勤怠集計が3日から1日に短縮。ハンコと紙の非効率・属人性から脱却

社会福祉法人ハマノ愛生会

法人本部長のTさん、法人本部事務のKさん

勤怠集計が3日から1日に短縮。ハンコと紙の非効率・属人性から脱却

社会福祉法人ハマノ愛生会

神奈川県横浜市

課題

  • ハンコと紙による正確性に欠けるアナログな勤怠管理
  • 給与計算がExcelと「ベテランの職人技」に依存し属人化
  • 事務作業が月末に集中し、休みが取りにくい職場環境

導入の決め手

  • 勤怠管理から労務管理までを一元管理できる網羅性
  • システムを使いこなすハードルが低く、属人化しない
  • システムとともに自分たちも成長できる未来の広がりが見えた

期待する効果

  • 各施設で3日要していた勤怠集計が、わずか1日に短縮
  • 勤怠から労務までのフローを標準化し、誰でも対応可能に
  • 業務効率化により、事務員1人分相当の工数を削減

目次

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神奈川県横浜市に1952年に設立された社会福祉法人ハマノ愛生会。長い歴史の中で地域福祉の要として事業拡大に取り組み、現在は養護老人ホーム1施設、特別養護老人ホーム2施設、ケアプラザを2施設運営しています。

同法人には長い歴史があるがゆえに、数十年続いてきた「ハンコと紙の文化」が根深く残っていました。出勤簿に印鑑を押すだけの勤怠管理、紙中心のアナログな人事管理、そして属人化により引き継ぎが困難を極める労務作業。

こうした現状に危機感を覚え、次世代へつなぐためのDXに着手。「freee人事労務」および「freee勤怠管理Plus」の導入を決定しました。その変化は、まさに「昭和から令和へのアップデート」だったといいます。導入の決め手や組織内での取り組み、そして劇的な変化について、法人本部長のTさんと、法人本部事務のKさんに伺いました。

現場も「おかしい」と感じていた、ハンコによる勤怠管理

freee導入前、バックオフィスはどのような運用だったのでしょうか。

Tさん:まず勤怠管理ですが、紙の出勤簿にハンコを押すだけの運用でした。ハンコさえあれば「時間通りに出勤した」とみなされる、事実上の自己申告制です。押し間違えたときは修正テープで消して、その上からまた判を押すこともありました。残業は別途手書きで申請し、最終的に上司が承認印を押していましたが、内容を厳密に確認するのは難しい状況でしたね。

Kさん:現場の職員も、内心では「このやり方は今の時代におかしいのでは?」と感じていたようです。

作り込まれたExcelがブラックボックス化。属人性が招く労務リスク

その勤怠データを基に、給与計算はどのように行われていたのですか?

Tさん:固定給の職員は出勤簿のハンコの数から算出し、時間外勤務やパート勤務など計算が複雑な職員については、専用のExcelファイルを使用していました。

実は、知識がなくても特定のセルに数字を入力しさえすれば、必要なデータがすべて算出される「職人芸」のようなマクロを組んだExcelがあったのです。ただ、中身があまりに複雑でブラックボックス化しており、「もしファイルが壊れたら、誰も作り直せない」という恐怖が常にありました。

Kさん:Excelへの入力や給与ソフトへの転記は、すべて1人のベテラン職員が手作業で行っていました。全職員200名以上の出勤簿と残業申請書を照らし合わせながらの「神業のような手入力」で、彼女一人の力量に完全に依存していましたね。ミスがあっても第三者が気づきにくく、「もし彼女が倒れたら給与が払えない」という、組織として非常に大きなリスクを抱えていました。

その状況を変えるきっかけは何だったのでしょうか。

Tさん:転機となったのは、入力を一手に担っていたベテラン職員の退職です。これを機に新しい社労士を迎え、アナログな管理方法や属人化した体制の根本的な見直しに着手しました。

「共に成長していける」期待感が、法人のビジョンと合致した

freeeを検討されたきっかけを教えてください。

Kさん:もともと私が経理担当で、freeeの会計に関する解説記事をよく参照していたんです。解説が非常にわかりやすく、良い印象を持っていました。そこから「freeeなら人事労務や勤怠もスムーズに管理できるのではないか」と考え、話を伺うことにしました。

他社システムとの比較はされましたか?また、導入の決め手は何だったのでしょう。

Tさん:複数のシステムを比較しました。大手メーカーのシステムは介護福祉業界に特化した機能が豊富でしたが、裏を返せば「完成された枠組み」に自分たちを合わせる必要があり、運用の柔軟性に欠ける印象を受けました。

一方でfreeeには、ユーザーの声を取り入れてシステム自体をどんどん良くしていこうという「柔軟性」を感じました。「今はできませんが、アップデートで対応予定です」と、担当の方が正直に話してくれたことも信頼につながりましたね。

Kさん:私たち自身も変革の途上にありました。完成されたシステムを導入するよりも、システムと共に私たちも成長し、将来的な活用の幅を広げていきたい。その「未来への広がり」に賭けてみようと思ったのが決め手です。

「真面目に働く人が報われる」公平なシステムへ

freee導入にあたって、現場からの反発はありませんでしたか?

Kさん:打刻に指紋認証を導入した際、最初は正確に管理されることへの戸惑いが多少あったかもしれません。以前の仕組みでは、極端な話、少しの遅刻なら表面化しませんでしたから。

しかし逆に、「やっと公平になった」と歓迎するような空気も感じました。それまでは、早番で誰よりも早く来て準備を整えていても、遅刻ギリギリに来た人と評価が変わらない「真面目な人ほど損をする」状況だったんです。

Tさん:導入に先立ち、職員には「このシステムは、頑張っている人を正当に評価し、守るためのものです」と丁寧に説明しました。

いざ運用が始まると、大きな混乱はありませんでした。「機械操作は無理だ」と不安がっていた70代のパート職員さんも、指紋認証とスマホ操作をすぐに覚えてくれて、驚きましたね。

3日かかった勤怠集計が1日に。リアルタイムな承認で業務が激変

導入後の具体的な変化を教えてください。

Kさん:一言で言えば「劇的」です。以前は月末から月初にかけて、各施設の事務員が3日間つきっきりで勤怠集計を行っていました。締切に追われ、休むこともままならない。それが今は1日もかからず完了し、休暇も気兼ねなく取れるようになっています。

Tさん:手書きの残業申請を集計する作業も、かつては1週間近くかかっていましたが、今は長くても1日で終わります。

何より、本部から全施設の状況をリアルタイムで確認し、その場で承認できるようになったメリットは計り知れません。

「昭和から令和へ」30年分をジャンプするアップデート

業務効率化だけでなく、職場環境も大きく改善されたのですね。

Tさん:全体の負担が軽減されたことで、従来は2名体制だった事務業務を、1名で十分に回せるようになりました。

入所系ではない施設では、管理栄養士が事務も兼任しているのですが、本来の業務の合間にこなせるほど効率化されています。特に若い職員は、デジタルな仕組みを当たり前のものとしてスムーズに使いこなしています。

Kさん:以前は新入職員に「うちはハンコなんです」と説明するのが、正直少し恥ずかしい気持ちもありました。それが今では、若い世代がストレスなく活躍できる環境になったと感じます。freeeの導入は、私たちにとって「昭和から令和へ」30年分を一気にジャンプするようなアップデートでした。

今ある課題を解決し、次の世代へバトンをつなぐ

今後のビジョンについてお聞かせください。

Kさん:半日教えれば誰でもバックオフィス業務を回せる、「freeeを見れば法人のすべてがわかる」状態を理想としています。効率化で生まれた時間を、本業である介護の質向上や、利用者様と向き合う時間、そして新しいプロジェクトへの挑戦に充てていきたいですね。

ハマノ愛生会様として、今後注力していきたいことは?

Tさん:私たちは大部屋で多床室の施設を大切に運営しています。多床室は利用者様が安価に利用できるという大きなメリットがありますが、新規開設ができないことから業界全体では減少傾向にあります。

しかし、地域には低コストで利用できる施設が絶対に必要です。事務コストを徹底的に抑え、その分を現場のケアや設備投資に還元する。それこそが地域福祉を支え続けるための、私たちの経営戦略です。

「現状維持は衰退を待つのと同じ」属人性から脱却し、誰でもできるシステムを

最後に、バックオフィスに課題を抱える介護福祉事業者の方々へメッセージをお願いします。

Tさん:変化を恐れないことが何より大切です。私たちも30年分の変化を一度に経験しました。最初は勇気がいりますが、一度飛んでしまえば、全く新しい、明るい景色が広がっています。

「今、困っていないから変えなくていい」という現状維持は、衰退を待つのと同じです。労働人口が減少し、採用がますます困難になる未来は確実に来ます。その時が来る前に、属人性を排し、誰もが力を発揮できるシステムを整えておくべきではないでしょうか。

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