経費精算の基礎知識

経費削減の進め方とは?経費節減との違いや中小企業におすすめの具体策を解説

経費削減の進め方とは?経費節減との違いや中小企業におすすめの具体策を解説

経費削減とは、企業が事業活動を行ううえで発生する費用を見直し、ムダを省くことで利益の最大化を目指す戦略的な施策です。

しかし、安易な経費削減は、商品の品質低下による顧客離れや、ツールの解約による従業員の生産性悪化などを招き、将来的な収益基盤を損なうことになりかねません。正しい経費削減とは、ムダな支出と必要な投資を見極め、業務の効率化を通じて継続的に利益を創出する仕組みをつくることです。

本記事では、経費削減と経費節減の違いから、経費を可視化し戦略的に削減するための進め方、そして中小企業ができる具体的な施策まで、経費削減を成功させるための方法を解説します。

目次

経費精算の効率化におすすめの経費精算システム

最短1.5秒で申請完了。経費精算の面倒は自動化で極力ゼロに!申請・承認・経理業務をAIがサポート。freee経費精算は会社規模や業種を問わず、幅広い企業におすすめの経費精算システムです。

経費削減とは

経費削減とは、企業が事業活動を行ううえで発生する費用を見直し、ムダを省くことで利益の最大化を目指す施策のことです。

文字どおり「経費を削減すること」を指し、ビジネスシーンでは「コストカット」や「コストダウン」、「合理化」とも呼ばれます。

経費削減は、単に支出を切り詰めることだけが目的ではありません。業務プロセスの中に潜むムダやムラを解消し、より効率的な体制へ整えることで、売上が変わらなくても利益が残る強い経営基盤を作ることを目的とします。

経費削減と経費節減の違い

経費削減と似た言葉に「経費節減」があります。両者は混同されがちですが、目的と実施規模が大きく異なります。

経費削減が「業務や経営の仕組み全体を見直す戦略的な活動」であるのに対し、経費節減は「日常の小さなムダをなくす活動」を指します。具体的な違いは以下のとおりです。

経費削減経費節減
目的経営構造の改善、利益の最大化目の前の支出を抑える、無駄の排除
具体例業務プロセスの見直し、システムの導入、外部委託(アウトソーシング)の検討など、抜本的な改革使っていない電気を消す、コピーを両面印刷にする、備品の裏紙をメモとして使うなど、個人の行動による抑制
効果中長期的に持続する大きな効果一時的で限定的な効果
実施主体経営層や部門責任者主導従業員一人ひとりが日常的に実施

経費節減は、経費削減の「小さな、身近なムダをなくす」という最初の一歩です。節減の取り組みを日々の習慣として定着させたうえで、さらに大きな効果を求めるために、組織全体で抜本的な経費削減へとステップアップしていくのが理想的な流れといえます。

企業が削減できる3つのコスト分類

企業活動で発生するコスト(費用)は多岐にわたりますが、削減できるコストは「オペレーションコスト」「オフィスコスト」「エネルギーコスト」の大きく3つのグループに分類できます。

企業が削減できる3つのコスト分類

オペレーションコスト

オペレーションコストとは、企業が事業を日常的かつ効率的に運営していくためにかかる費用の総称です。具体的には、人件費、情報システム関連費、そして業務プロセス全体に関わる費用などが含まれます。

このコストは、単に金額を減らすだけでなく、「業務効率化」や「生産性向上」を通じて削減できる余地が大きく、削減には戦略的な取り組みが求められます。特に近年は、ITツールやクラウドサービスを導入することで、人件費という大きな固定費を抑えつつ、業務の質を向上させる手法が主流です。

オペレーションコストの例

  • 人件費・労務費
  • システム・通信費
  • 雑費・消耗品費
  • 旅費交通費 など

オフィスコスト

オフィスコストとは、企業が業務を行うための場所(オフィス)の維持・管理にかかる費用全般を指します。地代家賃やリース料といった固定費が多くを占めており、削減に成功すると効果の持続性が高いことが特徴です。

オフィスコスト削減は、物理的な場所のあり方を見直す「働き方の改革」と密接に結びついています。たとえば、リモートワークやフリーアドレスの導入を通じて管理・使用スペースそのものを減らすという、抜本的な取り組みが大きな効果を生みます。

オフィスコストの例

  • 地代家賃・賃料
  • リース・レンタル費
  • 消耗品費・備品費
  • 保険料・修繕費 など

エネルギーコスト

エネルギーコストとは、企業活動に必要な電力、ガス、水道などの消費にかかる費用を指します。これらのコストは、オフィスの場所や業種、従業員数によって規模が大きく変わりますが、契約の見直しや設備の入れ替えによって、継続的かつ確実に削減できる分野です。

エネルギーコストの削減は、新電力への切り替えなど契約面での見直しによる即効性の高い施策と、設備の入れ替えなど中長期的な効果を見込める施策の両面から取り組むことが成功のカギといえます。

エネルギーコストの例

  • 電力費
  • ガス・水道費
  • 設備投資(空調設備など) など

経費削減の進め方

経費削減は、業績悪化時に行う緊急対策ではなく、業績が良いときから継続的に取り組み、経営体質を強化する戦略的なアプローチです。ここでは、経費削減を成功させるために踏むべき基本的な3つのステップを解説します。

①経費を可視化し削減対象を特定する

まず、「どこに」「どれだけ」費用がかかっているのかを正確に把握します。

過去1〜3年分の損益計算書(P/L)や総勘定元帳から、すべての経費項目を抜き出し、月ごと・科目ごとに集計します。データはグラフ化するなどして、どの費目が全体のコストの何パーセントを占めているかを可視化しましょう。

その結果、金額が大きく、ムダが潜んでいる項目を重点的な削減対象として特定します。とくに固定費に主軸を置き、削減対象とします。

「通信費を10%削減する」「消耗品費を月5万円に抑える」など、具体的で計測可能な目標(KPI)と期限を設定します。目標を定量化することで、のちの効果測定がしやすくなります。

②費用対効果で優先順位を決定し実行する

①で設定した経費削減目標を達成させるためには、すべてを同時に実行するのではなく、施策の費用対効果に基づいて優先順位をつけ、効率よく実行しましょう。

まずは目標達成に向けた具体的な施策を幅広く立案します。たとえば新電力への切り替え、SaaSツールの導入、アウトソーシングの活用などです。このとき、現場からも意見を募り、より現場に即した案を検討することが重要です。

立案した施策については以下の点を評価し、実行の優先順位を決定します。

経費削減の優先順位をつけるための評価軸

  • 即効性:すぐに効果が出るか(例:経費節減の徹底)
  • 削減インパクト:削減できる金額が大きいか(例:家賃交渉、システム刷新)
  • 初期コスト:施策実行にかかる費用や労力は大きいか

一般的には、初期コストや労力が小さく、すぐに効果が出る即効性のある施策から着手します。その後、時間をかけて、固定費削減などの削減インパクトの大きい施策へとステップアップしましょう。

③効果を測定し仕組み化・定着させる

経費削減の取り組みは、継続的な企業文化として定着させて初めて経営基盤の強化につながります。最後のステップでは、PDCAサイクルを回し、改善を恒久化させます。

①で設定した目標に対して、実際にどれだけの経費削減ができたかを定期的に測定します。目標未達の場合は、なぜ達成できなかったのか、施策そのものに無理がなかったのかを検証し、次の改善につなげるフィードバックを行いましょう。

削減に成功した施策やプロセスは、マニュアル化をするなど仕組み化することで、文化として定着する土壌をつくります。

中小企業ができる経費削減の具体例

ここでは、とくにリソースが限られる中小企業が、すぐに着手できて高い費用対効果を見込める具体的な経費削減アイデアを、費目ごとに分けて紹介します。

ペーパーレス化・クラウド導入による「人件費・消耗品費」の削減

紙を使った業務プロセスは、印刷代、郵送費、保管スペースだけでなく、書類を探すなどの人件費を発生させています。これらの人件費・消耗費の経費削減には、以下の手段が有効です。

  • ペーパーレス化の徹底
  • クラウドサービスの活用
  • 電子契約の導入 など

情報管理を紙で行っていると、紙自体の費用や印刷費、保管場所の確保や紙質の劣化を防ぐための保管場所の湿度・温度調整など、多くの維持費用がかかります。ペーパーレス化により情報をデータ形式で管理することで、紙や印刷にかかる消耗品費、保管に際し必要だった費用も削減できます。

また、クラウド会計システムやファイル共有システム、チャットツールなどのSaaSを導入し、情報共有を効率化します。これにより、部署間の連携にかかる時間や労力を大幅に削減し、残業代の抑制につなげます。

そのほか、契約業務を電子化することで、印紙代や郵送費、管理コストをゼロに近づけられます。

契約・見積もり見直しによる「通信費・光熱費・保険料」の削減

通信費や保険料、光熱費などの費用は毎月自動で引き落とされるため、見直す機会がなく、割高な契約が放置されがちです。これらの経費では、以下のような対応を検討しましょう。

  • 通信契約の見直し
  • 新電力への切り替え
  • 保険契約の見直し など

利用頻度の低い社用携帯の契約プラン変更、法人向け格安SIMへの移行、インターネット回線のプロバイダやプランの切り替えを検討しましょう。

通信契約だけでなく、電力会社も検討候補です。契約アンペア数や電気料金プランを見直し、地域電力会社以外の新電力会社に切り替えることで、使用量は変えずに単価を下げられる可能性があります。

また、加入している火災保険や自動車保険についても、補償内容と保険料のバランスが取れているか、複数社から見積もりを取り直して比較します。

オフィス・働き方の見直しによる「家賃・交通費」の削減

固定費の中でも特に金額が大きい家賃と、従業員数に比例して増加する交通費は、働き方を変えることで抜本的な削減が可能です。たとえば、以下のような対応策が考えられます。

  • フリーアドレス導入
  • リモートワークの促進
  • 固定資産の処分 など

全員分のデスクを設けず、日によって席を自由に変えるフリーアドレスを導入することで、オフィスの賃貸面積を適正化し、家賃を削減する交渉材料とします。

また、恒常的なリモートワークを一部または全体で導入することで、社員の通勤交通費の支給ルールを見直し、削減します。リモートワークの促進は、オフィスの光熱費抑制にもつながります。

そのほか、不要になったコピー機やサーバー、使っていない倉庫スペースといった固定資産を売却・解約することで、リース料や減価償却費といった固定費を削減します。

アウトソーシング活用による「採用・教育費」の削減

従業員を雇うには、給与以外にも福利厚生費・採用広告費・研修費など、さまざまなコストがかかります。専門業務をアウトソーシング(外部委託)することで、人件費と間接コストの両方を削減できます。

具体的には、以下の方法が考えられます。

  • バックオフィス業務のアウトソーシング
  • 繁忙期や非定型業務での外注スポット利用
  • アウトソーシングを前提とした業務の標準化 など

経理・給与計算・人事などの定型的なバックオフィス業務を外部の専門業者に委託することで、正社員を雇うよりも人件費を抑えながら、専門性の高い業務遂行が可能になります。

アウトソーシングはスポットでの活用も可能です。季節性の業務や一時的なプロジェクトなど、業務量が変動しやすい領域にのみ派遣社員やフリーランスの活用を検討するのもひとつの方法です。これにより、業務量の波に合わせた人員配置ができ、人件費の固定化リスクを抑えることにつながります。

また、アウトソーシングを前提として業務プロセスを標準化すれば、社内での教育コストも削減できます。

やってはいけない経費削減の例

経費削減は企業の利益を向上させる有効な手段ですが、費用対効果を無視してやみくもに経費を削ると、かえって将来の利益を損なうことになります。

ここでは、企業価値や競争力を低下させてしまう「やってはいけない」経費削減の具体例を解説します。

顧客満足度や品質の低下を招く削減

顧客が直接触れるサービスや商品の品質に関わるコストを削ることは、企業の競争力低下と売上減少の直接的な原因となります。たとえば、以下のような経費削減は避けるべきといえます。

  • 原材料費の過度な削減
  • アフターサービスやサポート体制の縮小
  • 納期や品質保証に関わる費用の削減 など

商品の主要な原材料を安価なものに変更したり、品質管理の回数を減らしたりすると、製品の信頼性が低下し、顧客離れやブランドイメージの低下につながります。

また、カスタマーサポートの人員やツールの費用を削減すると、顧客の問い合わせ対応が遅延し、顧客満足度が急激に低下するおそれがあります。

従業員のモチベーション・労働効率低下につながる削減

従業員のパフォーマンスに直結するコストを削ると、結果的に生産性が下がり、優秀な人材の離職や採用コストの増加といった、経費の削減額以上の間接的な損失が発生するおそれがあります。たとえば、以下のような経費削減です。

  • 業務に必要なツールの解約
  • 過度な消耗品・備品費の制限
  • 教育・研修費の全廃 など

日常業務に必要なITツールやソフトウェアの契約解除は、作業効率が大幅に悪化し、残業増加やミス発生の要因となりえます。

また、質の悪い備品を使用させたり、冷暖房を過度に制限したりすることは、従業員のストレスを高め、労働環境の悪化やモチベーション低下を招きます。

そのほか、人材のスキルアップや能力開発を目的とした費用をゼロにすると、企業の技術力やサービス品質が陳腐化し、中長期的な競争力が低下するリスクが高まります。

企業の信用や将来の機会損失につながる削減

目先の支出を抑えるために、法令遵守や将来の成長に不可欠な投資を削減すると、企業の信用を失い、長期的な収益機会を失うリスクがあります。以下のような経費削減には、十分留意しましょう。

  • マーケティング・広告宣伝費のゼロ化
  • 法令遵守(コンプライアンス)関連・セキュリティ対策費用の削減
  • 研究開発(R&D)費の削減 など

マーケティング・広告宣伝費をゼロにすると、新規顧客の獲得機会を失い、ブランドの認知度が低下し、将来の売上減少や市場シェアの縮小を招きます。

また、税務・法務に関する専門家への相談費用や、セキュリティ対策費用を削減すると、法令違反や情報漏えいのリスクが高まり、企業の存続に関わる重大な危機につながるおそれがあります。

特に、技術開発が競争力の源泉となる企業であれば、研究開発費は守るべき費用です。これを削減すると、将来的なイノベーション創出の可能性を閉ざすことになりかねません。

まとめ

経費削減とは、企業が事業活動を行ううえで発生する費用を見直し、ムダを省くことで利益の最大化を目指す施策のことです。

経費削減を成功させるには、まず経費を適切に分類し、削減対象を明確にすることです。そのうえで、費用対効果を考慮し、顧客満足度や従業員のモチベーションを損なわない施策から優先的に着手・実行します。強い経営基盤をつくるためには、効果が出た施策はルールとして定着させ、継続的な改善のサイクルを回せるような文化の醸成が不可欠です。

特に中小企業においては、ペーパーレス化やクラウドサービスの導入など、初期投資が小さく、複数のコストを同時に削減できる施策から取り組むことが有効です。

面倒な経費精算を秒速で終わらせる方法

経費精算は、「面倒だ・手間だ」という声をよく聞きます。
紙のレシートの保管が面倒、申請するのが手間、業務が忙しくて後回しになってしまう、申請内容の確認が手間、承認のやり取りに手間がかかる、入力ミスでの差し戻しでのコミュニケーションに時間がかかる、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応に時間がかかる・・・など、申請者・承認者、経理担当とそれぞれに課題があり、負荷がかかりがちな業務です。

経費精算の業務は、経費精算システムを導入することで、申請から承認、処理・保存までラクな仕組みに変えられます。
freee経費精算では経費精算に関わる業務をAIがサポートし、経理担当者はもちろん、申請をする従業員、承認をする上司にも多くのメリットがあります。また、会社規模や業種を問わず、幅広い企業の経費精算を効率化できます。

freee経費精算の機能例>

  • スマホアプリ利用で最短1.5秒で経費申請が完了。紙の保管負荷を削減
  • 高精度AI-OCRの自動処理で、明細も含めてAIが入力を行うので手入力ミス自体を削減
  • 証憑重複自動チェックで差し戻し自体を削減 etc...
freee経費精算について詳しく知りたい方はこちらよりご確認いただけます。
より詳しくサービスについて知りたい方は、ダウンロード資料をご覧ください。


経費精算だけでなく、請求書処理、小口現金やカード支払いなど、会社で支払うお金をまとめて効率化したい場合は、freee支出管理がおすすめです。AIを活用した自動処理、スマホでいつでもどこでも申請・承認可能で従業員全員が使いやすく、面倒を楽にする機能がそろってます。毎月の支払処理での人的ミスのリスクや負担軽減が可能になります。詳しく知りたい方はこちらよりご確認いただけます。

よくある質問

経費削減に取り組むべき最適なタイミングはいつですか?

経費削減は、業績悪化時だけでなく、業績が良いときから継続的に取り組みましょう。

特に、毎年の事業計画見直し時や、賃貸契約・リース契約などの「固定費の契約更新時期」は、単価の見直しや契約内容の変更による大きな削減チャンスとなるため、戦略的に実行する最適なタイミングといえます。

詳しくは、記事内「契約・見積もり見直しによる「通信費・光熱費・保険料」の削減」をご覧ください。

経費削減を従業員や現場に浸透させるためのポイントは何ですか?

経費削減の文化を従業員や現場に浸透させるには、まず「なぜ削減するのか」という目的を共有します。そのうえで、削減目標を特定の部署や個人に負担を集中させないよう、公平なルール設定を行うことが重要です。

成功した施策やプロセスは、マニュアル化をするなど仕組み化することで、全社的な取り組みとして文化を定着させましょう。

詳しくは、記事内「③効果を測定し仕組み化・定着させる」をご覧ください。

経費精算の効率化におすすめの経費精算システム

最短1.5秒で申請完了。経費精算の面倒は自動化で極力ゼロに!申請・承認・経理業務をAIがサポート。freee経費精算は会社規模や業種を問わず、幅広い企業におすすめの経費精算システムです。

freee経費精算ならAI自動読取で全従業員がラクな仕組みに!

今なら30日間無料でお試し可能
登録はメールアドレスのみ