案件別損益の見える化で「攻めの経営」へ ーfreee会計でDX・採用改革を加速するアバンスー

株式会社 アバンス

代表取締役 工藤 聖

案件別損益の見える化で「攻めの経営」へ
ーfreee会計でDX・採用改革を加速するアバンスー

株式会社 アバンス

熊本県熊本市

課題

  • 決算まで案件ごとの損益が見えない
  • 勘と経験に頼る感覚的な経営管理
  • 過去の原価データの検索や分析が困難

導入の決め手

  • 顧問税理士と同じ画面で相談できる
  • メモタグ機能による現場管理の容易さ
  • 案件ごとの原価や支出の可視化機能

期待する効果

  • リアルタイム損益管理
  • 現場社員のコスト・原価意識の定着
  • DXや高卒採用等、攻めの投資の実現

目次

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熊本の地において、土木インフラの足元を支え続けてきた株式会社アバンス。地質調査から測量、土木設計までを自社で一貫して手掛けるその高い技術力は、官公庁からも絶大な信頼を寄せられている。しかし、地域社会の安全を守るその陰で、社内には長年にわたり解消されない課題が横たわっていた。年間約70件ものプロジェクトが動く現場で、決算を迎えるまで案件ごとの「本当の損益」が見えない――。創業者から継承された長年の「肌感覚」と「経験」に頼る経営管理は、組織のさらなる成長や未来への投資を阻む見えない壁となっていたのだ。 「感覚ではなく、客観的な数字で語れる組織へ」。代表交代を機に立ち上がった工藤聖社長は、顧問税理士の変更とともにクラウド会計ソフト「freee会計」の導入を決断する。それは単なるシステムの更新ではなく、現場のコスト意識を呼び覚まし、DX推進や採用難の打破へと大きく舵を切る、アバンスの新たなる変革劇の始まりであった。

第1章:決算まで「いくら儲かったか」が分からない――感覚で走っていた現場と経営の限界

決算を迎えるまで損益が見えない年間70件の案件を支えてきた感覚経営

アバンス様が手がけられている事業の強みや特徴について教えてください。

工藤 聖様(以下、工藤): 私たちは熊本県内で官公庁などの公共事業を中心に、地質調査や測量、土木設計を行っています。地質調査から設計まで自社でワンストップで対応できる体制は県内でも非常に珍しく、大雨による斜面崩落などの災害時にも、調査から補修設計まで一貫して迅速に対応できるのが強みです。

熊本のインフラ整備や災害復旧において、欠かせない役割を担っていらっしゃるのですね。

工藤: ええ。最近では熊本県内で半導体工場の進出に伴う道路整備や高速道路の建設が進んでおり、トンネルや橋を建てる前の地質調査の需要が高まっています。年間で約70件もの案件が動いており、地域の安全やインフラ構築を足元から支えているという自負があります。

一方で、工藤社長が8年前に前職の県庁から入社された当時、経営管理の面ではどのような課題があったのでしょうか。

工藤: 当時は業務ごとに「どれくらい費用がかかり、どれくらい利益が残るのか」が全く見えていない状態でした。当時は、業務単体で利益が出ているのかどうかがリアルタイムで把握できず、経営判断が経験や感覚に左右されていました。。

現場ごとのリアルタイムな損益が見えないと、どのような苦労が生じていたのでしょうか。

工藤: 決算を迎えるか、半年に一度税理士さんが来られるタイミングでしか全体の数値が分かりませんでした。賞与の支給直前になって「あれ、手元の資金に余裕がないかもしれない」と慌てるようなこともあり、最後まで全体の結果が見えないもどかしさを抱えていました。

多数の現場が同時並行で進む中で、コスト構造の把握も難しかったのでしょうか。

工藤: そうですね。地質調査は実際にボーリングマシーンで地面を掘る職人さんへ外注することが多く、支出の中でも外注費や社内の人件費が大きな割合を占めます。ただ、それらの費用が現場ごとにどう発生しているのか、途中の原価や利益がブラックボックス化していたのが大きな課題でした。

以前使用されていた会計ソフトでは、分析まで行うのは難しかったのでしょうか。

工藤: 以前の会計ソフトは摘要欄にテキストを入力するだけのシンプルなものでした。後から特定の現場の費用や過去のデータを検索しようとしても、入力内容がばらばらでデータが埋もれてしまい、業務ごとの数字を抽出して分析するような使い方は到底できませんでした。

第2章:感覚に頼る経営からの脱却――新社長の決断とfreee会計による「現場管理」の第一歩

客観的な数字で語れる組織へ

創業者の「肌感覚」による経営から脱却しようと決意されたきっかけは何だったのでしょうか。

工藤: 私が創業者の父から代表を引き継いだタイミングが大きな転機でした。それまでは父の長年の経営感覚で成り立っていましたが、これから会社を持続的に成長させていくためには、勘や経験だけに頼るのではなく、客観的な数値で状況を把握できる管理体制を作らなければならないと考えたのです。

その決断に伴い、まずはどのような改革に着手されたのですか。

工藤: 経営体制の刷新に合わせて、会計事務所の見直しを行いました。税務だけでなく、経営について日常的に相談できる体制をつくりたいと考えたからです。その新しい顧問税理士事務所で標準的に活用されていたのが、freee会計でした。

会計ソフトをfreee会計へ移行されることに、不安や迷いはありませんでしたか。

工藤: 正直なところ、ソフトの金額差などはあまり気にしていませんでした。それよりも「顧問税理士と同じシステムを共有してタイムリーに相談できる環境を作ること」の方が圧倒的に価値があると考えたんです。経営のアドバイスを受ける上でも、同じ画面を見ながら迅速にやり取りできるfreee会計への移行は自然な流れでした。

freee会計を導入して、これまでの会計ソフトとの使い勝手の違いをどう感じられましたか。

工藤: 以前のソフトは摘要欄に文字を打つだけで、後からのデータ検索が困難でした。しかし、freee会計には「メモタグ」という強力な機能があります。特定のメモタグを検索条件にするだけで、対象の費用やデータを瞬時に抽出できるため、データを整理して振り返る作業が格段にしやすくなりました。

その「メモタグ」を活用して、具体的にどのような現場管理をスタートされたのでしょうか。

工藤: 請求書を受け取った際、現場の担当者が請求書に案件番号を明記するルールを作りました。経理担当はその番号をfreee会計の「メモタグ」に入力します。これにより、従来の単なる帳簿入力から一歩進んで、どの現場にいくらの費用(外注費や材料費など)が発生しているかを、システム上で紐付けて集計できる土台が整いました。

第3章:実行予算書とfreeeのデータを突き合わせる――1件の現場まで数字を解剖し、見えてきたロスと利益

実行予算書を現場と共有する、着地が読める安心感と、育ち始めたコスト意識

freee会計に蓄積された「メモタグ」のデータを使って、具体的にどのような分析を始められたのでしょうか。

工藤: 会社で独自にExcelで作成した「実行予算書」と、freee会計から抽出した現場ごとの実績データを突き合わせる運用を開始しました。受注額に対して外注費や人件費、材料費などの予算を組み、実際の支出がどう推移しているかを現場ごとに詳細に検証し始めたのです。

案件ごとの損益がクリアに見えるようになったことで、どのような気づきがありましたか。

工藤: 現場ごとの数字を丁寧に見ていくと、特定の技術分野や業務の分類によって利益率に違いがあることが見えてきました。これまで感覚的に把握していた領域でも、客観的なデータによって事業ごとの実際の収益性が明確になったのです。

その「数字の可視化」は、社内のコスト意識や行動にどのような変化をもたらしたのでしょうか。

工藤: 現場担当者に実行予算書を共有し、freeeのデータで実績を確認してもらうことで、社員の中に自然とコスト意識が芽生えました。「どのように工夫すれば利益が残るか」を一人ひとりが意識するようになり、社内全体のコスト管理や意識改革へ直接つながっています。

経営者として、現場ごとの数字をリアルタイムに把握できる価値をどう感じていらっしゃいますか。

工藤: かつてのように「決算になるまで儲かっているか分からない」という状態から完全に脱却できました。自社の強みやコスト構造が数字として可視化されたことで、次の打手を根拠を持って打てるようになり、経営の安定感が段違いに増しました。

第4章:数字が見えれば、攻めの投資ができる――事業戦略の明確化と採用改革が生んだ新たな未来

根拠があるから投資へ踏み込める、採用難を突破し熊本の地盤を足元から支える

freee会計によって現場ごとの数字が可視化されたことで、今後の事業戦略にはどのような影響がありましたか。

工藤: 熊本県内での信頼と地盤データに強みがある一方で、まだ売上全体の3割程度にとどまっている「測量・設計分野」の伸びしろがはっきりと見えました。利益率や収益構造がクリアになったことで、この分野へ人財やリソースを集中投資し、さらに事業を深掘りしていくという明確な方針が定まったのです。

DXや新しい技術の導入に対しても、より積極的に投資できるようになられたのでしょうか。

工藤: ええ。3次元測量のレーザースキャナーや全自動のサウンディング調査機器など、業界に先駆けて新しい技術やソフトをどんどん現場へ取り入れています。目先の損益だけでなく、将来を見据えて社員が新しい技術に触れて挑戦できる環境づくりに投資できるようになりました。

経営基盤が整ったことで、長年課題とされていた「採用活動」にも大きな変化があったそうですね。

工藤: 地方の土木・地質調査業界は採用難が続いており、当社もそれまではお金をかけずハローワーク等に頼っていたため、高卒採用が7年間ゼロという非常に厳しい状況でした。しかし、経営基盤の強化に伴い採用への投資へ踏み切り、専門の採用コンサルタントを入れるなど思い切った採用改革に着手したのです。

採用への投資によって、どのような具体的な成果が得られたのでしょうか。

工藤: 高校訪問のやり方や魅せ方を刷新した結果、これまで7年間ゼロだった高卒採用において、一挙に5人の応募・獲得が見込める体制へと劇的な変化を遂げました。さらに中途採用の強化など、若い世代が次々と集まる組織へと生まれ変わりつつあります。

最後に、数字という武器を手に入れたアバンス様が描く、これからの展望について教えてください。

工藤: 熊本では半導体工場の進出やインフラ整備、災害復旧など、地盤を支える私たちの役割はますます重要になっています。「感覚」から脱却し、確かな「数字」を基盤にできたからこそ、社員の成長や雇用、そして技術へ誇りを持って投資し続けることができます。これからも熊本で一番頼りにされる会社を目指し、熊本の地盤と安全を足元から支え続けていきます。

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