許認可の基礎知識

軽貨物ドライバーとして働くには?仕事内容や働くための要件について解説

最終更新日:2022/09/14

軽貨物ドライバーとして働くには?仕事内容や働くための要件について解説

近年、自宅で過ごす人や在宅勤務の人が増え、AmazonやUber Eatsなどの通販市場の需要が広がっています。しかし、通販市場の拡大によって依頼された荷物を顧客に届ける軽貨物ドライバーが不足しています。

軽貨物ドライバーは業務委託で仕事を受けられるため、車さえを保有していれば手軽に事業をはじめられるイメージがありますが、実際には黒ナンバーや許認可の取得が必要です。

本記事では、軽貨物ドライバーの仕事内容や、軽貨物ドライバーとして働くために必要な手続きの仕方、業務委託としての仕事の受け方について解説します。

目次

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軽貨物ドライバーの仕事内容とは

軽貨物ドライバーの正式名称は「貨物軽自動車運送事業(軽貨物運送事業とも呼ばれます)」といい、軽トラックや軽バンといった貨物運搬用の軽自動車や二輪自動車を利用し有料で貨物を運送する事業を指します。

運送業は大きく以下の3種類に分けられます。

運送業の種類

  • 一般貨物自動車運送事業:
    他者の貨物を有償で3輪以上の自動車を使用し運送する事業
  • 特定貨物自動車運送事業:
    特定の他者の貨物のみを有償で自動車を使用し運送する事業
  • 貨物軽自動車運送事業:
    他者の貨物を3輪以上の軽自動車または2輪自動車を使用し運送する事業

これら3種類のうち、一般貨物自動車運送事業と特定貨物自動車運送事業は既定の申請をして国土交通大臣の許認可を受ける必要があります。

一方、貨物軽自動車運送事業の開業に必要な手続きは届出のみと簡略化されています。

簡単な手続きで開業可能な軽貨物ドライバーは、軽自動車を利用するため他の運送事業と比べ軽量で小さい貨物が多く、幅広い年齢層の方が参入できるため、近年では副業としても注目されています。

許認可について詳しく知りたい方は、別記事「許認可とは?取得しない場合のペナルティや申請方法について解説」をあわせてご確認ください。

軽貨物ドライバーの配送種類

軽貨物ドライバーの仕事内容は、具体的に以下の3種類に分けられます。

配送先配送物配送頻度
宅配個人宅食材や日用品など
(比較的小さいものが多い)
とても多い
企業配店舗
事業オフィスなど
事務用品やオフィス用品、飲食物など
(一度の配送で大量の物を配送する)
少ない
スポット配送個人宅や企業、空港など
(長距離配送のものもある)
機械部品、食品、輸入雑貨、建築資材など
(緊急で必要なもの全般)
とても少ない

宅配

宅配では、個人宅への配送が主となります。近年、Amazonや楽天などネット通販の利用ユーザー増加に伴い、宅配の需要が高まっています。

宅配は日用品や食材など比較的小さな荷物が多いので、女性や幅広い年齢層の人が参入できます。ただし、配送先が個人宅であるため受取人が不在で再配達が必要になるなどの問題もあります。

企業配

企業配は、店舗やオフィスなどの法人が主な配送先です。宅配と比べて、配送する貨物は業務用の事務用品や飲食物などが中心なので、一度に配送する量や大きい荷物が多く、配送件数そのものは少ない傾向にあります。

配送先の営業時間中のみ配送するため、配送は基本的に平日であり再配達のリスクが少ないことも大きな特徴です。

スポット配送

スポット配送とは、一般的に緊急もしくは突発的、短期的な配送依頼に対応する配送業務を指します。

緊急性の高い依頼が中心であるため、報酬は高いですが配送件数は決して多くはありません。なお、繁忙期などに人員補充として他の配送業者などから依頼されることもあります。

軽貨物ドライバーの働き方とは

ここでは、軽貨物ドライバーの主な働き方についてご紹介します。

企業との直接契約をする

直接契約とは、企業からの雇用だけでなく「直受け」と呼ばれる配送を依頼したい企業や出荷主へ営業をかけ配送の契約をかわすことも含まれます。

業務委託とは異なり、仲介業者を通さないため手数料などを引かれることなく報酬を受け取ることが可能です。しかし、契約を結ぶためには自身で企業に営業をかけなければなりません。

業務委託やFCとして働く

通販市場の拡大に伴い需要が増え、軽貨物ドライバーとして最も多い働き方の1つが委託ドライバーとも呼ばれる業務委託やFC(フランチャイズ)での契約です。

この方法では、主に個人事業主として企業と業務委託契約を結ぶことで配送を請け負います。ヤマト運輸や佐川急便などの運送会社だけでなく、Amazonや楽天など通販サービスを提供している大手企業などもこの方法で軽貨物ドライバーを採用しています。

たとえば、Amazonでは「Amazon Flex」という業務委託制度があります。また、ヤマト運輸のグループ会社、ヤマト・スタッフ・サプライ株式会社では「軽貨物フランチャイズ」というフランチャイズ制度を導入しています。

ギグワーカーとして働く

業務委託と似た働き方でありながら、区別されているのが「ギグワーカー」という働き方です。業務委託との一番の違いは、インターネット上のアプリケーションや専用のプラットフォームを通じ、その都度単発で受注するという点です。

Uber Eatsや出前館、PickGoなどの配送業務もこれに該当します。

軽貨物ドライバーとして働く要件

軽貨物ドライバーとして働くために必要な要件は以下のとおりです。

軽貨物ドライバーとして働く要件

  • 普通自動車免許を取得している
  • 軽貨物車両を保有している
  • 事業所から2km以内に駐車場を確保している
  • 個人事業の開業届を提出している
  • 貨物軽自動車運送事業経営届出書を提出している

普通自動車免許を取得している

冒頭でご紹介したように、軽貨物ドライバーは軽車両を使用し配送する事業ですので、普通自動車免許の取得が必要です。

軽貨物車両を保有している

業務委託契約であれば企業から車両が貸与される場合もありますが、個人事業主やフリーランスとして軽貨物ドライバー業務を始めるのであれば、配送用の軽貨物車両は自身で用意しなければなりません。

運送に使われる軽バンなどの軽貨物車両は、初期費用やメンテナンスを含むランニングコストが乗用車より安価なものが多いです。

なお、車両の取得費用や業務利用するための手続きなどが負担になる場合は、リース契約などで軽貨物車両を保有する方法もあります。

事業所から2km以内に駐車場を確保している

軽貨物ドライバーの事業許可を取得するには、事業所から2km以内に所有する軽貨物車両の駐車場を確保している必要があります。

フリーランスや個人事業主であれば自宅を事業所として申請できるため、自宅に駐車場があればその場所をそのまま申請できます。

個人事業の開業届を提出している

運送会社や配送事業者の従業員として働くのではなく、フリーランスとして軽貨物ドライバー業務を始める場合、一般的には個人事業主として開業しなければなりません。

開業する際は、事業を開始してから一ヶ月以内に所轄の税務署に「個人事業主の開業・廃業等届出」を提出します。提出が遅れても罰則などはありませんが、提出しない場合は最大65万円控除などさまざまなメリットがある青色申告での確定申告ができません。

【関連記事】
開業届とは? 個人事業主のための開業届の基礎知識
青色申告とは? 節税メリットや必要な手続き、申告方法をわかりやすく解説

貨物軽自動車運送事業経営届出書を提出している

軽貨物ドライバー事業を開始する際は、事前に「貨物軽自動車運送事業経営届出書」と「事業用自動車等連絡書」「車検証」を所轄の運輸支局に提出しなければなりません。

提出する地域によって必要書類が異なるため、開業地域を管轄する運輸支局のホームページで確認しましょう。

申請後に押印して返却される事業用自動車等連絡書は、貨物軽自動車運送事業を始めるために必要な「黒ナンバー」を取得する際に再度提出します。

【関連記事】
軽貨物運送事業に必要な黒ナンバーとは?取得方法から必要書類の書き方まで徹底解説

軽貨物ドライバーで働くメリット

軽貨物ドライバーとして働く主なメリットは以下の3つです。

軽貨物ドライバーとして働くメリット

  1. 普通運転免許証があれば事業として始められる
  2. ワークライフバランスを意識した働き方ができる
  3. 女性や年配の方でも働きやすい

軽貨物ドライバーになるために必要な資格は普通自動車運転免許のみで、業務経験や学歴などは問われません。

個人事業主であれば休日や労働時間も自身の裁量で決定できるため、ワークライフバランスを意識した働き方を選択できます。さらに、配送物は比較的軽量なものが多いため、女性や年配の方でも参入しやすく副業としても選びやすい事業です。

また、近年の通販市場の拡大に伴い軽貨物ドライバーの需要は増しており、経験がない状態で開業してもある程度安定した収入が期待できます。

軽貨物ドライバーで働く際の注意点

上記のように参入しやすくメリットの多い軽貨物ドライバーですが、注意しなければならないポイントもあります。

一般的に、軽貨物ドライバーの収入は配送する荷物の数で決まります。収入を増やすにはより多くの配送をしなければならず、労働時間が長くなり体力も必要になります。

個人事業主として事業を運営するのであれば、ガソリン代・駐車場代・保険料などの車の維持費やそのほか経費の管理はすべて自身で行わなければなりません。出費を抑える方法を学び、利益確保を意識して働く必要があります。

また、必要経費などを差し引いた利益が、個人事業主は年間48万円以上、副業は年間20万円以上の場合は確定申告が必要です。開業届を提出している場合は、より多くの控除が受けられる青色申告を利用できますが、日々の出入金を細かく管理するだけでなく、簿記の知識も必要です。

【関連記事】
【初めての方向け】確定申告とは? 対象者、申告方法、必要書類まとめ

まとめ

軽貨物ドライバーは、近年の通販市場の拡大に伴い需要が高まっている職業のひとつです。

取り扱う貨物が他の運送業と比較しても軽量なものが多く、個人事業主やフリーランスとしても働きやすいため自分のペースで収入を得やすく、ワークライフバランスを意識した働き方も可能となります。

貨物軽自動車運送事業を行うための要件をしっかりと把握し、スムーズに準備を進めましょう。

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