手作業の仕訳や領収書回収・処理をなくし 新たに生まれた時間で社内プロジェクトを推進

医療法人社団 焔 CFO 鈴木 桂祐 氏、経理部 山下 杏里 氏

課題
口座やカードの明細を自動同期エクセル・紙管理からの脱却

東京都板橋区を拠点に、在宅医療「やまと診療所」・病院運営「おうちにかえろう。病院」・訪問看護「おうちでよかった。訪看」などの事業を展開する医療法人社団 焔(ほむら)。


もともとプリペイド式の法人カードの活用により、従業員の経費立て替えなど現場の負担は軽減されていた一方で、領収書の原本回収や手入力の仕訳など、経理側の負担は残ったままでした。


そこで選ばれたのが、経理業務を効率化する法人カード『freeeカード Unlimited』です。freee会計との連携を軸に経費精算フローを見直したことで、処理時間の短縮やペーパーレス化が進み、業務効率と現場連携の両面でポジティブな変化が生まれました。

今回は医療法人社団 焔のCFOを務める鈴木桂祐氏と、経理部で実務を担当する山下杏里氏にインタビューを実施。導入の決め手や活用方法、そして経理業務を超えた職場環境の改善の取り組みまで、現場のリアルな声とともにお届けします。

導入企業情報

・社名:医療法人社団 焔(ほむら)
・事業内容:訪問診療・病院運営(やまと診療所、おうちでよかった訪問看護・おうちにかえろう病院 等)
・従業員数:約450名
・事業社URL:https://teamblue.jp/

課題

・現場からの領収書回収に時間がかかり、経理業務を圧迫していた
・freee会計に外部サービスから領収書を連携できず、照合作業が二度手間に

効果

・領収書は利用後の回収通知から提出!領収書を直接回収する作業が不要に
・提出された領収書が明細に自動で紐づくため、照合作業を削減
・経理業務に余裕が生まれ、別の社内プロジェクトの推進に注力できた

【導入前の課題】
仕訳の手入力や領収書の原本回収による経理の業務負荷が高まっていた

――『freeeカード Unlimited』導入前、どのように経費精算をしていましたか?

山下さん(以下、山下): 現場の経費の立て替え負担を減らす目的で、はじめはプリペイド式の法人カードを導入していました。必要なときに従業員がカードで決済できることで、経費の立て替え負担を軽減でき、現金の受け渡しが減ったことで管理面でも一定の効果がありました。


しかし、当時使用していたプリペイドカードでは、利用後に明細と領収書を紐付ける機能が備わっていましたが、そのデータをfreee会計に連携することができず…。そのため領収書のデータを一度ダウンロードし、freee会計にアップロードする必要がありました。プリペイドカードの画面と、freee会計の画面の2つを並べて、金額・日付・内容を1件ずつ見比べながら処理を行っていたんです。その作業が月に100件ほどありました。


――領収書の提出や管理についてはいかがでしたか?

山下: 当時は領収書の原本を回収する必要がありましたが、申請が上がってきたものに領収書の提出がないケースも多く、こちらから都度提出のリマインドする業務も発生していましたね。


それでも提出がなければ、経理担当者が現場まで領収書を回収しに行っていました。ただ現場によっては夜勤のスタッフも多く、訪問しても不在だったり、渡すタイミングが合わなかったりと、結果的に別日に再訪するケースも少なくありませんでした。


――そこから『freeeカード Unlimited』の導入に至った背景を教えてください。

鈴木さん(以下、鈴木): 前提として、「この先、組織がどれだけ大きくなっても耐えられる仕組みを今のうちに作ろう」と考えていました。


私たちは現在、3名体制で約450名分の経理業務を担当していますが、将来的にはスタッフ数が1,000人を超える可能性もあります。現状のように人力に頼った体制では、いずれ限界を迎えることは明らかです。


業務フロー全体の見直しを進めるなかで『freeeカード Unlimited』を導入する決め手となったのは、freee会計とのシームレスな連携が可能だったことです。もともと焔ではfreee人事労務およびfreee会計を利用していたため、クレジットカードも同一サービス上で運用できることにメリットを感じました。


カードの利用明細や提出された領収書がそのままfreee会計に連携され、これまで経理が担っていた手入力や確認作業の多くが自動化される。この「一連の流れがつながる」ことは、今後組織が拡大した際の業務設計を踏まえても理にかなっていると判断しました。


【導入後の効果】
『freeeカード Unlimited』で経費精算のスピードと正確性が向上した

――『freeeカード Unlimited』を導入してから、どのように活用されていますか?

山下: 実店舗、オンラインどちらも決済可能な「リアルカード(プラスティックカード)」については、各事業の責任者に配布しています。大体11枚くらいでしょうか。買い出しや部署内の懇親会など、現場での経費精算が多いポジションの人をメインに活用していますね。


オンライン決済専用の「バーチャルカード」は、本部チームや各拠点への配布がメインで、広告出稿やネットでの備品購入などに活用しています。例えば、郵便局のオンラインショップで切手を購入するケースが多いですね。現在は7枚ほど発行しており、拠点責任者や本部の従業員など、必要な人に都度カードを発行して使っています。


――『freeeカード Unlimited』を導入したことで、具体的に業務のどのような部分が改善されましたか?

山下: freee会計と連携していることでカード明細が自動で取り込まれ、会計処理のスピードが圧倒的に速くなりました。


あらかじめ設定しておいた仕訳ルールに基づいて処理を自動化できるため、内容を確認し、問題がなければボタンひとつで処理が完了します。毎月の経費精算の処理時間については、これまでは3日かかっていましたが、現在は半日もかからずに対応できています。


また、クレジットカードを使用するたび連携されるので、ラグがなく、すきま時間で処理できるようになった点も非常に助かっています。


鈴木: 領収書の提出もスムーズになりました。『freeeカード Unlimited』なら、カードの利用直後に「領収書を提出してください」という通知が自動で届きます。利用者にその場でスマートフォンから領収書を撮影・提出を促せるため、全体の提出のタイミングも早くなり、経理側の確認作業も進めやすくなりました。


領収書を現場までもらいにいく「回収ツアー」がなくなり、余白の時間で社内プロジェクトの推進に注力できた

――『freeeカード Unlimited』の導入前後で、「これは大きく変わった」と感じたエピソードを教えてください。

山下: 領収書の原本を回収する「回収ツアー」がなくなったことが、大きな変化のひとつですね。


以前は、未提出の領収書があると、経理担当者が各拠点をまわって原本を回収していました。社内ではこの作業を「回収ツアー」と呼んでいて、月初には午前中の時間を使って、自転車で複数の拠点を巡ることもあったんです。


拠点ごとに担当スタッフが異なり、「誰が持っているのか分からない」「今日は不在」といった状況も重なって、一度で回収が完了せず、別の日に出直すことも少なくありませんでした。当時は領収書の原本を集めるだけでも、相当な労力がかかっていたと感じています。


『freeeカード Unlimited』に変わってからは、現場に足を運んで回収する必要がなくなったため、承認フロー全体もスムーズになり、経理業務の効率化に大きく貢献してくれていると感じています。


――『freeeカード Unlimited』の導入により業務の効率化が図れたことで、新たに取り組めるようになったことはありますか?

鈴木: 結果的に会計業務だけでなく、その他の日常業務の効率も上がり、経理部として社内プロジェクトに関わる余白が生まれました。その時間を使って新たに始めたことのひとつが、社内にコンビニを作るプロジェクトです。


山下: 本部オフィスの近くにはコンビニや飲食店などがないので、昼食の購入にも時間がかかり、スタッフにとっては負担だったと思います。そこで、カップ麺やお菓子、飲み物などを気軽に購入できるスペースを社内に設け、休憩時間を有効に使える環境を整えようと、プロジェクトを立ち上げました。


実は、このプロジェクトには以前から関わっていたのですが、『freeeカード Unlimited』を導入して業務に余裕が生まれたことで、本格的に推進する時間の確保ができました。ようやく実現につなげられて非常にうれしいです。


『freeeカード Unlimited』の導入は、単なる業務の効率化にとどまらず、時間的な余白を生み出し、結果的に経理業務以外の価値創出にもつながりました。


【今後の展望】
freeeは「その人らしく働ける環境」をつくるパートナー

――今後の展望と、『freeeカード Unlimited』への期待を教えてください。

鈴木: 当法人では今後、在宅医療や病院運営のさらなる拡大に向けて、現場と経理がよりスムーズに連携できる体制を整えていきたいと考えています。


事業成長に伴い、ますます重要になってくるのは、現在の経理3名、労務2名という限られたバックオフィス体制を維持しながらも、より効率よく、より柔軟に働ける仕組みを整えていくこと。


そのなかで、『freeeカード Unlimited』はただの業務ツールでなく、業務の効率化によって生まれた時間を本来注力すべき業務や組織づくりに時間を充てられる環境を支える基盤となっています。私たちが目指す「その人らしく働ける環境づくり」を実現するうえで、欠かせない存在です。


これからも、私たちの働き方を支えるパートナーとして頼りにしています。


『freeeカード Unlimited』で
経理業務を効率化!

医療法人社団 焔(ほむら)