ChatGPTに学習させない設定方法(オプトアウト)とは?手順をわかりやすく解説


最終更新日:2026年05月19日

ChatGPTに学習させない設定方法(オプトアウト)とは?手順をわかりやすく解説

ChatGPTを業務や日常生活で利用する際、もっとも気になるのが「入力した機密情報やプライベートな内容がAIの学習に使われてしまうのではないか」という点です。

OpenAIのデフォルト設定では、ユーザーとAIのやり取りはモデルの精度向上のために再利用される可能性があります。しかし、適切な設定を行うことで、自分のデータを学習から除外するオプトアウトが可能です。

本記事では、2026年現在の最新仕様に基づき、PC・スマホでの設定手順から、履歴を残さない一時チャットの活用、さらには法人向けのセキュアな環境構築まで解説します。

目次

そもそもChatGPTの「学習」とは

ChatGPTにおける「学習」とは、ユーザーが入力したプロンプト(指示文)やそれに対する回答を、OpenAIが次世代モデルのトレーニングデータとして再利用することを指します。

AIは膨大なデータからパターンを学びますが、ユーザーの特定の記述が学習に取り込まれると、将来的に他のユーザーへの回答にその情報が反映されてしまうリスクがゼロではありません。これを防ぐための手続きがオプトアウトであり、ユーザーが「自分のデータを使わせない」と意思表示をすることを意味します。

オプトアウト設定を行うべき理由とメリット

オプトアウトを行う最大のメリットは、情報の秘匿性を高められることです。とくにビジネスシーンで顧客データや未公開の企画書、ソースコードなどを入力する場合、学習をオフにすることで、入力内容がAIの知識ベースに組み込まれることを防げます。

また、プライバシーへの意識が高い個人にとっても、自分の思考プロセスや私的な相談内容がビッグデータの一部として扱われることを回避できるため、心理的な安全性を確保しながら最新のAI技術を享受できるという利点があります。

設定オフでも運営側の閲覧がなくなるわけではない

重要な注意点として、学習をオフ(オプトアウト)にしても、OpenAI側によるデータの監視が完全になくなるわけではないという点があります。

OpenAIは利用規約違反や有害コンテンツの生成を監視するため、入力を一定期間(通常30日間)サーバーに保存し、必要に応じてモデレーターが確認できる体制をとっています。学習には使われないものの、「誰の目にも触れない」ことを保証するものではないため、極めて機密性の高い情報を扱う場合は、後述するAPI利用やEnterprise版の検討が必要です。

【デバイス別】ChatGPTに学習させない設定(オプトアウト)手順

ここでは、今すぐ実践できる具体的な設定手順をデバイス別に解説します。

PCブラウザ版とスマホアプリ版では操作画面が若干異なるため、ご自身がよく利用する環境に合わせて設定を即座に反映させましょう。

ブラウザ版(PC)の場合

PCのブラウザから設定する場合、画面左下のプロフィールアイコンをクリックし、「設定」を選択します。次に「データコントロール」の項目を開き、「すべての人のためにモデルを改善する」のスイッチをオフにします。

この操作により、以降の会話はモデルの学習に使用されなくなります。ただし、この設定をオフにすると、サイドバーに過去のチャット履歴が表示されなくなり、利便性が低下する点には注意が必要です。

スマホアプリ版(iOS/Android)の場合

スマホアプリ版でも同様の操作が可能です。アプリを開き、サイドメニューから設定(歯車アイコン)をタップします。次に「データコントロール」へ進み、「すべての人のためにモデルを改善する」をオフに切り替えます。

アプリ版の設定はアカウント単位で同期されるため、スマホでオフにすればPC版も自動的にオフになります。外出先でふと思いついたアイデアを入力する際や、音声入力機能を利用する前には、この設定が正しく反映されているか必ず確認する習慣をつけましょう。

音声データ・動画データの学習オフ設定

2026年の最新アップデートにより、テキストだけでなく、高度な音声モードやカメラ共有による動画データの扱いについても個別のコントロールが可能になりました。「すべての人のためにモデルを改善する」の「音声」セクションで、音声記録と動画記録を学習に使用するかどうかを個別に選択できます。

履歴を残さず学習も防ぐ一時チャットの活用

「設定をいちいち変えるのは面倒だが、特定の会話だけは秘匿したい」という場合に最適なのが一時チャット機能です。履歴を汚さず、かつ学習も回避できるこの便利な機能の使い方と、2026年の新機能を紹介します。

一時チャットの仕組みと通常のオプトアウトとの違い

一時チャットは、ブラウザやアプリのモデル選択メニューから切り替えられる機能です。通常のオプトアウト設定との大きな違いは、「履歴を残さないこと」に特化している点です。

通常の履歴オフ設定では、設定を戻すまで過去の履歴にアクセスできなくなりますが、一時チャットなら「このスレッドだけ」を使い捨てにできます。ウィンドウを閉じればチャット内容は消去され、当然ながら学習データとしても利用されないため、単発の作業に適しています。

なお、以前の一時チャットは、AIがユーザーの過去の好みをまったく知らない状態での会話を強いていました。しかし、2026年のアップデートにより「パーソナライズの維持」をオンにしたまま一時チャットが利用可能になりました。

これにより、ユーザーの専門用語の好みや書き方のスタイルなどは維持しつつ、会話内容そのものは履歴に残さず学習もさせないという、利便性とプライバシーの高度な両立が実現しています。

一時チャットを使うべきシーンと制限事項

一時チャットは、機密性の高いメールの添削や、一時的なコードのデバッグなど、後で見返す必要がない作業に最適です。

ただし、制限事項もあります。チャットを一度閉じると二度と復元できないため、重要な回答が得られた場合は、内容を別途保存しておく必要があります。また、長時間のセッションには向かず、一定時間が経過するとコンテキストがリセットされる場合があるため、あくまでその場限りのツールとして割り切って活用するのが賢明な判断といえるでしょう。

プライバシーポータルからの申請方法

設定画面でのオフは「これから」のデータに適用されますが、「過去に送ってしまったデータ」が気になる場合もあるでしょう。

ここでは、OpenAIのプライバシーポータルを通じた、より根本的なオプトアウト申請の手順を詳しく解説します。

設定画面でのオフとプライバシーポータル申請の違い

設定画面での「すべての人のためにモデルを改善する」オフは、あくまで「これからの会話」を学習させないための設定です。一方で、過去に学習に利用されてしまった可能性のあるデータや、自分のアカウントに紐づく情報をより根本的に管理したい場合はOpenAIのプライバシーポータルからの申請が必要です。

これは、EUのGDPR(一般データ保護規則)などに対応した仕組みで、過去のデータを学習から明示的に除外したり、データの削除を要求したりするための公的な窓口です。

申請方法

プライバシーポータルで「プライバシーに関するリクエストを行う」をクリックしてください。ここでは、アカウントに関連付けられたメールアドレスを入力し、学習からの除外を希望する旨を選択します。「私のコンテンツでトレーニングしないでください」という項目をチェックし送信しましょう。

これにより、履歴保存をオンにしたままでも学習だけを拒否することが可能です。

申請が反映されるまでの期間と確認方法

オプトアウト申請を送信した後、実際にシステムに反映されるまでには通常数日から数週間程度の時間を要します。申請が受理されると、登録したメールアドレスに確認の通知が届きます。

反映後は、たとえ設定画面で履歴をオンにしていても、そのアカウントから生成されたデータはトレーニングセットから除外される仕組みとなります。定期的にプライバシー設定を確認し、自分のステータスが「Opted Out」になっているかをポータル上でチェックすることをおすすめします。

【プラン別】データプライバシーの扱いを比較

ChatGPTには無料版から法人版まで複数のプランがあり、それぞれデータの取り扱いポリシーが異なります。自分が使っているプランのデフォルト設定を知ることは、予期せぬ情報漏洩を防ぐための第一歩です。

無料版・Plus版(個人向け)

無料版および個人向けの有料プランである「ChatGPT Plus」では、デフォルト設定でユーザーのデータが学習に利用されるようになっています。OpenAIはこれらの広範なデータを活用することでモデルの改善を行っているためです。

個人ユーザーがプライバシーを守るためには、自ら設定画面にアクセスし、手動で「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにするか、一時チャット機能を活用する必要があります。とくに「Plus」ユーザーは高性能なモデルを使う分、入力するデータも詳細になりがちなため注意が必要です。

Team・Enterprise版(法人向け)

法人向けの「ChatGPT Team」や「ChatGPT Enterprise」プランでは、標準設定で「ユーザーのデータは学習に利用されない」と明記されています。これは企業が求める高いセキュリティ水準に応えるための仕様です。

管理者が一括してセキュリティポリシーを制御できるほか、データはSOC 2 Type IIなどの厳格なコンプライアンス基準に準拠した環境で保護されます。法人が業務でChatGPTを導入する場合、個人版を使い回すのではなく、最初からこれらの法人プランを選択することがもっとも確実な漏洩対策となります。

API利用時のセキュリティ

自社システムにAIを組み込む際に利用する「OpenAI API」経由のデータは、2023年3月以降、デフォルトでモデルの学習に一切使用されない規約となっています。

これはAPIが商用利用を前提としているためで、特別なオプトアウト設定をせずとも、入力したプロンプトが外部に流用される心配はありません。独自のチャットUIを構築したり、社内ツールと連携させたりする場合、APIを利用することが技術的・規約的にももっともセキュアな選択肢といえるでしょう。

ChatGPTに学習させない設定(オプトアウト)の注意点

セキュリティを強化すれば、反面として利便性が損なわれることもあります。ここでは、オプトアウト設定を行うことで生じる不便な点や意外な落とし穴について解説します。

過去のチャット履歴が閲覧・検索できなくなるリスク

設定画面から「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにすると、サイドバーに表示されていた過去のチャット履歴がすべて非表示になります。これは、学習をオフにすることと、サーバーに履歴を恒久保存することがセットの機能として設計されているためです。

数日前に作成したドキュメントを再度編集したい、以前の議論の続きをしたいと思っても、設定がオフの間はそれらにアクセスできません。利便性とセキュリティがトレードオフの関係にあることを理解しておく必要があります。

AIの回答精度やパーソナライズ機能への影響

学習をオフにすると、中長期的な視点でのAIの成長に寄与できなくなるだけでなく、ユーザー個別の最適化(パーソナライズ)が制限される場合があります。

AIは過去のやり取りからユーザーの好みや特定の専門知識を学び、回答の質を高めますが、学習を拒否し履歴も残さない設定では、毎回の会話が「初対面」の状態に近くなります。アップデートにより一部改善されたものの、文脈を深く汲み取った高度な提案を期待する場合は、精度の低下を感じる場面があるかもしれません。

共有用リンクを作成した際のデータの扱い

ChatGPTにはチャットの内容をURLで他人に共有できる「Shared Links」機能がありますが、オプトアウト設定中であっても、リンクを作成して公開したデータは例外的に扱われる場合があります。

共有リンクを作成した時点で、その内容は公開情報として扱われ、リンクを知っている誰もが閲覧可能になります。オプトアウト設定はあくまでモデルのトレーニングを防ぐものであり、ユーザー自身が意図的に公開したデータの拡散までは防げないため、共有機能の利用には細心の注意を払いましょう。

企業が情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策

設定をオフにするだけでは、企業のセキュリティ対策としては不十分な場合があります。より強固な守りを固めるために、以下のような多角的なアプローチによる防衛策を検討しましょう。

エンタープライズ向け環境の検討

より強固なセキュリティを求める企業にとって、OpenAI社と提携しているMicrosoftの「Azure OpenAI Service」の利用は有力な選択肢です。Azureの環境内に閉じた形でAIを利用できるため、入力データがMicrosoftやOpenAIの学習に使われないことが契約で保証されています。

また、既存のAzure環境の認証システム(Entra IDなど)と統合できるため、アクセス権限の管理も容易です。金融機関や医療機関など、極めて高い機密性が求められる業界では、これがデファクトスタンダードとなっています。

社内ガイドラインの策定

技術的な対策と並んで重要なのが、従業員の意識改革とガイドラインの策定です。「オプトアウトしているから何を書いても大丈夫」という誤解を解き、それでも入力すべきではない情報(個人を特定できる情報、未公開の顧客情報、認証鍵など)を明確に定義する必要があります。

具体的なNG例をリスト化し、定期的な研修を実施することで、人為的なミスによる情報漏洩を防ぎます。AIを正しく怖がり、正しく使いこなすための文化を社内に根付かせることが、最大の防御となるでしょう。

DLP(データ漏洩防止)ツールによる自動検知の導入

従業員が誤って機密情報を入力してしまうリスクを自動的に軽減するためには、DLP(Data Loss Prevention)ツールの導入が有効です。ChatGPTへのプロンプト送信をプロキシサーバーなどで監視し、クレジットカード番号や特定の機密キーワードが含まれている場合に、送信をブロックしたり警告を発したりする仕組みです。

2026年現在は、主要なセキュリティベンダーからChatGPT専用の保護ブラウザやプラグインが提供されており、技術的な網を張ることで、ヒューマンエラーを物理的に防ぐことが可能になっています。

まとめ

ChatGPTの学習オフ(オプトアウト)設定は、現代のデジタルライフにおいて自分や自社のデータを守るための必須スキルといえるでしょう。

AIの利便性を最大限に享受するためには、まず「出口を塞ぐ」設定から始めることが肝心です。さらなる安全性の確保として、過去のデータ消去はプライバシーポータルから申請し、Azure OpenAIなどの導入も検討することをおすすめします。

よくある質問

ChatGPTに入力情報を学習させない設定はできる?

ChatGPTに学習させない設定は可能です。設定画面の「データコントロール」から「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにするか、履歴を残さない一時チャットモードを利用することで、入力内容をAIの学習用データから除外できます。

ただし、規約違反監視のためにデータ自体は30日間保存される点には留意が必要です。

詳しくは、記事内「【デバイス別】ChatGPTに学習させない設定(オプトアウト)手順」をご覧ください。

ChatGPTの無料版と有料版の違いは?

無料版とPlus版(個人向け有料版)は、デフォルトで「学習あり」の設定ですが、手動でオフにできます。一方、法人向けのTeamやEnterprise版は、標準で「学習なし」のセキュアな設定となっており、管理者が一括でセキュリティポリシーを制御できる点が大きな違いです。

詳しくは、記事内「【プラン別】データプライバシーの扱いを比較」をご覧ください。

設定変更前の過去の会話データはどうなる?

設定画面でのオフ操作は「これから」の会話にのみ適用されます。過去に送信したデータは既に学習プロセスに組み込まれている可能性があるため、それらを除外したい場合は、別途プライバシーポータルからOpenAIに対して個別にデータ削除やオプトアウトのリクエストを行う必要があります。

プライバシーポータルの申請については、記事内「プライバシーポータルからの申請方法」をご覧ください。

企業でChatGPTを安全に使うための対策は?

まずは法人向けプラン(Team/Enterprise)やAPI利用、あるいはAzure OpenAI Serviceの導入を検討してください。技術的対策に加え、入力禁止情報の定義や社内ガイドラインの策定、DLPツールの活用といった、人と仕組みの両面から対策を講じることが重要です。

詳しくは、記事内「企業が情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策」をご覧ください。

ChatGPTのメモリ機能に保存された情報は学習に使われる?

ChatGPTのメモリ機能に保存されたユーザーの好みや事実情報は、利便性向上のために保持されますが、学習オフ設定が有効であれば、その内容がモデル全体のトレーニングに使われることはありません。

ただし、特定の情報を忘れさせたい場合は、手動でメモリから削除するか、メモリ機能自体をオフにする必要があります。

GPTs(カスタムGPT)を利用した時のデータはどうなる?

GPTsとの会話も、自分のアカウント設定(学習オフ)が優先されます。ただし、GPTsの作成者が「会話データの分析」を許可する設定にしている場合、作成者側に匿名化された統計情報が渡る可能性があります。機密情報を扱う際は、信頼できる作成者のGPTsか、自社作成のもののみを利用しましょう。

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