古物商許可の取り方を申請の流れに沿って解説します。
個人・法人別の必要書類、申請手数料を含む費用の内訳、審査期間の目安、申請書の書き方、取得後にやるべきことを紹介します。
「古物商」とは古物営業法に規定される古物を売買または交換する個人や法人で、営業所を管轄する都道府県公安委員会(窓口は警察署)に古物商許可を申請する必要があります。
申請対象品目や注意点は別記事「古物商許可とは?必要なケースや取り方、費用・必要書類をわかりやすく解説」を参照してください。
目次
- 古物商許可とは
- 古物商許可が必要なケースと不要なケース
- 許可が必要なケース
- 許可が不要なケース
- 古物商許可の申請は営業所の用意から
- 古物商許可申請の流れと期間の目安
- STEP1:申請書類を準備する
- STEP2:管轄の警察署で申請手続きを行う
- STEP3:都道府県公安委員会による審査
- STEP4:古物商許可証の交付
- 古物商許可の申請に必要な書類の書き方
- 古物商許可申請書一式
- 誓約書
- 略歴書
- 住民票・身分証明書
- 登記事項証明書
- 定款の写し(法人のみ)
- 古物商許可の取得にかかる費用
- 古物商許可取得後にやるべきこと
- 古物商プレートの作成・掲示
- 取引時の本人確認と帳簿の記録
- まとめ
- 古物商の許認可申請に必要な書類を簡単に作成する方法
- よくある質問
古物商許可とは
古物商許可とは、中古品(古物)の売買やレンタルを事業として行う際に都道府県公安委員会から取得する許可です。資格試験はなく、必要書類を揃えて営業所を管轄する警察署に申請すれば取得できます。
古物営業法(昭和24年法律第108号)に基づき、せどり・転売・リサイクルショップ開業など中古品を仕入れて販売するビジネスには原則として必要となります。
古物営業法の目的は盗品の流通防止と被害の迅速な回復で、「古物」には一度使用された物品だけでなく「使用されていないが使用のために取引された物品」も含まれます。新品を未開封のまま買い取った商品も古物に該当します。
古物営業法施行規則では、古物を以下の13品目に分類しています。
<古物の13品目一覧>
| 品目 | 該当する物品の例 |
|---|---|
| 美術品類 | 絵画、彫刻、工芸品 |
| 衣類 | 着物、洋服、布製の小物 |
| 時計・宝飾品類 | 腕時計、指輪、ネックレス |
| 自動車 | 自動車本体、タイヤ、カーナビ |
| 自動二輪車及び原動機付自転車 | バイク本体、バイクパーツ |
| 自転車類 | 自転車本体、自転車パーツ |
| 写真機類 | カメラ、レンズ、双眼鏡 |
| 事務機器類 | パソコン、コピー機、FAX |
| 機械工具類 | 工作機械、電動工具、家電製品 |
| 道具類 | 家具、スポーツ用品、CD・DVD・ゲームソフト |
| 皮革・ゴム製品類 | バッグ、靴、財布 |
| 書籍 | 古本全般 |
| 金券類 | 商品券、切手、株主優待券 |
品目選択に手数料はかからないため、将来扱う可能性があるものは申請時にまとめて届け出ると追加届出を省けます。
古物商許可が必要なケースと不要なケース
古物商許可は中古品を「買い取って販売・レンタル」する場合に必要です。一方、自分の不用品を売る場合や無償で譲り受けた物品を売る場合は不要となります。
許可が必要なケース
営利目的で古物の売買・交換・レンタルを行うケースです。該当する取引は次のとおりです。
許可が必要なケース
- 中古品を買い取って販売する
- 中古品を修理・加工して販売する
- 中古品を仕入れてレンタルする
- 仲介手数料を受け取る委託販売を行う
- 中古品を別の中古品と交換する
フリマアプリで中古品を仕入れて転売する場合は、取引規模にかかわらず許可が必要となります。
許可が不要なケース
営利目的の取引であっても、物品の入手経路や性質によっては古物商許可が不要となるケースがあります。代表的な例は以下のとおりです。
許可が不要なケース
- 自分で使っていた不用品を売る
- 新品を小売店から購入し未使用のまま売る
- 無償で譲り受けた物品を販売する
- 海外で直接仕入れた物品を国内で販売する(国内買い取りが介在しない場合)
- 自分が売った相手から、売った物品を買い戻す
古物商許可の申請は営業所の用意から
申請には営業所の設置が必須で、インターネット上のみの営業でも1ヶ所以上必要となります。自宅も営業所にできますが、賃貸物件の場合は賃貸借契約書の写しや貸主の使用承諾書の提出を求められることがあります。営業所には所轄警察署が盗品調査のため立ち入り検査を行うケースもあります。
古物商許可申請の流れと期間の目安
申請から交付までは土日を除き約40日、手数料は19,000円です。申請先は営業所を管轄する警察署の生活安全課となり、手数料納付タイミングは管轄により異なるため事前確認するとスムーズです。
STEP1:申請書類を準備する
個人申請か法人申請かで必要書類が異なります。法人申請では役員全員分と管理者の住民票・身分証明書が必要となり、構成員が多いと準備に時間がかかります。
<個人・法人別の必要書類一覧>
| 必要書類 | 個人申請 | 法人申請 |
|---|---|---|
| 古物用許可申請書一式 | 必要 | 必要 |
| 誓約書 | 本人・管理者 | 役員全員・管理者 |
| 略歴書 | 本人・管理者 | 役員全員・管理者 |
| 住民票 | 本人・管理者 | 役員全員・管理者 |
| 身分証明書 | 本人・管理者 | 役員全員・管理者 |
| 登記事項証明書 | 土地・建物の登記簿謄本 | 履歴事項全部証明書 |
| 定款の写し | 不要 | 奥書きしたもの |
STEP2:管轄の警察署で申請手続きを行う
書類は作成日付が申請日から3ヶ月以内のものを用意します。原本と二通の写し(提出用・保管用)を用意し、許可証には申請品目が記載されないため申請書控えがあると後々確認しやすくなります。
STEP3:都道府県公安委員会による審査
審査期間は土日を除く40日程度、場合により2ヶ月かかります。期間中に追加書類提出や内容確認の連絡が入るため、すぐ対応できる体制を整えておくとよいでしょう。
STEP4:古物商許可証の交付
許可証は管轄警察署で受け取ります。受け取り時に持参するものは次のとおりです。
- 法人代表者印(法人の場合)
- 認印
- 身分証
- 委任状(代理人の場合)
古物商許可の申請に必要な書類の書き方
申請書一式・誓約書・略歴書・住民票・身分証明書・登記事項証明書・定款の写しの各書類について、入手先と記載のポイントを解説します。書類ごとに発行元や記入対象者が異なるため、漏れなく準備するための順番を把握しておくと進めやすくなります。
古物商許可申請書一式
各都道府県警察ホームページからダウンロード可能で、警察署の生活安全課でも配布しています。個人申請は3枚、法人申請は4枚から構成されます。
<古物商許可申請書の構成>
| 対象 | 必要な申請書 |
|---|---|
| 個人・法人 全員 | 別記様式第1号その1(ア)、その2 |
| 営業所が複数 | 別記様式第1号その3 |
| ホームページ上で古物の取引 | 別記様式第1号その4 |
| 法人のみ | 別記様式第1号その1(イ) |
「行商をしようとする者であるかどうかの別」は基本的に「する」を選択します。「しない」だと営業所以外での古物の買取・販売が一切できなくなり、義務やデメリットも生じません。
誓約書
欠格要件に当てはまらないことを証明する書類で、個人用・法人用・管理者用の3種類があります。個人事業主で管理者を兼ねる場合は「個人用」と「管理者用」の2種類に記入します。欠格要件は古物営業法第四条に定められ、1つでも該当すると申請できません。
略歴書
過去5年間の経歴を記載する書類です。個人申請は「本人と管理者」、法人申請は「役員全員と管理者」の分を用意します。
住民票・身分証明書
住民票は本籍地が記載されたもので、市区町村役場やコンビニ(マイナンバーカード)で発行可能です。身分証明書はパスポートや運転免許証ではなく、本籍地の市区町村で発行する「破産者ではないことを証明する書類」を指します。本籍地が遠隔地なら郵送申請になり、発行に時間がかかります。
登記事項証明書
3ヶ月以内に発行したものを提出します。個人は「土地・建物の登記簿謄本」、法人は「履歴事項全部証明書」です。法務省「かんたん証明書請求」のオンライン申請は窓口請求より安く済みます。
定款の写し(法人のみ)
定款の目的に「古物商」などの文言が含まれている必要があります。コピー提出時は最終ページに代表者による奥書(「以上、原本に相違ありません。令和○年○月○日 株式会社□□□□ 代表取締役 △△ △△ 印」など)を赤字で記載します。
古物商許可の取得にかかる費用
自分で申請する場合は約20,000〜25,000円、行政書士に依頼する場合は追加で40,000〜60,000円程度です。
<古物商許可申請にかかる費用一覧>
| 費用項目 | 金額(税込) |
|---|---|
| 申請手数料 | 19,000円 |
| 住民票 | 約300円/通 |
| 身分証明書 | 約300円/通 |
| 登記事項証明書(不動産/履歴事項全部証明書) | 480〜600円/通 |
| 合計(個人・管理者が同一) | 約20,400〜20,800円 |
| 合計(法人・役員3名) | 約23,000〜25,000円 |
費用を抑えたい場合は、freee許認可で申請書類を無料作成でき、自分で申請する費用のみで済みます。
古物商許可取得後にやるべきこと
古物商プレートの作成・掲示と、取引時の本人確認や帳簿記録は古物営業法上の義務です。違反すると罰則対象となるため取得後すぐに体制を整えます。
古物商プレートの作成・掲示
古物営業法第12条により、営業所の見やすい場所に「古物商プレート(標識)」を掲示します。プレートには許可番号・公安委員会名・古物商名称(屋号)・取扱区分を記載し、サイズは縦8cm×横16cmが一般的です。1,500〜3,000円程度で購入できます。
取引時の本人確認と帳簿の記録
古物営業法第15条により買い取り時に相手方の本人確認と記録が義務付けられています。同法第16条・第18条では取引内容を「古物台帳」に記録し、最終記載日から3年間保存する必要があると定められています。違反すると6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。
まとめ
古物商許可は申請書や添付書類の準備が必要で、審査・交付までに一定期間がかかります。
許可なしで中古品の売買やレンタルはできないため、スケジュールに余裕を持って準備するとよいでしょう。取得後も古物商プレート掲示や本人確認・帳簿記録の義務が課されます。
古物商の許認可申請に必要な書類を簡単に作成する方法
古物商を行う際、行政機関へ許認可の申請が必要です。
許認可の申請書類は、自分で作成を行うと膨大な作業負担がかかってしまいます。専門の代行業者に依頼すると手数料が発生するため、事業開始前にかかる初期費用を抑えたい方にとっては痛い出費です。
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古物商の申請書類を無料で作成可能!
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申請書類作成にかかる手間を大幅に削減!
通常、許認可申請の書類を自分で作成する場合はすべて手書きで記入します。そのため、誤字や脱字が発生してしまうと、また一から書類を揃えて作成し直さなくてはいけません。
字が読みづらい場合なども書類の再提出が求められてしまうため、第三者が見て分かるように丁寧かつ確実に作成する必要があります。
freee許認可を利用すれば、お手持ちのスマートフォンやパソコンから書類作成が可能です。そのため、入力事項を間違えてしまった場合でも再度入力し直すことができ、正確な内容の書類がスムーズに作成できます。
設立・開業のお手続きがまだの方はこちら!
許認可申請を行う前に、法人の場合は会社設立の手続きを事前に済ませておかなくてはいけません。また、個人事業主の場合は許認可申請を行うと同時に開業のお手続きが必要です。
いずれも自分で行う場合は必要書類を作成し、役所へ提出しなければなりません。事業開始までにかかる手間やコストを削減したい方には、freee会社設立(法人)・freee開業(個人事業主)の利用がおすすめです。
よくある質問
古物商許可は試験なしで取得できる?
試験はなく、必要書類を揃えて申請し欠格事由に該当しなければ原則として許可が下ります。書類準備から交付まで2〜3ヶ月が目安です。
詳しくは「古物商許可申請の流れと期間の目安」をご覧ください。
メルカリやフリマアプリでの出品にも古物商許可は必要?
自分の不用品を売る場合は不要です。中古品を仕入れて反復継続的に転売する場合や、知人の不用品を代理出品して手数料を受け取る場合は許可が必要となる可能性があります。
詳しくは「古物商許可が必要なケースと不要なケース」をご覧ください。
賃貸物件を営業所にできる?
可能です。警察署から賃貸借契約書の写しや貸主の使用承諾書の提出を求められることがあります。
詳しくは「古物商許可の申請は営業所の用意から」をご覧ください。
