SNSフォロワー3.4万人をどう「行列」に変えたのか?『人生は有限』の覚悟と、経営の解像度を上げるfreeeの活用法

株式会社イコック

代表取締役 大山 慶悟 氏

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大山慶悟氏:ご紹介

日本におけるエスニック料理業界支援の気鋭の起業家。学生時代に特化型メディア「エスニックマガジン」を立ち上げ、同分野の魅力発信を牽引。株式会社リクルートでの飲食領域の営業を経て、2024年に株式会社イコックを設立。現在は「日本と海外をつなぐ架け橋」を掲げ、東京・元赤坂にてバインミー専門店「TOKYO BANH MI STAND」を運営。店舗の集客・ブランディング支援や特化型求人サービスの展開など、エスニック料理を軸とした業界活性化と多文化交流を推進している。




オンラインでの情報発信から実店舗の経営まで多角的に奔走するのが、株式会社イコックの大山慶悟氏だ。大山氏のキャリアの原点は、バックパッカーとして世界30カ国以上を渡り歩き、インドで「命の有限性」を痛感した経験にある。帰国後は株式会社リクルートで飲食店の営業支援に従事し、その後独立 。約3.4万人のフォロワーを抱えるエスニック特化のSNSアカウントを運営してきた。

デジタルマーケティングの世界で着実な成果をあげてきた大山氏が、次なる挑戦として参入したのが「バインミー専門店の実店舗経営」だった。現場経験ゼロからのスタートでありながら、緻密なデータ活用と泥臭い行動力で壁を突破していく大山氏。開業における資金調達の苦労や、freeeを活用した攻めの経営を支える「数字の裏付け」、そして今後の展望について話を伺った。

インドで変わった死生観。「人生は有限だから、今すぐ一歩を踏み出す」

大山氏のキャリアの原点は、大学時代にバックパッカーとして世界を旅した経験にある 。特に、大学1年生の時に訪れたインドのバラナシで見た景色が彼の人生に大きな影響を与えたという。

「チャイを出している横で人が焼かれているというカオスな光景を目の当たりにし、『命の有限性』を痛感しました。人はいつか必ず亡くなるのだから、後悔しないように今思ったことをやろう、と決意したんです。」

その後、株式会社リクルートで飲食業界の営業を経験し、グルメ紹介のSNSアカウント運用などのメディア事業で独立。そして、会社のミッションである「日本と海外をつなぐ」を体現するため、自ら店舗を持つことを決断した。単なるビジネスではなく、自身の理念をダイレクトにお客様へ届けるための「文化の架け橋」を作る試みだった。

SNSデータと「泥臭い足し算」で勝ち抜く戦略

現場経験ゼロでの実店舗経営にあたり、大山氏は自身の強みであるSNSフォロワーのデータを最大限に活用した。物件選びではフォロワーにアンケートを取り、労働者が多いにもかかわらずバインミー店が少ない「港区」に需要があると判断して出店を決めた 。

しかし、オープン前には「資金調達」と「味が受け入れられるか」という大きな壁が立ちはだかった。

  • 資金調達
    特に資金調達は難航し、一時は先行して進めていた物件取得が無駄になるかもしれない緊迫した状況だったが、最終的に信用金庫から融資を取り付けた
  • 味の追求
    本格的な味と日本人への受け入れやすさを両立させるため、ベトナム料理研究家に協力を依頼しメニュー開発を開業準備と同時進行で進めた。

また、エスニック料理特有の「入りにくさ」を解消するため、白と緑を基調とした清潔感のある内装にし、完全キャッシュレス決済を導入して衛生面とスピードを向上。さらに公式ロゴである「ビンミー君」というキャラクターを導入し、より幅広い層にアプローチする工夫を凝らした 。

その甲斐あってオープン当初は話題を呼んだが、1月後半に客足が遠のく時期が訪れる。その際、大山氏はSNSでの発信に留まらず、ローカルエリアの会社員をターゲットとした企業訪問やビラ配りといったアナログな集客努力を徹底した。結果として客足は戻り、現在では店頭とモバイル注文を合わせて30%近くという高いリピーター率を誇っている。

freeeがもたらした、経営を支える「数字の裏付け」

会社設立時からfreeeのサービスを利用している大山氏。右も左も分からない創業期において、「freee会社設立」のガイドに沿って手続きを進められたことが大きな助けになったという。

設立から2ヶ月後には税理士を雇い入れ、現在はfreee会計と連携した運用を行ってい。大山氏が特に恩恵を感じているのは、日々の煩雑な経理業務の圧倒的なショートカットだ。

① スマホ完結の領収書読み込みが「攻めの時間」を生む

急な買い出しなどで月に30〜50枚ほど発生するレシートも、スマホで撮影するだけで自動でデータ化される。この圧倒的な効率化により生まれた時間は、ベトナム現地へのメニュー視察や、SNSメディアの運営といった「売上を伸ばすための攻めの時間」に充てられている。

② 数字の可視化による「判断スピード」

大山氏のチームは、店舗の売上系KPIを日次ベースで設定し、月末に振り返りを行っている。 複雑になりがちな複数口座の入出金や、クレジットカード・QRコード決済などの未来の入金予定も、freeeのダッシュボードを見れば一目で把握できる。「今、会社にどれだけの体力があるのか」がリアルタイムで可視化されることは、経営者にとって何よりの心の余裕に繋がり、次の戦略へ打って出るためのスピードを加速させている。

今後のビジョン——「食」をインフラに、多文化共生を実現する

今後、大山氏は店舗展開をさらに進め、東南アジアの食文化を日本国内に広めるインフラを作りたいと構想している。

「将来的には、日本で働くベトナム人などの外国人労働者の方が働きやすい環境を作りたいです 。彼らが母国の料理を誇りを持って提供することで労働意欲が高まり、『日本と海外を繋ぐ架け橋になる』という会社のビジョンとも合致すると考えています。」

バインミーが日常の楽しみの選択肢の一つとなり、食を通じて東南アジアへの興味や旅行者を増やす。大山氏の目は、店舗の利益だけでなく、社会に新しい文化を根付かせる未来へ向いている。

これから一歩を踏み出す方へ

最後に、起業や独立を考えている方に向けて、大山氏は自身の原体験に基づく強いメッセージを送ってくれた。

「人生には限りがあります。後悔しない人生を送るためには、思ったことを今すぐ実行に移す『一歩目』を踏み出すことが何よりも重要です。」

経営者の泥臭い努力と、それをスマートに支えるITツール。両輪が噛み合うことで、大山氏の挑戦はこれからも加速し続ける。

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