サインの基礎知識

無料でPDFに電子署名する方法は?手順や注意点について解説

無料でPDFに電子署名する方法は?手順や注意点について解説

電子署名とは、オンライン上の文書が誰によって作成されたか、また改ざんなどが行われていないかを明らかにする電子的な認証のことで、紙の文書における印鑑やサインの役割を担います。

近年、企業におけるDX推進やテレワークの定着に伴って電子署名のニーズが高まり、導入企業が増えつつあります。一方で、導入コストがネックになっている企業も少なくないでしょう。

本記事では、無料で電子署名を行う方法や注意点、電子署名に対応している最新のおすすめサービス5選を紹介します。

目次

freeeサインで契約業務をカンタンに

freeeサインは契約に関する一連の業務・書類の保存までクラウド上で完結!契約書作成から締結までにかかる手間やコストを大幅に削減できます。

無料でPDFに電子署名をする方法

無料で電子署名に対応する方法としては、次の2つがあります。

  • Adobe Acrobat Readerを利用する
  • 電子契約サービスの無料プランを利用する

Adobe Acrobat Readerを利用する

Adobe社が提供する「Adobe Acrobat Reader」を用いると、PDFファイルに無料で電子署名を付与できます。ただし、電子証明書の発行やタイムスタンプの付与は有料プランを利用する必要があります。

Adobe Acrobat Readerを使った電子署名の方法は以下のとおりです。より詳細な手順はAdobe社の公式サイトからご確認ください。

1.デジタルIDを作成

Adobe Acrobat Readerのメニューから、次の順で選択してデジタルIDを作成します。

  • 「編集」
  • 「環境設定」
  • 「署名」
  • 「IDと信頼済み証明書」
  • 「詳細」
  • 「デジタルIDと信頼済み証明書の設定」

デジタルIDを作成すると、電子署名の設定が可能になります。

2.ファイルに電子署名を設定

次の手順で、ファイル上の好きな位置に電子署名を設定できます。

  • 電子署名を付与したいPDFファイルを「Adobe Acrobat Reader」で開く
  • メニューから「ツール」を選択し「証明書」をクリック
  • 「電子署名」を選択し、署名を挿入したい位置にドラッグする
  • 「デジタルIDで署名」というダイアログが表示されたら「続行」をクリックする
  • 先に作成したデジタルIDのパスワードを入力し「署名」をクリックする

3.電子署名の完了後、保存

電子署名を設定したPDFファイルを保存することで、ファイルに電子署名が付与された状態になります。

電子契約サービスの無料プランを利用する

現在、さまざまな電子契約サービスが登場しており、無料プランで電子署名を提供するものもあります。十分なセキュリティ対策を行っているサービスを利用すれば、情報漏えいなどのリスクを減らし、安全性を確保できます。

利用方法や操作はサービスによって異なりますが、一般的にはクラウド上のサービスに文書のPDFをアップロードし、電子署名を付与したのちに保存すれば完了します。

電子署名の役割

契約書などの電子文書に用いられる電子署名には、次の役割があります。

  • 高度な認証制度によって署名者本人を証明する
  • 文書の改ざんを防止する

電子署名は「電子署名及び認証業務に関する法律」(電子署名法)によって法的な効力が認められるものです。電子署名を用いるためには認証局から発行された電子証明書が必要であり、この証明書には「公開鍵暗号」という特殊な技術が用いられるため、情報の正当性が保証されます。

電子署名を行った文書には、第三者の認証機関によって文書の作成者・日時が記録され、電子署名の完了後に変更が加えられようとした場合には警告が出る仕組みです。

また、電子文書の場合、当事者の本人性や情報の改ざんがないかを確認するのが難しく、最悪のケースでは、第三者によるなりすましや情報漏えいにつながるリスクもあります。これらを回避するために、信用を担保できる電子署名が必要とされています。

なお、混同されやすい電子契約との違いは以下のとおりです。


項目内容
電子署名 電子文書に対して付与されるデジタルな署名であり、高度な認証制度によって署名者本人を証明し文書の改ざんを防ぐ技術・手段のこと
電子契約 電子で契約を行う行為全般を指す言葉。電子契約の中には、電子署名やタイムスタンプを付与することで法的効力を高めているものもある

位置づけとしては、電子署名が電子契約などに法的効力を持たせる技術・手段であるのに対し、電子契約は電子上の契約行為やそのためのサービスを指します。

電子署名のメリット

契約書などにおいて電子署名を利用するメリットは、主に以下の2つです。

文書の信頼性が高まる

前述のとおり、電子署名は「公開鍵暗号」により高度な認証制度が用いられているため、文書の改ざんリスクが低く、信頼性が高まります。

法的効力が求められる重要な文書においては、電子署名を利用するメリットがさらに高まるでしょう。

契約業務にかかるコストや手間を削減できる

電子署名の場合、紙の文書を用意して相手に郵送し、押印後に返送してもらう必要がなく、すべてオンラインで完結します。そのため、電子署名の利用によって従来かかっていた郵送コストや事務作業の負担を減らすことが可能です。また、電子文書には印紙税が課税されないため、収入印紙代もかかりません。

さらに文書の郵送や承認にかかる時間を短縮できるため、状況によっては即日に署名が完了する可能性もあり、契約業務をスムーズに進められます。

【関連記事】
契約書に収入印紙は必要?貼付する金額や貼り忘れた際の対処法を解説

電子契約サービスを無料で利用する場合の注意点

前述のとおり、電子契約サービスの無料プランを利用することで電子署名は可能ですが、利用にあたってはいくつか注意点があります。あらかじめ確認しておきましょう。

使える機能に制限がある

電子契約サービスの無料プランは、基本的に使える機能に制限があります。多くのケースでは、有料プランへの登録を促すトライアルとして無料プランを提供しているため、有料プランでは使える機能が使えなかったり、署名できる件数が限られていたりします。

社内で電子署名を行う件数がわずかであれば問題ありませんが、件数が多く契約業務の効率化を図りたい場合は、有料プランの検討が望ましいといえます。

PDF以外のファイル形式に対応していない

電子署名の機能を持つ多くのサービスのほとんどがPDFファイルに対応しています。一方で、WordやExcelに対応していないサービスや、無料プランではPDFにしか対応できないサービスもあります。

PDF以外のファイルで使用したい場合には、有料プランに移行する必要があります。

電子証明書に対応していない

無料プランの場合、電子証明書に対応していないサービスもあります。前述のとおり、電子証明書は電子署名の正当性を示すものであり、電子上の契約などにおいて法的な効力を証明するものです。

簡易的な契約であれば電子証明書がなくても問題がないケースもあります。ただし、企業間の取引における契約書類などは、基本的に電子証明書が必須と考えてください。

セキュリティ対策が不十分なケースがある

電子契約サービスの無料プランは、タイムスタンプの付与ができないなど、安全性の保証が不十分なケースがあります。トップシェアのサービスであれば無料プランであってもセキュリティ対策が徹底されていると考えられますが、有料プランと比べて無料プランはセキュリティ対策が劣る可能性があります。

データをアップロードして利用するサービスにおいては、情報漏えいなどのリスクが高まるため、信頼できるサービスかどうかの確認が欠かせません。

【2025年最新版】電子署名サービス5選

最後に、2025年最新版の電子署名に対応したサービス5選を紹介します。


サービス名称提供会社
freeeサインフリー株式会社
クラウドサイン弁護士ドットコム株式会社
GMOサインGMOグローバルサイン株式会社
WAN-Sign株式会社NXワンビシアーカイブズ
BtoBプラットフォーム契約書株式会社インフォマート

まとめ

電子署名の機能を備えたサービスにはさまざまなものがあります。なかには無料で電子署名ができるものもありますが、有料のものと比べて使える機能が少なかったり、電子署名ができる回数に制限があったりするケースもあります。

電子署名の本来の役割である、署名者の本人性や文書の改ざんの防止がはたらくか確認のうえ、自社に合ったサービス・プランの導入を検討しましょう。

契約にまつわる業務を簡単にする方法

契約書の作成や押印、管理など、契約にまつわる作業は多岐に渡ります。リモートワークが普及した近年、コミュニケーションを取りづらくなってしまい、契約締結までに時間がかかってしまう場合や、押印のためだけに出社しなければいけない...なんてケースも少なくありません。

そんな契約まわりの業務を効率化させたい方には電子契約サービス「freeeサイン」がおすすめです。

freeeサインはインターネット環境さえあれば、PCやスマホで契約書作成から締結まで、契約にまつわる一連の業務を完結できます。さらに、過去の契約書類はクラウド上で保存できるので、紛失や破損の心配も解消します。

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freeeサインでできること

契約書を簡単に作成!

契約によって書式が異なるので、一から作成すると工数がかかってしまいます。 freeeサインでは、テンプレートを登録し、必要な項目を入力フォームへ入力するだけで簡単に契約書を作成できます。

社内の承認作業がリモートで完了!

freeeサインでは、契約書の作成依頼から承認にいたるまでのコミュニケーションもオンラインで管理・完結。ワークフロー機能は承認者の設定が可能なので、既存の承認フローをそのまま電子化することができます。

文書に応じて電子サイン・電子署名の使い分けが可能!

電子契約サービスの中には、どんな文書であっても1通送信する度に100~200円程度の従量課金が発生するものも少なくありません。freeeサインでは、従量課金のない「電子サイン」と従量課金のある「電子署名」のどちらを利用するかを、文書の送信時に選択できます。

重要な契約書や、後に争いが生じる可能性が高い文書には「電子署名」を利用して、より強固な証跡を残し、それ以外の多くの文書には「電子サイン」を利用するといった使い分けができるので、コスト削減につながります。

電子契約で契約書作成にかかる手間・コストを削減

電子契約にすると押印や郵送、契約管理台帳へのデータ入力の必要がなく、契約に関わる手間が大幅に削減されます。さらに、オンライン上での契約締結は印紙税法基本通達第44条の「課税文書の作成」に該当しないため、収入印紙も不要です。

電子契約で完結することで、郵送する切手代や紙代、インク代なども不要となり、コストカットにつながります。

過去の契約書もクラウド上で保存してペーパーレス化

紙ベースで契約書類を作成すると、紛失や破損の恐れがあります。また、管理するための物理的なスペースを確保しなくてはなりません。また、電子帳簿保存法の改正でPDFでの保管にも制約が発生します。

freeeサインでは、過去の契約書もPDF化してタイムスタンプ付きで保存ができるので、今まで紙やPDFで保存していた契約書も一緒にクラウド上で管理することができます。クラウド上で管理することで紛失や破損の恐れも解消され、社内間での共有も楽になります。

気になる方は、無料登録でも書類の作成や電子締結ができる「freeeサイン」をぜひお試しください。

よくある質問

Adobeの電子署名は無料で利用できる?

「Adobe Acrobat Reader」で電子署名を無料で利用できます。

詳しくは記事内「Adobe Acrobat Readerを利用する」をご覧ください。

無料で電子署名をする方法は?

無料で電子署名を行う方法には、「Adobe Acrobat Reader」を利用する方法、電子契約サービスの無料プランを利用する方法などがあります。

詳しくは記事内「無料でPDFに電子署名をする方法」で解説しています。