FXで税金の確定申告が必要なケースは?税額の計算方法や確定申告書の書き方も紹介

更新日:2026/10/29

監修:安田 亮
監修:鶏冠井 悠二

目次

会社員などの給与所得者は、一般的にFXによる所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。一方、個人事業主やフリーランスは、FXによる所得だけでなく、事業所得などを含めた所得全体をもとに確定申告の要否を判断します。

FXで年間の損益がマイナスとなった場合、FXの損失について確定申告の義務はありません。ただし、確定申告を行うことで、ほかの先物取引などとの損益通算や損失の繰越控除を適用でき、税負担を軽減できる場合があります。

本記事では、FXで確定申告が必要・不要となるケースをはじめ、税金の計算方法や海外FXの課税の扱い、必要経費として計上できる項目を解説します。

FXで得た利益にかかる税金の種類

国内FXで得た利益には、2026年分までは所得税15%と住民税5%のほか、所得税額の2.1%相当の復興特別所得税が加算され、税率は合計20.315%です。2027年分以降は、復興特別所得税が所得税額の1.1%相当に引き下げられる一方、防衛特別所得税が所得税額の1.0%相当で課されるため、合計税率は20.315%になります。

FXの利益には、給与のような源泉徴収制度は適用されていません。そのため、利益が出て納税が必要な場合は、投資家自身が確定申告を行って税金を納める必要があります。

確定申告は、1月1日から12月31日までの所得額や税額などを計算して申告する手続きです。申告期間は翌年の2月16日から3月15日の1ヶ月間で、初日や最終日が土日祝日にあたる場合は翌平日に繰り下げられます。

2026年の1年間の所得に関して確定申告が必要な人は、2027年2月16日(火)から2027年3月15日(月)までに申告・納税をする必要があります。

出典:国税庁「No.2020 確定申告」
出典:国税庁「防衛特別所得税及び復興特別所得税の源泉徴収のあらまし(令和9年1月以後の源泉徴収)」

FXで確定申告が必要なケース

確定申告が必要になる条件は、「会社員などの給与所得者」「公的年金を受け取っている年金受給者」「個人事業主・フリーランス」によって異なります。FXで確定申告が必要となるケースは以下のとおりです。

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区分 確定申告が必要なケース
給与所得者・年金受給者 原則としてFXによる所得が年間20万円を超える場合
個人事業主 原則として各種所得の合計額から所得控除を差し引き、所得税額が生じる場合

出典:国税庁「No.1199 基礎控除」
出典:国税庁「令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし」

2026年度の税制改正で基礎控除の金額は、合計所得金額に応じて、2026年分・2027年分は最大104万円、2028年分以降は最大99万円となりました。

ただし、上記に該当しなくても確定申告が必要な場合があります。

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会社員でFXによる所得が20万円を超える場合

一般的に会社員は給与から所得税等が源泉徴収され、勤務先の年末調整によって納税が完了するため、自分で確定申告を行う必要はありません。ただし、以下の場合は確定申告が必要です。

確定申告が必要な場合

  • 年間の給与収入金額が2,000万円を超える場合
  • 給与を1ヶ所から受けていて、かつ、各種の所得金額(給与所得・退職所得を除く)の合計額が20万円を超える場合
  • 給与を2ヶ所以上から受けていて、かつ、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得・退職所得を除く)との合計額が20万円を超える場合
  • ※給与所得の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除・医療費控除・寄附金控除および基礎控除を除く)を差し引いた残りの金額が150万円以下で、さらに、各種の所得金額(給与所得・退職所得を除く)の合計額が20万円以下の場合は申告不要​

FXによる所得が20万円を超える場合は、会社員でも原則として確定申告が必要です。

また、複数の会社で勤務しているケースでは、年末調整がされるのは主たる勤務先のみです。そのほかの勤務先の給与については、年末調整は行われません。年末調整を受けていない給与の収入金額とFXによる所得金額の合計が20万円を超える場合も、原則として確定申告が必要です。

年金受給者でFXによる所得が20万円を超える場合

国民年金や厚生年金などの公的年金は、「雑所得(公的年金等の雑所得)」に分類され、課税対象となります。しかし、以下の条件を満たす場合、確定申告は不要です。

年金受給者で確定申告が不要な場合

  • 公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下で、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となっている
  • 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である

公的年金等の収入金額が400万円以下であっても、FXや給与など、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円を超える場合は、確定申告不要制度の対象外となります。働きながら公的年金を受け取っているケースでは、給与所得が年間20万円を超えることが多く、一般的に確定申告が必要です。

出典:国税庁「公的年金等を受給されている方へ」

個人事業主で所得税の確定申告が必要な場合

個人事業主は、FXによる所得が20万円以下であっても、それだけを理由に確定申告が不要になるわけではありません。

所得税の確定申告が必要かどうかは、事業所得やFXによる雑所得など各種所得の合計額から所得控除を差し引き、所得税額を計算して判断します。

なお、2026年分・2027年分の基礎控除は、合計所得金額489万円以下の場合104万円です。ただし、基礎控除額は合計所得金額によって異なり、ほかの所得控除もあるため、所得が104万円を超えたことだけで確定申告が必要になるとは限りません。

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FXで確定申告が不要なケース

以下のようなケースでは、FXによる利益があっても原則として確定申告が不要です。

確定申告が不要な場合

  • 給与を1ヶ所から受ける会社員などで、FXを含む給与所得・退職所得以外の所得金額の合計額が20万円以下の場合
  • 年金受給者で公的年金等の収入金額が400万円以下、かつ、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下の場合
  • 個人事業主・フリーランス・専業トレーダー・主婦(夫)・学生などで、FXを含む各種所得の合計から所得控除(基礎控除など)を差し引いた結果、所得税が発生しない場合

会社員や年金受給者は、上記の要件を満たす場合、FXで利益を得ていても原則として所得税の確定申告は不要です。

個人事業主やフリーランスは、基礎控除などの所得控除を差し引いた結果、所得税がかからない場合は、原則として確定申告は不要です(基礎控除額は年分や所得により異なります)。

専業トレーダーや主婦などでFX以外の収入がない人も、FXによる所得から所得控除を差し引いた結果、所得税が発生しない場合は、原則として確定申告をする必要はありません。

確定申告が不要でも住民税の申告は必要

FXの利益が20万円以下で所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税には同様の申告不要制度がありません。そのため、所得税の確定申告をしない場合は、原則として住民税の申告が必要です。

所得税の確定申告をすれば、住民税の申告をしたものとみなされるため、別途住民税を申告する必要はありません。

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FXの利益で扶養から外れる場合がある

2026年分以後の所得税では、合計所得金額が62万円を超えると、原則として配偶者控除や扶養控除の対象外となります。

配偶者控除は、配偶者の年間の合計所得金額が62万円以下の場合に受けられます。また、扶養控除の対象となる親族も、合計所得金額62万円以下が要件です。2026年度の税制改正で、合計所得金額の要件が58万円以下から62万円以下に引き上げられ、2026年分以後の所得税に適用されます。

ただし、配偶者控除や扶養控除の対象から外れても、配偶者は配偶者特別控除、19歳以上23歳未満の親族は特定親族特別控除の対象になることがあります。

社会保険の扶養については、税法上の扶養とは別の基準があり、原則として年間収入130万円未満であることなどが要件です。なお、19歳以上23歳未満の親族(配偶者を除く)は、2025年10月1日以降の扶養認定では年間収入150万円未満が要件となります。年齢や同居・別居の状況などによっても認定要件が異なります。

出典:国税庁「令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし」
出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」

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FXの利益にかかる税金の計算方法

国内FXで所得税・住民税の課税対象となる主な利益は、「為替差益」と「スワップポイント」です。為替差益は、原則としてポジションを決済して利益が確定した時点で課税対象となり、未決済の評価損益は含まれません。スワップポイントは、ポジションの決済前でも受け取りによって利益が確定する場合があり、課税時期はFX会社の取扱いによって異なります。

FXに関連してかかった費用のうち必要経費に該当するものは、所得金額を計算する際に差し引きます。

税額 =(為替差益 + スワップポイント - 必要経費)× 税率

金融商品取引法上の登録を受けた国内FX業者との取引で得た所得は、「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税の対象です。ほかの所得と分けて計算し、税率は合計20.315%です。

為替差益95万円・スワップポイント5万円・必要経費10万円の場合

<所得税・復興特別所得税>
(950,000円 + 50,000円 - 100,000円) × 15.315% = 137,835円
<住民税>
(950,000円 + 50,000円 - 100,000円) × 5% = 45,000円
<納税額>
137,835円 + 45,000円 = 182,835円(実際の納付額は、所得税・復興特別所得税の100円未満を切り捨てた137,800円と住民税45,000円の合計182,800円です)

出典:国税庁「No.1500 雑所得」

FXで必要経費として計上できる項目

FXにかかる税金を計算する際、経費を計上することで課税対象額を減らし、税負担を軽減できます。確定申告では経費にできるものを正しく把握・計上することが重要です。

FXの確定申告で経費として計上できるのは「FXで利益を得るために直接かかった費用」です。FXで以下のような支出があると、経費として計上できます。

FXで経費にできる費用

  • パソコン・スマホの購入費
  • 取引ソフトの利用料
  • 通信費(インターネット利用料など)
  • 取引手数料・銀行振込手数料
  • 打ち合わせ費用(交通費・飲食代など)
  • 書籍購入費・セミナー代
  • 光熱費
  • 各種消耗品費(机・椅子・筆記用具の購入代、プリンターのインク代など)
  • 家賃または住宅ローン利息部分の按分額​

FXのためだけに使った費用は全額経費になりますが、プライベート利用がある場合は区分し、経費にできるのはFX分のみです。

たとえば、FX専用のパソコンなら購入費全額を経費にできます。取得価額が10万円以上のパソコンは原則として減価償却資産にあたるため、購入した年に全額を経費にするのではなく、使用可能期間にわたって分割して経費計上します。

ただし、プライベートでも利用している場合は、FX以外の利用分は経費にできません。経費計上の際には、経費にあたる部分とそれ以外を区分する「家事按分」が求められます。

出典:国税庁「No.2210 必要経費の知識」

経費計上するときの家事按分の考え方

家事按分とは、プライベートでの利用分と業務での利用分が混在している支出を、合理的な基準で振り分けることです。

プライベートと業務が混在する支出は、取引記録などで業務に必要だった部分を明確に区分できる場合のみ、その該当分を経費計上できます。

たとえば、次のようにFXに使用している面積や時間などを基準として按分します。

家事按分の例

  • FX専用スペースとして使用している面積の割合で家賃を按分する
  • 1日にパソコンを使用する時間のうちFXで使う時間の割合でパソコン購入代を按分する

家事按分の要件や計算方法、対象になる経費の種類などについては以下の記事をご覧ください。

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出典:国税庁「No.2210 必要経費の知識」

無登録の海外FX業者で得た利益は総合課税の対象

日本の金融商品取引法上の登録を受けていない海外FX業者との取引で得た利益は、雑所得として総合課税の対象です。

利益は給与所得などのほかの所得と合算され、課税所得金額に応じて5〜45%の所得税率が適用されます。このほか、住民税や復興特別所得税がかかり、2027年分以降は防衛特別所得税も課されます。

国内FXと海外FXの税金の主な違いは、以下のとおりです。

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項目 国内FX 海外FX(日本の金融商品取引法上の無登録業者)
課税方式 申告分離課税 総合課税(雑所得)
税率 一律20.315%(所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%) 5〜45%の累進税率(ほかに住民税・復興特別所得税、2027年分以降は防衛特別所得税がかかる)
損益通算 ほかの「先物取引に係る雑所得等」の損益と通算できる 国内FXなどの「先物取引に係る雑所得等」とは通算できない
損失の繰越控除 翌年以後3年間の繰り越しができる 繰り越しができない

出典:国税庁「No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」

総合課税では、海外FXによる所得を含む課税所得金額が大きいほど所得税率が高くなるため、国内FXよりも税負担が重くなる場合があります。両者の違いを理解したうえで、正しく確定申告を行うことが必要です。

出典:国税庁「No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例」
出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」

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FXで損失が出た場合に確定申告するメリット

FXで年間の損益がマイナスになった場合、FXの損失について確定申告をする義務はありません。

ただし、損失が出た年でも、確定申告を行うことで損益通算や繰越控除を適用し、税負担を軽減できる場合があります。

FXで損失が出たときに確定申告すべき理由

  • 損益通算:FXの損失と先物・オプション取引などの利益を相殺できる
  • 繰越控除:損失を最大3年間繰り越せる

損益通算:FXの損失と先物・オプション取引の利益を相殺できる

FXで生じた損失は、ほかの「先物取引に係る雑所得等」の利益との相殺が可能です(損益通算)。

「先物取引に係る雑所得等」には、FXや一定の先物取引・オプション取引による所得などが含まれます。

たとえば、FXで10万円の損失があり、損益通算の対象となる先物取引で30万円の利益がある場合、通算後の所得は20万円です。30万円の利益のみを申告する場合と比べて、課税対象となる所得を減らせます。

なお、暗号資産取引や株式の現物取引による所得は「先物取引に係る雑所得等」には含まれないため、国内FXの損失と損益通算することはできません。

繰越控除:損失を最大3年間繰り越せる

損益通算をしても損失が残る場合、確定申告を行えばその損失を最大3年間繰り越して、翌年以降の「先物取引に係る雑所得等」から控除できます。これが繰越控除です。

たとえば、ある年に100万円のFX損失が発生し、翌年に「先物取引に係る雑所得等」の利益が生じた場合、繰り越した損失をその利益から控除できます。

先物取引に係る雑所得等

繰越控除を受けるには、損失が生じた年分の確定申告書に「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」などの書類を添付し、その後も連続して確定申告する必要があります。

繰越控除を受けなければ、翌年以降の「先物取引に係る雑所得等」の利益から前年以前のFX損失を控除できません。

出典:国税庁「No.1523 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除」

FXで確定申告するときの必要書類

以下では、金融商品取引法上の登録を受けた業者とのFX取引など、「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税の対象となるFXを前提に、確定申告の必要書類と書き方を解説します。無登録の海外FX業者との取引など、総合課税の雑所得となるFXでは、申告方法や使用する申告書が異なります。

FXで確定申告を行う際には、全ての申告者が提出する「確定申告書第一表・第二表」に加えて、「確定申告書第三表」の提出も必要です。

また、FXの確定申告では「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」の提出が必要です。損失申告を行う場合には、「確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)」も提出します。

FXの確定申告の必要書類

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書類の区分 具体的な書類名
提出書類 ・確定申告書 第一表
・確定申告書 第二表
・確定申告書 第三表
・先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
・確定申告書付表 先物取引に係る繰越損失用(損失の繰越控除を受ける場合)
確定申告書の作成で必要になる書類 ・給与所得の源泉徴収票(給与所得がある場合)
・公的年金の源泉徴収票(公的年金を受給している場合)
・年間取引報告書

出典:国税庁「〔令和7年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き〕申告書に添付・提示する書類」

確定申告書の用紙は国税庁サイトや税務署で入手できます。給与所得の源泉徴収票は、年末調整が終わった後に勤務先で発行される書類です。

FXの年間の損益を確認するための年間取引報告書は、一般的にFX会社のサイトなどで確認できます。紙面ではなくFX会社のWebサイトで閲覧する形式の場合や、「損益報告書」「損益計算書」など名称が異なる場合もあるので、詳細はFX会社のWebサイトで確認してください。

源泉徴収票や年間取引報告書は、確定申告時に税務署へ提出する必要はありませんが、申告書に給与額やFXの損益額を記入する際に必要です。また、税務署の窓口や郵送で確定申告書を提出する場合は、本人確認書類の提示または添付が求められます。

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出典:国税庁「年分の所得税及び復興特別所得税の申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)」

FXの確定申告書の書き方

確定申告書には、FXや給与などの収入金額・所得金額・各種控除額などを記入したうえで、税額を計算して記入する必要があります。

一般的な確定申告では確定申告書の第一表と第二表を作成しますが、FXの確定申告では次の流れに沿って確定申告書を記入します。

確定申告書の作成の流れ

なお、確定申告書は、紙の用紙に手書きする方法のほか、国税庁のサイト「確定申告書等作成コーナー」を利用し、パソコンの画面上でも作成できます。

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①「確定申告書 第一表」の左側に記入する

第一表の左側で記入するのは、「収入金額」「所得金額」「所得控除額」の3つです。会社員で給与所得がある人は、勤務先から交付される源泉徴収票を確認し、「支払金額」などの記載内容を確定申告書 第一表の該当欄に記入します。

確定申告書 第一表

出典:国税庁「令和7年分の所得税及び復興特別所得税の申告書 第一表」

給与所得の源泉徴収票

事業所得や譲渡所得など、給与所得以外の所得がある人は、収入金額や所得金額を所得区分に応じて該当欄に記入します。

第一表の左側を記入する段階では、FXの損益を記入する欄はありません。

②「確定申告書 第二表」に記入する

第二表では、第一表に記入した所得や控除などの内訳を記入します。

確定申告書 第二表

出典:国税庁「令和7年分の所得税及び復興特別所得税の申告書 第二表」

会社員で給与所得がある人は、「所得の内訳(所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額)」欄に以下のように記入してください。

「所得の内訳」の書き方

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記入欄 書き方
所得の種類 「給与」と記入
種目 「給与」などと記入
給与などの支払者の「名称」および「法人番号又は所在地」等 勤務先の名称、法人番号もしくは所在地(住所)を記入
収入金額・源泉徴収税額 源泉徴収票の「支払金額」「源泉徴収税額」の内容を転記
㊾源泉徴収税額の合計額 所得税等の源泉徴収税額の合計額を記入

出典:国税庁「令和7年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」

第二表の右上の欄には、社会保険料・生命保険料・地震保険料などの支払額を記入します。生命保険料や地震保険料は、保険会社から届く控除証明書などで支払額を確認して記入してください。

③「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」に記入する

「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」は、先物取引やFXなどによる所得がある場合に記入する書類です。FXによる所得がある人は、損益や経費の金額などを記入して提出します。

出典:国税庁「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」

計算明細書にFXの損益を記入するには、年間損益がわかるものが必要です。FX会社のWebサイトなどから年間取引報告書をダウンロードし、あらかじめ準備します。その内容をもとに作成する計算明細書の記入例は、以下のとおりです。

なお、FXの確定申告では、決済の方法の欄には一般的に「仕切(しきり)」と記入します。

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記入欄 書き方
所得の種類 「雑所得用」を丸で囲む
種類 取引内容に応じて「為替証拠金米ドル/円」などと記入
決済の方法 「仕切」と記入
差金等決済に係る利益又は損失の額① 確定した利益または損失の額(年間取引報告書に記載された損益額)を記入(損失は赤書き(△印)する)
その他の収入③ ①に含まれていないスワップポイントなど、その他の収入がある場合にその金額を記入
総収入金額の計④ 収入の合計額を記入
必要経費等 FXでかかった経費の名称や金額、合計額を記入
所得金額⑫ 総収入金額(計④の金額)から必要経費等の金額(計⑪の金額)を引いた金額を記入

出典:国税庁「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」

④「確定申告書 第三表」に記入する

確定申告書の第三表は、FXによる所得など、分離課税の所得がある人が記入するための用紙です。

確定申告書 第三表

出典:国税庁「令和7年分の所得税及び復興特別所得税の申告書(分離課税用) 第三表」

第三表には「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」や第一表で記入した金額を転記します。記入方法は以下のとおりです。

第三表の書き方

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記入欄 書き方
<収入金額>​​ 先物取引㋣ 計算明細書の総収入金額の「計④」の数字を転記
<所得金額>​​ 先物取引(75) 計算明細書の「所得金額⑫」の数字を転記
<税金の計算>​​ 総合課税の合計額⑫ 第一表の⑫の数字を転記
所得から差し引かれる金額 第一表の㉚の数字を転記
<税金の計算「課税される所得金額」>​​ ⑫対応分(78) ⑫から㉚を差し引いた金額を記入(1,000円未満切り捨て)
75対応分(83) 第三表「所得金額」の「先物取引(75)」の数字を転記
<税金の計算「税額」>​​ 78対応分(86) 総合課税の給与所得に対する税額を計算して記入
83対応分(91) FXの所得に対する税額を計算して記入
86から93までの合計(94) 合計額を記入

出典:国税庁「令和7年分の所得税及び復興特別所得税の申告書(分離課税用) 第三表」

FXの所得税額の計算方法

FXの所得税額の計算方法

第三表では、課税される所得金額に税率をかけて税額を計算し、該当欄に記入します。

給与所得などの総合課税の所得では、「課税される所得金額」欄に記入した課税所得金額に応じて適用される税率が異なります。税率は以下のとおりです。

所得税率の速算表

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課税対象の所得金額 税率 控除額
1,000円〜1,949,000円 5% 0円
1,950,000円〜3,299,000円 10% 97,500円
3,300,000円〜6,949,000円 20% 427,500円
6,950,000円〜8,999,000円 23% 636,000円
9,000,000円〜17,999,000円 33% 1,536,000円
18,000,000円〜39,999,000円 40% 2,796,000円
40,000,000円以上 45% 4,796,000円

出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」

給与所得の課税所得金額が350万円、国内FXによる課税所得金額が90万円だった場合、所得税額は次のように計算できます。

給与所得の課税所得金額が350万円の場合​
3,500,000円 × 20% - 427,500円 = 272,500円

一方、国内FXの所得に適用される所得税率は、申告分離課税として一律15%です。

FXによる所得の課税所得金額が90万円の場合

900,000円 × 15% = 135,000円

復興特別所得税はこの後に第一表で計算するため、第三表では復興特別所得税を含めず、所得税15%で税額を計算します。

⑤「確定申告書 第一表」の右側に記入する

最後に、第三表から第一表へ転記して最終的な税額を計算します。

第一表の右側「税金の計算」欄の「上の㉛に対する税額又は第三表の94」に、第三表の94の金額を転記し、その後、各種税額控除額を差し引いて「再差引所得税額(基準所得税額)㊹」を求めます。

㊺に記入する復興特別所得税額は、㊹の数字に税率2.1%をかけて求めた金額です。所得税額と復興特別所得税額の合計額を㊻に記入します。

外国税額控除などがある場合はその金額を差し引き、さらに源泉徴収税額㊾を差し引いて申告納税額(50)を求めます。申告納税額が黒字の場合、(50)に記入するのは100円未満を切り捨てた金額です。

確定申告のやり方(提出方法)

確定申告書の提出方法は以下の3つです。

確定申告書の提出方法

  • 税務署の受付に持参して提出する
  • 税務署に郵送して提出する
  • e-Taxで提出する

税務署の開庁時間は平日の午前8時30分から午後5時までで、2026年10月以降、総合窓口の受付時間は原則として午前9時から午後3時までです。受付時間外でも開庁時間内であれば対応していますが、可能な限り受付時間内の来署が案内されています。

開庁時間外に書面で提出する場合は、税務署の時間外収受箱を利用できます。提出先は住所地を管轄する税務署です。

確定申告書は信書にあたるため、郵送で提出する際は「郵便物」(第一種郵便物)または「信書便物」として送付してください。

また、確定申告書等作成コーナーで作成した申告書をe-Taxで提出すれば、作成から提出までをパソコン上で完結できます。

初回は利用登録が必要ですが、e-Taxを利用すれば原則として24時間いつでも申告ができ、書類添付を省略できる場合もあります。e-Taxであれば税務署に申告書を持参したり郵送したりする手間もかかりません。

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出典:国税庁「申告書の提出方法」
出典:国税庁「税務署の開庁時間」
出典:国税庁「令和8年10月1日からの税務署総合窓口の受付時間について」

税金の納付方法

確定申告では、1年間(1月1日から12月31日まで)の所得額や税額を計算し、原則として翌年2月16日から3月15日までに申告します。所得税の納期限も原則として3月15日で、2026年分の申告・納付期限は2027年3月15日(月)です。

納付方法には主に以下のものがあります。

税金の納付方法

  • 振替納税
  • ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)
  • インターネットバンキングなどによる納付
  • クレジットカード納付
  • スマホアプリ納付
  • コンビニ納付(QRコード)
  • 金融機関または税務署での現金納付

出典:国税庁「【税金の納付】」
出典:国税庁「申告と納税」

FXで確定申告を行わないリスク

FXで確定申告が必要であるにもかかわらず期限内に申告しなかった場合、納付すべき税額に加えて無申告加算税が課されることがあります。法定納期限までに税金を納付しなかった場合は、原則として延滞税の対象です。

また、不正な手段を使って故意に税を免れた場合は、懲役や罰金などの刑事罰の対象となることもあります。

金融商品取引業者等には、対象となる先物取引について「先物取引に関する支払調書」を税務署へ提出する義務があります。税務署が取引に関する情報を把握できる仕組みです。

出典:e-Gov法令検索「所得税法(昭和四十年法律第三十三号)」

FXの利益を確定申告すると会社にバレる?

FXの利益があることが勤務先へ直接通知される仕組みではありません。ただし、給与から特別徴収される住民税額の変化などから、給与以外の所得があることを推測される場合があります。

FXによる所得は給与・公的年金等以外の所得に該当するため、確定申告書 第二表の「住民税に関する事項」で、住民税の徴収方法として「自分で納付」を選択可能です。

「自分で納付」を選択すると、給与・公的年金等以外の所得に係る住民税は、原則として給与からの特別徴収ではなく自分で納付する扱いとなります。ただし、申告内容や自治体の取扱いによっては特別徴収となる場合もあり、勤務先に知られる可能性を必ず防げるわけではありません。

出典:国税庁「住民税の徴収方法の選択(令和7年分申告)」

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FXは副業にあたる?

FX取引が勤務先の就業規則上「副業」に該当するかは、会社の規定によって異なります。副業・兼業や資産運用に関する規定が設けられている場合は、その内容の確認が必要です。

特に銀行や証券会社などの金融機関では、法令や社内規程で取引が制限されることがあります。

まとめ

会社員などの給与所得者は、一定の要件のもと、FXを含む給与所得・退職所得以外の所得金額が20万円を超える場合に確定申告が必要です。

公的年金等の収入金額が400万円以下で、その全部が源泉徴収の対象となる年金受給者も、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円を超えると、確定申告不要制度の対象外となります。

個人事業主やフリーランスは、FXによる所得が20万円以下でも、それだけで申告不要とはならず、事業所得などを含む各種所得や所得控除をもとに確定申告の要否を判断します。

国内FXで損失が出た場合は、ほかの「先物取引に係る雑所得等」と損益通算でき、通算後も残った損失は一定の要件を満たせば翌年以後3年間の繰越控除が可能です。確定申告の要否や利用できる制度の条件を確認し、必要な場合は期限内に申告を行いましょう。

参考文献

▶︎国税庁「確定申告が必要な方」

▶︎国税庁「No.1199 基礎控除」

▶︎国税庁「No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」

▶︎国税庁「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」

▶︎国税庁「令和7年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」

▶︎国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」

▶︎国税庁「申告と納税」

よくある質問

  • FXの利益にかかる税金はいくらから確定申告が必要?

    会社員や年金受給者は、FXによる所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。

    詳しくは、記事内「FXで確定申告が必要なケース」をご覧ください。

    FXで100万円利益が出た場合の税金はいくら?

    利益100万円、必要経費が10万円だった場合、計算上の税額は18万2,835円で、実際の納付額は18万2,800円です。

    詳しくは、記事内「FXの利益にかかる税金の計算方法」をご覧ください。

  • FXの利益は税務署にバレる?

    金融商品取引業者等には、対象となる先物取引について「先物取引に関する支払調書」を税務署へ提出する義務があります。そのため、税務署がFX取引に関する情報を把握できる仕組みです。申告しないままでいると、本来の税金に加えて無申告加算税や延滞税を課されるおそれがあります。

    詳しくは、記事内「FXで確定申告を行わないリスク」をご覧ください。

    出典:国税庁「No.7401 法定調書の種類」

監修

安田 亮

安田 亮

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

安田亮 公認会計士・税理士事務所
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鶏冠井 悠二

鶏冠井 悠二

コンサルタント会社、生命保険会社を経験した後、ファイナンシャルプランナーとして独立。「資産形成を通じて便利で豊かな人生を送って頂く」ことを目指して相談・記事監修・執筆業務を手掛ける。担当分野は資産運用、保険、投資、NISAやiDeCo、仮想通貨、相続、クレジットカードやポイ活など幅広く対応。現在、WEB専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。

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