確定申告直前対策!よくある質問20選 に税理士がお答えします!

確定申告直前対策!よくある質問20選 に税理士がお答えします!

今年の確定申告は2月16日から3月15日。
「まだ1ヶ月以上あるな〜」なんて思って油断していると直前で慌てることになりがちです。ご経験のある方も多いのでは?


そこで今回は、フードデリバリーのWoltから協力を得て制作したWeb番組をご覧になった方から届いた質問を、動画にも出演頂いた税理士の金子先生にぶつけてみました!

配達系フリーランスの方はもちろん、そうでない方にとっても、この確定申告直前シーズンに「そういえばアレってどうしたらいいんだっけ…?」を解決できるいい機会になると思います。


ではどうぞ!

確定申告ビギナーの方から多かった質問

まずは「確定申告ビギナー」の方から届いた質問です。今年が初めての確定申告という場合、分からないことが多いですよね…。そんな皆さんの疑問、質問を動画にも登場していただいた税理士の金子先生に回答して頂きます!


質問:2022年10月から個人事業主としての仕事を始めました。それ以前の給与収入などは申告対象ですか?回答:はい。申告対象です!

解説: 確定申告は原則として年間全ての収入を申告する必要があります。そのため、個人事業主としての収入・所得はもちろん、給与所得も含めて申告する必要があります。freeeなら給与の申告も簡単にできますよ!


質問:開業届を提出していません。必ず必要ですか?回答:提出義務はありませんが、できれば出しておきましょう

解説: 開業届は開業したことを税務署に知らせるためのもの。提出をしなくても確定申告をすることができます。
ただし、最大65万円控除などメリットの大きい「青色申告」をするには「青色申告承認申請書」とともに提出が必須となっています
また、いつ開業して事業を開始したのかが明確になるため、税務署とのトラブル回避のためにも提出のがおすすめです。


freeeなら無料で開業届も青色申告の申請書も作れます



質問:領収書の保存って、どうすればいいですか?回答:写真に撮ってfreeeで保存すれば紙は破棄できるので便利です!

解説: 領収書の保存について法律で決まった方法があるわけではないので「紛失しない」「必要な時にいつでも取り出せる」の2つを満たす方法であれば何でもかまいません。
そのため、クリアファイルやジップロックなどに年度ごとにまとめて保管するような方法でもOKですが、おすすめはデータ保存です。
freeeを利用するとスキャナやスマホカメラで撮影するだけで電子帳簿保存法にも対応したデータにすることができるため、紙の領収書を破棄することもできます

参考:freeeヘルプセンター「レシート類をスマホのカメラで取り込む」


質問:まだ事業を始めたばかりで、2022年は10万円ほどしか稼ぎませんでした。確定申告は必要ですか?回答:必要ありません!

解説:
それ以外に収入がないのであれば税金が発生しませんので不要です。ただし、赤字が出ている場合は青色申告をすれば損失を翌年に繰り越すことができるので、青色申告をおすすめします。


質問:昨年まで簡易帳簿で青色申告(10万円控除)でした。今年から55万円または65万円控除の青色申告に変えられますか?回答:複式簿記で記帳すればできます!

解説: 55万円や65万円の控除を受けられる青色申告をするには、複式簿記で記帳することなど条件が付加されています。
自力で複式簿記をするのは難しいですが、freeeを使って日々の経理作業をしていれば問題ないはずです。ぜひ活用してみてください!
ちなみに、青色申告をするには「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出して承認を受ける必要があります。今年の3月15日までに提出すれば、皆さんも来年は青色申告ができますよ。


経費関係の質問

確定申告とは、ざっくり言うと「稼いだ金額(収入)から経費を引いて、所得を確定させるため」の手続きです。
そのため、適切に経費を申告することがとても重要になってきます。ここからは、そんな経費に関する質問をまとめてみました。


質問:クレジットカードを1枚しか持っていないので、freeeにプライベートでの出費も表示されます。どう処理すればいいでしょうか?回答:おすすめは「事業用カード」を持つこと。

解説:大きく分けると3つの方法があります。
① freeeで支出の登録をする際に「事業主貸」に振り分けると、それは経費ではなく「プライベートの出費」として処理されます。よく使うコンビニ、スーパー、ECサイトなどの店名をキーワードに自動で「事業主貸」に振り分けられる自動登録ルールを作ると便利です。

参考:freeeヘルプセンター「明細の自動登録ルールを設定する」


② 今持っているクレジットカードを事業専用にし、プライベートの支払いはバーコード決済やICカードなど他の方法にすると簡単に区別できます。


③ おすすめは、もう1枚クレジットカードを作ることです。freeeからもクレジットカード(freeeカード)を作ることができますし、事業用とプライベートでクレジットカードを使い分けるといいでしょう。

質問:個人ではクレジットカードを持っておらず、代理で家族に決済してもらっています。この明細を経費とすることはできますか?
              回答:同一生計であれば、事業経費を計上することができます!

解説:ご自身でクレジットカードを持っていない場合、ご家族に代理で事業用の経費を決済してもらうことがありますよね。その場合、そのカードを持っているご家族の方が同一生計(同居しているなど)であれば、経費として計上することができます。


質問:自動販売機や切符など領収書が残らない経費を申請して税務署から指摘されませんか?回答:されません!

解説:税務署側も領収書が発行されないことは分かっていますので、心配ありません。ただし、金額が大きくなると細かく聞かれる可能性もあるため、freeeに登録する際に備考欄に内容(切符なら「A駅からB駅、○○さんとの打ち合わせ」など)を記録しておくと、さらに安心です。


質問:紛失してしまった領収書を経費化したいのですが…回答:できます!

解説:領収書がなければ経費にならないというルールはないので、経費計上しても大丈夫です。ただし、税務署から指摘があった場合に答えられるように、何に使った金額なのか、freeeに記録を残しておきましょう。


質問:運び方の参考にするため、加盟店の商品を自費�でフードデリバリーしてもらいました。これは経費にできますか?回答:できます!(が、節度を守って)

解説:配達の質を上げるために研究しているということですね。であれば「研究費」などの勘定科目で経費化できます。
ただし、同じお店で繰り返し購入していたり、似たようなメニューを何度も注文してたりする場合、プライベートの食費と判断されてしまう可能性もありますので、節度を守ってくださいね。

副業関係の質問

ここまで「確定申告ビギナーの方からの質問」「経費関係の質問」を取り上げてきました。次は「副業関係の質問」です。
配達系フリーランスに限らず、いまは会社員と個人事業主を兼ねている方、多いですよね。そんな方々からの質問に答えていきます!


質問:年末調整と確定申告の違いは?回答:所得が「お給料だけ」の人は年末調整だけでOK!

解説:会社員やアルバイト、パートなどでお給料をもらっている人が、その分だけで税金の計算をするのが「年末調整」です。
一方、「確定申告」はお給料以外の収入を持っている方は基本的に全員が必要となります。


質問:会社員としても、個人事業主としても、自分で所有している軽トラックを配達で使っています。この場合、トラックにかかる経費はどう経費申告すればいいですか?回答:個人事業主として使った割合で「家事按分」をします。

解説:軽トラックに限らず、自転車や自家用車をプライベート、会社、個人事業で共用している方は多いですよね。その場合は個人事業で使っている割合で「家事按分」をし、その分だけを経費として申告することができます。
家事按分について詳しくは、前の記事で解説しているのでぜひご覧ください!


質問:会社に副業がバレないように確定申告することはできますか?回答:バレにくくできます!(でもできれば許可をとりましょう)

解説:基本的には会社のルールにしたがって副業をするのが望ましいですが…、もし何かの事情で会社に副業をしていることがバレると困るという場合は確定申告の際に、住民税の徴収方法を自分自身で納付する「普通徴税」にするとバレにくいです。
ただし「絶対にバレない」というわけではないことに注意してください。


質問:配達以外の仕事もしていて、そちらが赤字になりました。配達での利益で赤字を相殺できますか?回答:雑所得かそうでないかがポイントです。

配達以外の仕事も個人事業として扱われる場合は、すべて合算して計算するため計算上、赤字が相殺されることになります。
ただし、もし配達以外の仕事が「雑所得」として扱われる場合は相殺できません。
「事業所得か、雑所得か」は一言で解説できないほど複雑ですので、気になる方はfreeeの解説ページをご覧ください!

参考:雑所得とは? 雑所得の計算方法や必要経費になるものを理解して確定申告をしよう

そのほかの質問

では最後に、ここまでの「確定申告ビギナー向け」「経費関係」「副業関係」のいずれにも当てはまらない「そのほか」の質問に回答します!
実際に確定申告をしようとすると、細かなことに気付くことも…
あなたの疑問、ここで解消できるかもしれません。


質問:ふるさと納税をした場合、freeeではどのように処理できますか?回答:確定申告書作成画面で簡単に入力できます!

解説:freeeではスマホからも確定申告書を作成することができ、その中で簡単に処理できます。スマホから確定申告をしている様子は、こちらの動画をぜひご覧ください!



質問:配偶者の扶養範囲内で個人事業をしたいのですが、その場合も「103万円の壁」があるのでしょうか?回答:「売上 – 経費 – 青色申告特別控除 = 48万円以下」ならOK!

解説:個人事業主の場合は、一般的に言われる「103万円の壁」は関係なく、「売上(収入) – 経費 – 青色申告特別控除 = 48万円以下」であれば配偶者控除を受けることができます。
気になる社会保険の扶養に入れるかどうかは、配偶者が加入している健康保険組合の判断に委ねることになります。

質問:バイト代を支払って手伝ってもらっている人がいます。そのバイト代はどのように処理すればいいですか?回答:「雇用」しているか「業務委託」しているかで対応が違います。

解説:基本的な考え方として、あなたがそのアルバイトの方にどのくらい「管理・監督・指示」をしているか、が判断の分かれ目となります。
明らかに業務について細かな管理・監督・指示をしているのであれば支払っている報酬は「給与」となり、源泉徴収の処理が必要です。
逆に、アルバイトの方が自由に、自分の裁量で仕事をしているのであれば、それは「業務委託」とみることができます。請求書を発行してもらい、支払いを行うことになります。この場合、源泉徴収は基本的に不要です。
給与の支払いと源泉徴収については、かなり細かな説明が必要になるので該当する方は参考ページをご覧ください!

参考:経営ハッカー「アルバイトの人の源泉徴収についてわかりやすく解説」

質問:配達での収入以外に年金を受け取っています。どのように処理すればいいですか?回答:「雑所得」で処理できます!

解説:年金は「雑所得」として扱われ、個人事業主としての収入とは別に処理することができます。freeeで確定申告書を作成する際に「年金などの収入はありますか?」という項目があるので、そこで金額を入力すればOKです。