NPO法人の基礎知識

認定NPO法人とは?NPO法人との違いやメリット、認定基準をわかりやすく解説

認定NPO法人とは?NPO法人との違いやメリット、認定基準をわかりやすく解説

認定NPO法人とはNPO法人のうち所轄庁の認定を受けた法人です。寄付者への税制優遇やみなし寄付金制度を活用でき、通常のNPO法人と比べて寄付を集めやすくなります。本記事ではNPO法人との違いを比較表で整理し、認定のメリット・義務・認定基準を解説します。

ただし認定にはPSTをはじめとする8つの基準を満たす必要があり、認定後も5年ごとの更新が義務付けられます。本記事では制度の違いを比較表で整理した上で解説します。

目次

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認定NPO法人(認定特定非営利活動法人)とは

認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)制度は、市民や企業等の寄附によるNPO法人活動への支援を一層拡大することを目的とした制度です。

認定NPO法人になると寄附した市民や企業等の寄附者が税制上優遇され、認定NPO法人が納める法人税も軽減されます。認定対象は運営組織および事業活動が適正で公益の増進に資する一定の基準に適合した法人となります。

2012年4月1日からは都道府県・指定都市が所轄庁として認定事務を行うようになり、設立後5年以内のNPO法人を対象にPSTが免除される「特例認定制度」も創設されて認定への道が拡大しました。

認定NPO法人には高い公益性に加え法令順守した適正な組織運営と徹底した情報開示・高い透明性が求められ、他のNPO法人の模範となる運営により多くの市民・企業に支えられた安定した活動継続が期待されています。

NPO法人と認定NPO法人の違い

NPO法人と認定NPO法人はどちらも特定非営利活動促進法(NPO法)に基づく法人で、両者の違いは所轄庁による認定の有無と、それに伴う税制上の取り扱いに集約されます。

端的に言えば、認定NPO法人への寄付は「税金が戻ってくる寄付」になる点が最大の違いとなります。

個人が認定NPO法人に寄付すると所得税・住民税の控除を受けられるため寄付者の実質的な負担が軽くなり、この仕組みが認定NPO法人に寄付が集まりやすい理由となっています。

比較表で見るNPO法人と認定NPO法人の違い

NPO法人・認定NPO法人・特例認定NPO法人の主な違いは次のとおりです。

項目NPO法人認定NPO法人特例認定NPO法人
所轄庁の認定不要(設立認証のみ)必要必要
PST要件なしあり免除
寄付者の税制優遇(個人)なし所得税・住民税の寄付金控除所得税・住民税の寄付金控除
寄付者の税制優遇(法人)一般の損金算入限度額特別の損金算入限度額(枠拡大)特別の損金算入限度額(枠拡大)
相続財産の寄付課税対象非課税非課税
みなし寄付金制度なしありあり
有効期間なし5年(更新可)3年(更新不可・1回限り)
対象特定非営利活動を行う法人認定基準を満たすNPO法人設立後5年以内のNPO法人
出典:内閣府NPOホームページ「認定制度について」

個人が認定NPO法人に寄付した場合、所得税は寄付金控除(所得控除)と税額控除のいずれかを選択でき、法人の寄付では損金算入限度額の枠が広がります。

特例認定NPO法人との違い

特例認定NPO法人は設立後5年以内のNPO法人を対象とした制度で、寄付者への税制優遇は認定NPO法人と同様ですがPSTが免除されます。

有効期間は3年と短く更新不可・1回限りとなります。設立間もないNPO法人がまず特例認定を取得し寄付者を増やしながら活動実績を積み、5年以内に認定NPO法人へ移行する段階的な取得ルートが想定されています。

認定NPO法人になるメリット

認定NPO法人になる主なメリットは次の5点です。

認定NPO法人になるメリット

  1. 社会的信頼の向上
  2. 寄附金が集まりやすくなる
  3. 法人税等の負担軽減(みなし寄附金制度)
  4. 組織運営の強化と持続性の向上
  5. 理事・スタッフの意識と責任の向上

認定NPO法人は高い公益認定基準に適合する必要があるため、社会的信頼が通常のNPO法人より高まります。最大のメリットは寄附金に関する税の優遇制度で、寄附した個人には所得税・住民税の寄附金控除があり、相続人が相続財産を寄附した場合の相続税も非課税です。企業等の寄附も損金算入限度額の枠が拡大され寄附しやすくなります。

認定NPO法人は、収益事業から得た利益を非収益事業の支出に充当した部分を寄附金とみなし一定範囲で損金算入できる「みなし寄附金制度」も活用でき、税負担の軽減につながる仕組みです。

法令順守・適正な会計経理処理・徹底した情報開示が求められ、認定後も認定基準に合致した体制維持が欠かせないため、結果として適正な運営を持続できる強い組織になれます。理事やスタッフに社会的責任の意識が求められるため、法人運営への組織内の意識と責任も高まります。

認定NPO法人になると課せられる義務

認定NPO法人に課せられる主な義務は次の4点です。

認定NPO法人に課せられる義務

  1. 情報公開のより一層の徹底
  2. 寄附金管理の事務手続き増加
  3. 毎年度の報告書類の増加
  4. 5年ごとの更新に向けた継続的な基準維持

認定NPO法人には経理の透明性や事業報告の迅速な明示が求められます。寄付者が増えれば注視する主体も増えるため、信頼度を保つには特に徹底した作業が欠かせません。

寄付主体の増加で寄付金の名簿管理が必要となり事務処理が増えるほか、優遇措置を受けるための税務処理も発生し、通常のNPO法人と比較して毎年提出すべき書類が増加。寄付者への報告義務に伴う事務処理も発生します。

認定を持続するためには5年ごとの再認定をクリアする必要があり、寄付者の減少や不適正な組織運営を招かない努力が日常的に求められます。

認定NPO法人になるための認定基準

所轄庁(都道府県・指定都市)に申請し、以下の8つの基準を全て満たす必要があります。

認定NPO法人になるための認定基準

  • パブリック・サポート・テスト(PST)に適合すること
  • 事業活動のうち共益的な活動の占める割合が50%未満であること
  • 運営組織および経理が適切であること
  • 事業活動の内容が適正であること
  • 情報公開を適切に行っていること
  • 事業報告書等を所轄庁に提出していること
  • 法令違反、不正の行為、公益に反する事実がないこと
  • 設立後1年を超える期間が経過していること
出典:内閣府NPOホームページ「認定制度について」

2〜8の基準は日頃の適正な運営を続けていれば自然と満たされるため、認定取得の実質的なハードルはPSTに集約されます。認定申請には過去の会計書類や事業報告書の正確な整備が欠かせず、freee会計を活用すればNPO会計基準に準拠した帳簿作成や事業報告書の出力を効率化できます。

パブリック・サポート・テスト(PST)とは

PSTとはNPO法人が広く市民から支持を受けているかどうかを寄付金の実績で判定する基準です。以下の3つのうちいずれか1つを満たせば合格となります。

PSTの判定方法

  • 相対値基準:経常収入金額に占める寄付金等収入の割合が20%以上
  • 絶対値基準:3,000円以上の寄付者の数が年平均100人以上
  • 条例個別指定:都道府県または市区町村の条例により個別に指定を受けている
出典:内閣府NPOホームページ「認定制度について」

相対値基準は寄付以外の収入が大きいと分母が膨らみ20%を超えにくいため、委託事業収入比率が高いNPO法人にはハードルが上がります。絶対値基準は寄付者の「人数」で判定するため、1人あたりの金額が少なくても幅広い市民から支持を得ている法人ならクリアしやすい方法となります。

条例個別指定は自治体との関係が深い地域密着型の法人向けです。まずは自法人の直近5年の経常収入と寄付者数を整理するところから始めるのが現実的でしょう。

まとめ

NPO法人と認定NPO法人の最大の違いは寄付者に対する税制優遇の有無で、認定を受けると寄付金控除やみなし寄付金制度が使えるようになり寄付の集めやすさが大きく変わります。

ただし認定取得にはPSTを含む8つの基準を満たす必要があり、認定後も5年ごとの更新が求められます。認定取得後も提出書類が増え事務処理は増加しますが、税制メリットに加えて組織運営が強固になり、幅広い理解と支援の輪が格段に広がります。

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よくある質問

認定NPO法人とNPO法人の違いは何ですか?

認定NPO法人はNPO法人のうち所轄庁の認定を受けた法人です。最大の違いは税制優遇の有無で、認定NPO法人への寄付は所得税・住民税の控除対象となり寄付者の実質的負担が軽くなります。

詳しくは「NPO法人と認定NPO法人の違い」をご覧ください。

認定NPO法人になるメリットは?

主なメリットは次の3点です。

  • 寄付者への税制優遇により寄附金が集まりやすくなる
  • みなし寄附金制度による法人税の負担軽減
  • 社会的信頼の向上

詳しくは「認定NPO法人になるメリット」をご覧ください。

認定NPO法人になるにはどんな基準がありますか?

所轄庁への申請とPSTを含む8つの基準を全て満たす必要があります。PSTには相対値基準・絶対値基準・条例個別指定の3つの判定方法があり、いずれか1つをクリアすれば合格となります。

詳しくは「認定NPO法人になるための認定基準」をご覧ください。

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