北海道札幌市で電気・機械の卸を手掛ける清水勧業株式会社。電力会社をはじめとした関連の工事会社などに配電用材料、機械工具や防具・安全具などの販売を行っています。
課題
・請求書発行業務を総務経理担当がいるコーポレート部門に移管するとなると、4人で対応していた業務を1人で対応しなければならない
導入の決め手
・取引先のアカウント作成は不要で、普段利用するメールで簡単に請求書を受領できる
・システムに詳しくなくても簡単に設定・運用できそうだった
導入後の効果
・営業担当による請求書のチェックや確認印が不要になり、営業に集中できるようになった
・請求書の電子化によりコストを削減でき、郵送料値上げの影響を回避できた
営業が請求書発行のため営業に行けず、総務経理は人手が足りない
――コーポレート部門の体制について教えてください。
堀川さん(以下、堀川): コーポレート部門では総務部長の私と、総務経理担当の龍嶋、ほかに企画マーケティング担当がいます。給与計算、総務も含めた全般的なバックオフィスは龍嶋が1名で担当しています。freee請求書のほかにfreee会計を利用していて、販売管理は他社のシステムを利用しています。
――freee請求書の導入前は、請求書発 行をどのように行っていましたか?
堀川: freee請求書の導入前は、請求書の発行はセールス部門で行っていました。発行する請求書は月400件ほどで、そのうち郵送が必要なものが、200件ほどという状況でした。
請求書を発行するタイミングは、締め日の15日・20日・末日の翌日です。まず、請求書の送付が必要かどうかの判別を営業担当が行い、営業事務員が発行し、封入されたものをコーポレート部門でポストに投函する、というのが一連の流れでした。
――セールス部門での請求書発行ではどのような課題がありましたか?
堀川: セールス部門の業務負担が大きいことが課題でした。請求書の発行にかかる時間はトータル月3時間くらいでしたが、請求書を送付するかどうかは、営業担当による判別が必要なために、締め日の翌日は営業が外出できませんでした。どうしても外出するときは、営業事務員が営業に連絡を取りながら進めていたので、余計に時間がかかります。
また、弊社の慣習で、請求書に営業担当が確認印を押す必要がありました。これは、それぞれのお客様でどれだけ売上が上がっているかを意識する意味があります。営業担当が営業に集中できるよう、請求書発行業務をコーポレート部門に移管してはどうかという話は数年前からあったのですが、こうした業務フローのために、それが難しい状態でした。コーポレート部門としても、総務経理担当が龍嶋1人なので、対応が難しいという事情もありました。
そんななかで、確認印 を押す必要はないんじゃないか、売上確認なら販売管理システムを見れば良いんじゃないかという話が出てきて、請求書発行がコーポレート部門に移管される流れになったんですね。ただ、これまで4人で対応していた業務を龍嶋1人でこなすのは無理なので、請求書の電子化を進めることになりました。
「こんなことができたら良いのに」がまさにそのままできるのがfreee請求書だった
――請求書電子化のためのシステムを検討するなかで、freee請求書導入の決め手となったのはどのようなところですか?
堀川: freee請求書の導入を決めるまでには、いくつかのシステムを検討しました。
まず検討したのが、販売管理システムのデータをCSVに落として、それを元に請求書が発行されるというもの。これは、データをCSVに落としてインポートする過程で値が変わるリスクがゼロではないため、データのチェックが必要なのがネックでした。
また別のシステムでは、データをCSVに落とす必要はないものの、お客様に受領用のアカウントを作成してもらう必要があり、これはお客様側のハードルが高く、導入を見送りました。
希望としては、メールで簡単に請求書を送れて、お客様に導入の手間をおかけすることもない形が良いなと思っていまし たが、なかなか希望を満たすシステムが見つかりませんでした。そんなとき、freeeの担当者からfreee請求書のことを教えてもらったんです。
「freee請求書なら販売管理システムから出力する請求書(PDFデータ)をそのまま簡単に送れますよ。取引先もメールで受け取るだけなので手間がありません」ということで、詳しく話を聞いたところ、「これがまさにイメージしていたものだ!」と感じて導入を決めました。
導入後1カ月で約9割の請求書電子化を達成、サポートの案内で設定も簡単
―― freee請求書導入後、請求書の電子化はどの程度進みましたか?
堀川: 導入後1カ月で9割ほどは電子化できました。当初の想定では5〜7割くらい行けば良いほうだと思っていたので、想定以上です。
電子化への切り替えの案内と請求書送付先のメールアドレスの収集は、請求書を送付する際に案内を同封しました。この案内のみで、ほぼすべてのお客様にメールアドレスを教えていただけました。
毎月の請求書送付200件ほどに対し、2025年2月時点で紙の請求書の送付は9件のみです。そのうち7件は初売上なので、今後電子化できる可能性は高いですね。この感じなら、1年で100%も夢じゃないと思っています。
――初期設定でハードルを感じたところは ありますか?
堀川: freeeのサポートの方から言われた通りのことをやるだけだったので、とてもスムーズでした。他のシステムだと、言われた通りにやっても思ったようにならないことがあります。おそらく前提が違って、先方にとって当たり前のことが省略されてしまうんだと思います。ところがこちらはその当たり前を知らないのでつまずく。freeeさんはそういうことがありませんでした。
請求書発行をコーポレート部門で完結することで各部門の負担減、電子化でコスト削減にも
――freee請求書導入後、業務フローはどのように変化しましたか?
堀川: 請求書発行はすべてコーポレート部門で完結するようになりました。都度取引先ごとに営業がチェックしていた請求書を送付するかどうかは、あらかじめ販売管理システムで設定しておいてもらって、請求書が出たものはすべて一括送付する形にしています。
龍嶋さん(以下、龍嶋): 請求書送付前にチェックするのは、取引先名と請求書(PDFデータ)上の宛先が合っているかどうかだけです。請求書発送業務にかかっている時間は、トータルで月1時間もいかないと思います。
堀川: セールス部門では営業に制限がなくなりました。もともと会社の方針として、営業が営業に集中できる環境を作るためのシステム投資を積極的に行っていました。今回のfreee請求書の導入では、コーポレート部門の業務が効率化されるとともに、営業が本気で営業の仕事に注力で きる状況になり、会社全体としても良い状態になったと思います。
――請求書の電子化で、コーポレート部門としてはどのようなメリットを感じますか?
堀川: 請求書の発行から送付までコーポレート部門に一本化したことで、部門をまたいでやり取りをする必要がなくなり、コミュニケーションが効率化されました。また、セールス部門では営業事務をやりながら請求書対応をしていたので、全社的な視点でも、管理の正確性という点で今の体制になって良かったです。
龍嶋: 締め日に追われることがなくなりました。以前は業務が終わってから帰り道に大量の請求書を投函していたので、負担に感じられるところもありました。それがなくなったのも良かったです。
また、会社全体のことになりますが、請求書の郵送料分のコストを削減できました。納品書はまだ紙での郵送が続いているのですが、それも今後freeeで電子化する予定のため、郵送料が値上がりするなかでさらなるコスト削減が実現しそうです。
freee製品のさらなる活用に期待、請求書を電子化してメール送付したい人にぜひ知ってほしい
――freee請求書をはじめとしたfreeeの製品に今後どのようなことを期待されますか?
堀川: まずは自分たちが使いこなせるようになりたいです。また、現在新しい販売管理システムを導入中で、2024年7月以降には移行が完了する見込みです。移行が完了したらfreee会計の活用も進め、決算もfreeeで対応したいと思っています。現在はまだ郵送している納品書の電子化も進めたいです。販売管理システムの移行で請求書の書式も変わりますが、freeeであればすぐに対応できると思います。
――最後に、freee請求書の導入を検討中の事業者の方々にメッセージをお願いします。
堀川: システムに詳しくはないけれど請求書を電子化したい、という人に最適だと思います。
龍嶋さん: 弊社のように販売管理システムが別にあって、そのデータを基に請求書を発行する会社にとって使いやすいシステムだと思います。データをPDFに出力してfreee請求書に入れるだけなので、設定が簡単ですし、チェックにも時間がかかりません。
堀川: 今までいろいろなシステムを使ってきましたが、freee請求書のように「こういうのがあったら良いのに」がそのまま本当にあったというのは初めてですね。弊社がそうだったように、請求書の電子化にあたって、データをPDFで簡単に連携できたらいいのにと考える人は多いのではないでしょうか。そのような方は一度freee請求書を検討されるといいのではと思います。