2010年の創業以来、新卒採用プラットフォーム「外資就活ドットコム」や、グローバル展開を目指している匿名質問箱サービス「mond(もんど)」など各種プラットフォーム運営事業に取り組む、株式会社ハウテレビジョン。
今回インタビューに応えてくださった清水さんは、取締役CFO(最高財務責任者)兼 コーポレート本部長として管理面から会社を支えています。正社員と契約社員80人、インターン生100人の計180人の社員に対し、バックオフィス(財務経理・人事)は清水さんを入れて4人。実は社員数が約40人の頃から、バックオフィスの人数はほぼ変わっていません。
これまで膨大な業務量に少数精鋭で取り組んできましたが、freee製品の複数導入で大きな変化があったそう。導入前の課題と、導入後の変化についてお伺いしました。
導入時の課題
・経費精算でレシートを専用の用紙に貼り付け、上長の印鑑をもらうなど、書類の仕分けや提出作業が煩雑かつ非効率だった。
・月に10〜20件の雇用契約書作成など、バックオフィス業務が煩雑で、かつ月45時間の残業が常態化していた。
導入の決め手
・freee会計を軸に、他のfreee製品とデータを共有できるため、スムーズな連携が可能。
・月45時間の残業削減を目指し、業務内容を再検討する中で、全体の効率化が期待できると判断された。
導入後の効果
・またfreee人事労務アドバンスプランで最も時間がかかっていた入退社管理が100時間以上削減を実現。
・バックオフィスの残業時間が従来の45時間から約15時間に減少。
・経理中心の業務から脱却し、社員が新商品の業務プロセス検討や海外子会社設立など、より付加価値の高い業務に注力できるように。
・freee支出管理の導入で経費申請や支払申請で生産性 アップ。
・子会社に導入したfreee請求書で月20時間から30時間の短縮が叶った。
freee導入で解決!非効率なバックオフィス業務からの脱却
――freee製品を導入する前はどのような課題を抱えていましたか?
当社は1年超の長期契約のインターン生を含め、学生インターンを積極的に受け入れており、月に10~20人分の雇用契約書を作成します。雇用契約書は別会社のシステムを使っていて電子申請できましたが、勤怠や給与は更に異なる別会社のシステムを導入していて連携がとれていませんでした。そのためシステム毎に同じ内容を何度も手入力する必要があり面倒でした。
また、当時は私の業務の大半が財務経理になってしまっており、本来注力すべき業務に取り組むのが難しくなっていたという側面もあります。
――連携がとれないこと以外に困っていたことはありましたか?
別会社のシステムを入れていても、社員が自ら入力できない内容が多々あり、結果的に紙の書類を出してもらうことが多かったですね。例えば経費はレシートを専用の紙に張り付けて、上長の印鑑をもらってから経理に提出し、経理がシステムに入力する運用でした。手間と時間がかかって煩わしく感じていましたね。
大量の書類を仕分ける作 業も苦痛でしたし、コロナ禍で出社を控えたい中、紙の書類のためだけにオフィスに出勤するのは辛かったです。
――freee製品を導入したきっかけを教えてください。
一番先に変えたのは会計システムです。当時使っていた伝統的な会計システムは、部門と摘要のみで分析機能もなく不便でした。
そんな中、いまから3年ほど前ですが、バックオフィスの月45時間残業を改善するため、業務内容の見直しに着手しました。そこで監査法人が同じ上場企業での幅広い導入実績もあり、安心感のあったfreee会計の導入を決めました。またAPI連携で他社のソフトとも連携できる拡張性・将来性も魅力でした。
バックオフィス改革の軌跡と未来展望
――複数のfreee製品を導入されていますが、どの順番に導入されましたか?
当社はfreee会計の導入以降、freee支出管理、freee請求書、freee人事労務の順番で導入しています。freee会計を導入したことで、マスターデータをfreee製品に持たせて、そこから各業務にデータ連携する方針でした。そこでfreee支出管理やfreee請求書を導入したところ、人事からもfreee製品を使いたいとの要望が上がり、freee人事労務の導入に至りました。
――導入後の業務効率アップについて教えてください。
人事システム統合の際に検討を重ねた結果、freee人事労務を選んで大正解でした。バックオフィスでは、1日に何通も雇用契約書や給与改定など労務文書が飛び交います。システムがな い状態だと月100時間以上かかる業務が、月40時間に短縮されました。
またアドバンスプランの「身上変更」機能で、最も時間がかかっていた入退社の管理で100時間以上の業務時間を削減できました。
あとはfreee支出管理も業務フロー改善に効果的でしたね。紙にレシートを張って提出する運用がなくなりました!このおかげで月100時間以上の削減になったと感じています。
当社は、請求書作成をfreee請求書に移行できていませんが、子会社で別システムからfreee請求書に移し替えたところ、月20~30時間の短縮になりました。今後、当社への導入にも期待がかかっています。
――業務効率がアップしたからこそ、できるようになったことはありますか?
まずバックオフィスの残業時間が15時間程度に短縮できました。また日常の取引を、摘要ではなくタグを利用し細かい粒度で管理できるようになったので、管理精度が大幅に向上しました。加えて、稟議と紐づいた会計管理ができるようになり、予実管理や事業計画作成の精度向上に生かせるようになりましたね。
日常経理にかかりきりだった社員も、新しい商品の業務プロセス考案や、海外における子会社設立の検討など、より付加価値の高い業務にリソースを割けるようになりました。
――現状での業務に対するシステム利用範囲はどのような状況でしょうか?
会計業務はfreee会計、人事労務はfreee人事労務など、多くの業務範囲でシステム化ができています。しかし見積書や請求書の発行は、一 部の子会社のみでシステム化していて、まだ当社では実現できていません。子会社側で業務効率は上がっていますが、より高度な営業の業務内容にシステムが追い付いていないとも感じています。
――最後に今後の展望と、この先freeeに期待することを教えてください。
これから私たちは海外展開へ向けて事業を拡大していきます。そんなときfreeeは顧客からの要望の反映スピードが速く、システムそのものの柔軟性が高いので、国内展開では出てこなかった要望も伝えやすいと感じています。
例えばfreee製品が英語表記で利用できたり、海外のタイムゾーンに設定できると便利ですね。これは私たちが導入を検討した製品にはない機能なので、ぜひ先駆けて実装されることを願っています。
掲載日:2025年3月31日