freee人事労務導入で労働時間削減と利益率30%向上 LINEWORKS利用率100%を実現した、卸売業のDX

株式会社サタケ

専務取締役 佐竹 晋一 様、管理部参事 原山 様、情報システム部 塩谷 様、実務担当 星 様、営業部長 秋山 様

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(左から実務担当の星様、営業部長の秋山様、専務取締役の佐竹様、情報システム部の塩谷様、管理部参事の原山様)

「熱をもったイノベーションで潤いを カベ(慣習)を越え、壁(住空間)を変える」
1955年の創業以来、株式会社サタケは壁紙や建具、水廻り設備などを扱う内装・建材の総合商社として、関東に8拠点を展開し、60年以上にわたり日本の住環境を支え続けてきました。

しかし、地域密着の細やかなサービスの裏側では、アナログ管理の限界が現場を蝕んでいました。80名分の紙のタイムカードとExcelの数字を目視で突合し、給与計算には1週間も費やしていました。そんな状況から脱却しシステム化しようとするも、長年アナログを守ってきた上層部からの抵抗もありました。

それでも、佐竹専務は労働時間を正しく可視化し、働き方を変えて行くことを決断します。同社はfreee人事労務の導入を機に、残業を「事前申請・承認制」へ完全に切り替え、LINE WORKSとの強固な連携によって従業員から反対があった私物スマホへのアプリ導入という壁をも突破しました。

今回は、給与計算を1週間から2日へ短縮し、売上が伸びても変動費が膨らまない利益構造の転換、そして「18時半には事務所が真っ暗」というホワイト化がもたらした採用の劇的変化について、専務取締役の佐竹晋一様・管理部参事の原山様・情報システム部の塩谷様・実務を支える星様・営業部長の秋山様にお話を伺いました。

勤怠不備の修正と給与計算で1週間
80名のタイムカードとExcelの数字を目視で突合

実務担当の星様

freee導入前は具体的にどのような手順で勤怠集計を行っていましたか?

星様(実務担当:以下、星): 全8営業所で紙のタイムカードを使用していました。まず従業員が打刻し、直行直帰の場合は手書きでメモを残します。締め日に各従業員が自分でExcelへ手作業で転記。各店長の確認後、本社へ現物のタイムカードとデータが送られます。

その後、私が約80名分のタイムカードとExcelの数字を目視で突合し、給与システムへ手入力していました。タイムカードの印字が薄くて「6」と「8」の判別が難しかったり、カードとExcelの数字が全く違ったりすることも日常茶飯事で曖昧な運用が通ってしまっていました。

突合作業には、どの程度の時間と工数がかかっていたのですか。

: 以前は2人体制で、不備チェックから給与システムへ入力が終わるまで1週間以上はかかりましたね。精神的に辛くなるので「午前中だけ」と決めて取り組んでいましたが、それでも一週間丸々潰れていました。

特に休暇届との突合が大変でした。紙で休みを出しているのに、本人が間違えてExcelに労働時間を入力していることも多く、一つひとつ各拠点へ事実確認を行っていたので正直手が回っていなかったです。

有給休暇は、当時のアナログ管理で対応できていたのでしょうか?

: とてもじゃないけど、そこまで管理しきれませんでした。有給の残日数管理もExcelでしたが、私が引き継いだ時点ではもうぐちゃぐちゃ。年5日の取得義務についても、メールで全体に注意喚起はするものの、その後に実際に消化できたか、正確な残日はいくらかといった追跡調査までは、当時の体制では物理的に不可能でした。

そのような状態で、システム化に踏み切った最大のきっかけは何だったのでしょうか。

佐竹様(専務取締役:以下、佐竹専務): 担当者の退職が一番のきっかけです。以前は2人体制で業務を行っており、もう一人の担当者が長年の経験で「この人が残業が多い」という方を見つけて、個別に対応していました。しかし、その担当者が退職したことで、アナログな手法では細やかな管理が不可能になりました。もともと大変だという話は聞いていたので、この機会にシステムを入れようとなりました。

残業時間の可視化を恐れて上層部が猛反対
時間で売上を補う卸業の常識を捨てた働き方改革

上層部の反対がありながらもシステム導入を推進した佐竹専務

システム導入を検討し始めた際、社内の上層部からはどのような反応がありましたか。

佐竹専務: 正直なところ、当初は上層部の多くは導入に反対していました。長年アナログで守ってきたやり方がある中で、システム化によってすべてがリアルに見えてしまうことへの不安があったのでしょう。

特に、当社の歴史を支えてきた年配の管理職層にとっては、これまでのように現場判断での調整が効かなくなることに対し、本能的な抵抗感や戸惑いがあったのだと思います。

具体的にどのような懸念の声が上がっていたのでしょうか。

佐竹専務: 最も大きな懸念は、やはり「残業時間」の可視化でした。それまではExcel等で最終的なつじつまを合わせていた部分もありましたが、システムを入れれば労働時間がそのまま抽出されてしまいます。上層部からすれば、それが経営上のリスクやデメリットになりかねないという恐怖心がありました。現状の働き方のままデジタル化だけを先行させると、会社にとって不利益な数字が出てしまうのではないかと危惧されていました。

そうした反対意見に対し、どのように説得を試みたのですか。

佐竹専務: 私は「見えて困るような働き方をしていること自体が、今の時代においては最大のリスクだ」と伝えました。隠すのではなく、むしろ正しく可視化し、ルールを整備することで「見えても恥ずかしくない、胸を張れる働き方」へ作り変えるきっかけにしようと説いたのです。システム導入を単なるIT化ではなく、法令遵守を徹底し、会社をより健全な状態へアップデートするための機会として捉えました。

実際、労働環境をどのように変えていったのでしょうか。

佐竹専務以前は売上目標や顧客対応を、労働時間を延ばすことで補おうとする風潮がありました。それが常態的な長時間労働を招いていましたが、今回システム導入に合わせて、残業を「事前申請・承認制」へ完全に切り替えました。

単に時間を計るだけでなく、残業が必要なら必ず理由を書かせ、店長が責任を持って承認する。もし無駄な残業なら認めないなど、健全な職場へ作り変えるためのルールを新しく作りました。

私物スマホへのアプリ導入に、ベテラン層が猛反対
LINE WORKSで打刻・申請を必須化し利用率100%を達成

管理部参事の原山様

数ある勤怠管理システムの中で、最終的にfreeeを導入された決め手は何だったのでしょうか。

原山様(管理部参事:以下、原山)最大の決め手は、すでに導入していたLINE WORKSで勤怠の打刻から申請までが完結できる点です。他社ツールはチャット上での打刻までしかできないものが多かったのですが、freeeは残業や有給の申請・承認まで完結できました。利便性を高めることはもちろんですが、社内の共通ツールであるLINE WORKSを、全従業員が活用せざるを得ない環境を作りたかったという狙いもあります。

もともと、LINE WORKSを導入した背景にはどのような目的があったのでしょうか。

佐竹専務: 以前は社員同士の連絡に個人のLINEを使っていましたが、情報のセキュリティやハラスメント対策の観点から、会社専用ツールの導入が不可欠だと考えていました。ただ、事務職は普段PCで仕事が完結するため、意識的にスマホでLINE WORKSを使う機会を作らないと、外出時やいざという災害時に使いこなせません。PC依存から脱却し、全社員が当たり前にLINEWORKSを使える状態を作りたかったんです。

LINE WORKSを導入する段階で、現場からは反発があったとお聞きしました。

佐竹専務: はい、特にベテラン層からの個人スマホにアプリをインストールすることに対する強い抵抗感がありました。営業職には会社支給のスマホを渡していたのですが、事務員にはPCしか支給していなかったのです。

なので、「プライバシーを覗かれるのではないか」「自分の携帯から情報が漏れて詐欺に遭うのではないか」といった根強い不安の声が上がっていました。最終的に3名「絶対に入れない」と最後まで拒否し続けるなど、会社支給ではない私物端末に指示を出すことの難しさを痛感しました。

そうした頑なな拒否反応がある中で、どのようにしてLINEWORKSの利用率100%を達成できたのですか。

原山freee導入が決定打となり利用率100%を達成しました。freeeによる勤怠打刻や有給申請をLINE WORKS経由でしかできない仕組みにしたことで、反対していた層も「これを使わないと出退勤ができない」という状況になり、結果として従業員全員がスマホでLINEWORKSを使いこなすまでになったのです。

営業部長の秋山様

スマホ打刻に切り替わったことで、営業現場の動きはどう変わったのでしょうか。

秋山様(営業部長:以下、秋山)直行直帰の際に正しく勤務時間が取れるようになったのが最大の収穫です。これまではわざわざ会社に戻ってタイムカードを打つか、翌日に記憶を頼りに手書きするしかありませんでした。

それが今は、車の中でもお客さんからの電話を受けたその瞬間に、スマホで業務開始を正確にデジタルで残せます。営業サイドからすれば「今、仕事をした」という事実を正しく記録できますし、操作も簡単なので、みんなポジティブに受け止めています。

デジタルに不慣れな層も含めたこのプロジェクトを、どのような体制で成功させたのですか。

塩谷様(情報システム部:以下、塩谷): 星は日々の労務実務で手一杯でしたので、SEである私が初期設定やデータのインポート、個別レクチャーなどの技術面をすべて担いました。実務担当者に過度なシステム負荷をかけず、管理職への説明会や社内報での周知を徹底したことで移行を進めることができました。

: 私は現場から上がってくる質問をすべて拾ってQ&Aを作成し、全社員に周知しました。操作自体はボタンを押すだけですが、最初の連携設定が最大のハードルになるため、そこを塩谷が丁寧に並走して乗り越えたことが大きかったと思います。一度設定さえ済ませてしまえば、60代のベテラン層でも問題なく使いこなせており、今では勤怠管理が社内の当たり前のインフラとして定着しています。

実際にfreee導入時に従業員に配布した社内報

freee人事労務導入で利益率30%向上を実現
売上が伸びても変動費が増えない、自律的な組織へ

freeeを導入したことで、現場の従業員の行動にはどのような変化が現れましたか。

佐竹専務: freee導入と同時に「残業の事前申請制」を徹底しました。その結果、かつては21時過ぎまで明かりがついていた事務所が、今では18時半には真っ暗になるほど意識が激変しました。残業理由の入力を必須としたことで、店長たちも「その業務は本当に今やるべきか」を厳格に判断するようになり、なんとなく残る「だらだら残業」が一切なくなりました。従業員一人ひとりが時間をロジカルに捉え、自律的に業務を組み立てる組織へと進化を遂げたのです。

すごい変化ですね。以前、夜遅くまで対応していた業務はどうしているのでしょうか。

佐竹専務: 勤務時間を可視化と残業の事前申請により、現場の社員が自らお客様と交渉できるようになりました。以前なら「お客様のために」と、コストを度外視してでも応えてきた過剰なサービスも、今は正当なコストを提示したり、代替案を提案したりといった判断が現場レベルで可能になりました。

時間管理の意識が浸透したことで、サービス残業の抑制だけでなく、お客様側にも「今の時代はそうだよね」という理解が広がり始めています。

労働時間の可視化は、経営数字にはどのような影響をもたらしましたか。

佐竹専務: 実は、利益率が前年比で30%向上しました。売上が伸びても、残業代や配送コストといった「変動費」が一定に保たれるようになったのです。売上が上がれば比例してコストも膨らむのが当たり前だった以前とは異なり、freee導入後はその連動が断ち切られるという当社にとって初めての現象が起きました。

全員が時間を強く意識し、無駄な配送ルートの削減や夕方以降の業務抑制を徹底することこそが、卸売業界における「最強のコスト管理」になると確信しています。

新年会の活動報告でも取り上げていただきました)

80名分の年末調整、不備率20%→5%まで減少
AIの指示で写真を撮るだけ。多忙な現場が劇的に楽に

実務担当として月次の給与計算にかかる工数には、どのような変化が見られましたか。

: 以前は丸一週間はかかっていた勤怠データの突合と給与計算が今は、承認されたデータが自動集計されるため、実質「2日」で終わります。締め日前に他の仕事が手につかなくなるような焦りがなくなったことも、実務担当としてすごくありがたいです。

年末調整業務について感じた変化はありますか。

: 以前は80名分の紙書類を2人がかりで1ヶ月近くかけて目視チェックし、回収した書類が未記入ではないか、計算や添付書類が合っているかを一件ずつ確認していました。不備があると過去の書類を探して、コピーして、記入しやすいようにサポートしており凄く手間がかかっていたのが実情です。

今はfreee上でAIが入力不備をその場で弾いてくれるため、以前は20%(約16名)近くあった不備が、5%(約4名)ほどにまで激減しました。差し戻しも少なく、確認作業も楽になったので驚くほどスムーズに完了しました。

現場の視点では、この「AI年末調整」をどのように感じているのでしょうか。

秋山写真を撮るだけなので、何もしてないくらいの感覚ですよ(笑)。これまでは何枚もの紙と格闘して、計算ミスをしては差し戻されるのが恒例でしたが、今は画面の指示に従って写真を撮るだけなので、本当に簡単になりました。あの煩わしい記入作業から解放されたのは、外回りで忙しい営業マンにとって本当にありがたい変化でしたね。

労働時間の短縮と利益向上の両立を、卸業で証明
freee人事労務導入で優秀な新卒からも選ばれる会社へ

星様にとって、freeeの導入によって日々の業務の向き合い方はどう変わりましたか。

システム化したことで、何より「自分一人でも迷わず完結できる」という確かな安心感が持てるようになりました。freeeは直感的に操作できるだけでなく、AIチャットや電話サポートが非常に充実しています。労務の専門知識が浅い状態でスタートした私でも、分からないことがあれば自力で調べて解決できる土台が整っているのが凄くありがたいです。以前のような作業の山に追われる焦りが消え、今は落ち着いて一つひとつの業務に向き合えています。

会社全体としてfreee導入によって感じている効果は利益率の向上以外にありますか。

佐竹専務採用の質が劇的に上がりました。今の学生は労働環境を非常にシビアに見ています。卸売業界で「18時半には帰れる」「ITツールが当たり前に導入されている」という事実は、他社に対する大きな差別化要因になっています。実際に、以前であれば採用が難しかったような志の高い優秀な学生が集まるようになりました。新しい感性を持った若手が入ってくることで、現場も刺激を受け、組織全体に活気ある良い循環が生まれていると感じます。

最後に、同じ悩みを抱える卸売業の企業へ向けてメッセージをお願いします。

佐竹専務: 我々のような古い業界こそ、固定概念を捨ててシステムを武器にするべきだと思います。「業界構造だから仕方ない」と諦めるのではなく、時間を可視化し、時代に合わせて働き方を変えていく。実際、私たちは、労働時間を大幅に短縮しながらも、同時に利益を向上させることができました。これからも歩みを止めず、さらにシステム化を推し進めていき、卸売業界の新しいスタンダードを自分たちの手で作っていきたいですね。

(掲載日:2026年5月7日)

Company Profile

株式会社サタケ
業種:卸売業
所在地:東京都(営業所8か所)
従業員規模:80名
URL: https://www.satakenet.co.jp/

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