ひと繋ぎの想いを、世界中の人々の心へ。2021年の設立以来、株式会社サーティースリーは映画・アニメ・ゲームなど幅広いエンタメコンテンツのブランドマーケティングを手がけるエージェンシーとして成長を続けています。東京とロサンゼルスの2拠点体制のもと、国内外の主要エンタメ企業をクライアントに持ち、グローバルなファンダムの創出に挑み続けています。
しかし、ヒット作の熱狂に比例して膨れ上がる業務は、時に現場で働くメンバーたちの限界を超えていました。「人が増えても整理が追いつかず、負荷に耐えきれずに辞めていく仲間もいた」と、内田様は当時の葛藤を振り返ります。
分断されたシステムによるアナログの限界を突破するため、同社はfreee人事労務と会計の統合導入を決断。さらに福利厚生やサーベイ、販売管理までを一気通貫で連携させる「全体最適」へと舵を切りました。それは、管理部が積極的に社内に効率化の動きを広めることで、会社全体の生産性を底上げしようという、同社らしい攻めの改革でした。
今回は、freeeのユーザーコミュニティ「Camp」の活用や、給与計算にかかる実務時間を半分にまで削減し、部下への業務移譲を「説明コストほぼゼロ」で実現させた軌跡について、人事総務部マネージャーの内田様と、伴走した専任担当の増山貴裕(プライム・セグメント事業本部 情報通信 広告メディア事業部)の両者に詳しくお話を伺いました。
情報の受け渡しが不便で仕方がなかった
経理と労務を一貫して繋げることがfreeeの決め手
内田様が入社された当時、社内はどのような状況だったのでしょうか。
内田様(以下、内田):会社の成長と比例して業務の負荷が劇的に増大しているフェーズでした。人が増えても管理体制が追いつかず、負荷に耐えきれずに辞めてしまうメンバーが出てしまうほどの危機的な状況でした。
その激流の中で、システム導入を検討したきっかけは何だったのでしょうか。
内田:当時はエクセルや複数のシステムが混在しており、情報のマスタが統一されていなかったことで、管理部内での整理が追いつかず、常にギリギリの状態で業務を回している感覚でした。
そんな中で代表から「管理部から業務効率化の波を広げていこう」という特命がありました。まずは主軸の業務ではなく、経費精算や勤怠管理などの社内業務から楽にしていこうと考えたんです。
他社ツールも検討された中で、freeeを選んだ決め手は何だったのでしょうか。
内田:経理から労務までシームレスに連携できることを最優先しました。以前の環境ではシステムが分離しており、情報の受け渡しが不便で仕方がありませんでした。 freeeなら全ての土台となる「従業員マスタ」を共通で持てるため、二重管理のストレスがなく、全体最適が図れると確信しました。
ヘルプページが、自社のマニュアル代わりに
業務引き継ぎの常識を覆す「説明コストの激減」
freee導入後、毎月の給与計算実務にはどのような変化がありましたか。
内田:以前は「月末締め・10日払い」というタイトなスケジュールの中、エクセルを駆使してデータをまとめるだけで精一杯でした。土日が重なると、かなりギリギリでしたね。freee導入後は勤怠打刻から承認、経理への連携までがスムーズになり、実務時間は従来の半分ほどに削減されました。今はもう、数時間あれば余裕を持って終えられるようになっています。
「余裕を持って終えられる」ようになったことで、精神的な負担も変わりましたか。
内田:以前は前月比の自動チェック機能などがなかったため、ミスが怖くて仕方ありませんでした。今はシステム上で異常値をパッと確認できるため、「不安で見返す時間」が大幅に減り、精神的なプレッシャーから解放されたことが何より大きいです。
業務の属人化を防ぐという観点では、どのようなメリットを感じていらっしゃいますか。
内田:つい数ヶ月前、部下に業務を引き継いだのですが、その際の説明コストが驚くほど低くて感動しました。「freeeのヘルプページに書いてあるから見ておいて」で済む部分が大半だったんです。独自の複雑な運用ルールを教え込む必要がなく、システムの標準フローに乗せるだけで引き継ぎが完了したのは、属人化を排除できた大きな成果だと思っています。
「ヘルプで引き継ぎが完結する」というのは、理想的な状態ですね。
増山(freee専任担当):そうですね。会社独自のルールをなくして、システムの標準的な機能に業務を合わせることで、特定の誰かに頼り切る状態をなくせるのもfreeeの大きな価値です。 標準化されているからこそ、公式のヘルプがそのままマニュアルとして機能しますし、人が入れ替わっても、常に高いクオリティで業務を回すことにつながります。「誰でも、どこでも、同じ精度で再現できる仕組み」があるのは、組織にとって非常に強いメリットだと考えています。
(引継ぎ時の感動について語り合う、内田様と専任担当の増山)
専任担当がつくメリットはどのように感じられていますか?
内田:相談のハードルが非常に低いことです。ちょっとした操作はヘルプで解決しますが、「新しいプロダクトの情報を入れておきたい」といった検討段階の相談も、増山さんに連絡すればすぐに答えが返ってきます。手厚すぎず、かといって遠くもない程よい距離感で、必要な情報を適切な頻度で届けていただけるのが非常に助かっています。
専任担当として、内田様とのコミュニケーションで意識していることはありますか?
増山:内田様のように、常にもっと良くしようと動かれている方にとって、「今、誰に聞けばいいんだろう」と迷う時間は一番もったいないものだと考えています。なので、内田様が新しい挑戦をしたいと思った時に、一番に顔が浮かぶ相談相手であり続けたいと思っています。
単なるソフトウェアの担当にとどまらず、他社の事例や新機能の中からお客様一人ひとりに合わせて必要な情報を届けることで、内田様の意思決定を支えるパートナーとして伴走し続けたいと思っています。
操作はヘルプ、実務の悩みはユーザーコミュニティへ
証明書の扱いから申請の順序まで、気軽に相談
労務担当として、freeeの労務コミュニティ(Camp)に参加されたきっかけは何だったのでしょうか?
内田:採用担当の頃はコミュニティが活発でしたが、労務は会社の運用がバラバラで横の繋がりが持ちづらいと感じていました。私自身、実はリアルな飲み会などはすごく苦手なのですが、テキストコミュニケーションなら得意ですし、自分のペースで参加できます。そんな時にfreeeのお知らせでキャンプの存在を知り、活発な交流ができそうなツールだと感じて、設立当初にすぐ入会しました。
実際にコミュニティを活用してみて、どのようなメリットを感じていますか?
内田:他社のfreeeを使っている労務担当者の方々と直接お話しできるのが一番の魅力です。システムの使い方はヘルプページで分かりますが、「そもそもこの書類はどこでもらうの?」「他社さんはどんなステップでどう動いているの?」という”freeeの外側でどう動くか”という実務の進め方は、実際に経験した人にしか分かりません。
そういったことを軽い気持ちで質問すると、すぐに誰かが返してくださるんです。驚いたのは、ユーザー同士でスレッドの奥深くで話している内容にも、freeeの社員さんが気づいて入ってきてくれること。「そこまで見てくれてるんだ!」と感動しましたし、ユーザー同士の知恵に社員さんの専門知識が加わることで、一気に疑問が解決するムーブメントが起きるのが面白いですね。
年末調整の電子申請において、具体的にどのような「壁」に直面されたのですか?
内田:24年度はfreeeで従業員から情報を集めるまではできたのですが、その先のe-Tax等への連携や、freee外で取得すべき証明書の扱い方が分からず、結局、紙で出力して各行政などに送るしかありませんでした。25年度こそは電子で完結させたかったのですが、社内にも分かる人がおらず、「自分の理解がここで合っているのか」を確かめる術がない状態でした。
その課題を解決する上で、コミュニティに参加していてよかったことは何でしょうか
内田:Campで「ここまでできたのですが、次は何をすればいいですか?」と切実に聞いたところ、あるユーザーの方がすっごく詳しい手順をまとめて教えてくださったんです。単なる操作説明ではなく、実務者目線の「手順書レベル」のアドバイスでした。そのおかげで、締め切りからかなり余裕を持って電子申請を全て完結させることができ、一緒に作業していた経理担当と「やった!」と思わず拍手しましたね。本当に感謝しています。
魔法のような新機能より、日々のストレスを無くしたい
「チェックボックスが押しにくい」という些細な呟きが1カ月で改修へ
コミュニティでの要望が、実際のシステムアップデートに繋がったこともあるそうですね。
内田:そうなんです、チェックボックスの反応範囲を広げてほしいという些細なストレスを誰かがCampで呟いたんです。するとそこから1か月もかからずに改善されました。自分たちが使いやすいようにシステムが育っていく実感を持てるのは、他のツールにはない魅力だと思います。
(実際にCamp内で投稿された開発要望)
チェックボックス改善は社内ではどのように進んだのでしょうか
PdM宇野:Campに寄せられる生の声は日頃からチェックしています。今回のような「日常的に何度も触る機能」の使い勝手は、魔法のような新機能を追加することよりも圧倒的に大事だと考えています。投稿を拝見して自分たちでも操作してみたところ、「確かにこれは不便だ」とすぐに実感が持てました。解決策はシンプルでしたし、最新のAI開発ツールを駆使すればサクッと実装できそうだと直感し、一気に修正まで進めました。
(実際にCamp内で投稿された開発担当者の改善報告とユーザー様からのご返信)
なぜ、ユーザーの細かな声がこれほど素早く形になるのでしょうか?
増山:freeeには、現場の声を最速で開発に届けるワークフローが整っています。内田様が仰ったチェックボックスのような「実務者にしか分からない微細なストレス」こそ、開発チームにとって最も貴重な宝物です。 営業・サポート・コミュニティで受けた要望を即座に集約し、形にすることが社員全員の共通認識となっていることが大きいと思います。
定額減税などの大きな法改正がある際、コミュニティはどのような場になっていましたか?
内田:定額減税の時は専用チャンネルが立ち上がり、ユーザーと社員さんが入り混じって「今こんなニュースが出た」と情報が飛び交うムーブメントが起きていました。また、社員さんが「今ここまで開発が進んでいます」「いつ頃リリース予定です」と細かく進捗を教えてくれたのも安心感がありました。
以前はSNSやテレビを必死に追って「気づけなかったら終わり」と焦っていましたが、今はCampを見れば最新の進捗や「他社がどう対応しているか」が分かるので、気持ちの余裕を持って待てるようになりました。
増山:定額減税の対応機能は、実はfreeeが業界内でも最速リリースだったんです。内田様のように不安を抱える担当者様を一人にしないよう、進捗をあえてオープンに共有し続けました。コミュニティを通じて「共に乗り越える」という空気感を作れたのは、我々にとっても大きな成功体験です。
内田様にとって、このコミュニティはどのような存在になっていますか?
内田:困った時に「とりあえず連絡すれば誰かがいる」という、非常にハードルの低い相談場所です。特に年末調整のような大きなイベントの時は、自分と同じように悩んでいる人がいたり、それを乗り越えた先人が具体的な解決策を提示してくれたりします。一人で抱え込みがちな労務という職種において、顔も知らない仲間の知恵に支えられている実感が、今の私の大きな支えになっています。
「勤怠データをまとめて」と指示するだけで完了
AIがfreeeを操作し、人は意思決定に集中する時代へ
最近では、AIを活用したさらなる業務効率化にも取り組まれているそうですね。
内田:はい。管理部から効率化の波を広げる一環として、AI活用には積極的に挑戦しています。最近ではfreeeが公開したMCP連携を使い、チャット形式で「休憩時間を変更して」と指示するだけでシステムが動く体験をしました。今まで以上にfreeeで出来ることの幅が広がっていく可能性に感動しました。
内田様が体験された「MCP×freee」の連携には、どのような価値があるのでしょうか。
増山:一言でいえば、AIにチャット上で指示を出すだけで、freeeの操作や処理が完結するようになります。
例えば「今月の勤怠データをまとめて」と頼めば必要な情報を整理して出力してくれますし、「住所変更があったので情報を更新して」と伝えれば、裏側でfreee人事労務の情報を書き換えるといったことも可能です。これにより「人はAIに指示を出し、結果を確認するだけ」という体制を構築でき、業務の効率化や新しい価値の創造などが可能になります。
「自分と同じように動いてくれる実務担当者が増える」というイメージが近いかもしれないですね。
効率化によって生まれた「余白の時間」は、今後どのように活用していきたいですか?
内田:単なる実務の消化ではなく、制度設計や「どうすれば人が定着し、より強い組織になれるか」というプラスアルファの施策に時間を使いたいです。エンタメ業界は変化が激しく、AIの進化も1週間単位で進んでいます。その波に食らいつき、管理部が最新技術を使いこなすことで、会社全体の生産性を底上げしていきたいですね。
最後に、今後の展望とfreeeに期待することをお聞かせください。
内田:事業が映像コンテンツ以外のエンタメ領域にも広がり、組織が変化し続ける中で、管理部も柔軟にアップデートし続けたいです。freeeさんには、今後も驚くようなスピードで便利な機能を出し続けてほしいですね。最新の技術を武器に、クリエイターが心ゆくまで制作に没頭できる未来を、共に作っていければ嬉しいです。
掲載日:2026年4月24日
取材先:株式会社サーティースリー様
業種:エンタメ業界専門のマーケティング
所在地:東京都
従業員規模:53名
企業ホームページ:https://www.thirty-three.co.jp/






