GMOペイメントゲートウェイ(https://www.gmo-pg.com/)は、事業者向けに総合的な決済関連サービスを展開する国内最大級の決済代行会社です。オンラインショップに不可欠なクレジットカード決済やコンビニ決済など、多様な決済手段をまとめて導入できる利便性を提供しています。その堅牢なシステムと豊富な実績により、多くの事業者からビジネスの根幹を支えるパートナーとして厚い信頼を寄せられています。
同社は事業拡大に伴い、SaaSのアカウント管理の煩雑化、部署/会社を超えたメンバー管理に課題を抱えていました。
同社でBundle by freeeの導入を進められたシステム本部 ITサービス統括部 コーポレートIT部 IT運用グループ(2025年6月時点)の金丸 恵美さんに導入の背景や効果について伺いました。
課題
・アカウントの棚卸し作業が手動で行われており、情報収集に時間がかかり、全体で約1ヶ月を要する煩雑な業務だった。
・会社の成長に連れ、社員の入れ替えに伴うSaaSアカウントの作成・削除漏れによるセキュリティリスクが高まっていた。
・人事担当とアカウント管理者、グループ会社間の情報連携が表計算ソフトや台帳によるアナログな方法であり、管理工数がかかっていた。
効果
・アカウントの作成・削除の事前予約が可能となり、自動化されたことで、手動での工数が削減され、ヒューマンエラーが減少した。特に、アカウント削除は時間短縮と確実性を実現しました。
・人事情報とアカウント管理の連携がシステム化され、表計算ソフト経由での情報連携が不要となり、人事側とアカウント管理側双方の工数削減に繋がった。
・グループ会社のアカウント管理も一元化される一方で、会社間の情報閲覧制限をかけることで、一元管理と権限分離の両立が可能になった。
業務内容について
ITサービス統括部 コーポレートIT部 IT運用グループはいわゆる「コーポレートIT 」や「社内IT」と呼ばれる部門です。社内のパートナー(従業員)/協力会社の方々などを顧客と見立て、普段の問い合わせ対応や入退職などに伴うアカウント管理などをメインで担当しています。また、パートナーが快適に働けるようPCなどの業務環境を整える役割も担っています。
IT運用グループは私も含めて5名体制で、約1,000名のパートナーのアカウントやデバイスの管理・運用を行っています。
業務上の課題と導入背景 -アナログ運用で一ヶ月かかっていたアカウント棚卸し-
SaaS管理システムを導入した背景にはまず、この数年で社内利用するSaaSが急激に増加したことがあります。私たちが管理しているもの以外に、現場が独自に導入するものも増えてきたため、管理が行き届きづらい面が課題として現れ始めていました。これをシステム上で可視化して管理したい、というのが一つ目の大きな課題でした。
二つ目は、アカウントの棚卸しです。四半期に一度、定期的に実施しているのですが、各システムの担当者からアカウントのリストをもらい、それを一覧化して、実際の利用者に「要・不要」を確認するという、非常にアナログな方法をとっていました。こうした作業をデジタル化し、工数を削減したいという思いがありました。
棚卸しは情報収集に1-2週間、その後のデータ整理、利用者へのヒアリング、そして不要アカウントの削除まで含めると、1ヶ月ほどかかっていたのではないかと思います。
三つ目は、会社の急成長に伴う人の入れ替えの増加です。手作業でのアカウント発行・削除における対応漏れのリスクがどうしても高まってきていました。特に新卒社員が入社する4月や、当社の期替わりの10月は人数が多く大変でした。それ以外にも、中途入社の方が月に2回入社されるタイミングがあり、コンスタントに対応が発生するため、毎月一定の工数がかかっている状態でした。
そして最後、これが一番大きかったかもしれませんが、人事担当と私たちアカウント管理者の間の情報連携がアナログだった点です。人事担当が、私たちに連携するためだけに表計算ソフトの台帳へ入社者の情報を書き出し、そのファイルをもとに私たちがアカウント管理作業をするという手間が発生していました。特にグループ会社の人事情報は、当社の人事担当がメールで情報をもらって取りまとめる、というさらに手のかかる状態でした。
システムを導入することで、各社の人事担当者が直接システムに情報を登録し、私たちはその情報を直接取りに行けるようになれば、関係者全員の工数を大幅に削減できるのではないか、と考えたのが導入を検討した大きな理由です。
Bundle by freeeの決め手 -UI・サポート体制・グループ会社管理機能-
システムは3社を検討し、2社でトライアルを実施しました。
もちろん費用面も重視しました が、それ以外での決め手は「管理画面の見やすさ」と「サポート体制」、そして「グループ会社管理機能」が大きかったです。
実際にトライアルで検証したのはBundle by freeeを含めて2製品でした。Bundle by freeeは管理画面のUIが非常にスマートで、画面内の情報量が適切で見やすく、扱いやすいと感じました。その時点で私はすごく気に入っていました。
また、サポート体制も柔軟に対応いただけた点が大きいです。導入前に「この機能をなんとか実装いただけないか」というお願いをした際も、「分かりました」と快く受けていただき、迅速に機能実装をしてくださいました。日頃の細かな問い合わせにも手厚くフォローいただいており、サポート面での安心感は大きいです。
また、重要な決め手が「グループ会社管理」の機能です。グループ会社を含めて複数社の管理を行うにあたり、どうしても会社間で見られてはいけない情報があるので、適切に制限をかけることは必須の要件でした。厳しい要件でしたが、Bundle by freeeでは応えてくださったので、それが非常に大きな決め手になりました。この機能のおかげで、グループ会社ごとに情報の閲覧制限をかけ、情報の一元管理と権限分離の両立が可能になりました。
Bundle by freeeの導入効果
まず、人の入れ替え伴うアカウントの発行・削除を自動化、「予約」できるようになった点が非常に助かっています。事前に設定しておけるので、タイミングを都度気にする必要がなくなりました。入社日まで数日 の猶予があっても、先にできることは終わらせておきたいですから。入社日当日はPCのセットアップなど受け入れ対応で忙しいので、事前に作業を済ませられるのは助かります。
そして人事担当との情報連携が表計算ソフト経由でなくなったことが非常に大きいです。当時はデータの破損や修正ミスもありましたし、人事側もわざわざ別でメッセージを送る、といった手作業が発生していました。
Bundle by freeeに直接データを登録してもらう形になり、APIも活用することで通知やアカウント発行に必要なファイル整形などが可能となり、一部作業を自動化でき、手作業による手戻りを減らせたことも大きな成果です。
そして何より、これまで中々進まなかった「棚卸しのデジタル化」といったテーマについて、ようやく本格的に議論できる「土台」ができたことが、会社としての大きな進歩だと思っています。
今後の要望とSaaS管理ツールを検討中の他社へのアドバイス
今はまだ私たちコーポレートITの身近なSaaS管理が中心なので、これを会社全体に広げていきたいです。また、自動化(オートメーション)機能をさらに活用して手作業を減らしたり、棚卸し業務の工数を本格的に削減することに、少しずつ取り組んでいきたいです。
SaaS管理ツールの選定では、「自社がどこに一番重きを置くか」を明確にすることが大事だと思います。当社の場合は、SaaS管理そのものよりも、まず「メンバー情報の管理をシステム化したい」という思いが非常に強かったです。人事システムは導入されていますが、私たちIT部門が自由に触れるわけではありません。それとは別に、IT部門が主体となってメンバー情報を管理し、それをアカウント管理に直結させられるBundle by freeeのようなツールは、大変ありがたい存在です。
「自社がどこに一番重きを置くか」を明確にした上で、自分たちのやりたいことに必要な機能が備わっているかを見極めることが重要です。また、今回実感したのは、こちらの要望に耳を傾けるだけでなく、一緒になって考えてくれるような、対話ができるサービスを選ぶことも非常に大切だということです。
今はまだ私たちコーポレートITの身近なSaaS管理が中心なので、これを会社全体に広げていきたいです。また、自動化(オートメーション)機能をさらに活用して手作業を減らしたり、棚卸し業務の工数を本格的に削減することに、少しずつ取り組んでいきたいです。
SaaS管理ツールの選定では、「自社がどこに一番重きを置くか」を明確にすることが大事だと思います。当社の場合は、SaaS管理そのものよりも、まず「メンバー情報の管理をシステム化したい」という思いが非常に強かったです。人事システムは導入されていますが、私たちIT部門が自由に触れるわけではありません。それとは別に、IT部門が主体となってメンバー情報を管理し、それをアカウント管理に直結させられるBundle by freeeのようなツールは、大変ありがたい存在です。
「自社がどこに一番重きを置くか」を明確にした上で、自分たちのやりたいことに必要な機能が備わっているかを見極めることが重要です。また、今回実感したのは、こちらの要望に耳を傾けるだけでなく、一緒になって考えてくれるような、対話ができるサービスを選ぶことも非常に大切だということです。