確定申告の基礎知識

確定申告で配偶者控除を申請する方法!控除が受けられる所得なども解説

公開日:2023/09/21

確定申告で配偶者控除を申請する方法!控除が受けられる所得なども解説

確定申告をする際に、配偶者に一定の所得があると配偶者控除の申請が可能です。ただし、配偶者控除を受けるには特定の要件を満たさなくてはなりません。

本記事では、配偶者控除を確定申告で申請する方法に加え、どのような人が控除対象となるのかを解説します。また、配偶者控除と配偶者特別控除の要件の違いや控除額も一覧で載せています。

どちらに当てはまるか確認したい人、夫または妻の収入がいくらまでなら控除が可能なのかを知りたい人はぜひご参照ください。

目次

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配偶者控除とは

配偶者控除は、同一生計かつ民法上の配偶者がいる納税者が、一定金額まで所得控除が受けられる制度です。

配偶者控除は夫婦間で互いに控除は受けられず、納税者である夫または妻のどちらかにのみ適用されます。また、納税者本人と配偶者の所得金額の要件が配偶者控除にあてはまらない場合、その所得額に応じて配偶者特別控除が受けられるケースがあります。

配偶者控除の種類

配偶者控除は、配偶者控除と配偶者特別控除に分かれており、配偶者控除はさらに一般控除と老人控除に区分されています。老人控除の対象配偶者となるのは、控除対象年の12月31日時点で年齢が70歳以上の人です。また、老人控除の控除額は一般控除の控除額に比べて高く設定されています。

配偶者控除を受けるには、後述する要件をすべて満たさなくてはなりません。しかし、配偶者の年間所得が想定よりも多くなってしまったときなど、配偶者控除の要件を満たせない状況になった場合、急激に課税負担が増してしまいます。そこで、別に要件を設けて用意されているのが配偶者特別控除です。

配偶者特別控除でも配偶者控除と同様に所得控除を受けられますが、配偶者特別控除は配偶者控除よりも控除額が少なくなるため、配偶者控除の適用を予定している場合は所得額の管理に注意しましょう。

配偶者控除の要件

配偶者控除と配偶者特別控除の要件は以下のとおりです。両者とも控除対象年の12月31日時点に、これらすべての要件を満たしているかどうかで判断されます。

配偶者控除の要件

  • 民法上の配偶者であり、内縁関係ではない
  • 納税者本人と同一生計である
  • 配偶者の年間合計所得が48万円以下である
    (給与所得のみであれば、年間給与103万円以下)
  • 納税者本人の年間合計所得が1,000万円以下である
  • 白色申告者の事業専従者ではない
  • 青色申告者の事業専従者として対象年において、給与を一度も受け取っていない

配偶者特別控除の要件

  • 民法上の配偶者であり、内縁関係ではない
  • 納税者本人と同一生計である
  • 配偶者の年間合計所得が48万円超133万円以下である
  • 納税者本人の年間合計所得が1,000万円以下である
  • 白色申告者の事業専従者ではない
  • その年に給与を一度も受け取っていない
  • 配偶者自身が配偶者特別控除を受けていない
  • 配偶者が源泉控除対象配偶者がある居住者として源泉徴収されていない

なお源泉控除対象配偶者は、納税者本人の年間合計所得が900万円以下、および配偶者の年間合計所得が95万円以下である場合に当てはまります。納税者は給与所得者で、これらの条件に該当する場合は、毎月の給与から差し引かれる源泉徴収所得税より一定額が差し引かれます。


出典:国税庁「No.1191 配偶者控除」
出典:国税庁「No.1195 配偶者特別控除」
出典:国税庁「 給与所得の源泉徴収税額の求め方」

【関連記事】
青色申告の場合に確定申告で配偶者控除が受けられる要件

配偶者控除の控除額

配偶者控除で受けられる控除額は、納税者本人の年間合計所得に加え、配偶者が一般控除対象と老人控除対象のどちらに該当するかによって金額が異なります。

 控除額
納税者本人の年間合計所得一般控除対象の配偶者老人控除対象の配偶者
900万円以下38万円48万円
900万円超950万円以下26万円32万円
950万円超1,000万円以下13万円16万円
出典:国税庁「配偶者控除」

また、配偶者が障害者と認定されていると、上記金額とは別に障害者控除として27万円の控除が可能です(特別障害者認定は40万円、同居特別障害者認定は75万円)。

一方、配偶者特別控除では配偶者の年齢を問わず、納税者本人と配偶者の所得金額によって控除額が決まります。


納税者本人の年間合計所得
配偶者の年間合計所得900万円以下
900万円超
950万円以下

950万円超
1,000万円以下
48万円超
95万円以下
38万円26万円13万円
95万円超
100万円以下
36万円24万円12万円
100万円超
105万円以下
31万円21万円11万円
105万円超
110万円以下
26万円18万円9万円
110万円超
115万円以下
21万円14万円7万円
115万円超
120万円以下
16万円11万円6万円
120万円超
125万円以下
11万円8万円4万円
125万円超
130万円以下
6万円4万円2万円
130万円超
133万円以下
3万円2万円1万円

※上記は2020年分以降の申告における金額です。


出典:国税庁「配偶者特別控除」

確定申告での配偶者控除の申告のしかた

確定申告で配偶者控除を申請するには、確定申告時に申告書の第一表と第二表内の指定項目へ必要な情報を記載して提出します。

まずは、納税者本人と配偶者である夫もしくは妻の収入に応じて、定められている控除額を第一表の㉑㉒欄へ記載します。

「区分1」については、配偶者控除であれば記載不要ですが、配偶者特別控除なら「1」と記載します。「区分2」は、配偶者が国外居住親族と認定されている場合に記載する欄です。国外居住親族配偶者は、市区町村または給与の支払者へ別途親族関係書類と送金関係書類の提出が求められます。


確定申告書における配偶者控除の記載方法
出典:国税庁「申告書第一表・第二表【令和4年分以降用】」

第二表には、 配偶者や親族に関する事項(⑳〜㉓)について記載します。配偶者の指名・マイナンバー・生年月日を記載しましょう。配偶者に給与収入があり、年末調整を受けていても省略せずに記載してください。

なお、配偶者が以下のいずれかに該当するなら、当てはまる項目に◯をつけます。

確定申告時にチェックが必要な項目とその要件

  • 障:障害者
  • 特障:特別障害者
  • 国外:国外居住親族
  • 年調:国外居住親族かつ年末調整で配偶者(特別)控除や障害者控除を受けている
  • 同一:同一生計かつ納税者本人の年間合計所得が1,000万円以上である
  • 別居:別居または国外居住親族
  • 調整:配偶者が同一生計の特別障害者であり、ほかの納税者の扶養親族である。また、納税者本人が所得金額調整控除の対象となっている

給与所得者の配偶者控除の受け方

給与所得のある人が配偶者控除を受けるには、給与支払者へ「給与所得者の配偶者控除等申告書」を提出します。提出期限は、控除を受けたい年の年末調整までです。

なお、法改正により提出書類の様式が変更となっており、2022年分からは「基礎控除申告書」「配偶者控除等申告書」「所得金額調整控除申告書」が1つの書類にまとまっているため注意しましょう。


給与所得者の配偶者控除の記載箇所
出典:国税庁「令和4年分基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」

配偶者控除を申請する際に、申告書へ記載する項目は以下のとおりです。

配偶者控除を申請する際の記載事項

  • 配偶者の氏名・マイナンバー・生年月日
  • 配偶者の年間合計所得(見積額)
  • 判定欄に当てはまる項目の数字
  • 配偶者控除の控除額

マイナンバーに関しては、給与支払者によって一定要件下で記載を省略する場合もあるため、記載の有無は給与支払者へご確認ください。


出典:国税庁「令和4年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」

まとめ

確定申告で配偶者控除を申請する予定がある場合、まずは納税者本人と配偶者の所得金額が控除を受けられる範囲かどうかをよく確認しましょう。

また、配偶者控除は配偶者控除と配偶者特別控除に種類が分かれる点にも注意が必要です。いずれも特定の要件をすべて満たす必要があるため、どちらの控除が適用されるかを理解してから申請を進めましょう。

申請方法は、確定申告書の該当項目への記載および提出、給与所得者であれば給与支払者への申告書提出を行えば完了です。

配偶者控除は、納税者本人にも配偶者にとっても納税負担の軽減につながる制度なので、夫婦共働きの世帯はご自分の世帯が対象かどうか今一度確認しておきましょう。

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よくある質問

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配偶者控除を申告しないと、所得控除が受けられません。課税対象となる所得が増え、家計への負担も増してしまうでしょう。ただし、一定の要件を満たせない場合は、配偶者控除の対象になりません。

詳しくは「配偶者控除の要件」をご覧ください。

確定申告での配偶者控除の申告方法は?

確定申告で配偶者控除を申請するには、国税庁が作成している確定申告書の第一表および第二表の指定項目欄へ記載し、提出します。記載内容は、所得金額に応じた控除額や配偶者に関する個人情報です。

詳しくは「確定申告での配偶者控除の申告のしかた」にてご確認ください。

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