『想いをカタチに』という理念のもと、2017年に通所介護事業として開業し、身体機能の向上を中心にサービスを展開する株式会社Connect。
「杖なく歩けるようになりたい」「孫の成人式に行きたい」など、利用者一人ひとりの目標に寄り添った支援を行い、目標達成時には表彰を行うなど、モチベーション向上を促す仕組みが同社の特徴です。従業員の強みを活かしながら事業を拡大し、現在はボディコンディショニングや旅行支援など、多彩なサービスを展開しています。
事業を多角化させる一方で、バックオフィスは手動入力中心のワークフローとなっており、課題が山積していました。労務・経理は創業時から代表の大澤宏貴氏が一手に担っており、夜遅くや休日まで事務作業に追われる日々。従業員の育成など、中長期的な事業成長に不可欠な業務に手が回っていなかったといいます。
そんな同社が、2022年末に「freee人事労務」を導入。毎月7日ほど要していた給与計算が1日で完了するようになり、店舗増設を見据えて管理職へバックオフィス業務を引き継ぐ体制も整いつつあります。
今回は、freee導入前の課題や導入後の成果、そして今後の展望について、大澤さんと主任の赤坂麻希子さんにお話を伺いました。
代表がネットで調べ給与計算、ミスへの不安からチェックを繰り返す日々
freee導入前に、事業所やバックオフィスで生じていた課題を教えてください。
大澤宏貴さん(以下、大澤): 創業時から、代表である私が現場の管理や機能訓練業務の傍ら、労務・経理などのバックオフィス業務を担当してきました。freee導入前は、他社の介護ソフトとExcelを併用していましたが、実態は手動入力中心のワークフローでした。
特に負担となっていたのが、毎月の給与計算です。当時は社労士や税理士との顧問契約がなく、ネットで調べた情報を基に自力で計算していました。しかし、欠勤や残業に伴う計算パターンが多岐にわたり、イレギュラーな勤怠が発生するたびに調査に膨大な時間を取られていたのです。
また、年末調整だけは税理士に依頼していましたが、給与明細も年末調整書類もすべて紙ベースだったため、管理が煩雑でした。従業員側も書類の記入や提出に手間を感じていたと思います。
現場の仕事も多忙な中、事務作業はいつ行っていたのでしょうか?
大澤: 給与計算などは、集中できる環境が必要だったため、利用者を送り出した後の夜間や休日に対応していました。当時は夜22時頃まで残ることも常態化していましたね。
また、当時はネットバンキングを利用していなかったため、窓口で振込額を転記して給与を振り込んでいました。日中の業務の合間に銀行へ駆け込むような状態で、昼食すらままならない日も多かったです。
出退勤はExcel管理で曖昧。管理の限界から「みなし残業制」を選択
freee人事労務の導入前、出退勤はどのように管理していましたか?
大澤: 出退勤も他社の介護ソフトとExcelを併用し、私1人で管理していました。
厳密に計算する時間的な余裕がなかったため、やむを得ず「みなし残業制」を採用し、形式的に出退勤時間を統一して管理していました。タイムカードもなく、Excelで出退勤の記録をつけていました。
ただ、みなし残業制のため、定時後も残る従業員がおり、今振り返れば労務管理に甘さがある、いわゆる「ブラック」に近い状態だったかもしれません。
赤坂麻希子さん(以下、赤坂): 今より従業員が少なかった一方で業務量は多く、送迎などを含めると1日で2万歩は歩くほど多忙でした。大澤も常に忙しそうで、質問しづらい雰囲気がありました。
「シンプルで使いやすい」と友人から紹介。わずか1ヶ月でfreee導入
システム導入を検討したきっかけを教えてください。
大澤: 当時利用していた介護ソフトの給与計算機能が廃止されることになり、代替ツールの検討を始めました。
加えて、私自身に子どもが生まれたことも大きな動機です。以前のように深夜まで残るわけにはいかなくなり、「早く帰らなければ」という切実な思いがありました。1人目の誕生で21時、2人目で20時退勤と、執念で業務時間を削る中で、システムによる効率化の必要性を痛感したのです。
数あるツールの中から、freee人事労務を選んだ経緯は?
大澤: 知り合いの経営者から「freeeはシンプルで使いやすい」と勧められたのがきっかけです。実際に触ってみて、一度入力した情報が関連箇所へ自動転記される利便性に惹かれました。
コスト面では介護ソフトの連携先のほうが安価でしたが、使いやすさを優先してfreeeを選びました。1ヶ月の無料トライアルを経て、年末調整を見据えた2023年1月から正式に運用を開始しています。
導入時に苦労したことはありましたか?
大澤: システム導入に伴い残業管理を厳格化するため、最新の労務知識を改めて学び直す必要がありました。
大変ではありましたが、freeeのカスタマーサポートに助けられながら知識を深められたことは、経営者としての成長につながったと感じています。労働法への理解が深まったことで、「従業員の暮らしを守る」という責任感をより強く持てるようになりました。
転記不要のため給与計算が1日で完了!振込作業も大幅に効率化
freee人事労務を導入して、業務効率はどのように改善されましたか?
大澤: 自動転記と自動計算のおかげで、他の業務と並行しながら給与計算を終えられるようになりました。以前は確定までに10日ほど要していましたが、今では基本1日、イレギュラーがあっても2日程度で完了します。
振込もネットバンキング連携により、銀行に駆け込む必要がなくなりました。費用面でも、かつてのスポットの税理士報酬より、freeeの年間利用料の方が安く抑えられています。
1分単位で残業時間を記録。組織全体に「時間意識」が浸透
組織にはどのような変化が見られましたか?
大澤: 1分単位で残業時間を記録できるようになったことで、みなし残業制を廃止し、実働に応じた適正な支払いに切り替えられました。これにより、クリーンな職場環境へと前進できたと感じています。
赤坂さんから見て、現場の変化はどう感じますか?
赤坂: 以前は送迎シフトを組む際、「残業代が増えないのに申し訳ない」という心理的な負担がありました。今は働いた分だけ正当に対価が発生するため、依頼する側も気が楽になりました。
また、給与明細をスマホでいつでも確認できるようになったのは、従業員にとって嬉しい変化です。年末調整も以前は1時間近くかかっていたのが、今はわずか3分程度。ふるさと納税のときも年収の計算が楽です。
ゆとりができ、年2回の職員との面談が年10回以上に増えた
マネジメント面での変化はいかがでしょうか。
大澤: 時間的なゆとりが生まれたことで、従業員と向き合う時間を大幅に増やせました。以前は年2回だった面談を、現在は年10回以上実施しています。福祉業界でこれほど頻繁に1on1の時間を確保できている例は、珍しいのではないでしょうか。
かつては余裕のなさから「背中を見て学べ」というスタンスになりがちでしたが、今は一人ひとりの人材育成にしっかりと時間を割けるようになっています。
2店舗目開業に合わせ会計も導入予定。誰もができる組織を目指す
今後の事業成長に向けて、freeeをどう活用していく予定ですか?
大澤: 2026年夏の店舗増設に合わせて「freee会計」の導入も予定しています。狙いは、バックオフィス業務を担える管理職を育成し、属人化を排除することです。
自分一人で管理するならExcelでも可能ですが、組織を拡大し、個々のスキルに依存しない体制を作るには、freeeのようなシステムが不可欠です。Excelは数式の破損一つで全体の整合性が失われるリスクがありますが、freeeなら不慣れな担当者でもミスなく運用できます。
freee人事労務でその操作性の良さを実感しているので、会計分野でもスムーズな引き継ぎと管理体制の構築ができると期待しています。
また、ワークフローの整備を通じて、管理職のエンゲージメント向上も図りたいと考えています。「ミスなく操作でき、自分で組織を管理している」という実感を持てる、そんな職場を作っていきたいですね。
小規模なうちから「バックオフィス内製化」の仕組みを整える意義
今後、事業を通じて実現したいビジョンを教えてください。
大澤: リハビリの先にある、利用者の「活動の場」を広げていきたいです。
運動能力の向上は、周囲がサポートする「介護」の枠に留まらず、利用者自身が「未来を切り拓く力」に直結します。赤坂が主導している旅行支援をはじめ、今後は就労支援や農家と連携した畑作業など、幅広い社会参画の可能性を模索していくつもりです。
同規模の介護事業所を運営する経営者へ、アドバイスをお願いします。
大澤: 組織が小さいうちにバックオフィスを内製化しておくことは、長期的な経営の安定と成長につながります。
最初から専門家へ丸投げするのではなく、経営者自身が労務や会計の知識を身につけていれば、不測の事態でも適切な判断を下せます。また、数字に強くなることで銀行からの信頼も得やすくなります。
内製化には、担当者のスキルに依存せず管理できる仕組みが欠かせません。その点、直感的に操作できるfreeeは、これから成長を目指す事業所にとって、心強いパートナーになるはずです。
