1999年の設立以来、20年以上にわたって音声を中心としたコンタクトセンターソリューションを専門に、さまざまな業界向けサービスを展開してきたログイット株式会社。2024年にはIT企業グループのテリロジーホールディングスの一員となり、AIなど最新技術の活用にも積極的に取り組んでいます。
今回は、freeeの各種プロダクト導入のキーマンとなった管理部長の津花さまと外部サポートメンバーとして実務に携わる株式会社経理マネージャー・バンクの深田さま、フリーSMB事業本部アカウントマネージャーの石井による3名の対談形式で、導入がもたらすメリットや今後の展望について語っていただきました。
はじめに、皆さまが普段取り組まれている業務内容や事業について教えてください。
津花(ログイット): 管理部でバックオフィス業務を担当していて、経理関係を中心に人事労務や総務など一通りの業務を見ています。弊社で今一番の主力として扱っている商材が、コールセンター向けの通話録音システムです。最近は新たにコールセンターにかかってきた電話音声から、感情を分析するシステムが登場して、次の主力事業として伸ばそうと取り組んでいるところです。
ログイット株式会社 管理部長 津花 弘樹 氏
深田(経理マネージャー・バンク):主に経理業務のアウトソーシングということで、ログイットさまから経理業務全般を請け負っています。他には、購買業務なども少しお手伝いさせていただいています。
主な事業は、学習塾や大学などの教育系クライアントを対象とするデジタルマーケティング支援です。今の小中高生のスマートフォン保有率は極めて高いものの、Google広告やYahoo!広告では未成年保護の観点から18歳未満へのターゲティングができません。少子化も進む中、明光ネットワークジャパンで培った業界知見を活かして、小中高生に効率良くアプローチするためのお手伝いをしています。
「この人でなければできない」仕事を無くしていく
属人化解消への挑戦
freeeのプロダクトを導入する前は、社内にどのような課題があったのでしょうか。
津花(ログイット):当時は、あまりシステム化が進んでいない経理ソフトを使用しており、それ以外の業務はほとんどExcelで管理している状態でした。請求や支払、労務関連のデータもそれぞれ別ファイルで管理していたため、情報の突き合わせや確認作業に多くの時間を費やしていました。
私が入社したのは2022年ですが、その当時、管理部門のメンバーは4名ほどで、私以外は10年以上在籍しているベテラン社員ばかりでした。そのため業務フローは暗黙知として確立されており、 「この処理はこの人にしか分からない」という仕事が多く存在していました。
たとえば、請求処理や支払管理、給与関連のオペレーションも、それぞれ担当者の中にノウハウが蓄積されており、マニュアル化されていない部分も多かったんです。そのため、担当者が不在になると業務が止まってしまうリスクを常に抱えていました。
特に、バックオフィスは会社の基盤となる機能です。そこが個人の経験や勘に依存している状態は、企業として非常に危険だと感じました。将来的に組織が拡大した際にも耐えられる体制をつくる必要があると考え、まず着手すべきは「業務の属人化解消」だと判断しました。
そこで、業務プロセスを整理しながら、freeeのプロダクトを軸にシステム化を進めていきました。
フリー SMB事業本部 SMB営業部 アカウントマネージャー 石井 大貴 氏
石井(フリー):特定の社員の経験に依存した業務は、担当者の異動や退職、あるいは組織拡大のタイミングで必ずボトルネックになります。津花さまは「今は回っているが、この先も回り続けるのか」という視点で課題を捉えられており、まさに将来を見据えた意思決定だったと思います。
津花(ログイット):バックオフィス業務は、表からは見えにくいですが、会社の成長を支える土台です。人が変わっても、同じ品質でオペレーションを回し続けられる仕組みがなければ、組織として安定した成長は難しいと思っています。
そのため、個人の経験に依存しない業務プロセスを構築し、「誰が担当しても同じ成果が出せる状態」をつくることが、最も重要なテーマでした。
数あるプロダクトの中で、freeeを選ばれたのはどんな理由からですか。
津花(ログイット):フリーさんは、「統合」というコンセプトを掲げていますよね。そこに、まず共感しました。freeeのプロダクトは、会計や人事労務など複数の領域が一つのマスター情報でつながっており、基本情報を一度メンテナンスすれば、関連する業務全体に反映される設計になっています。こうした「システム間の分断がない」という思想は、私が実現したいと思っていた「誰が担当しても同じ成果が出せる状態」をつくるために不可欠でした。ここが、導入の大きな決め手になりましたね。
また、以前からfreeeというサービスの存在自体は認識しており、前職時代に会計士の方から「freeeは選択肢として十分あり得る」と聞いていたこともあり、比較検討の中で自然と候補に入っていました。
石井(フリー):深田さまは、実際に現場で使ってみてご感想はいかがですか。
深田(経理マネージャー・バンク):私は経理業務のアウトソーシングを通じて、複数の企業さまのバックオフィスを支援しており、競合製品に触れる機会も多いのですが、freee会計は操作性の面で扱いやすいと感じています。
特に便利だと感じているのは、freee人事労務など他のプロダクトから情報をスムーズに連携できる点です。従来は、給与や勤怠などの情報を別システムから手作業で取り込む必要がありましたが、その工程が減ることで、日常業務の負担が大きく軽減されました。
また、freeeの特徴的な仕組みとして「取引」という概念がありますが、これは他社プロダクトと大きく異なる点だと思います。例えば、債権・債務の消し込みについても、銀行データが自動で連携され、システム上で処理が完結するため、作業効率が非常に高いと感じています。
案件の採算を“見える化”する
「freee販売」「freee工数管理」の導入理由
経理や人事労務だけでなく、販売や工数管理の領域でもfreeeのプロダクトが力を発揮していったそうですね。
津花(ログイット):これまで当社では、案件単位での売上は把握できていましたが、人件費を含めた正確な採算管理まではできていませんでした。特に技術部門の工数はExcelで個別に管理しており、案件ごとの収支を確認するためには、複数のデータを手作業で突き合わせる必要がありました。
そのため、収支を振り返る際にもタイムラグが発生してしまい、リアルタイムに採算状況を把握することが難しいという課題がありました。また、工数データの管理方法が部門ごとに異なっていたため、集計や分析にも時間がかかっていました。
freee販売とfreee工数管理を導入したことで、案件別の売り上げの情報と工数の情報を紐づけて管理できるようになり、案件別の収支をより正確かつタイムリーに把握できるようになったと感じています。
導入当初は、プロジェクトをどの単位で登録するのか、どの案件をどのプロジェクトに紐付けるのかといったルール設計に苦労しましたが、プロジェクトの粒度が曖昧だと収支データの精度にも影響してしまうため、社内で何度も検討を重ねました。
現在は、freee販売に登録した案件情報をそのままfreee工数管理に連携する形に整理しています。この運用により、案件情報を二重入力する必要がなくなり、データの整合性も保ちやすくなりました。
こうした仕組みが整ったことで、収支管理の効率化だけでなく、案件ごとの作業進捗やコスト状況をより客観的に把握できるようになり、経営管理の観点でも大きな変化を感じています。
石井(フリー):freee工数管理は、管理者さま目線でも社員さま目線でも使いやすいよう、シンプルに設計されています。おそらくログイットさまでも、一つの案件プロジェクトに対してさまざまな立場の方が関わっていますよね。予定通りに案件管理を進めていくためには、リアルタイムに正しいデータを入力していただくことが大事だと考えているので、特に「使いやすさ」に強みを持ったプロダクトとして開発をしています。
津花(ログイット):みんなきちんと情報を入力してくれているので、まさに強みが発揮されているのかなと思います。
経理を「記録する部署」から「経営判断を支える部署」へ
直近では、freee人事労務アウトソース、freee福利厚生、freeeサーベイも導入されています。これらの導入に至った背景を教えてください。
津花(ログイット):一番大きかったのは、「この人がいないと回らない仕事」を減らしたいという思いでした。
これまで給与計算まわりの業務は、派遣社員の方にオペレーションをお願いして、最終的な計算は社会保険労務士事務所に委託していました。ただ、その方がもし退職された場合、引き継ぎの負担が大きくなってしまうという不安がずっとありました。
バックオフィスは、表に出る仕事ではないですが、止まってしまうと会社全体に影響が出てしまう領域です。だからこそ、特定の人に依存しない形で安定して回せる体制をつくりたいと考えていました。
もう一つは、管理部門としてどこに時間を使うべきかを考えたときに、経理業務や経営管理にもっと踏み込んでいきたいという思いがありました。給与計算などの定型業務に多くの時間を取られるよりも、会社の意思決定に役立つ情報をつくる仕事に時間を使いたいと考えたのが、アウトソースを検討した理由です。
今後やっていきたいのは、「数字を処理する経理」ではなく、「経営に活かせる情報をつくる経理」です。
データは集めるだけでは意味がなくて、それをどう使うかが重要だと思っています。 例えば、どの案件がどれだけ利益を生んでいるのか、どこにコストがかかっているのかを見える形にして、経営判断に役立てていきたいと考えています。
石井(フリー):経営を支える頭脳というか、右腕的な形ってことですね。
津花(ログイット):freee福利厚生やfreeeサーベイの導入についても、根底にあるのは「人が辞めない会社をつくりたい」という思いです。
特に当社では、今年から初めて新卒採用を始めました。若い世代は福利厚生を重視する傾向があると感じていて、入社を決めるきっかけの一つになればと思っています。
また、freeeサーベイについては、面談だけでは見えない社員の本音を把握できる点に期待しています。離職は突然起きるように見えて、実はその前に兆しがあると思っています。そうした変化に早く気づける仕組みをつくりたいと考えています。
石井(フリー): おっしゃる通り、離職は突然起きるものではなく、その前に小さな兆しがあるケースが多いですよね。サーベイで社員の声を可視化し、福利厚生とあわせて環境改善につなげていくことは、人材定着の観点でも非常に意義のある取り組みだと感じています。
バックオフィスは「増やさないほうが良い」
目指すのは、グループでの業務標準化
ログイットさまは、さまざまなIT企業が集まったテリロジーホールディングスの一員でもあります。今後の展望や、業務を通して実現したいことについて教えてください。
津花(ログイット):テリロジーホールディングスでは、子会社の会計システムをfreee会計に統一していこうという動きがあります。私自身、freeeを実際に活用してきた立場として、その経験をグループにも還元していきたいと考えています。
現在は、連結決算の作業でも手作業に頼っている部分が多く残っているのですが、会計システムを統一することで、グループ全体の業務効率は大きく変わるのではないかと感じています。
グループ全体を見渡すと、管理部門に携わる人員はかなり多いと感じています。少し誤解を恐れずに言うと、管理部門は人員を増やしていくというよりも、仕組みで回せる体制をつくり、その分、本当に価値を生み出す部門に人材を振り向けていくべきだと考えています。
もちろん、管理部門が不要という意味ではありません。バックオフィスは、会社の基盤を支える重要な役割を担っています。ただ、人に依存するのではなく、誰が担当しても回る仕組みを整えることが、組織の持続的な成長につながると思っています。そのためにも、システムの統一や業務の標準化は、グループ全体で取り組むべきテーマだと考えています。
ログイットとしてfreeeを活用してきた中で特に感じているのは、「統合」という考え方の価値です。会計、人事労務、販売、工数管理など、それぞれの業務が分断されるのではなく一つの流れとしてつながっていることで、業務の精度やスピードが大きく変わりました。
このような取り組みは、一社の効率化にとどまらず、グループ全体の業務基盤をつくる上でも重要になると感じています。弊社で積み上げてきた運用ノウハウはまだ発展途上ではありますが、同じ課題を抱えているグループ会社にとっては参考になる部分も多いはずです。
成功したことだけでなく、試行錯誤してきた過程も含めて共有することで、グループ全体でより良い業務基盤をつくっていければと考えています。
石井(フリー): ログイットさまは、会計だけでなく、販売管理や工数管理、人事労務まで含めてfreeeのプロダクトを横断的に活用していただいており、その運用ノウハウはグループ全体の業務標準化を進める上でも非常に大きな価値を持っていると感じています。
津花さまがお話しされていたように、バックオフィスを「人に依存する業務」から「仕組みで支える業務」へと変えていく取り組みは、企業の持続的な成長にとって欠かせないテーマだと思っています。
freeeとしても、単にプロダクトを提供するだけではなく、ログイットさまが目指されている業務基盤づくりやグループ全体での標準化を実現できるよう、今後も伴走しながら価値提供を続けていきたいと考えています。





