勤怠管理とは、企業が従業員の始業・終業時刻、休憩時間、休日取得状況などの「就業状況」を正確に把握し、適切に管理することです。企業が必ず行わなければならない法的な義務であり、労務・人事担当者にとってもっとも基本的かつ重要な業務のひとつです。
昨今では「働き方改革」に伴う法改正や、「未払い残業代」「過労死問題」への社会的関心の高まりにより、今まで以上に正確で客観的な勤怠管理が求められています。
本記事では、そもそも勤怠管理とは何かという基礎知識から、法律で定められた義務の内容、管理すべき具体的な項目、そして業務を劇的に効率化する方法について分かりやすく解説します。
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目次
- 勤怠管理とは
- 勤怠管理が企業に求められる理由
- 労働基準法および労働安全衛生法による義務
- 従業員の健康確保と過重労働の防止
- 正しい給与計算とトラブル回避
- 勤怠管理を行うべき事業所と対象者
- 勤怠管理が必要な事業所
- 勤怠管理の対象となる従業員
- 勤怠管理で管理すべき具体的な項目
- 勤怠管理を行う3つの方法
- 1. タイムカード・紙の出勤簿による管理
- 2. エクセル(Excel)での自己申告管理
- 3. 勤怠管理システム(クラウド・ICカードなど)による管理
- 勤怠管理を行う際の注意点
- テレワーク・在宅勤務では実態把握のためのルール徹底が必要
- 扶養内勤務の希望者には「年収の壁」を超えないシフト調整が必要
- 勤怠記録は原則5年間の保管が必要
- 勤怠管理をカンタンに行う方法
- まとめ
- よくある質問
勤怠管理とは
勤怠管理とは、企業が従業員の始業・終業時刻、休憩時間、休日取得状況などの「就業状況」を正確に把握し、適切に管理することです。
これは単に出勤簿をつけるだけでなく、労働基準法などの法令を遵守し、従業員の健康を守りながら、適正な賃金を支払うための基盤となる業務となります。
従業員数が数名のうちは手書きやエクセルでも対応可能ですが、人数が増えるにつれて計算ミスや管理の手間が膨大になります。そのため、タイムカードやICカード、クラウドシステムを用いた勤怠管理システムを導入するのが一般的です。
勤怠管理が企業に求められる理由
企業が勤怠管理を行わなければならない背景には、大きく分けて「法的義務(コンプライアンス)」と「従業員の健康管理」の2つの側面があります。
労働基準法および労働安全衛生法による義務
労働基準法では、「使用者は、原則として1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけない」と定められています。また、時間外労働(残業)を行う場合も上限規制があります。
さらに働き方改革関連法の施行によって、2019年4月から「客観的方法による労働時間の把握」が労働安全衛生法において義務化されました。
これにより、企業は以下の対応が必須となっています。
- タイムカードやICカード、PCの使用時間の記録など、客観的な方法で労働時間を把握すること
- 把握した記録を5年間(当分の間は3年間)保存すること
従業員の健康確保と過重労働の防止
勤怠管理は、従業員の働きすぎを防ぐためにも不可欠です。労働時間を正確に把握できていなければ、長時間労働による健康被害や過労死といった重大なリスクを見逃すことになります。
従業員の労働時間を適正に管理し、心身の健康を維持することは、企業の安全配慮義務の一環でもあります。
正しい給与計算とトラブル回避
残業代は、1分単位で計算するのが原則です。勤怠管理がずさんだと、残業代の未払いが発生し、労使トラブルや訴訟、是正勧告などのリスクも高まります。
勤怠管理の適切な運用は、会社が法律を守っている(コンプライアンス遵守)という証明になり、従業員との信頼関係構築や、企業の社会的信用を守ることにもつながります。
勤怠管理を行うべき事業所と対象者
勤怠管理を行うべき事業所と対象者について説明します。
勤怠管理が必要な事業所
原則として、従業員を一人でも雇っているすべての事業所において勤怠管理が必要です。
労働基準法の適用除外となる一部の業種(天候等に左右される農業・水産業など)を除き、ほとんどの企業が対象となります。
勤怠管理の対象となる従業員
正社員だけでなく、パート、アルバイト、契約社員など、雇用形態に関わらずすべての労働者が対象です。
なお、部長や工場長などの管理監督者は、労働基準法上の労働時間・休憩・休日の規定は適用されません。ただし、労働安全衛生法にもとづく健康確保のための労働時間把握は義務となります。管理職だから勤怠管理は不要というわけではありませんので、注意が必要です。
勤怠管理で管理すべき具体的な項目
「労働時間を適正に管理する」とは、具体的にどのような項目を記録すればよいのでしょうか。厚生労働省のガイドライン等に基づき、主に以下の項目を管理する必要があります。
- 始業・終業時刻
- 労働時間(実働時間)
- 休憩時間(休憩を取得した時間数)
- 時間外労働・休日労働時間(残業や休日に働いた時間数)
- 深夜労働時間(22時から翌5時までの労働時間数)
- 出勤日・休日(実際に働いた日と休みの日)
- 有給休暇の取得状況(年5日の取得義務への対応など)
これらの記録をもとに、給与計算や36協定の遵守状況の確認を行います。
勤怠管理を行う3つの方法
厚生労働省のガイドラインでは、原則として「使用者自らの現認(確認)」または「客観的な記録」による管理を求めています。ここでは、主な3つの方法を紹介します。
1. タイムカード・紙の出勤簿による管理
タイムカードや紙の出勤簿による勤怠管理は、従来からある一般的な方法です。導入コストが安い反面、以下のデメリットがあります。
- 集計作業(手計算・エクセル入力)に膨大な時間がかかる
- 打刻漏れや不正打刻のリスクがある
- リアルタイムで残業時間を把握できない
2. エクセル(Excel)での自己申告管理
エクセル(Excel)を利用した勤怠管理は、PCで対応可能のためコストはかかりません。たとえば下記のように従業員が出勤簿をつけて、会社に提出します。
ただし、この方法は手作業による管理のため入力ミスが起きやすく、法改正への対応(計算式の修正など)も担当者の負担となります。
また、自己申告制となるため客観的な記録としては弱く、実態と乖離しないよう厳格な運用ルールが必要です。
3. 勤怠管理システム(クラウド・ICカードなど)による管理
PCやスマホ、ICカードなどで打刻し、勤怠データを自動で集計・管理する方法です。集計から給与計算への連携を自動化できるうえ、法改正の際もシステムが自動で対応します。なかには、過重労働を未然に防ぐための「リアルタイムアラート機能」を備えたシステムもあります。
導入コストがかかるという注意点はありますが、集計ミスの防止や工数削減といった業務効率化の効果が大きく、費用対効果は見合うケースがほとんどです。
勤怠管理を行う際の注意点
ここでは、勤怠管理の担当者が注意すべき点について解説します。
テレワーク・在宅勤務では実態把握のためのルール徹底が必要
テレワークでは上司の目が届かないため、隠れ残業や中抜けの管理が課題になります。クラウド型の勤怠管理システムなど、オンラインで正確にログが取れるツールの活用や、メールでの始業・終業報告などのルールづくりが必要です。
扶養内勤務の希望者には「年収の壁」を超えないシフト調整が必要
アルバイトやパートの従業員の場合、扶養控除の対象内での勤務を希望するケースもあります。扶養控除には、所得税の支払いが発生する123万円の壁や、扶養から外れて社会保険への加入が必要となる130万円の壁など、年収によって扶養控除の条件が異なってきます。
管理者は従業員の希望をヒアリングし、勤務日数や時間を調整する必要があるでしょう。
勤怠記録は原則5年間の保管が必要
2020年の労働基準法改正により、出勤簿やタイムカードなどの勤怠記録の保存期間は、原則5年(当分の間は3年) と定められています。紛失しないよう、確実に保管・バックアップできる体制が必要です。
勤怠管理をカンタンに行う方法
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まとめ
勤怠管理は、企業のコンプライアンス遵守と従業員の健康を守るための重要な義務です。 対象者は原則として全従業員であり、労働時間や休憩、休日などを客観的に記録・保存する必要があります。
手書きやエクセルでの管理に限界を感じている場合は、勤怠管理システムの導入を検討し、効率的かつ正確な管理体制を整えましょう。
よくある質問
勤怠管理を行わなくても良い業種はある?
基本的に、従業員を雇うほとんどの事業所で勤怠管理が必要です。労働基準法の労働時間規定が適用されない例外的なケースとして、天候や自然条件に左右される「農業」や「水産業」などに従事する一部の職種がありますが、それ以外は必須となります。
詳しくは、記事内の「勤怠管理を行うべき事業所と対象者」をご覧ください。
管理職(管理監督者)も勤怠管理の対象になる?
管理監督者は労働基準法上の労働時間や休憩の規定は適用されませんが、「労働安全衛生法」にもとづき、健康確保の観点から労働時間を把握することが義務付けられています。
詳しくは、記事内の「勤怠管理を行うべき事業所と対象者」で解説しています。
勤怠記録(タイムカードなど)の保存期間は?
勤怠記録は、原則「5年間」の保存が必要です。ただし、法律の経過措置として当分の間は「3年間」の保存でも認められています。後から確認が必要になった場合に備え、適切に保管してください。
詳しくは、記事内の「勤怠管理を行う際の注意点」をご覧ください。
参考文献
▶︎ 厚生労働省「労働基準」
▶︎ 厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずるべき措置に関する基準」
▶︎ e-Gov法令検索「労働基準法第三十二条、第三十六条、第百九条」
▶︎ e-Gov法令検索「労働安全衛生法第六十六条の八の三」


