在庫管理の基礎知識

欠品とは?在庫切れとの違いや発覚した際の適切な対応、欠品を防ぐ実践的な対策などを詳しく解説

欠品とは?在庫切れとの違いや発覚した際の適切な対応、欠品を防ぐ実践的な対策などを詳しく解説

欠品とは、注文や納品の依頼に対して必要な商品の在庫数が不足し、出荷や販売が行えない状態を指す言葉です。とくにECサイトや店舗運営において欠品が頻発すると売上機会の損失や顧客満足度の低下に直結するため、適切な予防策の講じ方まで理解しておくことが欠かせません。

本記事では、欠品の基本的な意味や類似用語との違い、業務場面ごとの適切な使い分け、発覚した際の適切な対応、欠品を防ぐ実践的な対策などを解説します。

目次

EC・店舗・卸の在庫情報を一元管理ならfreee在庫管理

freee在庫管理は、EC・店舗・卸など複数の販売チャネルを展開する方におすすめ。複数の拠点・店舗や委託倉庫の在庫も全て管理できます。

欠品とは

欠品(けっぴん)とは、取り扱うべき商品や部品の在庫が不足している状態、またはその不足している品物自体を指す言葉です。在庫管理や受発注管理などの業務においては、「需要や注文があるにもかかわらず、手元に納品・出荷すべき在庫が存在しない状態」を意味します。

単に「物がない」ことだけを意味するのではなく、「本来あるべき・納品されるべき在庫が足りていない」という期待値とのギャップが含まれているのが特徴です。業務上で欠品が発生する具体的なケースとしては、以下のようなシーンが挙げられます。

実務における欠品の状態例

  • ECサイトや実店舗での注文発生時:お客様から注文が入ったが、倉庫や店頭の棚を確認したところ在庫がなく、出荷・手渡しができない
  • BtoB(企業間取引)の納品時:発注書で100個の納品を指定されたが、供給側の在庫不足により80個しか出荷できず、20個分の提供が遅れた
  • 製造ラインでの部品調達時:製品を組み立てるために必要な特定のパーツが手配できず、生産ラインがストップした

このように販売の場だけでなく、商品の供給や調達などの流通プロセス全般において「必要な数が揃わない不全状態」全般を欠品とよびます。

欠品と入荷待ちの違い

欠品とよく混同される言葉に「入荷待ち」があります。両者の違いは「現在の状態」を指しているのか、「今後の見通し」を含んでいるのかという点にあります。


用語詳細
欠品現時点で在庫が不足しており、出荷・手配ができない「結果・状態」そのものを指す
入荷待ち現時点で在庫はないものの、次回の発注や製造が完了しており、近いうちに商品が手元に入荷する「予定・プロセス」を指す

顧客や取引先に案内する際は「ただいま欠品しております」と伝えるだけでなく、「欠品中ですが、○日後に入荷待ちの状況です」といったように組み合わせて使うことで、相手により正確な状況を伝えられます。

その他の似た用語との違い

欠品には、「入荷待ち」以外にも似たような意味を持つ用語がいくつか存在します。場面に応じて正しく使い分けられるよう、それぞれの概念を整理しておきましょう。

それぞれの用語の違いを一覧表にまとめました。


用語主な視点・立場再入荷の可能性主な使用場面・用途
欠品供給側・管理者視点あり(入荷手配中または検討中)BtoB取引、社内連絡、棚卸・在庫管理など
在庫切れ顧客・販売現場視点あり(一時的な在庫なし)ECサイトの表示、店舗での顧客対応など
売り切れ顧客・販売現場視点あり(需要に対して完売)POPや販促表示、一般的な会話など
完売供給側・販売側の双方なし(再生産・再入荷なし)販売終了の案内、終売の告知など

欠品と「在庫切れ」の違い

「欠品」と「在庫切れ」は、どちらも「商品がない状態」を表しますが、どのような視点(立場)から発せられた言葉かという点に明確なニュアンスの違いがあります。

欠品が商品を供給する事業者側(メーカー、卸、EC運営者)の立場から見た言葉であるのに対し、在庫切れは商品を購入する顧客や、売り場(店舗・カート画面)の立場から見た言葉です。

欠品と「売り切れ」「完売」の違い

「売り切れ」や「完売」は、商品の需要が高かった結果として在庫がなくなった状況を表す言葉です。

用意していた商品がすべて売れてしまい、一時的に在庫がゼロになった状態を指す「売り切れ」は「欠品」や「在庫切れ」とほぼ同義ですが、より日常的で親しみやすい表現として店舗の看板やポップなどで用いられています。

「完売」は予定していた販売数量をすべて売り切り、かつ今後の製造・仕入れ・再入荷の予定がない状態を指します。欠品と同様、事業者側視点の言葉です。

【場面別】「欠品」と「在庫切れ」の適切な使い分け事例

実務においては、相手との関係性やコミュニケーションの場に応じて適切な言葉を使用することが極めて重要です。

社内・取引先(BtoB)でのコミュニケーション

社内の物流部門・営業部門とのやり取りや、企業間取引(BtoB)においては、責任の所在や業務上の状態を明確にするため「欠品」を使用します。

  • 社内連絡の例:「仕入れ先で欠品が発生しているため、商品Aは今週の出荷を見合わせます」
  • 取引先(問屋・メーカー)との例:「先ほどいただいた発注書のうち、品番102の製品につきましては現在欠品しており、一部納品とさせていただきます」

ビジネスの現場で「在庫切れ」と表現すると単なる現場の不備や確認不足のように捉えられてしまうことがあるため、契約や供給の観点からは「欠品」を用いるのが通例です。

顧客向け(BtoC・ECサイト・店舗)のコミュニケーション

一般消費者(BtoC)に対する案内では、「欠品」という専門用語や供給側の都合を感じさせる言葉は避け、顧客目線で分かりやすい「在庫切れ」や「入荷待ち」を使用するのが親切です。「欠品」という言葉を使うと、冷たい印象を与えてしまうことがあります。

  • 店舗での案内例:「誠に申し訳ございません。あいにくこちらの商品は只今在庫切れとなっております」
  • 電話・メールでの対応例:「問い合わせいただきました商品は、現在入荷待ちとなっており、来週火曜日に入荷予定でございます」

ECサイトのUI・カート画面での表示

ECサイトのシステム画面や商品ページにおけるテキスト表示も、ユーザーの満足度に大きな影響を与えます。ボタンやラベルに「欠品中」と表記すると、ユーザーに対して機械的でネガティブな印象を与えがちです。以下のようにユーザーの次のアクションを促す表現に修正することをおすすめします。

  • NG例:「欠品中」「欠品につき購入不可」
  • 改善例:「ただいま在庫切れ(次回○月入荷予定)」「入荷待ち」「再入荷通知を受け取る」

再入荷予定がある場合とない場合の顧客対応

商品が購入された後に欠品が発覚した場合、迅速かつ誠実な対応をしなければ顧客の不信感を招き、最悪の場合は評判の悪化や解約につながります。そうならないよう、再入荷の有無に応じた対応のポイントを押さえておきましょう。

再入荷予定がある場合の適切な対応

再入荷の予定がある場合は、「いつ頃手に入るのか」という具体的な目処を提示することが何より重要です。

  • お詫びと現状の報告:注文いただいたにもかかわらず在庫を用意できなかったことへのお詫び
  • 次回入荷予定日:「○月○日頃の発送予定」などの明確なスケジュール
  • 顧客の選択肢の提示: 「入荷まで待つ」か「キャンセルする」かを選択してもらう配慮

再入荷予定がない場合の適切な対応

再入荷の予定がない場合(廃盤やメーカー製造終了など)は、期待を持たせないようハッキリと手に入らない旨を伝え、真摯に謝罪します。その上で、可能な限り代替え手段を提示することが顧客関係を維持するコツです。

  • 明確な謝罪と終売の告知:再入荷の目処が立たない旨を伝える
  • 注文のキャンセル・返金対応の案内:手続きの流れをわかりやすく説明する
  • 代替商品のご案内:類似の機能や価格帯を持つおすすめ商品を提示する

欠品がビジネスに与える悪影響

「たかが数件の欠品」と軽視するのは危険です。欠品が発生すると、事業において以下のような重大なデメリットが引き起こされます。

売上機会の損失

顧客が「欲しい」と思ったタイミングで商品が存在しない場合、その購買意欲は即座に他社や競合店舗へと流れてしまうでしょう。それは、本来であれば獲得できていたはずの売上や利益を失うことにつながります。欠品による損失金額は目に見えにくいため見落とされがちですが、年間で計算すると非常に大きな額に達することがあります。

顧客満足度の低下・ブランドイメージの失墜

注文完了後に「実は欠品していました」と連絡が来る体験は、購入者にとって大きなストレスとなります。なかでもギフト需要や、特定の日に必要な商品(イベント品・季節品)であった場合には大きな不信感を与えてしまうかもしれません。SNSや口コミサイトにネガティブな評価を書き込まれ、ブランド全体のイメージが損なわれるリスクもあります。

業務効率の低下と対応コストの増加

欠品が発生すると、通常業務にはないイレギュラーな作業が大量に発生します。

欠品により発生する主な対応コスト

  • お詫びメール・電話対応
  • キャンセル処理および返金手続き
  • 急ぎの個別スポット仕入れや代替品手配
  • 追加の物流費負担

これらの対応に人員や時間が割かれると、現場が疲弊し、他の正常な注文処理まで遅延するという悪循環に陥る恐れがあります。

欠品を防ぐための5つの実務的対策

欠品を完全にゼロにすることは困難ですが、適切な管理と仕組み化によって発生率を大幅に下げることは可能です。ここでは実務で使える5つの予防策を紹介します。

1. 適正在庫(安全在庫)の算出と設定

欠品を防ぐ基本は、需要の変動や納品の遅れを見越した「安全在庫」を正しく算出し、維持することです。安全在庫は以下の計算式で求めることができます。

安全在庫を求める計算式

安全在庫数 = 安全係数 × 需要変動の標準偏差 × 調達リードタイム + 発注間隔

過去の販売データから季節変動やトレンドによる需要の振れ幅を分析し、理論に基づいた最低保持量を定めておきましょう。


【関連記事】
安全在庫とは?計算方法・適正在庫との違い、メリットとデメリットをわかりやすく解説

2. 発注点の見直し

在庫数がいくらまで減ったら追加発注をかけるかという基準を「発注点」といいます。

リードタイム(発注から自社倉庫に納品されるまでの日数)を考慮せずに発注を行うと、商品が届く前に在庫が底をついて欠品してしまいます。発注点は、以下の計算式で求めることができます。

発注点を求める計算式

発注点 = (1日あたりの平均出荷量 × リードタイム) + 安全在庫

適切な発注点を算出し、自動的に発注アラートがかかる仕組みを検討しましょう。

3. 在庫管理システムによるリアルタイムでの情報共有

自社ECサイト、楽天市場、Yahoo!ショッピング、実店舗など複数の販売チャネルを展開している場合、ある店舗で売れた情報が他の店舗に反映されるまでにタイムラグがあると「売り違い(実在庫がないのに受注してしまう現象)」による欠品が発生します。

複数店舗の在庫をリアルタイムで一元管理できる「在庫管理システム(LANチェインや一元管理ツール)」を導入し、手動更新によるミスをなくすことが不可欠です。

4. 定期的な棚卸による理論在庫と実在庫のズレ解消

データ上の数値(理論在庫)と、実際の倉庫内にある数(実在庫)がズレていると、「システム上は在庫ありと表示されているのに現場には品物がない」という欠品が発生します。

このような「棚卸差異」を防ぐために、月1回や四半期に1回の定期棚卸はもちろん、日常的に特定の商品群を抜き打ちでカウントする「循環棚卸」を取り入れ、データ精度を常に高く保ちましょう。

5. 供給元とのリードタイム・供給体制の共有

自社内だけでなく、商品の仕入れ元(サプライヤー)との密な連携も重要です。

セール期間や大型連休、テレビ放映などで一時的に需要が急増することが予測される場合は、あらかじめサプライヤーに販売計画を共有(内示)し、先方での原材料不足や製造遅延が起きないよう事前に供給体制を確保しておきましょう。

まとめ

欠品とは、注文や需要に対して必要な商品在庫が不足し、納品や出荷を行えない不全状態を指す言葉です。

「在庫切れ」が購入者や売り場視点の言葉であるのに対し、「欠品」は主にサプライチェーンや社内・取引先(BtoB)でのコミュニケーションで用いられます。顧客向けの案内では「在庫切れ」や「入荷待ち」といったわかりやすい表現を選び、万が一欠品が発生した際は迅速かつ誠意を持ったお詫びとスケジュール提示を行うことが大切です。

また、欠品は売上の機会損失や顧客からの信頼失墜を招く大きな原因となります。安全在庫や発注点の設定、在庫管理システムの活用など、日頃の在庫管理フローを見直し、欠品を未然に防ぐ体制を整えていきましょう。

よくある質問

「欠品」と「在庫切れ」はどう使い分ければよい?

「受注や出荷に対して必要な在庫が不足している状態」を意味する「欠品」は、主にサプライチェーンや社内業務、取引先(BtoB)との会話で用いられます。一方、店舗やECサイトの棚に商品がない状態を指す「在庫切れ」は、購入者あるいは顧客視点(BtoC)の言葉です。取引先への報告には「欠品」、お客様へのご案内には「在庫切れ」と使い分けるのが適切です。

詳しくは、記事内の「【場面別】「欠品」と「在庫切れ」の適切な使い分け事例」をご覧ください。

欠品が発生してしまった場合、顧客にはどう連絡すべき?

注文後に欠品が判明した場合は、迅速かつ誠意を持ってお詫びすることが最優先です。その際、単に欠品を伝えるだけでなく「次回入荷の予定時期」を明記するか、再入荷がない場合は「代替商品の提案」や「丁寧なキャンセル・返金案内」を添えましょう。透明性のある対応を心がけることで、顧客の不信感を最小限に抑えることができます。

詳しくは、記事内の「再入荷予定がある場合とない場合の顧客対応」をご覧ください。

欠品を防ぐための対策は?

適切な管理と仕組み化によって、欠品の発生率を大幅に下げることは可能です。具体的には、以下のような対策が考えられます。

  • 適正在庫(安全在庫)の算出と設定
  • 発注点の見直し
  • 在庫管理システムによるリアルタイムでの情報共有
  • 定期的な棚卸による理論在庫と実在庫のズレ解消
  • 供給元とのリードタイム・供給体制の共有

詳しくは、記事内の「欠品を防ぐための5つの実務的対策」をご覧ください。

freee在庫管理の詳細を見てみる

今なら30日間無料でお試し可能
登録はメールアドレスのみ