秋田県を拠点に、測量・補償コンサルタント事業を展開する株式会社眞宮技術。同社は地域に先駆けて地上型3次元レーザースキャナーやドローンなどの最先端ICT技術を投入し、社会インフラの点検・計測において革新的な効率化を進めてきた。しかし、進化を続ける現場の裏側では、Excelへの手入力による勤怠管理や、毎月5日〜7営業日を要する給与計算、手作業による銀行振込といったバックオフィスの負担が課題として残っていた。「これからの時代、旧態依然としたやり方のままでは生き残れない」――そう強い危機感を抱いた代表取締役の柏木亮氏は、自ら都内の展示会へ足を運び、「freee人事労務」の導入を決断する。全社員へのスマートフォン支給と連動した直感的な打刻環境の構築により、締め作業はわずか「半日」へ、振込処理は「5分」へと激変。浮いた時間は社員の新たな挑戦へと還元され、過疎化や人手不足の波を跳ね返す、持続可能で洗練された経営基盤が今ここに結実している。
秋田で抱いた危機感「旧態依然の技術では、この街で生き残れない」
まずは御社の事業内容と、業界内における立ち位置について教えていただけますか?
代表取締役 柏木 亮様(以下、柏木):当社は秋田県を拠点に、測量、設計、そして補償コンサルタントを手がけている会社です。補償コンサルタントというのは、例えば道路拡張に伴う建物移転の補償額試算や、工事の振動による周辺建物への影響調査などを行う非常に専門性の高い業務です。
測量の現場において、近年どのような新しい風が吹いているのでしょうか。
柏木:従来の測量だけでなく、最近では橋梁や水力発電所の管路、下水管といったインフラの定期メンテナンス調査などのニーズが非常に高まっています。社会インフラの老朽化に伴い、定期的な点検やガイドライン整備が進みつつある分野ですね。
そうした市場の変化に対して、御社ではどのようなテクノロジーの導入を進められてきたのですか?
柏木:東北エリアでもかなり早い段階から地上型3次元レーザースキャナーを導入し、最近ではドローンを活用した計測や下水管などの特殊調査にも積極的に取り組んでいます。テクノロジーを活用した「i-Construction(アイ・コンストラクション)」の波にはいち早く乗るようにしてきました。
地方にいながら、そうした最先端技術を素早くキャッチアップして投入される情熱の源泉は何でしょうか。
柏木:「旧態依然とした技術のままでは、これから先の時代を生き残れない」という強い思いがあります。都内で開催される展示会やセミナーにも年間5〜6回は足を運び、新しい技術やシステムがあればどんどん現場に取り入れてきました。
最先端の現場機器やドローンを先んじて投入したことで、現場にはどのような変化が生まれましたか?
柏木:かつては夜の10時、11時まで及ぶことが当たり前だった残業が激減しました。現場作業の省力化・効率化が進み、今では全社員が19時前には余裕を持って帰宅できるような、持続可能な働き方が定着してきています。
残業仕訳の煩雑さと手作業の負担――バックオフィスに残っていた課題
現場で最先端の技術を導入される一方で、バックオフィスにはどのような課題があったのでしょうか?
柏木:以前は社員が各自でPCからサーバーに入り、Excelの出勤簿シートに出勤時間を手入力して管理していました。客観的な打刻の裏付けが取りにくく、正確性の担保や管理の仕方に課題を感じていたのが実情です。
Excelでの自己申告制だと、集計作業や給与計算の負担も大きかったのではないでしょうか。
柏木:社内に労務や経理の専門プロがいたわけではないので、特に残業の仕訳や集計作業にかなりの手間がかかっていました。締め作業から給与計算、最終確認までに毎月5日〜7営業日ほどを費やす状態でした。
毎月それだけの時間を要していたとなると、実務担当者の負担も大きかったのでは?
柏木:集計後の振り込み手続きについても、会社用の通帳と振込用の用紙を用意して手書きで金額を記入し、銀行窓口まで足を運んで手続きを行っていました。毎月の給与振込の手続きだけでも相応の労力がかかっていたと思います。
現場の作業が効率化されていく中で、バックオフィスの管理方法を更新する必要性を感じられたのですね。
柏木:そうなんです。「そろそろしっかりとシステムを入れて業務の効率化と適正化を図った方がいいのではないか」と考え、自ら都内の展示会へ足を運んで解決策を探し始めました。
直感的な操作性と連動性が決め手。展示会で見出した「freee人事労務」という突破口
都内の展示会では、どのようなツールを比較検討されたのでしょうか?
柏木:年に数回参加している人事労務系の展示会に自ら足を運び、主に3社ほどのシステムを比較検討しました。知名度の高い競合サービスも含めて、じっくりと見比べた形ですね。
競合ツールがある中で、最終的に「freee人事労務」を選ばれた決め手は何だったのですか?
柏木:一番の理由は「直感的な使いやすさ」と「会計との連動性」です。画面の操作が非常にシンプルでわかりやすく、労務単体だけでなく将来的に会計ソフトともスムーズに連動できる点が大きな魅力でした。
実際に導入されてから、社内での打刻や運用のスタイルはどのように変わりましたか?
柏木:当社ではi-ConstructionをはじめとするICT化を推進する一環として社員全員にスマートフォンを支給しており、そのスマホやPCから簡単に打刻できる体制を整えました。直感的に操作できるので、現場もスムーズに適応してくれましたね。
秋田県内ではまだクラウド導入事例が少ない中で、先陣を切って導入されることに躊躇はありませんでしたか?
柏木:確かに地元ではまだ昔ながらの据え置き型システムを使っている会社が多い印象ですが、良いと思ったものはフットワーク良く試すスタンスです。実際に使ってみて、バックオフィスの業務負担が軽くなる確信がありました。
締め作業は5営業日から「半日」へ。浮いた時間が生んだ現場と組織の持続可能な変化
「freee人事労務」の導入によって、毎月の締め作業や給与計算にはどのような変化がありましたか?
柏木:以前は締め作業から確認完了までに毎月5日〜7営業日ほどかかっていたのが、今ではチェック作業が「わずか半日」で完了するようになりました。圧倒的な時間短縮です。
銀行窓口での振込手続きなど、実務面の負担も大幅に軽減されたのでしょうか。
柏木:そうですね。給与設定からオンライン振込まで、実際の振込処理自体は「わずか5分」で終わるようになりました。窓口へ通う手間もゼロになり、バックオフィス業務の劇的な省力化が実現しています。
a業務が効率化されたことで、社員の働き方や時間の使い方にはどのような良い影響が生まれていますか?
柏木:業務の圧迫感がなくなり、浮いた時間を他の業務やスキルアップに充てられるようになりました。例えば、これまで社内で図面作成を担当していた女性社員が、新たにドローンの操縦資格を取得して自ら現場へ撮影に行けるようになるなど、新しい挑戦の芽が育っています。
現場のICT化とバックオフィスの効率化が組み合わさることで、会社全体としての生産性はどう変わりましたか?
柏木:人手を過剰に増やさなくても生産性が向上し、結果として売上や原価率の改善につながっています。先行投資をして機材やシステムを揃え、経験を積むことで、地方の企業であっても持続可能でスマートな経営基盤が作れると実感しています。
