「社内の資料がどこにあるかわからない」「最新版のファイルが見つからない」などの課題を解決する手段として活用されているのが、SharePointです。
SharePointは、社内のファイルや情報を一元管理し、効率的に共有・活用できる仕組みを提供します。
本記事では、SharePointの基本的な仕組みや主な機能、メリット、導入方法まで解説します。これから導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- SharePointとは
- SharePoint・OneDrive・Teamsの違い
- SharePointとOneDriveの違い
- SharePointとTeamsの違い
- SharePointの主な機能と活用シーン
- 社内ポータルの構築
- ドキュメント管理
- 共同編集と履歴管理
- 台帳管理
- 承認・申請ワークフローの自動化
- Microsoft Officeとの連携が可能
- SharePointを活用するメリット
- 1.検索機能で資料を探す時間を削減できる
- 2.共有リンクと権限で安全に共同編集できる
- 3.Word・Excel・Teamsなどとシームレスに連携できる
- 4.テレワークに対応できる
- SharePointの料金プラン
- SharePointの導入方法
- SharePointの導入から定着までのステップ
- 1.現状を棚卸しする
- 2.サイト設計をする
- 3.一部の部署で試験導入する
- 4.使い方を共有してFAQを整える
- 5.導入効果を確認する
- まとめ
- よくある質問
SharePointとは
SharePointとは、ファイルや情報を組織内で「保存・整理・共有」できるサービスです。
会社全体で共有すべきルールや最終版の書類を一元管理できる、デジタル上の「巨大な書庫」「掲示板」の役割を担います。個人のメモを置く場所ではなく、組織としての秩序を保つための公的なスペースである点が特徴です。
Microsoft 365(旧Office 365)で提供されているサービスであり、企業の情報管理基盤として広く活用されています。
SharePoint・OneDrive・Teamsの違い
SharePoint・OneDrive・Teamsは、いずれも情報共有や業務効率化を支えるツールですが、それぞれ役割や得意な使い方が異なります。
それぞれの違いを正しく理解することで、ツールを適切に使い分けられるようになり、無駄のない効率的な業務環境を構築できるでしょう。
SharePointとOneDriveの違い
OneDriveは、ファイル・写真・ビデオなどを保存できるオンラインストレージサービスです。データを安全に保管できるだけでなく、パソコンやスマートフォンなどさまざまなデバイスからアクセスできます。
一方で、SharePointは組織全体で共有する情報を整理・管理するためのサービスです。OneDriveが「個人のファイル保管場所」であるのに対し、SharePointは「組織の公式な情報を扱う場所」という違いがあります。
SharePointとTeamsの違い
Microsoft Teamsは、進行中の業務を共有する「会議室」のようなツールで、チャットでのコミュニケーションやリアルタイムでの共同編集に強みがあります。
SharePointは、組織全体で共有する情報を整理・管理するためのサービスです。議論の結果として確定したルールや、全社で共有すべき最終版の書類を一元管理する、いわばデジタル上の「巨大な書庫」としての役割を担います。
また、Teamsでのやり取りはプロジェクトメンバーなど限られた範囲で行われるのに対し、SharePointは全社や部門全体といった広い範囲への情報共有に適しています。
SharePointの主な機能と活用シーン
SharePointには、情報の整理・共有・管理を効率化するためのさまざまな機能が備わっています。
社内ポータルの構築やドキュメント管理、共同編集、業務フローのデジタル化など、日常業務を支える機能を適切に使い分けることで、業務効率の向上や属人化の解消につながるでしょう。
社内ポータルの構築
SharePointでは、社内ポータルの構築が可能です。会社のお知らせや社内規定、各種リンクなどをポータルサイト上にまとめて掲載できます。
チームで共有したい情報を一ヶ所に集約することで、複数人に対して効率よく情報を届けられるため、業務の無駄を減らせます。
また、あらかじめ用意されているテンプレートを活用することで、誰でも情報を見やすく整理されたページを作成可能です。
ドキュメント管理
SharePointには、ドキュメントやライブラリを一元管理する機能があります。これにより、資料をチームや部門単位で整理しながら、誰でもアクセスしやすい状態を保てます。
また、ファイル名だけでなく文書の中身まで検索できる機能が備わっているため、必要な資料を素早く見つけられるでしょう。そのため、「どこに保存したかわからない」といった無駄な探し物を減らせます。
共同編集と履歴管理
SharePointは、複数人で同時に1つのファイルを編集できます。同じファイルを複数人がリアルタイムで編集できるため、作業の待ち時間が発生しません。これにより、「誰かが編集中で触れない」といったストレスをなくし、チーム全体で効率よく作業を進められます。
たとえば、会議中に議事録を同時に書き込んだり、企画書をチームで分担して作成したりといった場面で有効です。メールでファイルを送り合う必要もなく、常に最新の状態を共有しながら作業できます。
台帳管理
SharePointは、備品管理や問い合わせ対応、進捗管理などの台帳をチームで共有しながら管理できます。
また、情報を一ヶ所に集約できるため、「誰がどのような状況なのか」「何がどこまで進んでいるのか」をリアルタイムで把握できます。属人化を防ぎながら業務の透明性を高め、チーム全体で効率的に管理できる環境を構築可能です。
承認・申請ワークフローの自動化
SharePointでは、申請から承認までの一連の流れ(ワークフロー)をオンライン上で完結できます。これにより、紙での申請書の提出や押印、担当者への手渡しといった手間のかかる作業を削減可能です。
また、申請内容は関係者に自動で共有されるため、連絡漏れや確認ミスを防ぎながら、スムーズに業務を進められます。
Microsoft Officeとの連携が可能
SharePointは、WordやExcelなど、Microsoft 365で提供されているアプリと連携しており、ファイルの保存や編集をシームレスに行えます。
これらのツールはMicrosoft 365の一部として利用できるため、複数のツールを個別に導入する必要がありません。その結果、管理の手間やコストを抑えながら、効率的な運用を実現できます。
SharePointを活用するメリット
SharePointを導入する前にメリットを理解することで、導入後にどのような効果が得られるのかを具体的にイメージできます。
1.検索機能で資料を探す時間を削減できる
SharePointの検索機能により、資料探しの時間を削減できるのがメリットです。
ファイル名だけでなく、PDFやOffice文書の中身まで検索できる「全文検索機能」にも対応しています。そのため、「内容は覚えているけどファイル名がわからない」といった場合でも、スムーズに資料を探し出せます。
これにより、資料探しに費やしていた無駄な時間を削減し、本来集中すべき業務にリソースを使えるようになるでしょう。
2.共有リンクと権限で安全に共同編集できる
SharePointは、共有リンクと権限管理により、安全に共同編集できる点がメリットです。
アクセスできるユーザーを制限する権限管理を適切に設定することで、情報漏えいのリスクを抑えつつ、安全でスムーズな共同作業を実現できます。
3.Word・Excel・Teamsなどとシームレスに連携できる
SharePointは、WordやExcel、Teamsなど、Microsoftが提供する各種ツールとシームレスに連携できる点がメリットです。
たとえば、Teamsで会議を行いながら、その場でSharePoint上のファイルを共同編集し、完成した議事録をそのまま共有フォルダに保存・管理するといった使い方が可能です。
同じMicrosoft製品同士で連携できるため、個別にツールを導入・管理する手間やコストを抑えながら、効率的に業務を進められます。
4.テレワークに対応できる
SharePointは、インターネット上で利用できるクラウドサービスのため、テレワークなど場所を選ばずに業務を進められます。
また、承認や申請といった業務フローもオンライン上で完結するため、出社せずに業務を進めることが可能です。
SharePointの料金プラン
以下に、SharePointの料金プランをまとめました。
| プラン名 | 料金(税抜) | 含まれるアプリ |
|---|---|---|
| SharePoint(プラン1) | 749円/月 | ・SharePoint ・OneDrive ・Microsoft Lists |
| Microsoft 365 Business Standard | 1,874円/月 | ・Word ・Excel ・PowerPoint ・OneNote ・Microsoft Loop ・Microsoft Clipchamp ・Outlook ・Exchange ・Microsoft Teams ・OneDrive ・SharePoint ・Microsoft エディター |
| Microsoft 365 Business Standard(Teams なし) | 1,392円/月 | ・Word ・Excel ・PowerPoint ・OneNote ・Microsoft Loop ・Microsoft Clipchamp ・Outlook ・Exchange ・OneDrive ・SharePoint ・Microsoft エディター |
※2026年4月7日時点の価格
出典:SharePoint Online のオプションの比較
SharePoint(プラン1)は、SharePoint単体で契約したい場合に適したプランです。ファイル共有やドキュメント管理など、基本的な機能だけをシンプルに利用したい企業に向いています。
Microsoft 365 Business Standardなどのプランは、WordやExcel、Teamsといった複数のアプリをまとめて利用したい場合におすすめです。ツール同士の連携もスムーズになるため、業務全体の効率化につながります。
自社に必要なアプリや業務内容、予算に応じて最適なプランを選びましょう。
SharePointの導入方法
SharePointを導入する手順は、以下のとおりです。
SharePointの導入方法
- Microsoft 365を契約する
- アカウントの管理画面にアクセスする
- 画面左上の「アプリ起動ツール」からSharePointを選択する
以上の手順をふむことで、SharePointの利用を開始できます。
SharePointの導入から定着までのステップ
SharePointを導入・定着させるには、正しい手順で進める必要があります。
以下で解説するステップに沿って進めることで、導入から社内への定着までをスムーズに進められるでしょう。
1.現状を棚卸しする
SharePointを導入する際は、社内に存在する情報の鮮度や公開範囲を整理する「棚卸し」からはじめましょう
そのうえで、既存のファイルサーバーにあるフォルダ構成を確認し、「どの情報が組織として残すべき公式な資産なのか」をひとつずつ分類していきます。
事前に棚卸しを行うことで、情報の散在や重複を防げるだけでなく、ツールの使い分けに迷うこともなくなります。結果として、導入後の運用をスムーズに進める土台を整えられるでしょう。
2.サイト設計をする
次に行うのは、分類した情報をどこに配置するかを決める「サイト設計」です。全社ポータルを起点に、各部門のサイトを紐づける構造を設計し、情報の整理単位を明確にしていきます。
ここで重要なのは、フォルダ階層を深くしすぎないことです。フォルダの階層が深くなるほど情報がどこに何があるのかわかりづらくなり、検索性が低下します。そのため、フォルダで細かく分けるのではなく、情報の属性を示す「メタデータ(タグ)」を活用するのがポイントです。
3.一部の部署で試験導入する
設計が完了したら、一部の部署に限定して小規模に運用を開始しましょう。試験導入の段階で実際の業務に落とし込み、使い勝手や課題を確認しておくことが重要です。
事前に検証を行うことで、全社展開後に「使われないツールになる」といった失敗を防ぎ、確実に成果を出せる運用基盤を整えられます。
4.使い方を共有してFAQを整える
試験導入を実施した後は、使い方を共有してFAQを作成することで、社員が操作に迷わず使える体制を整えましょう。SharePoint内に、よくある質問と回答をまとめたFAQページを用意し、疑問を自己解決できる環境を整備します。
こうした仕組みによって、「使い方がわからない」という不安を解消するだけでなく、社員が自発的に情報を探し、活用できる環境を整えられます。
5.導入効果を確認する
SharePointの導入後は、効果を確認しながら改善につなげることが重要です。運用開始から30日ほどを目安に、どのような成果が出ているかを振り返りましょう。
たとえば、備品管理や情報共有がスムーズになった部署の事例を共有することで、社内全体の活用意欲を高められます。
あわせて、使いにくい点や運用上の課題がないかを確認し、改善が必要な箇所を洗い出すことも大切です。よくある質問をまとめたFAQを整備することで、社員が迷わず活用できる環境づくりにもつながります。
定期的に見直しと改善を行うことで、SharePointを継続的に活用できる状態を維持できます。
まとめ
SharePointは、組織内の情報を「保存・整理・共有」できるツールです。ドキュメント管理や共同編集、台帳管理、ワークフローのデジタル化など、日常業務を支える機能が揃っています。
また、Microsoft 365の各種ツールと連携することで、情報の分散を防ぎながら、効率的に業務を進められるのも特徴です。
まずは自社の課題を明確にし、小さくはじめながら最適な活用方法を見つけていきましょう。
よくある質問
SharePointはどんなことができますか?
SharePointは、主に以下の機能があります。
- 社内ポータルの構築
- ドキュメント管理
- 共同編集と履歴管理
- 台帳管理
- 承認・申請ワークフローの自動化
- Microsoft Officeとの連携が可能
各機能の詳細は「SharePointの主な機能と活用シーン」をご覧ください。
SharePointは無料ですか?
SharePointを利用する際は、契約するプランによって、以下の料金が発生します。
- SharePoint(プラン1):749円/月
- Microsoft 365 Business Standard:1,874円/月
- Microsoft 365 Business Standard(Teams なし):1,392円/月
利用できる機能やアプリが異なるため、自社の業務や予算に適したプランを選びましょう。
詳しくは「SharePointの料金プラン」をご覧ください。
SharePointはどんな企業に向いていますか?
SharePointは、以下の項目にあてはまる企業に向いています。
- 情報の整理・共有・管理を一元化したい企業
- 特定の担当者しか業務内容を把握していない「属人化」に悩んでいる組織
- 申請・承認フローをデジタル化し、業務効率を高めたい企業
- テレワークを推進し、場所にとらわれない働き方を実現したい企業
上記にあてはまる場合は、SharePointを導入することで、情報管理の効率化や業務の標準化を実現できる可能性があります。
まずは小規模な範囲から導入し、自社に合った運用方法を見つけていくことで、より効果的に活用できるでしょう。
参考文献
▶︎ Microsoft「SharePoint とは」
▶︎ Microsoft「OneDrive」
▶︎ Microsoft「AI 搭載の Microsoft Teams を利用して、毎日の生産性を最大化しましょう」
