表。
会社の心臓部である会計・経理を見ることを任され、数少ない経営の相談役になりうる我々が顧問先の役に立つには、社内CFOとして経営支援をおこなうべきだという信念で事務所を運営。それを達成するためにもfreeeの導入が急務だと感じたそう。

田中祐基

九段会計事務所で生産性向上リーダーとしてfreee導入の船頭的役割を果たす。
まだfreeeに詳しくないとき、最初の導入先として、経理の方が突然辞めて処理の仕方がブラックボックスになってしまったという非常に難易度の高い案件に敢えて挑戦。おかげでfreeeの操作に困ることはないという猛者。

小畑孝輔

freee 株式会社パートナー事業本部 カスタマーサクセスマネージャー担当。
「人と組織の課題解決」を目指し、つねに顧客本位で動くことを心がけている。目標は、freeeと関わったことで会計事務所の方々のマインドや組織の方向性に変化が生まれ、ビジネスが変わるような導入をしていただくこと。

「カスタマーサクセス・マネジメント」とは?

日本ではまだ馴染みがないものの、海外では最近かなり注目されているマーケティング手法の1つ。文字どおり、「お客様をさらなる成功へ導く」ためのサポートをおこないます。通常のサポートは、お客様から寄せられた疑問や問い合わせに電話やチャットなどでお答えしていくのが役割です。一方、カスタマーサクセスは、お客様が自身の問題や課題を認識していなかったとしても、その洗い出しを含め、目標達成のための弊害になっているものを精査し、どのようなステップで解決していくかを細かくサポートするのが特徴。

単なる自動仕訳だけじゃなかった! freeeの真価

小畑
九段会計さんは、freeeで「カスタマーサクセス」というサポート体制ができる前から顧問先にfreee導入を進められてきましたね。もともとfreeeを導入しようと思ったきっかけは何だったんでしょうか?

高木
そうですね、直接のきっかけはうちのスタッフがfreeeさんのセミナーに参加して「これで会計事務所の仕事が変わる」と強く感じたことだったんですが、僕自身もその数年前からクラウド会計には興味を持っていたんです。今後はクラウド会計が当たり前の世の中になっていくだろうから、いつかは取り組まなくてはいけないと。ただ、当時はクラウド会計の自動取り込みや自動仕訳といった機能しか知らなかったんですよ。そうなると、クラウドの導入は重要度が高いものの、どうしても目の前の緊急度の高い案件を優先してしまって(笑)。でも、そのときセミナーに参加したスタッフから強く勧められて、freeeの勉強をしたんです。そうしたら……。

田中
やはり既存の会計ソフトとは異なり、会計という範囲だけではなく、経理・バックオフィス全体を視野に入れたクラウドERPとして使えるという点が大きかったですよね。

高木
そうそう、当時のfreeeの営業担当の方もすごく熱心で、いろいろ説明していただくうちに、事務所内の効率性だけでなく、お客様にも非常にメリットが高いことがわかりました。弊所は「経営支援でお客様の夢をサポートし日本を笑顔に!」というミッションを掲げているんですが、まさにそれを実現できるソフトだと感じたんです。それが2年ほど前のことですね。

モチベーションの多寡が導入初期の課題

小畑
最初に導入を進めるときには、どんな課題が生じましたか?

田中
うちでは、「遅かれ早かれクラウド会計がスタンダードになるんだから、今からみんな使えるようになっておいたほうが個人としても事務所としても、そしてお客様の成長にもなる」という高木の考えで、「まずは全員が1件導入する」という目標を立てたんです。

小畑
それはなかなかハードルが高い……。

田中
そうなんです。事務所のなかでもfreeeを積極的に使いたい人、今までどおりに仕事したい人と分かれますし、お客様に「会計ソフトをfreeeに変えてみませんか?」と提案すること自体、普段の業務に忙殺されるなかでは結構な障壁になってしまう。今までのソフトと何が違うのか、その会社にとってどんなメリットがあるのかということを1つずつ丁寧に説明する必要がありますから、とくにfreeeについての理解が進んでいないうちは、積極的に導入を進めようとする人とそうでない人の分断が起きていました。

高木
本音ではみんなね、今の状態で仕事ができているわけですから、何も精神的なストレスや余計な手間をかけてまで進んで導入をしたいとは思わないんですよ。でも「所長が言うから仕方ない。やろうか」というスタンスだと、本人のソフトへの理解も進まないし、1件導入して終わり……となりがちでしょう。その乗り気でない人たちの意識をどう変えるかが最初の課題でした。

小畑
私たちが導入支援のなかで感じるのも、新しいことを導入しようとすると、「人」や「チーム」、「組織」の課題が絶対に発生するということなんです。九段会計さんではそれをどう乗り越えたんですか?

高木
正直なところ、今でも壁はまだありますよ。ただ、絶対にクラウド会計に慣れておいたほうがいいというのは断言できるので、半ば強制的にやってもらっています(笑)。あとは、毎週月曜日にスタッフ全員で会議をするんですが、そこで導入の成功事例や具体的な活用方法を共有する時間を設けたり。

田中
freeeによるメリットを共有していくと、乗り気でなかった人も「そんなふうにできるなら自分もやってみたい」という発見になったりするんですよね。

キャリアの浅い20代が大活躍!

小畑
ちなみに、導入に積極的だったのはどんな方々でした?

田中
やはり若い世代ですね。20代がメインです。なかには担当している会社のほとんどにfreeeを使ってもらっているというスタッフもいるくらい。

高木
僕なりに分析すると、若い世代が積極的になる理由としては、まずはテクノロジーに抵抗がないというのが1つ。それからまだキャリアが浅いので、担当するのが小規模の会社が多く、記帳代行まで請け負うケースが多いというのが1つ。ベテランが担当する規模の大きい会社より、そういう小さな会社のほうがfreeeにフィットしやすいんです。また、弊所の方針としては、スタッフに記帳代行をやらせないために入力業務のパートさんに何人か来ていただいているんですが、それでも場合によっては先輩の業務が優先されて、若手は自分で入力してしまうということも多かった。となれば、freeeを導入することで担当する会社のバックオフィスも効率化し、自分自身の業務も効率化できる。二重のメリットを目に見えて感じられたからではないかと思います。

小畑
なるほど。自分が事務所に貢献するためにも、今と同じやり方ではどうしてもキャリアのある方には勝てないけれど、新しいやり方なら今以上に貢献できるようになるかもしれませんしね。

高木
そうですね。若手のスタッフのほうが、freeeに変えることで自分たちの仕事の仕方がどう変わるのかというのを具体的にイメージできたみたいです。

小畑
弊社のカスタマーサクセスでは、最初に会計事務所のスタッフさんで「freeeチーム」を作っていただき、まずはそのメンバーが使いこなせるようにするというステップを設けているんです。するとその後、事務所全体でfreeeを使っていただくときにも、所内にfreeeの習熟度の高いスタッフが存在するので、フォローが得られやすいという利点があるんですね。私が九段会計さんのカスタマーサクセスを受け持たせていただいて1年になりますが、そのときもまずは「freeeチーム」の制定をお願いしました。まさに、田中さんを筆頭にそのメンバーになってくださった若手の方たちが、最初から「freeeチーム」と同じような役割を担って事務所を引っ張ってきてくださっていたんですね。

「オーダーメイド」のペースメイキング

高木
僕らも自分たちなりに導入を進めてきてはいたんですが、やはり軌道に乗るようになったのは、小畑さんがカスタマーサクセスに入ってくださってからだと思います。毎月定期的にミーティングをおこなって進捗状況や課題を共有して、こちらの繁忙期や予定を考慮したうえでスケジュールを組んでくれる。まさにオーダーメイドのペースメイキングをしてもらっている感じ。

田中
freeeの改良点や新機能の使い方まで丁寧に説明していただけるので、すごくありがたいです。freeeチームのフォローも細かくしていただけますし。

高木
やっぱり、僕もスタッフも日々さまざまな業務で忙しいなかで導入を進めているので、だんだん最初の熱が冷めてきたりもするんですよね。そこで定期的に訪問してくださって、大元の目標を思い出させてくれたり、導入の音頭をとってくれるというのが、我々がわずか1年で100件の導入をやり遂げられた要因の1つかなと思っています。

小畑
じつは、今はサクセスチームでもとくに力を入れて支援しているのが、導入開始の最初の3か月なんです。導入から時間が経つと、おっしゃるとおり当初の熱が冷めてしまったり、目標を見失ってしまったり、事務所内でも人によって目的がバラバラになりがちなんです。そこで職員さんごとにヒアリングをして、モチベーションや習熟度を確認しつつミーティングをおこなうようにしているんです。その点、九段会計さんはモチベーションや習熟度には多少の差はあれど、すでに導入開始から時間が経っているのにみんなの目標がブレることもなく、かなりうまく導入を進められてきたケースだと思います。

高木
元々ウチの事務所は、スタッフ全員で助け合って成果を出していこうという風土なんですね。世の中には会計事務所がたくさんあって、それぞれ千差万別だと思うんです。一匹狼的なメンバーの集まりのところもあれば、フォローしあいながらやっていくところもある。うちは後者の色が強いので、事務所でもクレドを策定して、ミッションや価値観を共有しながら働くということを非常に重視しています。ですから、田中がfreee導入に一生懸命になってくれたのも、自分のメリットだけでなく、事務所全体のためという想いが強いんですよ。それをみんなもわかっているから、目標に向かってうまく進められたのかもしれません。

田中
それで言うと、もちろん事務所のためと思ってやっているんですが、先輩には遠慮が働いて「事務所のためなのでやってください」と言いにくいことがあったりするんですよ。そのとき、高木がことあるごとにfreeeというワードを出して、みんなの意識をそちらに向けてくれていたのが、リーダーとしてすごく頼りになりました。それも小畑さんが最初の熱を維持させてくれたということが大きいんでしょうけど。

小畑
導入をうまく進めるためには、ボスがきちんと所内でイニシアチブを取るというのはとても大切な要素ですね。そして目標をきちんと共有できているのも大切。他の事務所さんだと、クラウドソフトに対する拒否反応が強すぎてハレーションを起こしてしまい、どうしても折り合わずに事務所を辞められるという方がいたり……。

高木
そんなに拒否反応が強い方がいるんですか!?

小畑
はい。でも、私がヒアリングしたかぎり、そういう方は九段会計さんには1人もいなかった。事務所のカルチャーがとてもうまく作用しているんだと思います。

若手とベテラン、それぞれの役割

小畑
今はベテランの方も、若手の方々の成功に触発されてfreeeの習熟度が高くなってきていらっしゃいますよね。

高木
そうですね。とくに新規案件の場合は最初からfreeeをおすすめするなど、ベテランのスタッフたちもポジティブに導入を進めています。ただ、一から導入するときに、全員が自信を持って進められるというところまではいっていませんね。

田中
事務所内では、なるべくみんな同じレベルの習熟度まで高めようとはしているんですが、ベテランの方にはチームのマネジメントなど、若手とはまた違った職域がありますので、必ずしも全員がお客様に提案しに行ったり、初期設定ができなくてはいけないとは思っていないんです。そこはfreeeチームの若手で補おうと。導入する顧問先の選定も、freeeチームでスタッフ全員のヒアリングをしながら、「この会社なら導入するとメリットが大きいんじゃないか」とアドバイスしながらおこなっています。

高木
提案力だとか業務フローの図解化とか、クラウドソフト同士の連携だとか、必要な知識が多岐に渡ってくるので、やっぱり自信ないですよ。税務のことじゃないので。

田中
やはり既存の会計ソフトとまったく別モノで、freeeはERPという大きな範囲の話につながってくるので、その会社が導入するにあたってのメリットとデメリットを1つずつ細かくご説明しないと、先方に導入の是非を判断してもらいようがないんですね。freeeにもできることとできないことがあり、その会社が望むことが本当にfreeeで解決できるかどうかの判断も、機能の知識がないと難しい。ただ、小畑さんに「こういう会社に導入を進めようと考えています」と相談したりすると、「この会社だと導入はかなり難航すると思います」といったアドバイスがもらえるので、僕らが判断するうえでも助かっています。

小畑
まずはメリットの高い会社さんから導入していただくのが一番ですからね。そして成功体験を積み重ねていただくことが、事務所で一致団結して動くための一番の方策だと思っているんです。

高木
まだまだ課題はありますが、freeeチームを作ったおかげで、同じ目標に向かって進むという協力体制がより築け、それが事務所全体のモチベーションにもいい影響を与えてくれていると感じています。「ああでもない、こうでもない」と言いながら導入を進めてくれたチームのメンバーには、本当に感謝しています。