大都が実現する「全員参加型経営」。現場に寄り添った数字をつくる経理の役割

株式会社大都

3代目代表取締役 ジャック(山田岳人 氏)、CFO トニー(山内 氏)、経理担当 サン(中村 氏)

大都が実現する「全員参加型経営」。現場に寄り添った数字をつくる経理の役割

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大阪を拠点に、DIY・工具領域でEC事業を展開する創業1937年のベンチャー企業、株式会社大都。 同社は経営数字を現場にオープンにし、権限と判断材料をセットで渡すことで、一人ひとりが自ら考えて動く「全員参加型」の組織づくりを推進しています。 その基盤として、自社で開発した販売管理システムとfreee会計を連携し、膨大な取引データをモール別・変動費別・固定費別に可視化し、経営陣はもちろん、現場が判断に使う分析の仕組みを整えています。

本記事では、より早く数字を見て判断していくために月次決算を3営業日へ短縮した改革から、数字を現場の行動につなげる経理の役割、その先に見据える経営スタイルについて、代表のジャック(山田岳人 氏)、CFOのトニー(山内 氏)、経理担当のサン(中村 氏)に伺いました。

みんなで数字をつくって、一人ひとりが主体的に判断する。freeeは組織づくりのツール。

まずは代表のジャックに伺います。経営数字をオープンにして現場に権限移譲をするというのは、どのような思いから実践されているのでしょうか?

ジャック: そもそもスタッフに変な誤解を招くようなことをわざわざ経営者がする必要はないですよね。数字をブラックボックスにしたら、疑われるというか、上の人間がなんかよろしくやってるんでしょう、と現場に思われる。それで良いことがないんです。
僕は権限委譲と数字の開示はセットでするべきだとずっと言っていて、難しい仕事や目標だけ現場に渡すけれども、肝心の数字の部分が見えないと、やっぱり現場はやりようがないですよね。

数字と権限を現場に渡すことで、どのような組織を目指しているのでしょうか?

ジャック: 一人ひとりが自分の持ち場の目標と実績について理解して、上から指示を出さなくとも、個々の判断で動けるようになってほしい。あと僕たちは中小企業なので、使えるリソースが限られているわけです。野球でいえば、ライトはライトの守備範囲だけを守ればいい、というわけにはいきません。
自分の仕事だけを見るだけではなく、周りで何が起きているのかに気づいて、困っている人がいたら助ける。互いに隣の人を助けてあげる、声掛けをしてあげることが、全員参加型ということだと思うんです。そのためにも、会社の情報や数字が見えることが大切です。

理想の組織を目指すうえで、freeeはどのような役割を果たしていますか?

ジャック: freeeを使っていると、freeeの中に会社があるような感覚になっていくんです。以前は領収書を経理に渡して、誰かに処理してもらう仕事だったのものが、今はメンバーそれぞれが入力し、取引先さんにも請求書をデータで送ってもらって、みんなでつくっていくというのが、僕たちの会社に合うんですよね。
「あの資料はどこにあるのか」「あの数字を出してほしい」と聞かなくても、freee会計ならアカウントを付与しておけば自分で見にいけます。経営陣が数字を聞いても、「自分で見てください」と言われますからね。
誰か一人に任せるのではなく、みんなが必要な情報を入れて、見て、それぞれの立場で判断する。 そのプロセスを経て、関係性が良くなっていく、組織づくりのツールだと思っています。

早く数字を見て、早く判断できるように。月次決算の短縮は仕組みから変える。

ここからは実際に経理を担当されているサンにお話を伺います。まずは業務内容について伺えますか?

サン: 経理全般、起票から試算表、決算、分析資料の作成まで、ほぼ全般を担当しています。給与計算や年末調整についても、担当者は別にいますが、最終チェックは私がしています。前職でも同様の業務内容だったんですが、セキュリティ上の理由から、会計ソフトをインターネットにつなぐことが禁止されていたんです。会社に行って、決まったパソコンで作業するのが当たり前でした。今はインターネットさえあれば、どこでもfreee会計を開いて仕事ができます。

代表のジャックから、大都では、経営の数字を現場にもオープンにしていると伺いました。それだけではなく、月次の締めも5営業日から3営業日に短縮されたと伺ってます。2日も短くするのはなかなか大変だったと思いますが・・・

サン: はい。より数値を早く報告するために、3営業日で数字を締めることになりました。ただ、これまでと同じやり方では不可能だったので、単純に作業を急ぐのではなく、仕組みそのものを変えました。

例えば、仕入先さんには月末までに請求書を出してもらうようお願いして、期限に間に合わない場合は翌月に繰り越してもらいます。社内の経費についても、3営業日までに請求書が届かないケースがあります。その場合は、現場担当者にfreee会計のワークフロー機能で「概算計上」の申請を上げてもらい、経理側で振替伝票を作成します。翌月に一度概算を戻し、金額が確定した支払いとして改めて処理する流れです。

決算の締め業務から更に、経営陣や事業責任者に渡す分析資料も作成されているんですよね?

サン:そうですね。現場は限界利益を一番見ているので、固定費・変動費を自社EC、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonといったモール毎に分けて、取引先別や品目別でも分かるようにしています。
これらのデータはfreee会計に入れる時にセグメントタグや品目タグを付与して、後から出せるように管理しています。

※freeeヘルプセンター「タグとは」のページより抜粋

とても細かく、現場が見たい角度で分析できるように数字を共有されているんですね。現場の方も数字の分析が鋭くなってきたりするんでしょうか。

サン:めちゃくちゃ言われます。「ここの数字ちょっと予測と違ってます」とか。見直したら間違っていたということもありますね。日常的に数字を見て予測を立てて、ということをやっているので、分析の精度の高さはすごいですね。

現場や経営者が見て、判断できる数字をつくるまでが経理の役割。

サンには、月次を3営業日で締めるために、業務の仕組み自体を変えたというお話を伺いました。トニーは、月次を早く締めることに、どのような意味があると考えていますか?

トニー: 早く数字を見て、早く判断して、早く動くためです。月次決算を早くすること自体が目的ではありません。数字が出るのが遅ければ、それだけ判断も遅くなります。

月次を締めた後は、どのように数字を活用しているのでしょうか?

トニー: 月次決算を締めた後は、その数字を事業側が判断できる形に組み替えています。銀行に説明するのであれば、試算表を見せながら話せばいいのですが、現場のメンバーが試算表をそのまま見ても、なかなか判断にはつながりません。

費用を変動費と固定費に分け、さらにモールごとに振り分ける。そこから、モールごとの利益や、一出荷あたりにどれくらい利益が残っているのかを出しています。その結果、いわゆる銀行や投資家が見る試算表とは異なる、現場が使える経営分析ができるようになり、現場が主体的にモールごとの予実管理、また商品あたりのコストの見直しにつなげています。

トニーのお話を伺っていると、経理という仕事がいかに経営にとって重要な役割か、改めて考えさせられます。

トニー:
そうですね。経理の仕事は、数字を作って終わりではないと思っています。その数字を事業部や経営者が見て、判断できるところまでつくることが大事です。

例えばモールで商品が売れると手数料が必ず発生しますよね。これは会計的には「変動費」ではなく、「売上のマイナス」で計上するのが正しいんです。なので経理は「売上のマイナス」で処理したくなるんですが、現場のメンバーから見ると、モールの手数料が引かれて計上された売上と、現場で販売個数と単価から予測していた売上とのギャップが生まれてしまう。
そうなるとやっぱり現場が何を知りたいのかに寄り添って、どう見せれば次の行動につながるのかまで考えて手触り感ある数字をつくる、それが経理の役割だと思っています。

最後に改めて、ジャックが目指す経営スタイルを教えてください。

ジャック: 僕が目指しているのは、やっぱり取引先さん、お客さんもそうだけど、社員からも愛される会社。取引先さん、お客さん、社員が会社のことを愛してくれて初めて、大都のミッションである「ハッピートライアングル」が成立すると思っているので、会社としてはやっぱり愛されるべき存在を目指すっていうのが、僕たちのやりたい経営かなって思ってます。

僕らは社員同士、仲良いと思ってますけど、別に仲良しグループをつくろうとかそういうことではなく、そのほうが成果が出るんですよね。数字をオープンにするのも、権限を渡すのも、困っている人がいたら自然に助け合える強いチームになっていくことに繋がりますし、結果的に生産性が上がって、業績も上がる。
そこはこれからもぶらさずにやっていきたいですね。

【株式会社大都 過去の事例記事はこちら】
クラウドERPでグループ企業も一括管理。大阪と東京子会社の2拠点間会計がfreeeでまとまる理由

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