NPO法人の基礎知識

NGOとは?NPOとの違いや活動内容、企業が支援するメリットを徹底解説

NGOとは?NPOとの違いや活動内容、企業が支援するメリットを徹底解説

NGOとは、政府から独立した立場で社会課題の解決に取り組む民間団体です。環境保護・人道支援・貧困削減など活動分野は幅広く、国境を越えて活動する点に特徴があります。

同じく非営利団体を指すNPOとよく混同されますが、NGOは国際的な活動にたいして使われる呼称で、NPOは国内外を問わず非営利活動全般を指すのが一般的です。

企業がNGOと連携・支援すれば、CSR活動の充実や企業ブランドの向上、取引先・顧客からの信頼獲得といった戦略的な価値が生まれます。近年はESG投資の観点から社会貢献活動の有無が企業評価につながるケースもあり、NGOの基本知識は経営判断に関わる重要な情報です。

本記事では、NGOの定義・NPOとの違い・主な活動分野から、企業が支援するメリット・具体的な協力方法・支援先を選ぶ際のチェックポイントまでを解説します。

目次

NGOとは?

NGOとは「Non-Governmental Organization(非政府組織)」の略で、政府から独立した立場で社会課題に取り組む民間団体です。

政府機関と異なり国家の意向に左右されにくいため、紛争地域への食料・医療支援や熱帯雨林の保護活動など、現場のニーズに即した柔軟な対応が可能です。外務省もNGOを「貧困、飢餓、環境など、世界的な問題に対して取り組む市民団体」と定義しており、政府だけでは手の届きにくい課題を補う役割を担っています。

出典:外務省「国際協力とNGO FAQ(よくある質問)」

NGOとNPOの違い

NGOとNPOは「非営利・民間・社会課題への取り組み」という点で共通しますが、活動範囲に違いがあります。

日本では国際的な課題に取り組む団体をNGO、国内の課題に取り組む団体をNPOと呼ぶ傾向があります。また、難民支援や海外食料援助はNGO、国内の子ども食堂運営や地域福祉はNPOが担うのが一般的です。

法人格にも違いがあり、NPO法人という法人格は存在しますが、NGO法人という法人格はありません。そのため、NGOを法人化するにはNPO法人や一般社団法人として登記することになり、結果として両者の組織形態が重なるケースもあります。

<法人格あり・なしの違い>

法人格ありの特徴法人格なしの特徴
・団体名義で銀行口座開設、賃貸契約、助成金申請が可能
・補助金・寄付・融資が受けやすい
・公的施設を利用しやすい
・社会的信用が高い
・契約・取引は代表者個人名義のみ
・資金を集めにくい
・社会的信用が低い

NPO法人のなかでも一定の基準を満たした団体に与えられる「認定NPO法人」については、メリットや義務も含めて下記記事で詳しく解説しています。

NGOの主な活動分野と内容

NGOは、社会課題の解決に向けて世界中でさまざまな活動を展開しています。活動分野は多岐にわたり、それぞれの団体が専門性を活かして取り組んでいます。活動分野を理解すれば、自社の事業領域や社会貢献の方針に合ったNGOの選定が可能です。

NGOの主な活動分野は、以下の5つです。

NGOの主な活動分野と内容

  • 開発援助
  • 環境保護
  • 人道支援
  • 人権擁護
  • 貧困削減・社会正義

開発援助

開発援助とは、貧困や飢餓の撲滅を目的に、教育・保健医療・農業支援を通じて現地の人々が自立できる仕組みをつくる活動です。

食料や物資を届けるだけでなく、農業技術の研修や保健ボランティアの育成など、住民自身が生活を継続的に改善できる体制づくりを重視しています。

SDGsの目標1「貧困をなくそう」を背景に、活動範囲は農村部から都市部へと広がってきました。近年は、意思決定の場への参加機会が限られがちな女性を対象としたエンパワーメント支援など、社会構造へのアプローチも進んでいます。

環境保護

環境保護分野のNGOは、気候変動や生態系の破壊に対し、現地での保全活動と国際的な政策提言の両面からアプローチするのが特徴です。

主な活動内容は、森林・海洋の保全や生物多様性の保護、環境負荷の少ない農業技術の普及などです。

気候変動は、干ばつや異常気象を引き起こし農業や生活基盤を直接脅かすため、環境保護と貧困削減を一体で取り組む団体もあります。現地での実践にとどまらず、市民への啓発やイベント・ウェブを通じた情報発信も担っており、政策立案者と市民をつなぐ役割も果たしています。

人道支援

人道支援とは、災害や紛争発生時に人命救助・苦痛の軽減・人間の尊厳の維持を目的とした支援活動です。

緊急時には毛布・浄水剤・シェルター資材などを迅速に届けますが、物資提供だけでは生活の再建につながらないため、安全な水・食料・住居・教育へのアクセス回復まで中長期的に支援します。たとえば、井戸の掘削や公共衛生システムの改善、仮設住宅の建設などを通じて、被災者が日常生活を取り戻せるような取り組みです。

復興支援と並行して、次の災害による被害を減らすための防災教育や、災害の兆候を事前に把握する早期警戒の仕組みづくりにも取り組んでいます。被災後の対応だけでなく、被害そのものを未然に抑える視点まで含む点が人道支援の特徴です。

人権擁護

人権擁護分野のNGOは、差別・暴力・格差からすべての人の尊厳を守り、権利の実現を目指す活動を行っています。SDGsが「誰一人取り残さない」を掲げるとおり、女性・障がい者・マイノリティなど、社会的に不利な立場に置かれやすい人々への支援が活動の中心です。

権利侵害は法的な問題とつながることがあるため、弁護士が、費用を払えない貧困層に無料で法律相談を行うリーガルエイドも提供しています。

また、企業活動が現地の労働者や、地域住民の権利を侵害していないかを問う「ビジネスと人権」の調査・政策提言にも取り組んでいます。個人への直接支援と社会構造への働きかけを組み合わせている点が、人権擁護分野の特徴です。

貧困削減・社会正義

貧困は収入の低さだけでなく、教育・医療・法的保護へのアクセス格差とも結びついているのが現状です。そのため、貧困の連鎖を断ち切るために、職業訓練や教育支援、少額融資(マイクロファイナンス)による収入向上など、生活基盤の再建を目指すアプローチが取られています。

こうした支援だけでは解決しない根本的な不平等に対しては、政策提言を通じて社会構造そのものへの変化を促すのが特徴です。紛争地域では生活基盤が失われているケースもあるため、元戦闘員の社会復帰支援や地雷除去活動など、安定した日常を取り戻すための活動から始める団体もあります。

企業が連携できる日本・海外の代表的なNGO

企業がCSR活動や社会貢献プロジェクトを実施する際、実績と信頼性のあるNGOとの連携を検討することもあります。日本国内で活動する国際NGOや国内NGOには、企業との協働実績が豊富な団体があります。

企業が連携できる代表的なNGOは、以下の5つです。

企業が連携できる代表的なNGO

  • セーブ・ザ・チルドレン
  • WWF(世界自然保護基金)
  • 日本赤十字社
  • 難民を助ける会(AAR Japan)
  • ワールド・ビジョン・ジャパン(World Vision Japan)

セーブ・ザ・チルドレン

セーブ・ザ・チルドレンは、1919年にイギリスで創設された子ども支援専門の国際NGOで、現在約120ヶ国で活動しています。創設者が「ジュネーブ子どもの権利宣言」の起草に関わった歴史があり、この宣言が現在196の国と地域が批准する国連の「子どもの権利条約」の原型となったことからも、子どもの権利分野における専門性の高さがわかります。

高い専門性を背景に、保健・栄養・教育支援から紛争・災害時の緊急人道支援まで幅広く対応しており、日本国内でも、子どもの貧困対策や虐待予防に取り組んできました。

企業との連携実績も豊富で、寄付プログラムやタイアップ企画を通じた支援が可能です。

出典:セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン「Save the Children(セーブ・ザ・チルドレン)」

WWF(世界自然保護基金)

WWF(世界自然保護基金)は、1961年に設立された環境保全専門の国際NGOで、現在100ヶ国以上で活動しています。

科学的な知見をもとに、現地での保全活動と各国政府・産業界への政策提言を組み合わせており、活動の柱は以下の4つです。

  • 地球温暖化防止
  • 野生生物の保護
  • 森林や海洋の保全
  • 持続可能な社会の仕組みづくり

活動の幅広さと国際的なネットワークを背景に、企業との連携実績も豊富です。森林認証木材の調達支援や温室効果ガス削減目標の設定など、企業のサステナビリティ推進に直結した協働が可能です。

環境への取り組みをCSR・ESG活動として対外的に示したい企業にとって、連携先候補に検討しやすい団体といえます。

出典:WWFジャパン「WWFについて」

日本赤十字社

日本赤十字社は、「人の命を尊重し、苦しみの中にいる者は、敵味方の区別なく救う」という人道の理念のもと、世界191の国と地域に広がる赤十字ネットワークの一員として活動する組織です。

1877年の西南戦争における負傷者救護を起点に、国内外の災害救護・医療・血液事業・国際人道支援を展開しています。

国籍・人種・宗教による差別をしない中立・公平の原則を掲げているため、紛争地域や大規模災害など政治的に複雑な場面でも活動できます。活動基盤の広さから認知度・信頼度ともに高く、企業が社会貢献活動の一環として連携しやすい団体です。

連携方法としては、災害義援金の募集への協力や募金プログラムへの参加が挙げられます。

出典:日本赤十字社「赤十字について」

難民を助ける会(AAR Japan)

難民を助ける会(AAR Japan)は、1979年にインドシナ難民支援を目的に日本で設立されたNGOで、現在18ヶ国で活動しています。政治・思想・宗教に偏らないことを基本理念とし、紛争・災害・貧困で困難な状況に置かれた人々のなかでも、とくに弱い立場にある人への長期的な支援を重視している点が特徴です。

地雷除去・障がい者支援・難民の自立支援などを主な活動とし、1997年にはAARがメンバーである地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)がノーベル平和賞を受賞するなど、国際的な評価も得ています。

日本発のNGOでありながら、幅広い課題に対応していることから、国内外の社会課題に関わる支援先を探している企業にとって連携先として検討しやすい団体です。

出典:AAR Japan [難民を助ける会]「AAR Japan[難民を助ける会]:日本生まれの国際NGO」

ワールド・ビジョン・ジャパン(World Vision Japan)

ワールド・ビジョンは1950年に設立された国際NGOで、ワールド・ビジョン・ジャパンは1987年に設立された子ども支援専門の国際NGOです。

水衛生・保健・教育など長期的な生活改善を行う開発援助および災害・紛争時の物資配布、精神的ケアを行う緊急人道支援、子どもの権利実現に向けて政府や国連に働きかけるアドボカシーの3本柱で活動しています。

企業連携に積極的な団体でもあり、約3,000の法人・団体からの支援実績があります。寄付プログラム・マッチングギフト・タイアップ企画・ポイント寄付など連携方法が多様なため、企業の規模や目的に応じた支援の形を選びやすい点が特徴です。

出典:国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパン

NGO支援が企業にもたらす戦略的価値

企業のNGO支援は、単なる社会貢献にとどまらず、企業経営にとって戦略的な意味をもちます。社会課題の解決に貢献する姿勢を示すことで、企業は市場での競争力を高められます。

NGO支援が企業にもたらす戦略的価値は、主に以下の3つです。

NGO支援が企業にもたらす戦略的価値

  • 企業価値とブランドイメージの向上が期待できる
  • 企業の社会的責任(CSR)活動として認知度が向上する
  • 取引先や顧客からの信頼獲得につながる

企業価値とブランドイメージの向上が期待できる

NGOを支援する企業は、社会課題に向き合う姿勢が対外的に示されるため、顧客や求職者から「社会的責任を果たす信頼できる企業」という評価を得やすくなります。

こうした評価は、広告出稿では得にくい口コミによる自発的な情報拡散を生み出し、ブランドの信頼性をさらに高める好循環につながります。結果としてブランドの信頼性が高まり、顧客の継続購入や優秀な人材の応募増加といった具体的な効果が生まれるでしょう。

NGO支援の実績は、ESG評価(環境・社会・企業統治を重視した投資指標)の「S(社会)」に該当する取り組みです。近年は機関投資家を中心にESG投資が普及しており、支援実績が投資家から持続的成長企業として認識される材料です。

その結果、機関投資家からの資金調達がしやすくなるほか、ESG評価の向上により株価の安定化や企業価値の向上にもつながります。

企業の社会的責任(CSR)活動として認知度が向上する

NGOへの支援は、企業の社会的責任(CSR)活動の具体的な実績として対外的に示せるため、顧客・取引先・従業員といったステークホルダーに「社会課題に取り組む企業」として認知されやすくなります。

また、環境保護NGOとのタイアップ企画や、災害支援への寄付をCSRレポートや自社サイトで公表することで、社会課題に取り組む企業としての姿勢を示せます。

こうした認知度の向上は顧客からの支持や取引先からの評価を高め、中長期的な収益基盤の安定にも寄寄する重要な要素です。

取引先や顧客からの信頼獲得につながる

NGO支援は、企業が社会的責任(CSR)を果たす姿勢を具体的な形で示せるため、消費者・取引先・投資家からの信頼性を向上させる取り組みです。

NGO支援の内容を、CSRレポートや自社サイトで公表することで社会貢献に取り組む企業姿勢を示せ、広告活動では伝わりにくい誠実さを外部に向けて伝えられます。

こうした信頼の積み重ねは、競合他社との差別化につながり、商品・サービスが選ばれる理由の強化にも寄与します。

企業ができるNGOへの協力方法

企業がNGOを支援する方法は、金銭的な寄付だけではなく、さまざまな手段があります。自社の事業特性や経営資源に応じた形で協力できます。

企業ができるNGOへの協力方法は、主に以下の5つです。

企業ができるNGOへの協力方法

  • 募金プログラムに参加する
  • 特別プロジェクト支援に参加する
  • マッチングギフトで寄付する
  • タイアップ企画で支援する
  • ポイントプログラムで支援する

募金プログラムに参加する

募金プログラムへの参加は、企業がNGOと連携する方法のなかでも手続きがシンプルで、規模を問わず取り組みやすい協力方法です。

難民支援・水と食糧の確保・母子保健など、支援分野を指定して寄付できるため、企業の理念やCSR方針に沿った活動を選べます。

また、分野を指定せず「現在最も必要な支援」に充てる形での寄付も可能なため、ウクライナ危機のような予測しにくい大規模な人道的危機が発生しても、迅速に支援を届けられる点が特徴です。

特別プロジェクト支援に参加する

特別プロジェクト支援とは、教育・保健・水衛生など、特定の課題解決を目的とした個別事業に企業が資金提供する協力方法です。

募金プログラムとは異なり、支援内容を企業の意向に合わせて設計できるため、自社のCSR方針と一致した活動に絞って関与できます。たとえば、ケニアで木陰や簡素な教室で学ぶ子どもたちのために園舎を建設し、教員研修と組み合わせて就学前教育環境を整備するプロジェクトが実際に展開されています。

建設した施設への企業名入り記念プレートの設置や、現地視察も可能なため、支援の実績をCSR活動として社外に示しやすい点も特徴です。

マッチングギフトで寄付する

マッチングギフトとは、従業員がNGOに寄付した金額と同額以上を企業も寄付する制度で、従業員の社会貢献活動を企業が後押しする仕組みです。

たとえば、ワールド・ビジョン・ジャパンが行う従業員が子ども1人を1年間支援する「チャイルド・スポンサーシップ(54,000円)」に寄付すると、企業も同額の54,000円もしくはそれ以上の金額をNGOに寄付することとなり、支援総額が2倍以上に増えます。

個人の寄付だけでは届きにくい規模の支援が可能になる点に加え、企業が従業員の意思に連動して寄付することで、社内の社会貢献意識の向上にもつながります。

欧米企業では、従業員満足度の向上を目的に広く導入されており、CSR活動の推進と人材定着の両面で効果が期待できるでしょう。

タイアップ企画で支援する

タイアップ企画とは、商品・サービスの販売収益の一定額または一定割合をNGOに寄付する支援方法です。

たとえば、「商品1個購入につき100円を難民支援に寄付する」といった形で展開でき、購入者が消費行動を通じて社会貢献に参加できます。

購入者にとって「商品の購入が支援につながる」という動機が加わるため、商品の選ばれる理由の強化にもつながります。支援内容を商品パッケージや広告に明記することで、ブランドイメージの向上も期待でき、NGOへの支援と販売促進を同時に進められる点が特徴です。

ポイントプログラムで支援する

ポイントプログラムを活用した支援とは、企業がユーザー向けに「保有ポイントをNGOへ寄付できる場」を提供する協力方法です。

ユーザーが普段の買い物で貯めたポイントを1ポイント=1円換算で寄付に充てられるため、現金を用意する必要がなく参加のハードルが低い点が特徴です。企業にとっても、ユーザーが社会貢献を実感できる機会を提供することで、ポイントプログラムへの満足度が高まり、サービスの継続利用を促す効果があります。

参加しやすい仕組みであるほど寄付への参加者数が増えることから、NGOへの支援総額の拡大にもつながります。

企業が支援先NGOを選ぶ際のチェックポイント

企業がNGOへの支援を検討する際、支援先の信頼性や透明性を確認しましょう。適切なNGOを選ぶことで、支援の効果を高め、企業の社会的責任を果たせます。

企業が支援先NGOを選ぶ際は、以下の4つのポイントを確認しましょう。

企業が支援先NGOを選ぶ際のチェックポイント

  • 課題・仕組み・資金の使いみちなどの透明性が高いか
  • 活動報告が定期的に行われているか
  • 実績があるか
  • 企業や団体からの支援が多いか

課題・仕組み・資金の使いみちなどの透明性が高いか

支援先NGOを選ぶ際は、資金の使いみち・活動の仕組み・直面している課題が明確に開示されているかを確認しましょう。

透明性の高い団体は、公式サイトの年次報告書やSNSの活動報告などで、各プログラムの進捗や課題・失敗も含めて具体的に公表しています。ニュースレターや活動報告に実在する人々の話、具体的な支援件数・金額が示されているかが、判断の目安になります。

また、正式な領収書の発行や正規の寄付システムの整備など、寄付手続きが明確かどうかもあわせて確認しておくと、寄付金の不正利用や税務上のトラブルといったリスク回避にもつながるポイントです。

活動報告が定期的に行われているか

支援先NGOを選ぶ際は、活動報告が定期的に公開されているかの確認が重要です。

ウェブサイトやSNSで、活動の様子や支援の成果、会計報告などを継続的に発信している団体は、透明性が高いと判断できます。反対に、数年間情報が更新されていない団体や、寄付を募っているにもかかわらず活動実績がほとんど確認できない団体は、活動が停滞しているか、寄付金の使途が不明瞭なおそれがあるため注意が必要です。

直近1年以内の活動報告が掲載されているかを目安に確認すると、信頼性の見極めに役立ちます。

実績があるか

支援先NGOの実績を確認する際は、ウェブサイトの活動内容や沿革に加えて、具体的な支援実績の確認が重要です。たとえば、支援地域の数、受益者数、プロジェクト完了件数など、数値で示された成果が掲載されているかを確認しましょう。

年次報告書やプロジェクトレポートに、ビフォーアフターの写真や受益者の声、第三者評価の結果などが含まれていれば、活動の信頼性をより具体的に判断できます。

また、「認定NPO法人」または「公益社団法人」かどうかの確認も重要です。認定NPO法人になるには、パブリック・サポート・テスト(PST)と呼ばれる厳しい認定基準を満たす必要があります。PSTでは、以下のいずれかを満たすことが求められ、広く市民から継続的な支持を得ていることの証明です。

  • 実績判定期間の経常収入金額のうち、寄付金総額の割合が5分の1以上であること
  • 実績判定期間内の各事業年度中の寄附金総額が、3,000円以上の寄附者の数が年平均100人以上であること
  • 個別指定認定NPO法人の認定申請書の提出前日までに、事務所のある都道府県又は市区町村の条例により、個人住民税の寄附金税額控除対象の法人として個別に指定を受けていること

認定後も基準を下回れば改善命令や認定取消の対象であるため、認定NPO法人であることは一時的な実績ではなく継続的な信頼性の裏付けです。

出典:内閣府「認定制度について」

企業や団体からの支援が多いか

企業や団体からの支援実績が多いNGOは、第三者による信頼性の審査を経ている可能性が高く、支援先選定の判断材料になります。

企業が寄付や協働を決める際は、不正の有無や財務状況を事前に審査する傾向があります。そのため、複数の企業や財団から継続的に支援を受けているという事実は、団体の信頼性を示す根拠のひとつです。

こうした情報は、各NGOの公式サイトにある団体概要や支援企業一覧で確認できます。協働先の顔ぶれや個人寄付者数に加え、行政との連携実績、表彰歴もあわせてチェックすると信頼度をより正確に把握できます。

まとめ

NGOは、政府から独立した立場で、環境保護・人道支援・貧困削減などの社会課題に取り組む民間団体です。

企業がNGOを支援することで、CSR活動の実績づくりやブランドイメージの向上、ESG評価の強化といった効果が期待できます。支援方法も多岐にわたり、寄付プログラム・マッチングギフト・タイアップ企画など企業規模や目的に応じて選ぶことが可能です。

支援先を選ぶ際は、透明性・活動報告の継続性・実績・企業からの支援実績の4点を軸に、確認すると判断しやすくなります。

NGO支援を継続的なCSR活動として対外的に示すには、寄付金の支出記録や会計処理の正確な管理が重要です。しかし、複数のNGOへの寄付や多様な支援プログラムを実施している場合、支出管理やレポート作成が煩雑になりがちです。

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NGO支援の取り組みを体系的に管理したい企業は、ぜひご活用ください。

よくある質問

NGOとNPOの違いは何ですか?

NGOとNPOは、どちらも非営利の民間団体ですが、活動範囲と法人格の有無に違いがあります。

外務省によると、日本では「国際的な課題に取り組む団体」をNGO、「国内の課題に取り組む団体」をNPOと呼ぶ傾向があります。たとえば、難民支援や海外での食料援助を行う団体はNGO、国内の子ども食堂運営や地域福祉活動を行う団体はNPOにあたります。

なお、NPO法人という法人格は存在しますが、NGO法人という法人格はないため、NGOを法人化する際はNPO法人や一般社団法人として登記します。

詳しくは記事内「NGOとNPOの違い」をご覧ください。

日本の代表的なNGOは?

日本の代表的なNGOとして、以下の5つが挙げられます。

  • セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
  • WWF(世界自然保護基金)
  • 日本赤十字社
  • 難民を助ける会(AAR Japan)
  • ワールド・ビジョン・ジャパン

各団体の活動内容や企業との連携方法については、記事内「企業が連携できる日本・海外の代表的なNGO」をご覧ください。

NGOはどのような活動をしていますか?

NGOは、政府から独立した立場で活動するため、紛争地域への食料・医療支援や熱帯雨林の保護活動など、政府だけでは対応が難しい課題にも現場のニーズに即して取り組めます。

NGOの主な活動分野は、以下の5つです。

  • 環境保護
  • 人道支援
  • 開発援助
  • 人権擁護
  • 貧困削減

また、扱う課題の性質によって活動スタイルも異なり、災害発生時の緊急支援を専門とする団体もあれば、農業技術の研修や防災教育など長期的な地域開発を重視する団体もあります。

詳しくは記事内「NGOの主な活動分野と内容」をご覧ください。

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