システム化の余裕を集患営業と地域貢献へ 月1サーベイと福利厚生でスタッフ定着・施設高稼働を実現

有限会社前田介護相談所

事業部長 本田 賢太朗 氏

システム化の余裕を集患営業と地域貢献へ
月1サーベイと福利厚生でスタッフ定着・施設高稼働を実現

有限会社前田介護相談所

神奈川県小田原市

導入前の課題

  • 黒字経営にもかかわらず、人手不足による事業撤退や相次ぐ退職で心理的負担が多くなっていた。
  • ベテラン社員の突然の離職に気づけず、手探りの採用活動と退職手続きに疲弊していた。
  • 紙のタイムカード集計作業に時間を費やし、本来注力すべき営業や地域対応に時間を割けずにいた。

導入のきっかけ

  • 2040年問題を見据え、職員に選ばれる会社になるため働く環境改善への投資を決意。
  • 手作業による勤怠集計の限界を痛感し、同業者の情報交換で知ったfreee勤怠管理の導入を検討。
  • 定着率向上に向け「第3の賃上げ」として福利厚生、そして離職率改善のためサーベイを導入。

導入後の効果

  • 勤怠の締め作業や採用活動が短縮され、生まれた時間で営業強化や地域貢献を実施。
  • ベネフィット還元とサーベイ分析により社内対話が増え、前年上期10名近くいた前年同時期の退職者が0名に。
  • 職員が定着したことで、主力事業の稼働率が高水準で推移し、月売上目標達成が続く状態。

目次

お役立ち資料

こちらの記事が気になる方に
ぴったりのお役立ち資料はこちら

神奈川県小田原市にて、地域に密着した居宅介護支援事業所・訪問介護・小規模多機能を展開する有限会社前田介護相談所。かつて同社は、業績自体は黒字でありながらも人手不足によって事業撤退を余儀なくされるという、「人手問題」に直面した。

「人がいなければ、事業は成り立たない」――。原体験と、事務作業に追われデスクから動けない日々に危機感を抱いた事業部長の本田賢太朗氏は、ひとつの決断を下す。それは2040年問題を見据えた「働く人に選ばれる環境づくり」への投資だった。

手入力に追われていた勤怠締め作業は10日から1日へ激減し、生み出された時間で攻めの営業と地域貢献を推進。さらに「第三の賃上げ」として導入したベネフィットサービスと人材定着を目指して運用を開始したサーベイの掛け合わせにより、昨年上期10名近くいた退職者は上半期「0名」へと劇的な改善を遂げた。人手不足という課題に向き合いながら、業務効率化と職員定着に向けた取り組みを進め、持続可能な事業運営とさらなる事業展開を目指す同社。その取り組みの軌跡を伺った。

黒字なのに…事業撤退と一人部署の限界

過去に事業撤退を余儀なくされたご経験があるとお伺いしました。当時、どのような状況だったのでしょうか。

有限会社前田介護相談所 事業部長 本田 賢太朗様(以下、本田):以前担当していた福祉用具貸与事業所と訪問看護事業所を閉鎖することになりました。福祉用具貸与事業所は、私が介護業界に入るきっかけとなった思い入れのある事業所で、経営もずっと黒字でした。しかし、後任の管理者が転職することになり、新たな人材も見つかりませんでした。私自身が再び管理者を兼任する選択肢もありましたが、それでは法人全体の管理業務がおろそかになってしまう。事業所単体の収益だけでなく、法人全体の運営を考えた結果、苦渋の決断で事業所を閉鎖しました。

黒字経営であっても、人手不足によって撤退せざるを得なかったのですね。訪問看護事業ではいかがだったのでしょうか。

本田:訪問看護でも退職が相次ぎ、ギリギリの状態で踏ん張っていました。しかし、最後の望みをかけた面接をドタキャンされたことで、完全に万策尽きました。社長に「事業を閉めましょう」と報告に行きましたが、あの事業所を畳む作業の寂しさは今でも忘れられません。どんなに利益が出ていても、人がいなければ事業は成り立たない。「人手不足倒産」の現実味と恐怖を、身をもって知った瞬間でした。

その体験を経て、介護業界における構造的な課題への意識も高まったのでしょうか。

本田:はい。業界では「2040年問題」が深刻視されていますが、同業者と話していても危機感は明白でした。高齢化が進む中でニーズ自体は一定数あり続けますが、それ以上に現場を支える働くスタッフの奪い合いはすでに始まっています。現在、パートを含め約60名のスタッフがいますが、平成元年生まれの私が最年少なんです。ベテランに支えられているからこそ、会社として若返りや循環を生み、選ばれる魅力を作らなければ生き残れないと痛感していました。

人材確保への焦りがある一方で、当時の本田様のバックオフィス業務はどのような状況だったのでしょうか。

本田:当時の勤怠管理は紙のタイムカード集計で行っており、60名近くの管理を1人で行うには業務量が合わなくなっていました。実際、締め日になるとタイムカードのデータをExcelに手入力で転記し、給料計算をする作業に追われていました。ミスも発生しやすく、現場からの修正問い合わせ対応だけで多くの時間を使っていました。データ収集一つをとっても、現場に余計な手間をかけさせてしまっていて、組織全体にとって大きな負担になっていました。

本来注力すべき業務に時間を割けない歯痒さがあったのではないでしょうか。

本田:まさにその通りです。当時、事務部門は事実上の「一人部署」で、勤怠集計だけで10日間もかかっていました。ですが私の本来の役割は、集患に直結する病院への新規営業や利用者様・ご家族との相談援助といった、対面での「泥臭い人間関係づくり」です。デスクにじっと座って事務作業に時間を奪われ、本来力を入れるべき営業活動に十分な時間を割けないもどかしさを抱えていました。

10年選手、2人の唐突な離職と、「もう採用に疲れました」の本音

過去の「人手不足倒産」というトラウマがある中で、現場を支えるベテラン社員の離職が重なったとお伺いしました。当時はどのような状況だったのでしょうか。

本田:まさに青天の霹靂でした。はまちょうとこやわたという2つの事業所で、長年現場を支えてくれた10年選手のベテラン社員が、ほぼ同じタイミングで相次いで辞めてしまったんです。連鎖退職ではなかったものの、「まさかこの2人が……」と絶句しました。

退職の理由を深掘りされた際、何か思い当たる原因や予兆はあったのでしょうか。

本田:じっくり話し合っていくと、日々の業務におけるちょっとした認識の違いや、気持ちの浮き沈みに私たちは全く気づけていなかったんです。「この人はベテランだから大丈夫だろう」という思い込みや過信があり、変化を察知できませんでした。「話があります」と言われた時点で既に手遅れの状態が続いていたということだと思います。それでも以前は、知人の紹介やリファラル採用で何とか経験者を補えていたのですが、リファラルも限界を迎えてしまい、万策尽きた状況でした。

そこから欠員を埋めるための採用活動が始まったわけですが、どのような苦労がありましたか。

本田:とにかく採用活動は苦難の連続でした。求人媒体やスカウトメールを使い、毎日毎日スカウトを送り続ける日々です。費用もかさみますし、何より応募者を見つけ、スカウトを打ち続ける精神的な負担と焦りが大きく、本当に苦しい時期でした。

退職が重なると、採用コストやスカウトの負担に加え、事務手続きの面でも負荷がかかっていそうですね。

本田:入社手続きは社労士さんにお任せできる部分もありますが、大変なのは退職手続きです。離職者の1年分の勤怠データをさかのぼって抽出したり、自治体へ提出する住民税の切り替え書類を作成したりと、膨大な手作業が発生していました。採用活動の焦りと不毛な事務作業が重なり、心底「もう採用に疲れました」と漏らしてしまうほど追い詰められていました。

そうした極限状態の中で、どのような打開策を模索し始めたのでしょうか。

本田:「退職者が出るたびに高額な採用費と労力をかけ続けるのは、あまりにも不毛だ」と痛感しました。採用や退職手続きにコストや手間をかけるくらいなら、福利厚生や働く環境に還元して定着率を上げた方が、会社にとってもスタッフにとっても絶対にコスパが良い。そう確信するに至りました。

利用者からも評判の食事メニュー

「人に投資し、選ばれる会社」への決断

採用難や退職対応に疲弊する中で、具体的にどのようなシステムの導入や見直しを検討されたのでしょうか。

本田:まずは限界を迎えていた勤怠管理の刷新です。同業者との情報交換会で話を聞く中で「freee勤怠管理Plus」を知り、紙のタイムカードから脱却するために導入を決めました。また、単に勤怠を効率化するだけでなく、定期昇給(第1の賃上げ)やベースアップ(第2の賃上げ)に続く「第3の賃上げ」として、職員のモチベーションを高める福利厚生(ベネフィットサービス)の導入も同時に模索し始めたんです。

まず勤怠管理システムの導入にあたり、現場や社内での運用はスムーズに進んだのでしょうか。

本田:勤怠管理に関しては、現場にタブレットを設置して打刻してもらう方法をとりました。スマホ操作に不慣れな高齢のスタッフもいたため心配もありましたが、得意なスタッフが教え合うなどして、大きな反発もなく驚くほどスムーズに定着しました。設定面の調整もスムーズで、現場の運用負担を激減させることができました。

システム導入によって、締め作業の工数やバックオフィスの業務はどのように変わりましたか。

本田:締め作業の工数は劇的に削減されました。これまで締め日から10日ほどかけて集計や転記を行っていた作業が、リアルタイムでデータが把握できるようになり、実質1日で終わるようになったんです。夜勤や当番の管理もシステム上で完結するため、毎月締め日翌日の16日の朝には出勤簿が刷り上がる状態になりました。

勤怠の効率化と並行して、ベネフィットサービスやサーベイの導入も進められたとのことですが、社内での合意形成はどのようにされましたか。

本田:福利厚生やサーベイの導入については、社長に2年越しで粘り強く直訴し続けました。社長自身も現場を深く知る人物ですが、最初は新しい投資に慎重でした。そこで、退職者が出るたびにかかる高額な採用コストや手間の現実を伝え、「月々少額の福利厚生で還元して定着してもらう方が、長期的には絶対にコストパフォーマンスが良い」と訴えかけたんです。

社内上申に当たっては、どのような工夫をされたのでしょうか。

本田:freeeさんからいただいた提案資料をそのまま見せるのではなく、社長に響く重要なポイントを自分なりに抜粋・ピックアップして資料を作成しました。給与以外の魅力として毎月500円分のポイント還元やクーポンなどのベネフィットを提供し、モチベーションを高めること。そしてサーベイで組織の状態を可視化すること。この両輪こそが離職を防ぐ鍵だと具体的な数字と比較で提示し、2年越しで導入の決断を引き出しました。実際に、ベネフィットサービスを使ったという声も聴くようになり「ファミリーレストランで使ったよ!」「眼鏡を買い替えたときに使ったよ」という話も従業員から聞いていて、エンゲージメントやモチベーション維持に効果があるように思えます。

「はまちょう」外観

上半期離職率ゼロ。事務作業がなくなってまとまった営業時間を確保できる日々

勤怠管理の自動化に加え、ベネフィットサービスとサーベイを導入されたことで、具体的にどのような組織の変化が生まれたのでしょうか。

本田:驚くべきことに、今年度の上半期が終わった段階で離職者がなんと「0名」でした。昨年上期は10名近くの離職があり、採用と退職の対応に追われ続けていたことを考えると、信じられないほどの激変です。「第3の賃上げ」として導入したベネフィットサービス(毎月のポイント還元やクーポン活用など)で日頃のモチベーションと社内コミュニケーションが高まり、そこにサーベイでの可視化が組み合わさったことで、エンゲージメント向上とリスクの早期発見という素晴らしい連動が生まれました。採用コストの面で見ても、上期だけで300万円規模の大きな経済効果があったと感じています。

サーベイとベネフィットサービスの連動や、具体的なフォローはどのように行われているのでしょうか。

本田:毎月付与されるポイントの話題や「ガストに行ってきました」「映画に使いました」といったやり取りが社内のコミュニケーションツールなどで自然なコミュニケーションを生んでいます。その上で、月一度のサーベイを行い、その結果を社内の心理系の資格を持つ看護師の知見も交えて分析し、潜在的なリスクの兆候が見えた際には、出勤日に合わせてさりげなく事業所を訪ね、雑談を交えながら声かけを行っています。役職者への聞き取りも並行しながら、スタッフの小さな変化を見逃さない体制が整いました。

事務作業の負荷が削減されたことで、本田様ご自身の業務や行動パターンにはどのような変化がありましたか。

本田:毎月の締め作業に10日近く追われていた時間が大幅に削減されたことで、月に10時間以上の時間を営業活動や外部との連携に充てられるようになりました。以前は「デスクに縛られて動けない」状態でしたが、今では自分の足で現場や関係各所へ足を運び、人間関係を構築することに注力できています。

創出された時間を使って、具体的にどのような新しい取り組みを始められたのでしょうか。

本田:近隣エリアの病院の相談員様が集まるネットワークの事務局を自ら引き受けました。病院の相談員様同士の勉強会や施設見学の調整などを手伝う中で信頼関係を深め、相談員様の最新のお困りごとまでリアルタイムで把握できる独自の営業基盤を築くことができたんです。また、以前は日常業務に追われて不参加だった地域の防災訓練へも事前練習からフル参加し、自治会長様や住民の方々へ車椅子の扱い方を指導するなど、顔の見える地域貢献活動を拡大できています。

事務作業の効率化から始まった改革が、最終的に施設全体の経営数字や今後の事業展開にも好影響を与えているのですね。

本田:はい。主力である小規模多機能型居宅介護事業では、2つの事業所ともに登録定員29名に近い利用者数を維持し、安定した事業運営に取り組んでいます。特に「はまちょう」では、月間売上860万円を達成し、事業所単独での年間売上1億円突破も視野に入っています。

バックオフィスのシステム化によって生まれた時間を、職員との対話や営業活動、地域との連携に充てられるようになりました。福利厚生やサーベイも活用しながら、職員が安心して長く働ける環境を整え、次の事業展開につなげていくことが、これからの介護経営において重要だと考えています。

\こちらの資料がよく読まれています/

freee勤怠管理Plusのサービス概要

紙から卒業!
ペーパーレス勤怠管理ガイド

ダウンロードする

機能や料金がよくわかる

freee福利厚生 ベネフィットサービス
ご紹介資料

ダウンロードする

3分でわかる

freeeサーベイを徹底解説

ダウンロードする

有限会社前田介護相談所

神奈川県小田原市

freee勤怠管理Plus 紙の出勤簿やタイムカードから卒業 資料をダウンロードする
freee勤怠管理Plus 導入前の気になる質問を解消します お問い合わせはこちら
freee福利厚生 ベネフィットサービス 月400円で充実した福利厚生を 資料をダウンロードする
Related Article

関連記事ピックアップ

,