確定申告で屋号の記入は必要?使うシーンや申告書での書き方をわかりやすく紹介

更新日:2026/10/4

監修:北田 悠策

目次

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屋号は、店舗名や事業所名など個人事業の名称として使われるものです。確定申告書には「屋号・雅号」の記入欄があります。

屋号がない場合や記入しない場合でも、確定申告の手続きは可能です。ただし、屋号があると、銀行口座の開設や請求書・領収書の発行など、事業上のさまざまな場面で役立つことがあります。

本記事では、確定申告で屋号の記入が必要かどうか、屋号と雅号の違い、申告書での書き方や変更方法についてわかりやすく解説します。

確定申告で屋号の記入は必要?

確定申告書には「屋号・雅号」の記入欄がありますが、記入は必須ではありません。屋号や雅号がない場合は、屋号欄を空欄のまま提出しても、手続き上の問題はないとされています。すでに屋号をもっている人も、確定申告書に記入しないまま提出することは可能です。

ただし、過去に届け出た屋号や事業上使用している屋号がある場合は、継続して記入することで管理がしやすくなります。

申告書第一表・第二表【令和7年分用】

出典:国税庁「申告書第一表・第二表【令和7年分用】」

また、開業届には「屋号」の記入欄があり、開業時に屋号の登録が可能ですが、屋号をもつこと自体は義務ではありません。

個人事業の開業・廃業等届出書

出典:国税庁「個人事業の開業・廃業等届出書」

そもそも屋号とは

屋号とは、個人事業者が事業で使用する商業上の名のことです。屋号は個人事業主にとって必須ではなく、屋号をもたずに個人名で活動することも可能です。

たとえば、事業内容や店舗名・事業所の名称を認知してもらいたいときなどに、屋号を付けて事業を行うことがあります。

なお、開業届や確定申告書に屋号を記載しても、その名称を独占的に使用できる権利が発生するわけではありません。屋号・店舗名・サービス名などをブランドとして保護したい場合は、商標登録の要否も含めて検討しましょう。

屋号の概要やメリット・デメリットについて詳しくは「屋号とは?商号・社名との違いや個人事業主が付けるメリットをわかりやすく解説」をご覧ください。

屋号を使うシーン

たとえば、以下のような場面では屋号があると便利です。

屋号を使うシーン

  • 事業用銀行口座の開設
  • 名刺
  • 領収書
  • 請求書
  • 見積書
  • 契約書
  • お店の看板など

屋号は事業名として対外的に使用できるため、社会的信用にもつながります。また、屋号付きの銀行口座をもつことで、事業用の入出金を区分しやすくなり、経理作業の効率化にもつながるでしょう。

屋号の付け方のポイント

まだ屋号を付けていない人、これから屋号を付けたい人は、屋号の付け方のポイントを把握しておきましょう。

屋号の付け方のポイント

  • 事業内容がわかりやすいこと
  • 覚えやすいこと
  • 言いやすく書きやすいこと
  • インターネットで検索されやすいこと
  • エピソードや理念を表すこと

上記の点を意識すると、事業内容が伝わりやすい屋号を検討しやすくなります。

また、会社法では以下の規定があり、「○○法人」「○○株式会社」など、法人と混同する屋号を付けることが禁止されています。

第七条
会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。

出典:e-Gov法令検索「会社法(平成十七年法律第八十六号)」

屋号のネーミングに関して詳しくは、『屋号の決め方、ネーミングのポイントは?』をご覧ください。

屋号と雅号の違いは?

確定申告書の記入欄としては、屋号と雅号の両方に対応する「屋号・雅号」という欄が用意されています。

屋号が店舗名・事業所名など事業に用いる名称であるのに対し、雅号は著述家・画家・書家・芸能関係者などが本名以外に付ける別名を指します。

開業届には「屋号」という記入欄が用意されており、「雅号」と記載された欄はありません。ただし、雅号を事業上の名称として使用する場合は「屋号」欄に記入することが一般的です。

出典:国税庁 確定申告書等作成コーナー「屋号・雅号の入力について」

確定申告での屋号の書き方

屋号欄に記入するのは、店舗名・事業所名など事業に用いる名称です。「会社員」「団体職員」「自営業」などの職種・職業名は、屋号ではありません。

以下にOK例とNG例をまとめます。

確定申告書に記入する屋号OK例

  • ○○ベーカリー
  • ○○商店
  • ○○デザイン事務所
  • ○○オフィス
  • ○○コンサルティング

確定申告書に記入する屋号NG例

  • 会社員
  • 団体職員
  • 自営業
  • アルバイト
  • ライター
  • デザイナー

会社員などの給与所得者は、基本的に年末調整によって所得税額が確定するため、確定申告は不要です。ただし、給与所得者であっても、副業などによる給与所得・退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。

事業として継続的に活動する場合は、必要に応じて屋号を検討してもよいでしょう。

屋号は確定申告で変更できる

屋号のみを変更する場合、原則として別途届出は不要とされています。確定申告の際は、申告書や決算書などに、変更後の屋号を記載して提出しましょう。

申告書や決算書に新しい屋号を記載することで、変更後の屋号が申告内容として把握されます。また、新たに屋号を付けた場合も、確定申告などにその屋号を記載できます。

屋号を変更したことや、新しい屋号を届け出た記録を残したい、または申告書や決算書に記載するだけでは不安という場合は、開業届を出し直しても受理されます。確定申告書や関連書類の控えは、PDFで保存するか、必要に応じて印刷して手もとに保管しておきましょう。

このように、開業届と確定申告の両方で屋号を記入する機会があります。記入は必須でないものの、屋号は個人事業で使用する名称を示す重要な情報です。

まとめ

確定申告書には「屋号・雅号」の記入欄がありますが、記入は必須ではありません。屋号をもっていない場合だけでなく、屋号を登録している場合も、空欄のまま提出して手続き上の問題はないとされています。

ただし、屋号は個人事業の名前を表す重要なものであり、事業用の銀行口座開設や名刺・請求書・領収書などで活用することで、社会的信用や経理効率の面でメリットがあります。屋号を付けるかどうか、確定申告書に記入するかどうかは、事業の状況にあわせて判断しましょう。

また、屋号は確定申告書や決算書に新しい屋号を記載するだけで変更でき、新規に登録する場合も同様に対応できます。

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個人事業を始めるにあたって「開業届」や「青色申告承認申請書」などを提出する場合、記入する内容や準備すべきものを事前に把握する必要があります。初めて対応する際は、書き方や手順がわからずつまずくこともあるでしょう。

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書類名 概要
個人事業の開業・廃業等届出書 事業開始時に提出する開業届
所得税の青色申告承認申請書 青色申告実施の承認を得るための申請書
給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 家族や従業員に給与を支払うための申請書
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 原則毎月支払う源泉所得税を年2回にまとめて納付するための申請書
青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書 青色申告をする場合に、家族に支払う給与を経費にするための申請書

freee開業での書類作成ステップ

freee開業で書類を作成する、具体的な手順を紹介します。指示に沿って必要事項を記入していくだけです。

Step1:準備

まずは申請者の情報を入力します。


申請者の情報を入力

次に、働く場所を選択します。


働く場所を選択

仕事の種類と概要を選択します。迷いやすい業種も選択式で入力しやすくなっています。


仕事の種類と概要を選択

屋号の有無と事業開始日を入力します。屋号が不要の場合は「入力しない」を選択してください。

「入力する」を選ぶと、記入欄が出てきます。


屋号の有無と事業開始日を入力

事業所得・不動産所得・山林所得のいずれかを選択します。


事業所得・不動産所得・山林所得のいずれかを選択

給与を支払う従業員がいる場合は、その詳細を入力します。


給与を支払う従業員がいる場合は、その詳細を入力

最後に、確定申告の区分を選択します。所得の種類や金額などを踏まえて、適した申告方法を選んでください。


確定申告の区分を選択

Step2:提出

まずは提出先を選択します。

提出候補の地区は、入力した住所をもとにプルダウンで出てきます。地区を選ぶと提出先の税務署が表示されるため、そちらに開業届を提出しましょう。


書類の提出先を選択

次に、提出方法の選択です。スマホとマイナンバーカードがあれば、作成した開業届をオンラインで提出できます。

税務署への直接訪問や郵送で提出する場合は、書類をすべてプリントアウトします。印刷後、必要箇所に押印とマイナンバー(個人番号)の記載が必要です。


書類の提出方法を選択

提出前に、必要な書類がそろっているか確認しましょう。


書類を確認

オンラインで提出するときは、マイナポータル経由でe-Taxの連携が必要です。


書類を確認

連携が完了したら、マイナンバーを入力しfreee電子申告・申請アプリから必要情報の入力とマイナンバーカードのスキャンを行えば提出完了です。


作った書類を提出

提出後、受付結果の確認も行えます。


受付結果の確認

事業をスタートする際や、青色申告をしたい場合・切り替えたい場合など、届出が必要な場面は多く手続きは煩雑です。

しかし、freee開業を活用すれば、無料ですぐに届出の作成が完了します。個人で事業を展開する方は、ぜひ利用をご検討ください。

よくある質問

  • 屋号なしの個人事業主の確定申告はどうすればいい?

    屋号を使用していない場合、確定申告書の「屋号・雅号」の欄は記入せずに提出します。屋号の使用や屋号の記入は必須ではありません。

    詳しくは「確定申告で屋号の記入は必要?」をご覧ください。

  • 会社員(サラリーマン)・アルバイトの確定申告で屋号は何を書けばよい?

    会社員やアルバイトで屋号がない場合、確定申告書の「屋号・雅号」の記入欄は空欄で問題はありません。屋号の使用や記入は必須ではなく、屋号がない場合は空欄のまま提出が可能です。

    詳しくは「確定申告で屋号の記入は必要?」をご覧ください。

監修

北田 悠策

北田 悠策

神戸大学経営学部卒業。2015年より有限責任監査法人トーマツ大阪事務所にて、製造業を中心に10数社の会社法監査及び金融商品取引法監査に従事する傍ら、スタートアップ向けの財務アドバイザリー業務に従事。その後、上場準備会社にて経理責任者として決算を推進。大企業からスタートアップまで様々なフェーズの企業に携わってきた経験を活かし、株式会社ARDOR/ARDOR税理士事務所を創業。

ARDOR税理士事務所
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