確定申告はマイナンバーカードなしでできる?注意点と2つの申告方法を解説
確定申告では、マイナンバーカードを利用したe-Taxによる申告が案内されています。ただし、マイナンバーカードをもっていない場合でも、税務署窓口や郵送で確定申告は可能です。すでにID・パスワードを発行済みであれば、e-Taxも利用できます。
一方、確定申告書にはマイナンバーの記載が必要です。また、ID・パスワード方式は新規発行が停止されており、2027年分の確定申告から利用できなくなる予定です。
本記事では、マイナンバーカードがない場合の申告方法・注意点・マイナンバーの確認方法・カードを取得するメリットを解説します。
マイナンバーカードなしでも確定申告は可能
マイナンバーカードを保有していなくても、確定申告は可能です。ただし、申告方法によって必要な書類や手続きが異なります。
マイナンバーは確定申告書に記載する必要がある
マイナンバーカードを保有していなくても確定申告は可能ですが、確定申告書には氏名や住所とともにマイナンバーの記入欄があり、記載が必要です。
また、「支払調書」や「開業届」など、税務署へ提出する税務関係書類のなかにも、マイナンバーの記載が必要なものがあります。確定申告書の「配偶者や親族に関する事項」欄に記載する配偶者や扶養親族などがいる場合は、該当者のマイナンバーも記載が必要です。
マイナンバーの確認方法
マイナンバーカードがない場合は、通知カード・個人番号通知書・マイナンバーが記載された住民票の写しなどで自分のマイナンバーを確認できます。
通知カードは2015年10月以降に送付され、2020年5月25日の廃止後は個人番号通知書によってマイナンバーが通知されています。なお、個人番号通知書ではマイナンバー自体を確認できますが、マイナンバーを証明する書類としては利用できません。
通知カードや個人番号通知書が手元にない場合は、住民登録のある市区町村の窓口で、マイナンバーが記載された住民票の写しまたは住民票記載事項証明書を取得して確認できます。
マイナンバーカードなしで確定申告をする方法
マイナンバーカードが手元になくても、確定申告はできます。税務署・確定申告会場への持参や郵送で書面提出する場合は、マイナンバーの番号確認書類と身元確認書類が必要です。マイナンバーカードなしで確定申告をする方法は、以下の3つです。
マイナンバーカードなしで確定申告をする方法
- 税務署・確定申告会場で直接申告する
- 郵送で申告する
- e-TaxのID・パスワード方式で申告する
税務署・確定申告会場で直接申告する
マイナンバーカードがなくても、通常の申告時と同様に、所轄の税務署や確定申告会場にて申告が可能です。
申告時には、番号確認書類として、通知カードや、マイナンバーが記載された住民票の写し・住民票記載事項証明書などを提示するか、写しを添付します。
さらに、身元確認書類として以下のうちいずれか1点を提示するか、写しの添付が必要です。
本人確認書類として提出が必要な書類
- 運転免許証
- 公的医療保険の資格確認書(従来の健康保険証に代わるもの)
- パスポート
なお、通知カードは、記載された氏名・住所などが住民票の記載内容と一致している場合に限り、番号確認書類として利用できます。
通知カードはすでに廃止されているため、記載内容が現在の住民票と異なる場合は、マイナンバーが記載された住民票の写しなどを利用します。
郵送で申告する
確定申告書類を郵送して確定申告する方法もあります。確定申告書は「信書」に該当するため、郵便または信書便で送付します。
封筒は角形2号が一般的です。送付先は所轄の税務署または業務センターとなるため、国税庁サイトで事前に確認しましょう。封筒のあて名の書き方については、下記の図解を参考にしてください。
e-TaxのID・パスワード方式で申告する
マイナンバーカードなしでe-Taxを利用する方法として、ID・パスワード方式があります。すでにID・パスワードを発行済みであれば、国税庁の確定申告書等作成コーナーからID・パスワード方式で申告が可能です。
ただし、ID・パスワードの新規発行はすでに停止されています。ID・パスワード方式はマイナンバーカードが普及するまでの暫定措置として設けられたものであり、2027年分の申告からは利用できなくなる予定です。
新規発行が停止されているため、現時点でID・パスワードをもっていない人は、ID・パスワード方式を利用できません。
マイナンバーカードがあれば確定申告が簡単になる
マイナンバーカードがなくても確定申告は可能ですが、マイナンバーカードをもっているほうが申告をスムーズに終えられます。
マイナンバーカード方式では、e-Taxを利用するための開始届出書を事前に提出する必要がなく、マイナンバーカードを利用してe-Taxを開始できます。
マイナンバーカードがあればe-Taxでの申告が可能
マイナンバーカードと読み取りに対応したスマホがあれば、e-Taxでマイナンバーカード方式による申告ができます。
パソコンで申告書を作成する場合も、「マイナアプリ」でパソコン上に表示されたQRコードを読み取り、スマホでマイナンバーカードを読み取ることで、e-Taxによる申告が可能です。ICカードリーダライタを利用する方法もあります。
マイナンバーカードを取得する方法
マイナンバーカードの交付申請から市区町村が交付通知書を発送するまでは、概ね1ヶ月かかります。受け取りまでの期間は市区町村によって異なるため、余裕をもって申請しましょう。
マイナンバーカードを取得する方法は、以下の3つです。
マイナンバーカードを取得する方法
- オンライン
- 郵送
- 証明写真機の利用
オンラインでは申請サイトから必要事項と顔写真を登録し、郵送では交付申請書に必要事項を記入して送付します。証明写真機を利用する場合は、交付申請書のQRコードを読み取り、画面の案内に沿って申請手続きを進めます。
マイナンバーカード方式での確定申告の準備
マイナンバーカード方式で確定申告をする際は、まず以下の2つを準備します。
マイナンバーカード方式で確定申告する際に必要なもの
- マイナンバーカード
- ICカードリーダライタまたはマイナンバーカード対応のスマホ
マイナンバーカード方式の利用開始手続きは、e-Taxホームページなどから行えます。利用者識別番号をもっていない場合も、画面の案内に沿って必要事項を登録することで取得可能です。手順は、マイナンバーカードの読み取り方法や利用者識別番号の有無によって異なります。
マイナンバーカード方式での確定申告の方法
マイナンバーカード方式で確定申告をする方法は以下のとおりです。
マイナンバーカード方式で確定申告する流れ
- 確定申告に必要な書類の準備
- 確定申告書等作成コーナーへアクセス
- 税務署への提出方法の選択
- 作成する申告書などを選択
- マイナポータル連携の利用有無を選択
- マイナンバーカードを読み取る
- 申告書を作成・e-Taxから提出
マイナンバーカードを取得するそのほかのメリット
マイナンバーカードを取得すると、確定申告以外にもさまざまな場面で役立てることができます。主なメリットは以下のとおりです。
マイナンバーカードを取得するそのほかのメリット
- マイナンバーの提示が必要な場面で利用できる
- マイナンバーの提示と本人確認が同時にできる
- 健康保険証(マイナ保険証)として利用できる(登録手続きが必要)
- 対応する市区町村では、コンビニで住民票などの各種証明書を取得できる
- 公金受取口座を登録すると、給付金などの申請時に、口座情報の記入や通帳の写しなどの提出を省略できる場合がある
まとめ
マイナンバーカードを持っていなくても、確定申告は可能です。書面で申告する場合は、通知カードやマイナンバーが記載された住民票の写しなどで番号を確認し、必要な本人確認書類を準備します。
また、すでにID・パスワードを発行済みであればe-Taxも利用できますが、令和9年分(2027年分)の確定申告から利用できなくなる予定です。今後もオンラインで申告する場合は、マイナンバーカードの取得も選択肢となります。
マイナンバーカードは、e-Taxでの申告だけでなく、マイナ保険証や各種証明書の取得などにも利用できます。申告方法や今後の利用場面を踏まえて、自分に合った方法を選びましょう。
よくある質問
マイナンバーカードなしでスマホから確定申告できる?
マイナンバーカードがなくても、すでにID・パスワード方式の届出を済ませている場合は、利用者識別番号と暗証番号を使ってスマホからe-Taxで確定申告できます。ただし、ID・パスワードの新規発行は停止されており、令和9年分(2027年分)の確定申告から利用できなくなる予定です。
詳しくは「e-TaxのID・パスワード方式で申告する」をご覧ください。
マイナンバーがない場合はどうすればいい?
マイナンバーカードや通知カードなどが手元になく、自分のマイナンバーがわからない場合は、個人番号通知書やマイナンバーが記載された住民票の写しなどで確認できます。
詳しくは「マイナンバーの確認方法」をご覧ください。
監修

安田 亮
1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。