年商100億円超、国内最大級の拠点数を誇るプライマリケアクリニックを少数精鋭で支えるバックオフィス体制 freee会計を活用し「勤務医が輝く未来」を実現へ

CAPS株式会社 コーポレート部門 部門長 工藤隆威朗さん

課題
経理の一元化でグループ企業を管理複数人・複数拠点で経理データを共有

「キャップスクリニック」を運営する医療法人社団ナイズを、クリニックチェーンマネジメントとして支援するCAPS株式会社。関東1都3県や大阪に38拠点にものぼる施設数は、クリニックチェーンとして日本最大級の規模であり、他に類を見ません。


そのほか、健康経営支援事業やヘルスケア事業を展開し、2024年度の売上は95億円、2025年度には120億円を見込むなど急成長を遂げています。さらに、グループの従業員数は2025年4月に1000名を超えました。2025年度には10拠点の開院を予定するなど成長著しいなか、バックオフィスの効率化にも積極的に取り組んでいます。


2023年からコーポレート部門部門長を務める工藤隆威朗さんに、医療業界におけるfreee会計の活用方法や導入の効果、freeeに期待していることなどを伺いました。


1拠点につきバックオフィスの人員は1名まで 医療の質向上につながる効率化の徹底

――まずは、御社の事業について概要を教えてください。


工藤隆威朗さん(以下、工藤): 当社は「キャップスクリニック」を運営する医療法人社団ナイズを、クリニックチェーンマネジメントとして支援しております。支援先では、共働き世代にフィットするクリニックとして、患者様と向き合ってきました。


2024年度末で38拠点構えていますが、成長・拡大を続けており、2025年度は10拠点を開院予定です。

CAPS株式会社 キャップスクリニック 代官山T-SITE


――まさに急成長中ですが、バックオフィスの運営はどのように行っているのでしょうか?

工藤: CAPSグループは「世界中の幸せの総量の最大化」というビジョンを掲げており、これを実現するためには、少数精鋭のバックオフィス運営が欠かせません。


ご存じの通り、医療費は国民健康保険・社会保険といった相互扶助で賄われています。選ばれるクリニックとして、地域貢献を大切にしつつ、限られた社会資源を最大限有効活用するべく、効率経営を行うことが経営上重要になってきます。


そのため、freeeなどのSaaSの力を活用しながら、バックオフィスの業務を効率化し、少ない人員でもノンストレスで効率的な環境を作ることが大切です。そして、そうした環境があるからこそ、医療の質を高めることに専念でき、患者様に必要な医療が届けられると考えています。

――少数精鋭とのことですが、具体的にはどのくらいの人数をバックオフィスに割いているのでしょうか?

工藤: 組織が拡大するなか、コーポーレート部門は1拠点につき最大1名と決めて増員しています。今後もより効率化できるようなら、バックオフィスメンバーの比率を落としていきたいですね。


どこからでもアクセスできる自由さを持ちつつ、常にアップデートすることでいつまでも未完成な部分がある不自由さも兼ね備えているSaaSですが、その都度、最適なツールを選定し、より良い経営ができる方法を模索していくことが大切ではないでしょうか。


CAPS株式会社


誰もが使いやすいと感じるUIが魅力 税理士や会計士との連携もスムーズに

――freee会計は、いつから導入されているのでしょうか?

工藤: 私が着任した2023年にはすでに活用されており、2015年に導入されていました。しかし着任当時は、freee会計によって透明な会計は確保されていましたが、オペレーションは属人化が進んでおり、ブラックボックスとなっているフローも多く、リスクを感じておりました。


――現在は、どのようにfreee会計を活用いただき、改善されているのでしょうか?

工藤: CAPS株式会社の経理責任者は両法人の閲覧が可能で、財務担当者も支払い状況を見ながら管理しています。必要な人間やチームが、必要な時に会計情報を見ることができ、管理できる体制が整えられたことが一番の改善点ですね。


freee会計は、会計にそこまで詳しくなくても、直感的に操作できる設計なのが大きな魅力です。本来、経理・財務には専門知識が欠かせないわけですが、freeeの場合は未経験の人もなじみやすく、シンプルで次にやるべきことが明確。どんな人でも、苦手な感覚なく進められます。組織の成長にあわせて、効率的に経営を進めていくうえでありがたく感じています。


また、外部の税理士や会計士の方にアカウントを付与することで連携できたのも良かったです。誰もが使えるツールだからこそ、これらの連携がスムーズに実現できました。

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――freee会計を使い続ける理由はどこにありますか?

工藤: アップデートし続けて利便性の向上が期待できるので、使い続けているのだと思います。特にAPI連携は、日々追加されており、連携できるアプリやツールが増えているので、今後も楽しみにしています。


医療業界のバックオフィスは、一般企業とは別の会計ルールで動くこともあるため、独自にカスタマイズしたエクセルで管理するなど、まだまだ個別対応をしなければならないケースもあります。今後、さまざまなツールとのAPI連携が可能になり、医療業界でもそのままfreee会計だけで管理できるようになると、より強固なインフラとして使い続けられると考えています。


出生数減少時代に「勤務医が輝く未来」をーーー医師が本業に集中できる環境整備をfreeeで実現

――医療業界全体で考えると、バックオフィスの効率化は進んでいるのでしょうか?

工藤: まだこれからだと考えます。世間一般の医業会計の方の働き方を見ると、皆さん忙しそうなんですよね。残業時間が数十時間にのぼると聞くこともあります。一方、当社の場合、全従業員の月あたり平均残業時間が数時間で落ち着いています。


SaaSの活用はもちろん、例えば、医業会計の方は病院に出勤する必要があるかなど、職場環境や組織形態の観点から見直すことも今後必須になってくるのではないでしょうか。


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――最後に、これからの展望をお聞かせください。

工藤: 2024年には出生数が70万人を下回り、少子化にさらなる拍車がかかることが見込まれます。今後も毎年出生率が3%ずつ減少していくと仮定すると、30年後には現在の約40%となり、小児科をはじめ、あらゆるクリニックの収入に影響が出るのではないかと考えられます。


そうした未来を見据えて、医師が患者様と向き合うことに集中できる環境整備を進めています。単にコストを削減するためのツールではなく、こうしたビジョンを実現するためのバックオフィスのインフラとして、freee会計が今後も価値を発揮することを期待しています。


(執筆:つるたちかこ 撮影:塩川雄也 編集:ノオト)

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