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試験に合格しても税理士として働けない!?税理士登録の手続きとは?

公開日:2020/02/28
最終更新日:2020/02/28

税理士試験に合格したら、すぐに税理士として仕事開始…というわけにはいきません。税理士法では、「税理士登録」の手続きをしないと、税理士の肩書で仕事をすることはできないと定められているのです。

では、税理士登録とはどのようなもので、登録しないとどうなるのでしょうか。今回は、税理士登録の手続きの流れや、税理士登録をするメリットなどについてご紹介します。

試験に合格しても税理士として働けない!?税理士登録の手続きとは?

目次

税理士登録とは?

税理士法では税理士として仕事をするためには、税理士資格のほかに、全国の税理士会と日本税理士会連合会への登録が必要と決められています。税理士資格の取得には、税理士試験に合格または試験免除者であることが必要で、さらに租税か会計に関する事務経験が2年以上ないと有資格者になれません。さらに、税理士登録をしなければ、税理士と名乗ることはできないのです。
なお、税理士登録をするためには、登録手数料や登録免許税などを納め、「登録申請書等必要な書類」を提出する必要があります。

税理士登録しないとどうなる?

税理士登録に必要な書類は人によって書類が異なり、少なくとも10種類以上用意しなければなりません。書類の数が多く書き方も複雑なため、税理士登録の手続きを面倒に感じる人もいるでしょう。
最近では、税理士登録をするメリットを感じられず、登録手続きを済ませていない未登録税理士が増えてきているようです。
では、税理士試験に合格しても税理士登録をしない場合、どのようなことになるのでしょうか。

税理士の独占業務ができない

税理士には、税理士法で定められた独占業務があります。税理士登録をしていないと、税理士として正式に認められたわけではないため、税務代理や税務書類作成、税務相談といった独占業務が行えません。
未登録でも、税理士法人に定められた独占業務以外の仕事をすることはできますが、登録税理士とは仕事の範囲が異なるため、給与に差が生じることもあるでしょう。

独立開業ができない

税理士登録を済ませないと、税理士という肩書が得られないため、税理士として独立開業することはできません。最近では、大手の税理士事務所で「税理士(未登録可)」という求人を見るようになりました。税理士の知識を活かして、税理士の独占業務以外の仕事をすれば、特に税理士登録にこだわらない人も増えているようです。しかしながら、税理士事務所の開設という選択肢が得られないのはデメリットといえるでしょう。

税理士登録するために必要なもの

では、税理士登録はどのような手続きをしたらいいのでしょうか。登録の際には提出する書類がたくさんあり、まとまった費用も必要です。事前にしっかり調べて、余裕を持って準備することが大切です。

税理士登録に必要な書類

税理士登録に必要な書類は、日本税理士会連合会のウェブサイトで紹介されているほか、各地の税理士会の窓口で手引書をもらうことができます。
ここでは、税理士登録に必要な書類のうち、すべての申請者にあてはまる書類をご紹介します。

■税理士登録に必要な書類

書類の名称 概要 入手方法
税理士登録申請書 登録申請情報を記載する
(正本1通、副本4通必要)
税理士会でもらうか、税理士会のウェブサイトでダウンロード
資格を証する書類 税理士試験合格証書や特別税理士試験合格証書のコピーなど 保管している合格証書をコピー
登録免許税領収証書
(6万円分)
特殊法人(税理士会など)に登記する際にかかる 銀行・郵便局などの金融機関で納付することで発行
顔写真 税理士証票に貼付される 写真館など
住民票の写し コピー不可、マイナンバーの記載のないもの 役所の窓口など
身分(身元)証明書 成年被後見人、被保佐人とみなされる者および被補助人に該当しないことを証明するもの 本籍地の市区町村役所の窓口など
履歴書 税理士会指定の様式
(税理士登録までの履歴を記載)
税理士会でもらうか、税理士会のウェブサイトでダウンロード
誓約書 税理士会指定の様式
(税理士法の欠格事項に該当しないことを誓約する)
税理士会でもらうか、税理士会のウェブサイトでダウンロード
はがき 税理士会所定のはがき
(宛先に自宅住所を記載する)
税理士会でもらう
直近2年分の確定申告書のコピーか、
住民税の(非)課税(所得)証明書
適正な申告納税を行っているか確認するもの 役所の窓口など

このほかに、税理士事務所に税理士として就職する場合や、登録後に開業する場合など、人によって必要な書類は異なります。しっかり確認してそろえましょう。

税理士登録に必要な費用

税理士登録の際には、さまざまな費用がかかります。登録する税理士会によって金額は異なりますが、少なくとも20万円以上はかかるとみておいたほうがいいでしょう。
税理士会は各地域にあり、支部会もあります。複数に登録することも可能ですが、その場合は税理士会ごとに入会金や年会費がかかります。

▼各種費用一覧

  • 日本税理士会連合会の登録料:5万円
  • 登録免許税:6万円
  • 登録時研修費用:5,000円程度(入会する税理士会によって異なる)
  • 税理士会入会金:4万~5万円程度(入会する税理士会によって異なる)
  • 税理士会年会費:7万~10万円程度(入会する税理士会によって異なる)
  • 会館建設費(拠出金):2万円程度(入会する税理士会によって異なる)

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税理士登録のスケジュール

税理士登録は、書類を提出してから登録までに、最短でも3ヵ月程度時間がかかります。より詳しいスケジュールについて見ていきましょう。

1. 申請書類の準備

提出する書類は数が多く、役所で取り寄せる必要がある書類もありますので、準備期間を1ヵ月程度と見積もっておくといいでしょう。
申請書類は税理士会のウェブサイトで確認でき、ダウンロードできるものもあります。税理士会に直接受け取りに行くと、「税理士 登録・開業の手引」という冊子をもらうことができます。窓口で書き方の質問などもできるため、疑問がある場合は足を運ぶことをおすすめします。

2. 税理士会に提出

必要書類をそろえたら、税理士会に行って提出します。郵送や代理人の提出は認められません。

3. 税理士会による面接と審査

書類の提出後は、税理士会で審査が行われます。審査は税理士会の支部での面接、税理士本会登録調査委員会での書類調査、日本税理士会連合会・登録調査部会での書類調査の3つがあります。
面接については、書類を提出した日の翌月に日時と場所が記載されたはがきが送られてくるため、確認しておきましょう。面接では、主に以下のようなことが聞かれます。

▼面接の質問内容

  • 税理士登録の動機
  • 前職を辞めた理由
  • 事務所はどんなところか
  • 今後、税理士としてどういった業務を行いたいか

なお、税理士本会登録調査委員会、日本税理士会連合会・登録調査部会の調査は提出書類で行われるため、申請者が対応することは特にありません。

4. 交付式

面接の翌月、税理士登録の完了を伝えるはがきが届きます。また、税理士証票交付式のお知らせも郵送で届きます。税理士証票交付式では、税理士法の解説や税理士として活動していくにあたっての諸注意などを聞くことができます。税理士証票や税理士バッジなどは、税理士証票交付式に出席しないともらえないため、必ず出席しましょう。

なお、交付式では印鑑証明が必要なので、印鑑登録が済んでいない人はそれまでに準備しておく必要があります。

5. 登録時研修

税理士登録が完了したら、登録時研修を受ける必要があります。登録時研修は税理士の業務の改善進歩と資質の向上を目的として、1年以内の税理士を対象として実施されます。研修は3日間連続で行われ、内容は税理士法や税理士の責任の重さ、会社法などについてです。

税理士登録して、税理士として活躍しよう

税理士登録しなくても税理士法人などに就職することはできますが、税理士の肩書で仕事をすることはできません。これから税理士を目指す人も、税理士試験に合格したばかりの人も、税理士登録するメリット・デメリットを考慮して、登録するかどうかを判断してください。
税理士登録するためには、手間と費用がかかりるため、税理士登録freeeなどのパソコンで簡単に書類作成ができるツールのご利用がおすすめです。登録すると決めた場合は、余裕をもってスケジュールを組みましょう。

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